Aug 30, 2023

I try Roon on Linux

最近、roonを試している。
無料お試し期間は2週間しかないので、なかなかきびしい。あと1日、と表示されていたのが、突然消えてお試し終了したので、結局、月払いで延長になった。
試してみようと思った理由は、ここ数年のネット環境の変化が影響しているんだけど、それは後述。

ここでは、roonとdaphileを比較してみる。
比較する意味があるのかというのはあるが、せっかくなので比較してみる。
音質の比較は、していない。というか、まだする暇がない。だから使い勝手のみの比較である。

しばらくの間、新しく気付いたことや分かりにくいところの修正を、追記していくことにした。
そんなに大したことは書かないと思うが。

roon daphile
インストール

基本的にはアプリケーションを使いたい環境にインストールして使う。
うちではLinuxにインストールした。
https://help.roonlabs.com/portal/en/kb/articles/linux-install

coreは、ノートPCに繋いだUSB HDDに最新のFedora OSを入れて、そこにroon coreをインストール。これはroonが提供しているインストール用のスクリプトを使った。
roon bridgeはRas pi 2bにインストールしている(追記:OSはpiCore13.1)。これは「Roon Bridge (armv7hf)」の圧縮ファイルをダウンロードし展開しただけだ。
roonのサイトで説明されているとおりに環境を整えた上で、ダウンロードして好きなところで展開するだけでいいので、なんだこの簡単さは、と驚いた。
実は、coreもそれでいいらしい。

roonの起動はcuiで管理者権限でコマンドを打つので最初は戸惑ったが、分かってしまえば、まあ誰でも出来そうだ。ちなみに下記のような感じ。起動の過程で警告とかも出るが、安定して動いていると思う。

sudo /opt/RoonServer/start.sh

sudo ./RoonBridge/start.sh

コマンドを打ったあとはctrl+cで抜けていいみたいだ。

2024年4月、追記。
上記の操作方法は、エントリーアップ当時、どうしてこれで問題がなかったのか分からない。どうにも怪しい。あんまり参考にしないほうがいい。

daphileはgentoo linuxベースのOS、ディストリビューションだ。i686かx86_64で動く。

OSイメージファイルをダウンロードしてUSBメモリに書き込んで、起動、インストールして、設定して、と、roonと比べたら準備が面倒くさくて分かりにくい、かな。
しかし、RAM上でOSが動くので、単身で使うなら音質上のメリットがあるかも。
うちでは、USBメモリにインストールして、ノートPCで起動して使っている。

コントローラー

タブレット、スマートフォン

タブレットかスマートフォンに、Google PlayとかApp Storeに登録されている「roon」をインストール。
起動したら、家庭内LAN経由でroon CoreやBridgeが表示されるので、そこから設定を行っていく。

追記。roonアプリは日本語設定できるんだけど、出来るなら英語で扱った方がいい。日本語表記だと英語と意味が違うことが時にあるので、嵌ることがある。結果、英語の方が分かりやすい。

簡単と言えば簡単(daphileに比べて設定できる項目も少ない)だけど、分かりにくいことも多い。
僕の場合、聴きたい曲が終わった後で、勝手にroonが選んだ曲が再生されるのに困った。鳴らないように設定する方法を見つけるのに、1週間以上かかってしまった。

PC、Mac(roonアプリ)

roonではフィルターを調整したりサンプルレートを変えるなど、設定することが出来る。
そうした高度な設定をしようと思ったら「MUSE」というツールを使うんだけど、タブレットからでは全ての機能は使えないようだ。結局はWindowsかMacにroonをインストールして、そこからMUSEを操作する必要がある。

うちにある古いMac miniにインストールしようとしたら、OSが古いのでroonが動きません、と来た。しかたないのでたまたま最近購入したMac mini M2(主に子供が使っている)にインストール。起動したら自動的にfedoraのroon coreがつながって表示された。

roonのサイトの中で、いくら探してもインストールできるMac OSの条件が書いていない。Windowsについても書いてないようだ。roonというのは、全般的にそういうところがある。

ちなみに「roon mac 条件」でググると、「WindowsではWindows 7以上が必要で、Windows 10が推奨されています。 MacではOS X 10.8(Mountain Lion)以上が必要で、OS10.11(El Capitan)が推奨」と表示されるが、うちの10.13.6(high sierra)で動かない。

ついさっき、roonに下記のように書いてあるのを見つけた。
https://roon.app/en/termsandconditions
MAC OS X OPERATING SYSTEM [VERSION 10.9 OR HIGHER]
それじゃあ動かんかったが。

PC(ウェブブラウザ)

サーバーにDaphileをインストールしたら、起動時にモニターにIPアドレスが表示されるので、家庭内LAN経由でアクセスできる。スマホアプリもあるけど、daphileの場合、パソコンのウェブブラウザからアクセスするのが扱いやすい。そこから設定や操作を行う。

追記。日本語表示には出来ない、と思う。

僕の場合、広い画面とキーボード、マウス等が使えるのは圧倒的なアドバンテージだ(タブレットなどの狭い画面で指で繰り返しスクロールするとか文字入力が不便とか、嫌いなのだ)。

それにしても、Daphileもいいかげん、ユーザーに対して不親切なんだけど、roonとは不親切さの毛色が違う気がする。なんというか、daphileは修行感があり、roonはトラップ感があるような。

タブレット、スマートフォン

Squeezerとか使えるコントロールアプリもあるけど、うちでは補助的な感じ。

音源

1:NAS
NASをマウントするのに、ウェブ上を検索してやり方を調べる必要があった。

後からMacでやってみたが、タブレットやスマホから設定するよりMacのほうが分かりやすい。なにしろタブレットでは「ネットワーク共有を追加」という表記が、表示されないのだ。
ボタンは一応ある。「/▼」こんな感じで。
ここから共有フォルダを設定出来るとはなかなか気付かない。
もうちょっと分かりやすくして欲しい。

ちなみにSMB(cifs)の共有フォルダの設定は、こんな感じに書いたらつながった。
\\192.168.1.80\SharedMusicFolder (\は半角バックスラッシュ)

2:ネット配信
対応しているサブスクはTidal、Qobuz、KKBOX。これらは契約してないので聴けない。
Dropboxに対応。ネットラジオに対応。日本のだとOttava Radio、Jazz Sakuraが聴ける。他、海外のが多数。

3:ローカル音源
今回はつないでいない。

1:NAS
後述する理由で、うちではあまり使っていない。
NASのマウント方法は以前このサイトでも書いた。
nfsの場合は、記載例が表示されるので比較的簡単だと思う。
しかしcifsは、例が表示されないことに、今回気付いた。難しいんだねcifsって。あちこちでうまくいかないと言ってる理由が漸く分かった。

2:ネット配信
ストリーミングは各種プラグインで対応。僕が契約しているサブスク、Deezer、Spotifyが両方聴ける。Tidal、Qobuzにも対応してるが、僕が契約していないので聴けない。

追記。
2024年2月からDeezer、TidalはDaphileで聴けなくなる。詳細は省く。Spotify、Qobuzは引き続き対応している。

2024.04.22.更に追記。
DaphileはDeezerに対応した。但し「プレミアムアカウントのみ対応」とプラグインの注意書きに書いてある。

ネットラジオに対応。今回気付いたが、ラジオ局の検索が局名、urlで可能だ(しかし、便利なのかどうかは分からんな)。地域ローカルを探すことも出来る(例えば岡山だとFMつやまが聴ける)。

他には意外なとこでYoutubeの音声が聴ける。これは侮れない。

3:ローカル音源
つないでいない。

ディレクトリ表示

×
ディレクトリ構造の表示はできないようだ。

その代わりに、検索機能を駆使しないと快適な運用はできないと思う。
検索は、あんまり優秀ではない気がする。Amazonの検索と同等ぐらいの印象かな。

そして検索を補完する機能として、ファイルに書き込まれる「タグ」が重要になると思う。後述するが、うちではこれが満足に機能しない。
検索の印象がいまいちなのも、これが影響しているかもしれない。

2024.04.22.追記。

Hell freezes over: How folder browsing came to Roon - Roon Labs
https://blog.roonlabs.com/folder-browsing/

Roonはディレクトリ表示に対応した。賛否あるようだが、僕は使い易くなった。


NASをマウントしたら、ディレクトリ構造を表示できる。
つまり、自分で構築したライブラリの構造を、使用する際に利用できるということだ。
僕の場合、これは大きい。固有名詞を思い出すのが苦手なので、どこのあたりに置いた音源、って感じで探すことがあるので。

しかし、後述する理由で、最近はDaphileにはNASはマウントしていない。
上記のような運用の時は、mpdクライアントのncmpcppを使っている(mpdはディレクトリ構造のライブラリ運用が基本になっていると思う)。

cue sheet対応

×
cueシートは読み込まないようだ。


cueシートを読み込みデータベースに取り込む。
これはすごい機能だと個人的には思うが、ファイルが多くなるとサーバーへの負荷が大きい。

安定性
ライブラリ


使用期間は数週間だけど、安定しているように思う。

マウントしたNASの音楽ファイル7千枚分のデータも読み込んでいるようで、特に不具合はない。
まあ、その程度の枚数ならmpdのライブラリとかも安定しているので、それ自体に驚きはない。

roonの場合、音楽のライブラリとしての機能、ミュージシャンや作品のつながりとか、ネット上の情報やリンクなどが付与される。
こうした情報、どこまでroon core上に蓄積されているのか、はっきり分からない。
そこで、うちの家庭内LANをインターネットから切り離して試してみたが、ちゃんと機能するようだ。つまり、roon coreにそうした情報を込みでライブラリ化していると思われる。なかなか凄いことだ。


NASの共有フォルダをマウントすると、Daphileはデフォルトで音源のデータをライブラリに読み込む。
同時に、cueシートもライブラリに読み込むのだけど、うちの環境(なにしろ7千枚ほどのアルバムファイル各々にcueシートが付いている。アルバム1枚10曲としてデータ量は10倍になる)ではサーバーへの負担が大きいようで、過去にはクラッシュを繰り返した。
なので、最近はNASをマウントする使い方はしていない。今回、臨時の都合でマウントしてみたが、ファイルが少ないフォルダに限定して、負荷が少なくなるように配慮している。
まあ、cueシートを多用していない場合には問題にならないかもしれない。

プラグインのアップデートがあるときに、なぜか若干、不安定になるというか、音質が落ちるような気がする。
なんか音悪いな、と思ったらアップデートが来ているということが、よくある。

UPnP

×
roon coreをUPnPレンダラーに出来たらおもしろそうなのに(daphileからDeezerの信号を送信できる)、残念ながら出来ない。


プラグインを使うことでUPnPサーバー、レンダラーとして使うことが出来る。
うちではサーバーにして、UPnPレンダラー化したmpdにデータを送っている。

RAAT


RAATで伝送。これは音質上有利らしい、が、どうなんだろう。

×
RAATは使えない。

squeezebox

出力先として設定することが出来る。

但し、他でLMSが動作している環境では併用出来ない。roonでsqueezeboxを使おうと思ったら、同一環境のLMS(例えばdaphileサーバーとか)は止める必要がある。

LMSからデータを出力することが出来る。

roonと同一ネットワークでsqueezeboxを共有することは出来ない。roon側の設定を止めるか、daphileを止めるかということになる。
roon側で設定してなければ、共存は可能だ。

使用感

出来ることが絞られてる割には、使い方が分かりにくいと思った。

分かりにくいことが度々ある。多機能、複雑なので、だろう。汎用性は高いと思う。

音源情報


例えば、アルバムに参加したミュージシャンが一覧される。どのトラックに誰が参加してるのか紐付けされる。
ミュージシャンやアルバムの情報には、wikipedia等の記述やレビューが引用され、そこにはリンクが貼ってあって他のミュージシャンや作品に飛べる。
歌詞が表示される。
ツイッターアカウントや、フェイスブック、本人のサイトへのリンクが貼られていることもある。これも便利。ライブの情報とかが表示される場合もある。

ここらへんは、使えるストリーミングに契約していたら、もっと得られる恩恵が広がっていくのだろう。
ひとことでは説明しきれないんだけど、なるほど、これはすごい!、と思った。
特にジャズと、洋楽で恩恵が大きいと思う。
逆に恩恵が少ないのが、意外にクラシックと、当然かもしれないがJポップだ。

×
弱点としては、全ての情報が網羅されているわけではない。
マイナーなミュージシャンの情報はないことが多い。
なぜかバンドメンバーの一部しか表示されないとか、欠けてることもある。この人の情報がなんで表示されないのだ、というケースもある。

例えば「ジャンル」という区分けがあって、そこにいろんなミュージシャンが分類されているんだけど、どこにも表示されない人がいる。そういう人は情報がない。いや、逆か。情報がないからジャンル分けされないのだろう。

そんなことになる原因のひとつは、おそらく僕の「タグ付け」とroonの相性が良くないからだろうと思う。

例えば坂本龍一は、ダウンロード購入したファイルはネット上の情報へのリンクが表示される。坂本龍一だけあって、いろんな情報が出てくる。
しかし僕がリッピングしてタグ付けしたアルバムファイルには全く表示されない。
この場合、ミュージシャンのタグやファイル名が「sakamoto ryuiti 坂本龍一」などとなっていたりする。ryuichiだったら違うんだろうか。分からないけど。
これはうちでライブラリを構築し始めた初期に「ち」は「ti」で統一すると決めたので、そういうことになっている。他にもサ行、タ行周りなど一般的なローマ字表記(ヘボン式という)と違うところがある。うちのは訓令式という表記だ。

しかし、それだけで説明できないこともある。例えば、作曲家のGeorge Enescuは情報がない。wikipedhiaへのリンクすらない。マイナーだから?と思いきや、Vivaldiも情報がない。
何故なのかよく分からない。
Perry FarrellやSex Pistolsも情報がない。Caetano Velosoもない。マイナーとは言えないと思うのだけど。
一方で、Dream DolphinはXアカウントへのリンクがある。そんな感じでいろいろ不思議だ。


PCのウェブブラウザで操作するので、そのまま直接、そのブラウザで新しいタブかウィンドウを開いて、そこから直接、ネット情報にアクセスできる。
しかしこれは、Daphile自体がネットと連携がいいというわけじゃあ、ないんだね。そういう環境が傍に同居してるということだ。

×
ところが最近、普通にネット検索していては、情報が簡単に得られない。

作品名やミュージシャンの名でネット検索して引っかかるのは、大量のストリーミングサービスへのリンクで、音楽そのものの情報は直ぐには見付からない。
目を皿にしてスクロールして探さないといけない。うざったくて仕方ない。

実は、これがroonに触ってみようと思った一番の理由だ。今回、roonを使ってみて、なるほどこれなら、かなり目的に適うかな、と思った。

画像表示


音源、アルバムの8、9割がたは絵が付いていない。間違っているケースもある。
画像データは、どうも、僕が音源ファイルを置いた同じフォルダに入れた画像ファイルからセレクトしているようだ。

うちのNASでは、アルバムミュージシャンでフォルダ分けしている。そこには複数のアルバム音源ファイルと、アルバムのcueシート、アルバムの画像ファイルが、まとめて入っている。
1つのアルバムのファイル名は、拡張子以外は同じにしている。
うちでのそういったファイル管理方法を、roonが理解できるわけがない。
たぶん、roonに理解できるルールに沿って画像ファイルに名前をつけたら、問題なくroonアプリ上で表示されるんだろう、と思う。

ミュージシャンは、有名どころは写真が付いて分かりやすい。
これらはネット上から(roonのサーバーから?)画像を引っ張ってくるんだろうけど、意外な人に写真がなかったり、あったりする。
うちでは写真がない人も多い。前述したタグの問題も関係しているのかもしれない。

あと、ライブラリ画面を高速でスクロールすると、表示がずれる。名前と画像が食い違って表示される。これはハードのスペックによって違うのかもしれない。


アルバムのアートワークが表示され、絵が付かないのは少ないが、しばしば間違えている。
こちらもどうやら、音源ファイルと同じフォルダに入っている画像から合っていそうなのを表示している。
なぜ合うのと合わないのがあるのか、roonもだが、謎である。

ミュージシャンの画像は表示しない。

こんな感じ。

上記、比較表の中で書いた、roonを試した理由。
PCからウェブブラウザで普通にネット検索しても、音楽の情報が簡単に得られなくなった。検索しても、大量のストリーミングサービスへのリンクが大量に上位で表示される中から、見落とさないように注意しながらスクロールして探さないといけない。
うざったくて仕方なくて、roonに触ってみようと思ったのだ。
今回使ってみて、なるほどこれなら、かなり目的に適うかな、と思った。

roonのライブラリは大したもので、それ自体が触っていて面白いし、アルバムなどに個人的なタグを付けるとか色んな使い方が出来るらしいので、発展性もあるんだろう。そういった環境で、音楽を深堀りしていきやすい。
しかし、そこにかける時間が自分にあるのか、そういうやり方が僕の聴き方にあっているのか、どうなんだろう。

あと、月額12.99ドルで1900円、生涯ライセンスで12万円に見合うかどうか。
というのは、表示されない情報もすごく多いのだ。
そういうのは結局、PCでウェブブラウザで探すしかない。おそらくTidal、Qobuzと契約していたら、だいぶ見える景色も違うのだろうと思うけど。

まあ、もうしばらく使ってみる。

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