Nov 28, 2019

コンデンサーと抵抗による仮想アース

電流と電圧のイメージ。

電流は、電子の流れ。電子の海の中を流れる電子が電流。
直流は津波。抵抗に当たると、押し流す。
交流は波打ち際で見なれた波。電圧の上下でゆれる。抵抗に当たると波しぶきを上げて砕ける。スピーカーという抵抗はそれを音に変える。

電圧が伝わる速さは、電子の波自体よりも早い。
津波にせよ、普通の波にせよ、水自体が動くよりも早く波の圧力は伝わっていく。
水の中を波の圧力が伝わるのに比べたら、電子の海の中を電圧が伝わるのは比較にならないほど速い。光速で伝わるといわれるが、本当だろうか。

GNDのイメージは、電圧の凪。

音楽の微小電圧信号は、アンプで増幅され大きな波となり瞬時にスピーカーに届く。
スピーカーにぶつかった交流電圧の波は砕けて音となり、あとは凪となる。
そこがGND。
でも、よく見たら凪にも僅かな波立ちが見られる。あちこちから流れ込んだノイズ、スピーカー振動の余波。
コンポでは、いろんな素子が働いていて、波を先に送るのと同時にノイズが吐き出される。それを受け止めているのがGNDの海。
見た目は広くないけど、電位を一定に保つ力が、、、たぶん、直流電源から与えられている。

コンポには、ウォーミングアップで音が変わるという現象がある。
素子のひとつひとつが温まるのにつれて素性が変わることに加えて、GNDには電圧変動の漣が満ちていく。
コンポのGNDは電気的な閉鎖空間であり、所謂「アース」とは繋がっていない(つなぐことも出来るけど、継いだ先が穏やかな凪とは限らない。好条件でなければ、単に他所からの波が入ってくる新たな閉鎖空間に繋がったというに過ぎない、ということもあるだろう)。

コンポのGNDに、漣は逃げられずに溜まっていく。
ついには、漣はあまりにも重なりすぎて、凪とほとんど見分けがつかなくなる。
つまり、ノイズの海の中では、新たなノイズは目立たない。これが、ぼくのイメージするGNDのウォーミングアップ。

GNDの漣が目立たなくなったら、たぶんスピーカーの音はこなれてくる。
でも、プリアンプが扱うような微小電圧信号に気付かないレベルで影響を与える。それはアンプで増幅され、気付かないうちに音を汚す。
GNDは、穏やかな凪であるに越したことはないのだ。最近、GNDの電位変動を抑える電子機器が売られている。たぶん、効果はあるのだろう。
メモとして記事のアドレス記載。
ノイズ対策に“革命”をもたらしたアクティブアースの新モデル!テロス「QNR Mini 3.1/QNR 3.1」レビュー
https://www.phileweb.com/review/article/201807/27/3126.html

こういうイメージを考えたのは理由がある。

コンデンサと抵抗で、オカルトまがい?の仮想アースを、うちの1bitアンプに実装してみた。
いきなり、もう外せないレベルで音が変わる。
冗談じゃないよ。
人に見せられないものがまた増えた(とか言って、ここに書くわけだが、、、)。

部品箱の中で10年以上死蔵していたフィルムコンデンサと抵抗(ともにオーディオ用ではない)を、並列に継いで、片方をアンプのRCA端子のGNDに継ぐ。もう片方、あいている方には何も継がない。だから仮想アース。
こんな感じで。なんてシンプルな図だろう。

配線図

コンデンサが小さすぎると効果が感じられない。1、0.33、0.027μFを試したが、1μFに固定。
抵抗は5、100、2kΩを試す。抵抗値が小さいと、なんだか音が派手になり荒れる。2kΩに固定。
巻き線抵抗とコンクリ抵抗(訂正。なんでコンクリ抵抗とかいうかな、、、)セメント抵抗の比較だと、巻き線のほうが有機的。コンクリはコンクリート風味セメントはセメント風味の音がする。しかし、どちらの種類を使うにせよ、音色に深みが増して色彩感豊かに歌うようになった。以前より木目細かくなったように聴こえるんだけど、以前から感じていたような、空々しさ(聴覚の不気味の壁じゃないかと以前のエントリーに上げたことがある)が霧散している。 アナログディスクの音色のような感触がある。まさか、GNDを継いだ音なのかな。

ちょっと信じられない気持ちだったが、女房も、たしかに音が良くなった、という。
僕よりも確かな評価だと思う。

一応の完成形、こんな感じ。
アンプの入力端子に刺している。
DACにも刺してみたけど、ちょい聴きアンプのほうが効果がある。
これからエージングでどう変化するかを確認しないといけない。

CR仮想アース
接続端子

コンデンサと抵抗がGNDのノイズを処理したのだろうと思うが、何がどう作用しているのかは全く説明できない。だから、アンテナとして機能していて変な付帯音を付けてる可能性があるのではないかとか、指摘とかされたら否定しきれないが、実際の音は、そうは思えない。

なんというか、スーパーツイーターのチャージカップルドネットワークを作るためにコンデンサをいじり始めた頃から、コンデンサには電位変動を吸収する力があると僕は「信じて」いるのだ。今回の装置、構想自体は10年以上前からあるが、どうせ効かないだろうし、もし効いたとしても説明できないし何だというんだ、とか思って放置していた。
実際に作って試してみたのは初めてで、これだけ効くのならエントリーにしておこうと思った。気が変わったということだ。

仮想アースは他にもいろんな作り方がネット上にアップされている。
これだけ違うのなら、他の方法だとどうなるのかも試してみたいという気持ちもあるんだけど、今回のは積み残していた宿題だったのでやった。他の方法を試すのは、もっと先になるだろう。
あと、アンプによって効果が違う可能性があると思っている。考えてみたら、うちのアンプはシャープの1bitで、ちょっと特殊だ。うち以外の環境でどの程度の効果があるか分からないし、効果が得られる抵抗、コンデンサーの数値が違う可能性もある。

最初に書いた、電流のイメージだけど、電子の流れは電流の逆なんだね。
つまり、GNDは電子の供給源というイメージがある。
しかしスピーカーは交流で動くので、実は電子の供給は要らない。
アンプで電圧を増幅する段で、どこからどんな風に電子が流れるのかな、とか思う。思うだけで、ちゃんと勉強して考察する余裕はないのだけど。

2021.04.15. 追記。
このエントリーをアップした後、あれこれと試みたんだけど、結局はアンプからは仮想アースは外している。副作用のほうが大きくなったのだ。

現在は、コンデンサーや抵抗は使わず、銅板をPCトランスポートに使用している。
コンデンサー等が効果がないのかどうかは十分な確認はしていない。変数が多すぎると効果の判断も難しくて、単純なやり方になっていった。
PCトラポへの仮想アースも、注意しないと副作用がある。

これらの経緯は他のエントリーで書いている。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi?-tags=GND

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