Jun 25, 2017

ハイレゾとアップサンプリング、384kHz周辺をいろいろと聴いてみた(7月2日、追記)

最近はCDリッピング音源をras pi2で24bit/384kHzにアップサンプリングしてi2sDACに出力して聴くことが多い。
情報量が多くなると同時に音色がまろやかで音場空間も広く、192kHzまでのアップサンプリングとは一線を画した音になる。
なぜこんな差が出るのかははっきりしない。
時間軸の情報量を増やすことが正確な再生に必要とは思うのだけど、DACチップの性格なのか、サンプリング周波数自体に意味があるのか。

以前から気になっていたのが、アップサンプリングした音とハイレゾファイルにどの程度の差があるのかということ。

CDリッピングファイルを、TASCAM Hi-Reso Editerで192/24化したファイルとメモリ再生で比較したことがある。このときは192/24化したファイルの方が音がいいという結果だった。その後、じゃあ良質なアップサンプリングを使えばCDリッピングファイルを192/24に近い音で聴けるんじゃないかと気付いて、以降はアップサンプリングして聴いている。
だけど、ハイレゾファイルの音とCD音源をアップサンプリングした音の比較は、できていないままだった。
今回はそれをやってみようということ。

音源に使うのは、以前にも使ったPierre Boulez the Complete Columbia Album Collection CD40、Bartok / The Wooden Prince の一曲目「Introduction」。
44.1/16と192/24のファイルを使う。
比較したのを以下に表にする。なんとなく適当に10段階評価してみた。

44.1/16 5点 
192/24 6点 
44.1/16を192/24にアップサンプリング 7点 
192/24を192/24にリサンプリング 7点 
44.1/16を384/24にアップサンプリング 8点 
192/24を384/24にアップサンプリング 7点(クリップノイズあり)

192/24のファイルはどうも、44.1/16を192/24にアップサンプリングしたのに及ばない感じ。しかも、192/24であってもlibsamplerateでリサンプリングした方がいいような。
ということは、Hi-Reso Editerによるアップサンプリングよりlibsamplerateによるほうがいいんだろうか。そもそもHi-Reso Editerがどのようなアルゴリズムでアップサンプリングしてるのか、よく分からないということがある。
あと、ファイルが大きくなるとアップサンプリングの負担が大きくなるようで、これは扱うデータ量が増えるので当たり前かも。

実は数か月前、mpd+libsamplerateの出力からハイレゾファイルを作ろうとしてHDDを飛ばすという惨事に至ったことがある。OSから再インストールして環境再構築は大変だしデータは無くすしで、それからは怖いのでやってないんだけど。
本当はファイル同士で比較した方がいいんだろうけど、できていない。

そんなこんなで、自作ニセレゾで比較するというのには限界があるのかと感じ始めた。
自分でもそれが適正な品質なのかどうかが分からない。
そこで、NAXOSから「天上のオルガン」と「天使のハープ」を買った。それぞれ300kHz台のハイレゾ音源と44.1/16のファイルが売られている。これなら自作のファイルよりも比較しやすいんじゃないだろうか。

というわけで比較の顛末。
まず、天上のオルガンを買った。
http://item.rakuten.co.jp/naxos/c/0000000941/
NAXOSの解説がこちら。
http://naxos.jp/digital/kogakki-organ

384/32と、44.1/16をlibsamplerateでアップサンプリングしたのを比較。
それが、どうも腑に落ちない。
具体的にはうまく言えないけど、なんだか音が違うような気がして単純に比較できない感じなのだ。音量はわずかに44.1/16のほうが大きい。
どうなってるんだろう?と思っていたら、下記の記事を見つけた。

「天上のオルガン」384kHz/32bitマスターを聴く - Phile-web
http://www.phileweb.com/news/audio/201403/14/14256.html

この記事によると、Pyramix(384kHz/32bit)とSequoia(192kHz/24bit)の2つで録音を行った、とある。もしかしてマスターが違うから音が違うということなのか?と思ったが、この記事内容からははっきりしない。
192kHzと44.1kHzを比べてみるべきかとも考えたけど、出来ていない。

7月2日追記。
192kHzと44.1kHzを聴き比べてみたけど、同じ音源だとして違和感が無い。
それだけをもって44.1kHzのマスターが192kHzで384kHzではないとは言えないとは思うけど、まあ、自分としては、そうじゃないかなということにしておこうと思う。

そこで天使のハープを買った。
http://item.rakuten.co.jp/naxos/nyzc-27266/
http://item.rakuten.co.jp/naxos/nyzc-27268/
NAXOSの解説がこちら。
http://naxos.jp/digital/koggaki-harp

352.8/32と、44.1/16をlibsamplerateでアップサンプリングしたのを比較。
こちらは、何だか違うという感じがない。音量は352.8/32のほうがむしろ大きく聞こえる。
これなら比較しても良さそうかな、と思えた。
結果はというと、44.1のアップサンプリングよりハイレゾ音源の方が繊細で耳あたりがいい鳴り方をする。アンプのボリュームが上がっていきやすい。ある意味、順当な結果になって良かった、という感じ。

2021.03.17. 今更だけど追記。

結果はというと、44.1のアップサンプリングよりハイレゾ音源の方が繊細で耳あたりがいい鳴り方をする。アンプのボリュームが上がっていきやすい。ある意味、順当な結果になって良かった、という感じ。

この文面を読み返すと、アップサンプリングよりハイレゾ音源の方がずっと良かったかのように読み取れる。
実際にはそうではなく僅差だった。通常の音量では差が聴き取れなかったので、大音量にしたら僅かにハイレゾのほうが耳あたりがいい、という感じだった。
当時の気持ちとしては、差がほとんどないという文言は書きにくく、上記のような文言になった。
訂正というのか、説明を書き加えておくことにする。

実際のところ、こんなので比較が出来たことになるのかな?という気持ちはあるんだけど、高音質マスターからのダウンサンプリングでファイルを作るというのは色々大変なのかもしれないというのはあって、違うんじゃないのかとかあんまり厳しいことは言っても詮ない話じゃないかという考えを最近は持っている。
だから、この辺で良しとしようと思う。

ここまで比較は、moode audio3.1 + i2sDAC によるもの。
現在、moode audioはバージョンアップして10ドル必要になっている。他にmpdでi2sから384kHz出力出来るようなRas pi用のディストリビューションはない。usbなら簡単に出せるのだけど。

そこで、usb出力での384kHzも試してみようかと思うようになった。
usb DACが要る。4千円のi2sDACと比較するんだから、あんまり高価なのはどうも、と思って下記の機種にした。

http://ifi-audio.jp/nanoidsdle.html
ifi nano iDSD LE、戦略価格モデルだそうだ。シンプルなusb DACで384kHzを受けることが出来る。
これとi2sDACを比較してみる。

音源は、44.1/16をlibsamplerateで384/24にアップサンプリングする。
デジタルトラポを何にするか。
もう手軽なのでいいやと思ってpiCore7にした。
piCoreはバージョンアップされててpiCore9がリリースされているんだけど、こっちには現時点ではtczにmpdもdoxygenも用意されていないので、手軽にmpdサーバ用途で使えるpiCoreは7だけだ。

これにiDSD LEをusbケーブルでつなぐ。
最初はまともに音が出なくて、ああ、これも駄目かと思ったが、数日後には普通に音が出るようになっていた。
どうも充電が出来てなかったからじゃないかと思う。

音の比較。 まずpiCore7にNASをマウントした場合。
僕などは過去の経験のせいで、これで普通に音が出るだけでも感心してしまうのだけど、不具合なく、そこそこ聴ける音が出る。
しかし音質はi2sDACのほうがいい。
Ras Piではusb出力が不利な上に、i2s出力自体の優位性があるのだろう。

次にpiCore7でメモリ再生する。NASはアンマウント。
これであっさりi2sDACの音を越える。
i2cDACでは僅かに再生音に滲みがあるが、iDSD LEの音にはそれがない。透明感が高く静謐で、音楽への命の宿り方が違うとまで感じる音がする。

やっぱりRas Piでusbならメモリ再生じゃないといけないんだな、とか思ったりしたけど、どうもこれがfireface UCX、メモリ再生で192kHzの音も越えているっぽい。少なくとも同等以上だと思う。
ここらは突っ込んで比較試聴を繰り返したわけじゃないし、比較するならするでいろんなファクターがあるので注意しないといけないとも思うので、はっきりとは言えない部分がある。

7月26日、追記。
少なくとも同等以上、とか書いたが「以上」ではないみたいだ。よくよく聴き比べないと判断が難しい。

しかし、こうなってくるとi2s出力を使いやすいからという理由でras piにこだわる理由がなくなってくる。
他のハードならもう少しましなのか?
いや、それでもメモリ再生が優位というのは変わらないだろうし、どうしようかなあ、というところだ。

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