Jan 07, 2020

コンデンサーと抵抗と銅板による仮想アース(1月23日、26日、2月10日、16日、22日、27日、3月1日、8日追記)

うちでは昨年から銅板を重ねて仮想アースにしている。

過去のエントリー
コンデンサーと抵抗による仮想アース
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191128a.htm
コンデンサーと抵抗による仮想アースと銅板(追記あり)
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191221a.htm

銅板仮想アースの体裁は以前のエントリーに上げたとおり。銅板を重ねてラップで包み、太めの輪ゴムを4本巻いた。3mm厚と0.8mm厚の2枚巻きが2つと、3mm厚、2mm厚、1mm厚の3枚巻きが1つ。合わせて3セットという構成だ。端にドリルで穴を開けてラグ端子を留められるようにした。3Mのナイロンねじでつなぐ。
銅の総量は、(3×3+2+1+0.8×2)×100×365=496400、といいうことで、500立方cmに少し足りない。
気が付いたら1万5千円程投資しているので、今更だけどコストパフォーマンスは良くない。

CRを使ったアースフィルターも併用しているのだけど、これについては何をどうしたら良いのかまだ様子を見ている。
ないよりはあるほうが、なんというか、何かがキマるような気がする。

使用箇所は、SM-SX100のライン出力端子、デジタル入力端子、ADI-2 DACのRCA出力端子、4425mk2のマイナス端子、と試していった。
今までのところ、SM-SX100の端子が一番良好な効果が得られるようだ。
スピーカー、DACはどうも音が良くなったという感じがしなかった。スピーカーは使う電力や電位変動に比して仮想アースが小さすぎるのかもしれない。DACは電源アダプター端子にノイズフィルターを噛ませているので仮想アースのGNDへの効果が少ないのかもしれない。
そんなわけで、前述の3セットを全て、SM-SX100のライン出力端子のGNDにCRフィルターを介して直列につないだ。
つなぎ方による音の差異までは確認していないが、1つより3つのほうが強く効いている。

セッティングについて。
銅板の仮想アースは振動に敏感だ。現在は床にインシュレーターを介して直置きにしている。ラックの棚に乗せてみたことがあったのだけど、音が篭った。床のほうが良かった。インシュレーターは現在はリプラスの水晶を使っている。昔、VRDS-25xsに使っていたものだ。3セットを重ねるのにリプラスだけでは足りなくて、一部に安価な金属製でメーカー型番は忘れてしまったようなのを併用している。
今回、まるでVRDS方式のCDトランスポートのセッティング調整をしているみたいだと思った。
VRDSだと思えば調整の目星も付くような気がする。しかしこれではノイズを除去しているのか色付けを付加しているのか判らないという面がある。

CRフィルターのほうがどう効いているのか判りにくい。部品による差異はありそうなのだけど。

音の変化についてだが、SNが向上してダイナミックレンジから微小なレベルの聞こえ方まで随分変わった。
大きく改善方向に効いているのは低域で、より深く沈み反応も速くなった。グラデーションが細やかに、つながりや分離がきれいになった気がする。高域も同様の効果が感じられて良くなっている。しかし、何だか出音のニュアンスが大きく変わったので評価し切れないでいる。
分析的に聴けば向上しているように思うのだけど、不思議なことに実際に聞こえる音声は全く「高音質」を感じさせない、非常にさりげない音色になってしまった。
所謂ケレン味がないというのか、情報量が多い!説得力がすごい!とかいう驚きを感じないというか気付かないというか、そういうことに意味があるように感じさせないというのか、印象に残るところがない、ひたすら普通な音になっている。

正直、普通すぎないかな、と思ったり。
音色に思わず引き込まれるというようなオーディオ的な快感がないというか、相対的にといえばいいのか分からないけど音楽の方に意識が向くような、いや、むしろ、音質に意識が向かないので仕方がないので音楽に意識を向けさせられる、という感じかな、そういう音だ。
癖がないといえばいいようだけど、オーディオ的に引っ掛かるものがないのだ。
音質自体は相当良くなっているように思うのに、こんな状態なので考えものだ。
漠然とこれでいいのかな?と思うばかりなので、ちょっと何かこっちの基準がおかしいのかもしれない。感覚がついて行けてない感じがある。

以前のエントリーで700kHz台のアップサンプリングの再生音について、情報量が多すぎると不気味の壁に突き当たるのではないかと書いたことがあったが、そうした違和感は今回の仮想アース使用によって消えている。ということは、あれはGNDのノイズの影響だったのだろうか。よく分からない。
それとは別に、録音の良し悪しに対する違和感はあって、しかしその違和感も単に「変な録音」と感じるだけで、以前に感じていた「録音された声自体への違和感」というのは、どうやら、なくなっているようだ。これはJPopを違和感なく聴けるようになるということで、悪くはないことなのだけど。実際、あれこれとJPop音源を鳴らしてみるんだけど、以前はなんだこれ?と思った音源が案外普通に聴けるようになっていて、驚くやら何やら複雑な気分だ。

こうした変化をどう評価したら良いのか、判断がつかない。掴みきれないので困惑している状況だ。
当面、使いながら判断していくしかない。

その後、リプラスのインシュレーターの数に合わせて3セットだった銅板巻きを2セットに巻き直した。このとき、輪ゴムを巻いていたところが黒くなっているのに気付く。どうもサビらしい。輪ゴムを巻くだけで銅って錆びるのか、、、
そういうわけで、輪ゴムを外す。重ねてラップで巻いただけになった。
しかし銅の酸化については想定してなかった。十円硬貨は錆びていても電気を通すから気にしなくていいかな?

セットを変えただけで、また音が変わる、、、
若干、重くなった?
3セットのほうが良いのか?、それとも輪ゴムが無いせいか?
音色の表情は2セットのほうがあるようだ。、、ほんとうかなあ(w。
普通すぎる音というのではなくなっている。魅力ある鳴り方になったようだ。
試行錯誤の連続で興味深いけど落ち着かない。

エントリーの最初にコストパフォーマンスは良くないと書いたが、そうでもないかもしれないと思い始めている。どうなるかなあ。

このエントリーには何かあったら適宜追記していこうと思う。

あまりにも早々に追記だ。
仮想アースを外してみたら、最初は、良くないと思ったんだけど、、、数時間で回復した。
なんか、正統にいい音が流れてくる。。。これは、落ち着いてやっていかないといけない。

23日、追記。仮想アースを外して2週間経つけど、10日間ぐらいで使用前の音に戻った気がする。
これはこれで、いい音なんだよね、、、

そもそも、仮想アースを試してみるかと思った理由は、もう少し音質が安定しないか、というのがあった。
つまり、うちのシステムは日によって音質が変わるのだ。
そして理由がはっきりしないことが多い。
そういうことが減って、日々安定して良好な音質で鳴るようにできないだろうか、と。
そこで、仮想アースでGNDが安定したら、音も安定するのではないか、などと思ったのだ。
目論見の結果は真逆だった。
仮想アースって、安定感を求めるものではなかったんですね。。。

しかし、どうなんだろう、、、
せっかく始めてみたんだし、また使ってみようか、などと思っている。どうなるかだ。

26日、追記。
まだ仮想アースの使用再開はしていない。
最近どうも音がすっきりしないと思っていた原因が判明した(そんなことばっかり言ってる気がするが)。
mpd.confの設定だ。

いつだったからかの記憶すらないんだけど、audio_buffer_sizeとbuffer_before_playの設定をコメントアウトしていた。設定しなくても音は出る。どちらがいいのか確かめる気だったような気がするんだけど、いつの間にか忘れてしまったらしい。今回、気付いて設定をし直した。
audio_buffer_size "65536"
buffer_before_play "50%"
そうしたところ、以前に聴き慣れていた本来のうちの音が出るようになったので、すごく安堵した(他に気付いていない悪化設定はないと思いたいんだけど)。これは前回追記に書いた日々の音質変動とは別で、より高音質な領域で変動するようになっている。

なんというか、仮想アースを試す前にこちらのほうが優先事項ということで、先送りになっていた。
これから試していこうと思う。

2月10日、追記。
コンデンサーと抵抗と銅板による仮想アース、銅板重ね巻き - コンデンサー+抵抗 - 銅板重ね巻きの順番に、アンプのプリ出力につないでみた。
コンデンサは1μF、抵抗は2kΩ、銅板重ね巻きは夫々3枚ずつ銅板を重ねて5mm厚程にしている。
最初は音が豊かに鳴る感じでいいかな、と思ったけど、どうも徐々に鮮度が落ちてくる。音に滲みが乗る。うちのシステムの長所だったはずの繊細な表現が塗りつぶされていく感じがする。

これは求める方向ではないと判断して、一旦、仮想アースは外す。
コンデンサーと抵抗を外して、銅板重ね巻き - 銅板重ね巻きで、アンプのプリ出力につないでみる。
滲む感じはなくなって、音にメリハリが出ながらも柔らかで聞きやすい感じで、これならいいか?と思ったのだけど、、、
徐々に、やはり繊細さが失われて見通しが悪い感じが出てくる。おおらかな感じではあるのだけど。

今のところ、上手くいってない。
そもそも、最初のとっかかりが全く根拠がない思い付きなわけで、簡単に上手くいったら不思議なくらいなのだけど。

うちのアンプについて調べるうちに、下記のようなサイトに行き当たった。
AMP修理工房 Amp Repair Studio
http://amp8.com/
http://amp8.com/tr-amp/sharp/sharp.htm
SM-SX100の修理ケースがアップされている。
アップされている修理記録に、注意書きが記載されている。

http://amp8.com/tr-amp/sharp/sm-sx100.htm

シャーシにSP出力の線(アース側も)を接続してはいけません。
左右SP出力のアース側も接続(共通にする)してもいけません。

そうだったのか。
実際、テスターで確かめてみたら、スピーカーのマイナス側は、ライン入出力やデジタル入出力のGNDとつながっていない。
調べずにあれこれやっていたら、下手なつなぎ方をして壊していたかもしれない。先に気付いてよかった。

そんな感じなので、急がずにやっていこうと思う。

2月16日、追記。
アンプでの使用が思わしくないので、apu2c4のシリアル端子のGNDに銅板重ね巻き2つを仮想アースとして繋いで様子を見ている。
こっちのほうがいいような。
陰影が深まり、虹のような色彩感と透明感を感じる音色になる。触ると壊れそうな色ガラス細工のような感触の聴こえ方だ。ボキャがないから何だそれ?だけど、そういうデリケートさを帯びた出音ができるようになってきている。これは、当初に求めていた以上の結果が得られている。

ここで気付いたんだけど、以前はusb出力にDDコンバーターとしてUSB029H2RPを使っていた。これにGND線を繋いでいたのだ。線の先に繋いでいたのはラックのスチールフレームだった。あの頃の音には若干、GNDへの作用が効いていたのかもしれない。

今の所、改善効果しか気付いていない。
しかし、apu2c4のGNDはusb出力、DACを経由してアンプのSM-SX100のGNDと導通している。徐々に仮想アースの影響がアンプにも及ぶ可能性がある。
変化を確認していこうと思う。

22日、追記。
17日の時点で、なんとなく音が膨らんでいるという感触があった。
まだ影響は大きくないが、このあと音がゆるくなっていくだろうと予想。既に16日のときのような繊細な表現ではなくなっている。
仮想アースを外すと意外にすぐにいつもの生真面目な音に戻った。
仮想アースをつなぐと、、、艶っぽい。音に華がある。
ゆるくなっていた感じは、これも意外にも、なくなっている。

ここで、PCトラポとDACをつなぐusbラインのGND線を切り離したらどうだろうというアイデアが浮かぶ。切り離せばアンプに仮想アースの影響が及ばない。問題の切り分けもしたい。
でも、どうやったらいいんだ?
というか、そんなことやってもいいんだろうか。

一口にusbのGNDラインと言っても、4ピンのGNDラインとシールドがシャーシアース(FG)とつながっているはず。
これらって、切断したとして信号の伝送は問題なくできるんだろうか?

ネット上を巡ると、切っても動作するという報告が上がっている。
DAC認識後にVCC、GNDのラインを切るという手法。しかし、あくまで自己責任だ。
じゃあGNDラインに抵抗を入れたらどう?と思って調べると、やっぱりしないほうがいいようなことらしい。
どうも簡単ではない。実際、GNDラインを切ってみたり抵抗で繋いでみたりしたけど、うちでは結局、ふつうの構造のusbケーブルのほうが余程安定していて音も安心して聴ける感触だった。

ケーブルに物理的に手を入れることができないということなら、以前使っていたUSB029H2RPでGNDを分離すればいいのではないか。
しかしなんというかな、既に仮想アースの話ではなくなっているのだけど。

以前はSW1(1)、SW2をOFF、SW1(2)をONで使っていた。今回の使い方だと接続したあとでSW1(2)をOFFにするということになるのかな。
しかし、、、SW1(2)をOFFにすると、ときどき再生音にプチっとノイズが入る。ONに戻すと安定する。
これはGND分離できないか、と思ったんだけど、一応、テスターで確認したらアンプのGNDとPCトラポのGNDは分離できているみたいだ。おかしいなあ、、、
そうこうするうちに、なんだか音に覇気がなくなってきて、ついには音が出なくなった。
ncmpcppで「paused」表示になって、mpdが止まってしまう。
usbケーブルを変えたりすると音が出ることもあるが、なにしろ安定しない。接触不良?、ケーブルの不良?、原因ははっきりしないが、USB029H2RPを外すと音は出る。USB029H2RP自体のアースをとったら安定するのかもしれないけど、今回のところはとりあえず外した。

そういうわけで最近は、音を出すときはapu2に仮想アースを繋いで、聴かないときは外すという手法で様子を見ている。
外しておけば悪影響は生じない。
鳴らす直前に繋いでも効果は得られるようだ。
しかし、その効果の評価に、正直まだ自信が持てない。
引き続き試行錯誤だ。

27日、追記。
前回の追記で付けたり外したりして、と書いたんだけど、結局、数日前から繋ぎっぱなしで様子を見ている。
というのは、現時点では想定よりも副作用が少ない感触だから。
繊細さが失われるかと思ったけど、意外にそうでもない、というか、、、
繊細なだけの表現ではなく、実在感が出てきている。
綺麗というのではなく写実的な音だ。透き通るガラス細工というより、陶器や磁器のような質感が加わり、より多彩な音色に聞こえる。
この音質を維持できたら、もう十分じゃないのかな、、、

引き続き、様子を見ていく。

3月1日、追記。
繋ぎっぱなしで様子を見ていたんだけど、だんだん音色のデリケートさが失われていく感じ。
今日は外してみた。外すと繊細さが戻ってくる。
1週間繋ぐと弊害のほうが大きくなる。難しいものだ。インシュレーターよりも突っ込んだ効果が期待できるけど、副作用もある。

聴くときにつなぐ方式に戻す。
アンプに繋いでいたときよりPCトラポに繋いだときのほうが、着脱に伴う変化、改善が早い感じなので(機器自体のGNDの大きさに依るのかな)、使い易いというのはあるけど、繋ぎっぱなしのほうが楽なんだけどね。

3月8日、追記。
PCトラポのapu2c4に銅板の仮想アースを使っている。
付けているときのほうが音がいいけど、付けっぱなしにしないように時々機を見て外している。
効果の出方が何かに似ていると感じていたんだけど、思い至ったのはクロックを追加した時の変化に似ているような気がする。以前にfireface UCXを使っていた頃、NANOCLOCKSからword clockを入力していた。変化は僅かなものだったけど、ないより良かった。そのときより仮想アースのほうが変化は大きいんだけど、隠し味的に全体が良くなる効き方がそう感じさせるのかと思う。

当面、この使い方で続けるつもり。
このエントリーへの追記も長くなってきた。このあたりまでとして何か必要があったら新規にする。

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