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Feb 26, 2007
ネット君臨問題・その後
以前の話がどうなったのか、メモリンク。
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毎日新聞「ネット君臨」取材班にインタビューした
新聞が背負う「われわれ」はいったい誰なのか(CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点) -
「ネット君臨」問題が明らかにしたもの(前編)
「ネット君臨問題」が明らかにしたもの(後編)・嫌悪感の源泉はどこに(ガ島流ネット社会学:IT-PLUS)
Jan 27, 2007
怖いよね
毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題(CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点)
面白い。
マスコミというものについて、すごく良く書かれたエントリーだと思った。
しかし「毎日新聞サイドがこの件をどう見ているのかについては、いずれ日を改めてアップロードしたいと思っている。」ということだけど、出来るのかしら。
現状、マスコミが正直にものをいうなんて思えないよね。
新聞社も、ようやくそのことに気づきつつある。「ネット君臨」取材班の担当デスクである花谷寿人デスクは、毎日新聞の「発信箱」というコーナーで、「ネット取材考」というコラムを昨年末に書いた。彼はこう書いている。ところがいきなり、ネット社会の怖さを感じることになる。相手が取材された内容を、直後にブログの日記やネットの掲示板に書き込む。新聞記者のかつての取材は1対1の関係だった。それが大きく変わり、記者個人の名前や取材の仕方が不特定多数の人々にさらされる。メディアもそういう時代を迎えたことを思い知らされた。記者は名刺を出すことさえ、ためらうこともある。
なんだ、その怖さは、僕がマスコミに対して感じる怖さと同じではないか。
信用ならないくせに声だけは大きい。
1対1の関係?、嘘だろう。正当性があるようなふりで、恣意的に発言内容を改変して不特定多数に晒すくせに。
名刺を出すことさえためらうって、そんなの取材を受ける方も同じだ。いや、だったというべきか。
でも、ネット上で発言するすべを持たない人にとっては、やっぱり取材を受けるのは恐怖だよね。
本当に、花谷寿人デスクという人は、かつての取材、ネット不在時代の取材は、1対1の関係だった、と思ってるのだろうか、、。
そうだとしたら、マスコミの中に入る人達は、自分たちが、自分たちがしていることが、全く見えていないのだろう。
それとも、それが見えなくなることが、マスコミ人として一人前になることだったりするのだろうか。
この当時、ある大手週刊誌の記者を務めていた知人は、後に私にこんなふうに漏らしている。
「郵政解散でわれわれは絶対に小泉を勝たせちゃいけないと思ったんです。それで徹底的に反小泉の論調を張り、小泉の側に立つ政治家たちの不祥事や問題を洗いざらい調べ上げた。そうやって投開票日を迎え、われわれとしては小泉自民党は選挙に負けるだろうと思いこんでいたのに、蓋を開けてみたらまったく逆の結果だったんです。その後の編集会議はまるでお通夜のようで、言葉も出ませんでした」
この傲慢。
これが当たり前だと思ってるなんて、病理としか言い様がない。
違うかな。
第4の権力にはブレーキをかける者が今までなかったんだけど、それが現れたのはいいことだと思う。
マスコミにとっても、正常化するいい機会だと思いますね。
つうか、ここで「取材が出来ない、ネット上の言論を抑え込むべきだ。」などと、奇異なことをやり出さないことを願う。
自分の首を絞めるようなものだから。
取材対象とのこの関係性を、「怖さ」と感じるのかどうか。「ためらう」と思ってしまうのかどうか。そのハードルをどう乗り越えられるかどうかに、新聞記者がネット時代を生き残れるかどうかがかかっているように思う。「怖い」「ためらってしまう」と感じてしまうのはしかたないことだと思うのだが、そこで踏みとどまってしまって、「怖いネットはやはり危険だ」とネガティブ思考に転じてしまったら、その先の未来は存在しない。花谷氏は実は私の新聞社時代の先輩(私も毎日新聞社会部出身だ)で、面識がある。この件について、一度ゆっくり話し合ってみたいと思っている。
今まで声を挙げることがなかった個人がマスに対して声を届けることが出来る状況によって、本来の意味で民主主義や表現の自由が機能し始めるのではないかと、個人的に期待しています。
それを見ることが出来たらいーなあと、面白い時代だなあと思います。
怖いけどね。