Feb 26, 2007
Winnyの危険性
2月17日、大阪弁護士会館で、シンポジウムが行われていました。
主催は大阪弁護士会 刑事弁護委員会、情報ネットワーク法学会、情報処理学会。
情報処理技術と刑事事件に関する共同シンポジウム「IT技術と刑事事件を考える−Winny事件判決を契機として−」(情報処理学会)
ネットニュースにリンク。
「Winnyは既に必要な技術ではなく、危険性を認識すべき」高木氏講演(internet watch)
とても分かりやすい記事で、高木氏の論調は非常に納得できると思いました。
刑事事件被害者のプライバシー情報など、本当にあってはならない流出事件が繰り返される現状を見るにつけ、流出させないように注意しようって言うかけ声じゃどうにもならないんだな、と思っていました。
人間のすることだからどうしても完璧にはいかない。
じゃあWinny規制なのか。
それが必要だとしても、先立って金子氏に法的な責任を押し付ける必然性があるかのような考え方には違和感を感じる。
危険な人間が作った危険なソフトだから規制とでもいうような流れがあるようで。
そんな気持ちが悪い考え方で進んでいいのか。
高木氏は「作者が幇助罪で処罰されるのはおかしい」という意見とWinny自体の問題は独立して考えるべきだと主張する。
これだけのことで、ずいぶんスッキリする。
聞けば当たり前のことなんだけど、その当たり前が出来ていたと言えるだろうか。
他、気になったとこを引用。
- 高木氏は、当時Winnyについて議論していたコミュニティにおいて、「Winnyは著作権侵害よりもむしろ、名誉毀損やプライバシー侵害にあたるような映像の拡散が止められないといった観点からの懸念がある」と発言しており、他の関係者もこうした認識を持っていたと思うとした。
- Winnyについて「人がいやがるようなことをする輩が現われた時、たとえそれが多くの人が望まないことであっても、それを誰も止められない」ソフトであると説明。
- Winnyについて、現在では他の技術も存在することから「既に必要な技術ではない」と主張する。
- squirtの仕組みでは、著作権者などからファイルの削除要求が来た場合には、それに応じなければ著作権侵害の意図があると見なされてしまうためで、「結局、著作権侵害を続けたいと考えている人が多いということではないか」とした。
- 米国などと日本の状況を比べた場合には、「日本では送信可能化権の整備や刑事処罰などを進めたことで、逆にWinnyのようなソフトが必要とされる結果となってしまい、同時に流出したプライバシー情報の流通も止められなくなってしまった」と指摘した。
- 「Winnyを使わなければ大丈夫」というのも誤りで、Winnyのプロトコルは既に解析されており、ウイルス自身がWinnyプロトコルでファイルを放流するという可能性を考えれば、誰にでもファイルをWinnyに漏洩させられる危険性があるとした。
- 依然として続いているWinnyによる流出やその報道に対しては、「まるでお祭り騒ぎ。見物客は他人事として楽しんでおり、被害者は同情されない」として、こうした状況は危険であると指摘。
- 高木氏は再度注意として、この講演はWinnyネットワークと同種のものがこのまま社会に存在し続けることについての有害性について語っているもので、作者が逮捕された事件とは独立して議論が必要だと説明。Winnyは著作権侵害の目的以外では既に代替手段があり、Winnyがウイルスやワームの流通プラットフォームになってしまっているという現状からは、ウイルス頒布の処罰化が現在検討されているのと同様に、Winnyネットワーク等の稼動(Winnyの使用)の違法化についても検討すべきだと主張。「Winnyネットワーク等」の定義をどうするのかの線引きは難しいとしながらも、検討は必要だと考えるとした。
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