以下は、文部科学省が行った著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見募集に際してメールにて送付しようとした意見です。
しかし送付先が「unknown」ということで送付できませんでした。

(1)〜(4)個人情報

(5)意見:

著作権法規は本来、文化の振興を支える基盤であるべきです。著作権法には「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」と書かれています。
しかし報道によれば、文化の発展を犠牲にして経済的な視点を重視すべきだ、と発言した一部の行政サイドの役人、議員がおられるとのことであり、嘆かわしいことだと思います。

音楽の著作嫌管理に関する問題について意見致します。現在、日本で行われている著作権管理は、著作権者の利益追求の側に偏り過ぎており、文化の振興に影を落としていると考えています。
現在、JASRACによる著作権使用料の徴収が、JASRACの管理楽曲を利用したかどうかには関係なく、多額の要求をもって行われており、地域文化活動、場合によっては福祉活動をも阻害していると批判を受けています。過去10年間の使用料をいきなり支払えと要求され、廃業に追い込まれるケースがあります。闇雲な著作権管理によって文化活動が阻害されている状況であり、こうしたことが著作者の利益に本当に繋がるのかどうかさえ怪しいと思います。

JASRACは基本的に音楽著作者によって作られた著作者の利益を代表する団体であり、社会全体の文化の振興について配慮して行動することは出来ないだろうと思います。著作権法規が文化の振興を支える基盤であるためには、こうした著作権管理事業者の暴走的行為を、著作権等管理事業法で規制すべきだと考えます。あるいは、著作物利用者側からの意見を著作権管理に関して反映させる仕組みを法規の中で規定すべきだと思います。

第二十三条の2に、利用者代表から使用料規程に関する協議を求められたときは、これに応じなければならないとありますが、現実的にこの項目は機能していないと思われます。
これは利用者代表から協議を求められたケースを想定しており、現在、前述のような問題となっているケースでは、利用者に協議を求める資格自体がないと考えられます。なぜなら、第二十三条の2に(一の利用区分において、利用者の総数に 占めるその直接又は間接の構成員である利用者の数の割合、利用者が支払った使用料の総額に占めるその直接又は間接の構成員が支払った使用料の額の割合その他の事情から当該利用区分における利用者の利益を代表すると認められる団体又は個人をいう。以下この章において同じ。)と定められているからです。

私は、第二十三条の2を「利用者から使用料規程に関する協議を求められたときは、これに応じなければならない」と、改正するべきだと考えます。
同時に、第二十三条の3、4、5、6も、これにあわせて「利用者代表」という言葉を「利用者」に改正します。このように改正することで、管理事業者からの請求が不当と感じた利用者側からの意見を、使用料規程に反映させることが出来ると思われます。
請求が不当であるかどうかは、管理事業者と利用者の協議、さらに24条で規定された文化庁長官の裁定によって決められるようにしてはいかがでしょうか。現状の法規は、わざと利用者側の意見が反映されにくくしているように思えます。