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Jun 16, 2020

SMSL M500でMQAを聴いてみた(10.26. 追記あり)

最近はサンプリングパラメータ関係で右往左往していたんだけど、一息ついて考えた。
そういえばMQAって最近はどうなってるんだっけ。
今迄、768kHz再生に取り組む方を優先していたのと、MQAを鳴らすなら700kHz台も鳴らせるDACじゃないと試す気になれなかったので、後回しになっていた。要はつまり、比較試聴ができないといけないと。
768kHz MQA DACで検索したら引っかかったDACが、S.M.S.L M500だ。
4万円強、と値段も手頃感があって入手した。MQAとアップサンプリングPCMを比較するためだけに5万以上は出せない。

しかし、考えてみたらMQAとPCM、どちらが上手く鳴るかはDACによっても違うかもしれないし、入力の種類によっても違う可能性がある。今回はうちで鳴らしてみたらどうだったか、という記録で、他のDACだと違う結果になる可能性がある。

さて、M500が届いた。
メガネケーブルでAC100Vに継ぐ。usbからの電力供給では動かない。
うちのPCトラポ(apu2c4/tiny core pure64 / mpd)のusbから入力してみる。
音が出ない?
リモコンのセレクターで入力選択する必要があるのか?
単4電池2本をリモコンに入れて操作。最初に「C」ボタンを押せというトラップがある(よく見たら説明書に書いている)。
usb入力で合ってるようだ。音量は40でMAXらしい。
ここで、下げていたアンプのボリュームを上げたら音が出た。いつから出ていたんだ?
どうもおかしい。音がすごく小さいのだ。
説明書は英語と中国語で書かれているのだけど、小さくて内容は最低限で今回の件では参考にはならない。
小さいとこに小さい字でファームウェアのアドレスが書いてあるんだけど、アクセスしたら「404 not found」。
新品なのに中古感があるとは味な奴である。

この時点で一応、MQA音源を認識するか確認。
所謂「ハイレゾCD」のサンプラーからEACでリッピングしたflacファイル。mpdで再生してMQAと認識。
ちょっと驚いたのは、CD1枚分flac+cue sheetの形式でも認識できる。
しかし、細かいことは後回しだ。

ネット検索したら音が小さいとか出ないとかノイズとかトラブルはあるようで、ファームのアップデートで解消されるらしい。

10.26. 追記。
ふと一応と思って下記のアドレス先がどうなっているか確認したら、6月にこのエントリーを上げた時とは全く違う様相になっていた。つまり、アップデートに関する下の記述は今となっては使えないということだ。ファイル名も変わってしまっているようだし。
内容自体は削除しないけど、線を引いて消しておく。
もしもこれからアップデートをしようという人は、ここの記載は参考程度に留めていただければと思う。

smsl m500 firmwareで検索したら、shenzhenaudio.com のファーム置き場が引っかかるので、ここから落す。
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/M500%201.08%20USB%20firmware.zip

windowsじゃないとアップデートできないので、windows10のノートPCを起動。
上記のアドレスから「M500 1.08 USB firmware.zip」を落として、解凍したら「Instrutions.txt」というファイルがある。
記載内容を下記に引用。

1. Install the Driver.exe if you are not sure you using a v4.67.0 driver.
2. Run the XMOSUSBDACDfu.exe of the DFU_tool folder.
3. Load the SMSL_M500_1.08_DFU.bin to update the USB firmware.

Version note:
1.06 first release
1.07 fixed the android phones sound small problem! with canceling the volume adjust the function of USB.
1.08 fixed the 32bit can not be played.

これで全部だ。
android phones sound small problem!と。linuxのトラポへの対応ができてないらしい。それで音が小さいのね。
usb入力の問題ということは、S/PDIF入力だと問題ないのかな、、、ras pi2のhifiberry Digi+から光出力。
S/PDIFだとMQAだと認識しない。
でも音量は正常だ。

Instrutions.txtに書いてある通りに、ファームを1.08にアップデートする。

まず「1. Install the Driver.exe」とある。
解凍したファイルの中の「XMOS_USBAudio_v4.67.0_setup.exe」を起動し、windowsノートPCにドライバーをインストール。
M500をusbでノートPCに繋いで「XMOSUSBDACDfu.exe」を起動。
うちでは何故か、M500を認識せず。
ひょっとして光入力に設定してたからかな、と思ってリモコンでusbに設定、usbを刺し直したら認識した。入力設定と刺し直し、どっちが効いたか分からない。
XMOSUSBDACDfu.exeのウィンドウ上でファームインストール用の実行ファイル「SMSL_M500_1.08_DFU.bin」を選択、設定して実行。
これで、ファームのアップデート完了。

コンポにつなぎなおして試聴再開。 apu2c4 / tiny core pure64 7.2 / mpd+libsamplerate からusb出力。

音源に使ったのは、ハイレゾCDのサンプラー。MQA-CDと通常CDの2枚組。
これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー [MQA/UHQCD] / universal
https://www.universal-music.co.jp/p/uccg-40079/
クラシックだけじゃなくてジャズやロックのも用意したんだけど、実際に試聴に使ったのは殆どクラシックだ。

MQA-CD、通常CD両方を、EACでリッピングした。
MQA-CDは、トラック毎にflacファイルにしたものと、CD1枚のflac+cue sheet形式にしたものを作った。EACでリッピングしたものはMQAとして読み込めないという情報がネット上にあったので、トラック毎のflacはmqa.flacに変換したものも用意した。
つまり、1曲につき4種類のファイルを作っている。

mqa.flacというのは「MQA TagRestorer」というソフトで作られるファイル。flacファイルのタグにMQAの情報を書き込む。
MQA Tag Renaming Application / MQA
https://www.mqa.co.uk/tag435sdf43te
一見、英語サイトだが、下にスクロールしたら日本語が現れる。WindowsとMacに対応している。

しかしM500の場合は、mqa.flacでなくてもMQAとして読み込んでくれた。
つまり普通にEACでflacとしてリッピングしておけば、MQAファイルとして再生してくれる。flac+cue sheetでも問題ないようだ。cue sheetからアルバム1枚分の曲目リストを取り込み、3曲目を再生、というような操作をしても、ちゃんとMQAとして認識、再生する。

試聴の感想。

MQAは、なにしろ音の立ち上がり、減衰の感触が綺麗。個々の音が混濁せずに立ち上がり程よく主張する良い音だと思った。352.8/24のハイレゾ相当を圧縮解凍しているのだから良くて当たり前かもしれない。
サンプラーの説明書に、当初は176.4kHzの予定だったが音質の観点から352.8kHzにしたと書いてあった。僕自身の経験では、PCM音源は300kHz台以上から明確な音質改善があると感じていて、そういう意味でもサンプラー製作者の判断は正しいと思う。

しかし、曲の開始時にMQAだと認識するのに時間がかかり音が途切れる。
MQAの曲から次のMQAの曲につながる時は問題ないんだけど。
どんな条件で途切れるのか、しばらくはっきりしなかった。
いろんなファイルを繰り返し再生するうちに、何かバッファーの問題?と目星を付け、意外だったんだけど、もしやと思い、mpd.confの「audio_buffer_size」を小さくしたら、すっかり改善してしまった。
こんな影響があるんだね。
mpd以外の再生ソフトでどうなるかは確認していない。

通常CDからリッピングした44.1/16 PCMはどうか。
そんなに悪くない。
これだけ聴いてたら多分、こんなものかと思うんじゃないかな。
しかしMQAと比較したら音が刺々しく音色の分離も劣る。というか、音質を比較するとかするまでもなく、音が鳴りだした瞬間に全く違うということが分かる。

アップサンプリングしたらどうか。
今回の試聴で、mpdによる352.8/24アップサンプリングはMQAに引けを取らないことが確認できた。
情報量は全く同等で互角。
音色の比較も非常に僅差。
だけどアップサンプリングのほうが、大音量のオーケストラなどDACにとって難しそうなところが、本当に少しだけ、混濁せず綺麗に鳴る。ブラインドで区別する自信は全くないけれど。
4万円のDACだからMQAで余力の無さが出るのかも。つまりDACにデコードの負担がかかるだけ不利ということだ。これは機種によって現われ方が違うかもしれない。
僕は、もしかしたらMQAのほうが、PCMアップサンプリングに勝るかもしれないと考えていた。デコードの負担が少ない機種なら、時間軸への対処に優位性があるMQAの音のほうがよくなる可能性があるのではないか。

CD音源705.6kHzへのアップサンプリングだと更に良くなる。情報量が多くてクリアな再生音。
でも、比べたらADI-2 DACで鳴らすほうが音がいい。若干だが音色のグラデーションが細やかで深みがある。M500はやや薄いというか、イメージとしては山麓の清流で、ADIは珊瑚礁の海というイメージだ。
あと問題は、700kHz台はどうも安定して鳴らせない。
なぜかノイズまみれの再生になることがあったり、もとに戻ったり。頻度がどうなのかとか原因とかは確認してない。300kHz台までで使う方が無難な気がする。個体差なのかどうか、どうなんだろう。

今回の比較では、44.1/16 < 192/24 < MQA(352.8/24) ≒ 352.8/24 < 705.6/32、という感じだった。
これは順当といっていいのかな、どうなのだろう。

しかし今回の試聴で、うちでは通常CD同等の44.1/16の音源があればソースには困らないということが、ある程度明らかになった。
MQAはストリーミング音源とかに適するとか。
PCM音源のストリーミングをリアルタイムで768kHzにアップサンプリングして聴けるようにしたらどうなんだろうと考える。しかし現実的には、CDレベルのPCMを768kHzにアップサンプリングするより、MQAデコードのほうが機械の負担としては軽くて済むのかもしれない。それ自体でMQAフルデコードできるDACチップも作られたと聞く。そういうのを使った製品を買う方が、ユーザーは簡単に高音質が得られるだろう。
そういうのに比べたら、CD音源を768kHzになどというのは、ほぼそれ専用に特化したPCトランスポートがあるから出来るのだ。DACという機械にそれも含めて組み込むのは、まだ難しいのかもしれない。

あと今回、今更当たり前のことに気付いた。
PCMアップサンプリングだとmpdのソフトウェアボリュームでリスニングポイントのクライアントPCから音量調整が自由自在だけど、MQAだとその手は使えないんだね。mpdで少しでもボリューム絞ったらMQAでは無くなっちゃう。ただのPCMになる。それこそビットパーフェクトじゃなくなって折り畳まれたデータが使えなくなるのだろう。
つまりアンプまでボリューム調整のため歩かないといけない。
歩けよって事だけど、、、
うちではPCMでいいってことになるかな、、、

M500はフィルターを変更する機能があるんだけど、今回の試聴でそれは使っていない。
デフォルトの「fast linear」のままで、変えたら違うかどうかまでは試していない。
あとバランス出力の方がいいのかな。これはアンプがどうなのかにも依るんだろうけど。

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