Elekit TU-875/2

そもそも僕自身、このキットをプリアンプとして使うつもりで入手したのではありません。
フォノイコライザー兼録音機セレクターとして入手しました。
フォノイコとセレクターを別に導入するより手軽でしたし。
フォノイコは、これを継なぎとして使い、機会を見て本格的なものを購入するつもりでした。

ところが、これが案外造りがいい。
フォノイコとしても我が家の現状では充分、という気がして使用継続するに至っています。

購入に至るまで

先代プリメインアンプのPMA-2000mk2にはPHONO入力が着いており問題はありませんでした。
しかし、グレードアップで導入したSM-SX100には着いていませんでした。
フォノアンプかフォノイコライザーが必要になりました。

さて、フォノアンプやフォノイコを調べてみましたが、どうもよくわかりません。
数十万円するのとか、みつけましたが、、(汗
うちのテクニクスと組み合わせる気には到底なれません。
しかし、数千円のフォノイコと組み合わせる気にもなれませんでした。

SM-SX100にはアナログ入力は3系統しかありません。
(その代わり、デジタル入力も3系統ありますが、、、)
それどころかREC-IN/OUTもありません(PRE-OUTがありますが、、)。
ほとんど、パワーアンプにボリュームが着いたようなものなのです。
録音機をつなぐには、どうしてもセレクターは必要でした。
AudioFanで数万のフォノイコの情報を教えてもらいつつ、取りあえずTU-875を注文しました。
フォノアンプとして使えなくてもセレクターとして使えるので丸損ではないですから。

製作

TU-875は、1.8kgしかありません。軽い、、、
Powerbookより軽いのですから(Powerbookと比べるなと云わないで下さい)
宅配便で到着した箱を持ったときの印象はこれでした。

開けてみて、、、なに、、なにこれ?なんでこんなに部品が?
TU-875は、笑っちゃうぐらい部品が多いのです。
以下に記載してみます。

↓↓↓

なかなか、すごいです。
ハンダ付けの箇所は、500を超えます。
しかしさらにすごいのは、これが意外にさくさく完成してしまうことです。
というのは、面倒なトランス周りや電源ケーブル、スイッチ周りの配線自体がない。
ほぼ完全に、基盤上のハンダ付けとネジ止めだけでできるようになっている。

ハンダ付けのテクがなくても根気だけあれば半日×2で完成します。
といいますか、むしろ非常にハンダ付けの練習になるというか(w
僕の場合、銀ハンダの扱いがこれでかなり向上しました。

TU-870辺りでしたら、スイッチや端子の周りの配線が大変です。
狭いところで小さな端子に細ーいケーブルをハンダ付けしなくてはならない。
こんな便利な道具があったりしますが、かなりストレスフルな作業です。
空中配線のことなど考えると、ノーサンキュウ、、という気分に僕はなります。。。

そのストレスが全くないというのは、舌を巻くところです。
ただ部品数が多いので、これ終わったぁ、次はどれだ、というのが延々続きますが(w

さて、部品の多さに驚きながら、作業開始です。
これは手間どりそう、選択誤ったか、、と思いました。

銀ハンダで作るというのは決めていました。普通のハンダより時間がかかりそうです。
まずは抵抗から。抵抗は熱に強いから慣れるまで練習しよう、、、
というか、ここにつける抵抗はどこにあるんだ。。。

まずは、部品の整理です。
部品の袋に、ラベルを貼付けます。
この袋にはAΩ、BΩ、CΩの抵抗と、XμF、YμF、ZμFのコンデンサー、という具合。
そうしておかないとわけわかりません。
そういう袋がたしか、、10ぐらいあったかな。記憶が曖昧です。
ちなみに、TU-870や877はこんな前準備しなくても出来ちゃいます。

三つの基盤がありますから、それぞれ抵抗を付けていきます。
最初は1か所つなぐのにもずいぶんかかりましたが、途中からコツを掴みました。
1か所10秒足らずで出来るようになり、あとはすいすい作業が進みました。

・・・・。
というわけで、完成しました。

使ってみる

さて、繋いでみます。
...。
良質なプリアンプというのはどんな音がするんでしょう(ww
プリアンプというものを使うのはこれが初めてです。

TU-875の傾向をCDプレーヤー→アンプ直結と比較してみます。
(CDプレーヤーはVRDS-25Xs、アンプはSM-SX100です)
1)やや情報量が減る。
2)左右のセパレーションにやや難がある。
  定位が甘くなり、音像が膨らむ傾向がある。
3)音につやが乗るが、心地よい感触。
4)高域が甘くなるせいか、中音域の厚みが増す気がする。

という感じです。
先代プリメインアンプをプリとして使って比較してみました。
ライン入力もフォノ入力も、一瞬でTU-875のほうがいいと決着しました。
REC-OUT端子も使ってみましたが、全てにおいてTU-875につないだ方がいいです。
↑これは何でなんだろう。多分、周辺の回路からのノイズの差が出たのかも。
だてにプリアンプじゃないんだな、と思いました。

前述の1)2)ですが、、
普段オーディオに接していない人は気付かないのではと思います。
実際、僕の妹には区別が付かないようです。
3)4)もクールな音と暖かい音との、好みは出るかもしれませんが、微妙です。

期待した以上の音質でしたから、完成以降ずっと使用することになりました。
ソースによってCDプレーヤー直結と切り替えて使っていました。
ソウルやファンクだとこれを通した方が艶が出てよく聴こえることもありました。
全て、過去形ですが、、。

スーパートゥイーターを導入してから状況が変わりました。
超高域のアラが目立ち、これでは残念ながらプリを通さない方がいいです。

03.08.31.追記。というか書き忘れ。
妹にはこれの区別も付かないようです。
これを書いておかないとどの程度の差なのかわからないですね(汗
妹は普段はミニコンポで聴いているので、区別がつかないんじゃないかと思います。

現在は、アナログディスクや録音機を使うときだけ使っています。
いうなれば、入手する前に考えていた使い方に戻った、ということです。

03.09.26.また追記。というかこれも書き忘れ。
現在、再び使いはじめています。
VRDS-25xsからSX100への直結ラインを廃止し、DAC経由とTU875経由の2系統にしました。
スーパートゥイーター導入後、直結ラインのあらが目立ってきたためです。
どうせあらがあるなら875経由のほうがいいか、という感じ。
消極的ですが。

これからのこと

TU-875というのは、値段の割にけっこう素性のいいアンプなんじゃないか、
と思うのですが、問題があるとしたらまずボリュームだと思います。

うちではフォノアンプ兼セレクターとして、SM-SX100につないで使っています。
TU-875のボリュームは270°開けたところで固定です。
これを絞りSM-SX100のボリュームを開けると、音の曇りがはっきりわかります。
逆にTU-870を開けてSM-SX100を絞ると、音がざらつく感じがあります。
ちょっと、音質の変化が大きすぎる気がします。
これを固定抵抗に変えてみようと思っているのですが、、、

ボリュームを270°付近にしたら良好なのは、DACのOdeonLiteもそうです。
音質変化の現れ方が、TU-875ととても似ています。
ボリュームの性能だけが原因と考えていいのか?

案外、ボリュームの位置によるインピーダンスの変化が出ているのかも。
だとしたら、単純に固定抵抗にしても即、音質が良くなるとは限りません。
これは、やってみないと分からないですが。

しかし何れにせよ、TU-875のボリュームはしょぼいので(4万3万のキットですし)
固定抵抗に変えてみたいと考えています。
音量は固定になるので、プリアンプというよりセレクタ付ラインアンプでしょうか。

この際、フォノアンプ出力をラインアンプに通すかどうか、、。
前述しましたが、PHONOを選択するとREC-OUT出力が直フォノアンプの出力になります。
これ用の出力端子を付けてしまうというのも、できそうです。
また、このアンプはフィードバックの量によってゲインを変えることが出来ます。
これを使ったら、数段階の音量調節ができるラインアンプにできるかもしれません。

しかし、もしかして高域のアラが電源部に由来するものだったら、、
(スイッチング電源は昔より進歩しているようですが、嫌う人もまだたくさんいます)
おそらくこの程度の改造では、どうにもならないでしょう。

再び使えるようになるかどうか(w、楽しみです。

2003.01.10. 現在

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