Jul 10, 2022
resampler {type "Best Sinc Interpolator"} 192kHzってどうなんだろう
前回、libsamplerateの「Best」の設定で音を出すことが出来たというエントリーをアップした。
その後で、ふと我に返る。
192kHzって、ふつーにハイレゾだよなあ、、、
うちのシステムは、CDクラスの音源を768kHzという、いうなればスーパーハイレゾに変換して鳴らすというのが目玉である。
今迄、そうすることでCD音源の音をより良い音で聴くことが出来ると考えていた。CD音源そのままの44.1/16から本来の音を引き出すのは結構大変だという認識で、アップサンプリングする方が引き出し易いだろうという考えでやってきている。
しかし、普通のハイレゾレベルへのアップサンプリングなら、普通にハイレゾ購入してそのまま鳴らすほうが、たぶん良いのではないか。
まあ、CD音源しかないんだよという音源もあるし、Deezer HiFiにハイレゾレベルの配信を期待するわけにもいかないので、意味はあるっちゃあるんだけど。
そんなことを考えながら、Best Sinc Interpolator:192kHz で聴いている。
情報量の比較は出来ていない。
しかし微弱な音とか、倍音成分が聴こえ方にデリケートに影響する音源は、明らかに良いような気がする。
アタックの立ち上がりとか余韻が綺麗。
Medium:768kHzよりも、繊細かつ芯が通った音色という印象。
比べたら、Best:192kHzのほうが、しなやかで柔らかく精密なのだ。
前回のエントリーをアップしたときと、評価がずいぶん変わってしまった(あのときは、短時間の印象だけだったから、、、評価は軽々しくするものではないな、、、)。
しかし、これは、まいったな、、、
libsamplerateで700kHz台にアップするより、普通にハイレゾ鳴らす方が良いということになる。
以前、300kHz台のハイレゾと、CDと同クラスの音源をアップサンプリングしたのとを比較したことがある。当時は、殆ど差がないと判断した。僅差でブラインドでは全く分からないと感じた。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20170625a.htm
libsamplerateの設定も「Fastest」、それでも充分な性能と判断したのだ。
でも、5年も前のことになるのね、、、
当時、44.1<96<192<384だった。その後、384<768で、今に至る。
それが、今回、ひっくり返った。
Medium:768kHzのアップサンプリングよりも、Best:192kHzのアップサンプリングのほうが良いということなら、それよりも192kHzのハイレゾファイルの方が良いだろう。それが順当だ。
5年前と今と、何が違うんだろう。
5年前のシステムは、Raspberry Pi2、moode audio3.1 + i2sDACでアップサンプリングしていた。NAS音源も使っていたが、高音質を目指すときはRAMメモリ再生という方式。
ハードもソフトも現在とはずいぶん違う。
ということは、当時してみたことを、今のシステムでもう一度やってみるべきかな。
そして、出力形態の違いでどのように音が変わるのか、確認する必要がある。
高域が正確に再生されるかどうかは、音声再生全体に影響する。
libsamplerateの設定で、Best、Medium、Fastestの違いによって、リサンプリングに際しての高域減衰に差が生じる。
以下、引用。
http://www.mega-nerd.com/SRC/api_misc.html#Converters
SRC_SINC_BEST_QUALITY - This is a bandlimited interpolator derived from the mathematical sinc function and this is the highest quality sinc based converter, providing a worst case Signal-to-Noise Ratio (SNR) of 97 decibels (dB) at a bandwidth of 97%.
All three SRC_SINC_* converters are based on the techniques of Julius O. Smith although this code was developed independantly.SRC_SINC_MEDIUM_QUALITY - This is another bandlimited interpolator much like the previous one.
It has an SNR of 97dB and a bandwidth of 90%.
The speed of the conversion is much faster than the previous one.SRC_SINC_FASTEST - This is the fastest bandlimited interpolator and has an SNR of 97dB and a bandwidth of 80%.
Bestの設定はリサンプリングに伴う高域の減衰が小さい(大雑把な言い方だが)。
以前はFastestの設定で使っていて、高域の減衰は大きい。その状況でハイレゾファイルと比較して、再生音に差はほぼ無いと思えた。つまり、そのときは高域の差異に伴う音の違いは、殆ど聴き取れなかったのだ。
恐らく、実際に音が違っているのに聴き取れなかったのではない。両者の再生音の高域に差が無かった可能性の方が高い。
どうして差が生じなかったのか。
ハイレゾファイルの再生が、適切に出来ていなかったのかもしれない。
考えられる原因は、ジッターだ。
再生環境のジッターが影響し、ハイレゾファイル再生の高域が劣化した。
アップサンプリングの方は劣化しないのかというと、既に高域が減衰しているので、受ける影響が少なかったのではないか。
結果的に両者の差が僅差となったのではないか。つまり、再生された音声が劣化していたために区別がつかなくなっていた可能性がある。
そして、再生音が劣化したハイレゾ音源よりも700kHz台にアップサンプリングした音の方が良くなった。
サンプリング周波数が上がっていくのと平行して、ノイズ対策や電源、GNDへの手入れが行われ、PPAPの構成も進化し、恐らくは、ジッターへの耐性も5年前よりも向上した。
そうした変化によって、以前はジッターの影響で劣化していた高域特性が改善してきた。
以前よりも、音源の素性が再生音に反映されるようになっているのではないか。
以上、仮説だ。
専門家は、ジッターはおそらく聴き取れないだろうと言う。
https://www.tonmeister.ca/wordpress/2018/08/30/jitter-part-9-when-do-i-care/
たしかに明確にこの音がジッターだと特定するのは難しい。
しかし、ジッターによる音質劣化はかなりのもので、聴き取れる場合も多いと思う。
例えば、80年代のCDプレーヤーで再生した時は冴えない音しかしなかったCD音源が、今の再生環境ではそれなりの音で鳴ることが珍しくない。ジッターへの対処が30年で進歩しているのだ。あの冴えなさ具合を考えたら、ジッターの影響でハイレゾファイルの再生音が僅かに劣化することなど、十分に有り得ると思う。
プレーヤーが安物だったからだろうって?
確かにその可能性は、否定できないのだが。
主旨は違うけど、サンプリング周波数をあれこれ変えて視聴するという試みを2年前にしている。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200524a.htm
CD音源アップサンプリングなしの音質について、仮想アースを使う方が相当良いみたいなことを書いている。
当時は気付かなかったが、たぶん、この時点でも以前とは違っていたのだろう。
あれこれ試聴したとしても、たぶん今更、裏付けは取れない。
でも現在の状況確認は必要だ。
しかしだ、、、これって、体力いるんだよね、、、ゆっくりやるつもりだ。
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