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Mar 11, 2025

MQAメモ

今回はメモを少しだけ。
MQAというのは分かりにくいと言われていたけど、僕自身が読んで一番わかり易いと思ったのは下記のサイト。
実は何年も前に読んで、その後、見失っていた。
最近、検索して見付けたので備忘録。

UANAMAS LabelがMQAコーディングをなぜリリースするのか? | UNAMASレーベル公式WEBsite
https://unamas-label-jp.net/?page_id=2388

ここからのリンクで、以下のファイル。

J. Robert Stuart - MQA: Questions and Answers - Stereophile 誌記事より抜粋
StereophileMQA - StereophileMQA.pdf
https://unamas-label-jp.net/wp-content/uploads/2017/10/StereophileMQA.pdf

JAS Journal 2015 Vol.55 No.6(11 月号)
About MQA (Master Quality Authenticated)
新デジタルコーディング方式 ‐ MQA (Master Quality Authenticated)
Bob Stuart, Keith Howard 訳:鈴木 弘明(株式会社 ソナ)
http://www.jas-audio.or.jp/jas_cms/wp-content/uploads/2015/12/201511-045-057.pdf

最初に載せたサイトから引用。

これまでもD-Dコンバータやマスタークロック供給、様々なジッター低減といったアプローチで途中の信号は、改善されていますが、MQAは、上流に遡って一番基本となるレコーディング時に使用したA/Dコンバータが持つ時間軸信号構成と同じ信号をMQA-デコーダによって補完・修正しエンド・ユーザーの地点でレコーディング時のA/D変換を再現するというのが大きな特徴です。MQAではこれをDe-BlurとかDe-Bleedingと呼んでいます。このためには、音楽制作レーベルやエンジニアから使用したDAWやA/Dコンバータの情報をもらって分析しておかなければなりません。UNAMAS Labelでもエンコードを依頼するときに必ず使用したDAWやA/Dコンバータの機種を付記し、さらにFINAL MIX前の源データ(RAW DATA)のサンプルを提供します。このことでA/Dコンバータとオリジナル録音時のデジタル信号の構成を分析しメタデータ化してMQAエンコードしたFLACが作成されます。こうした手間を面倒に思ったり、何かノウハウが盗まれるのではないか?といった危惧を持つレーベルやメーカだとこの仕組みは、成立しません。

つまり、録音の時点でMQAという録音再生システムの中でデータが作られていくということ。
ビットパーフェクトにはなり得ない。最初から時間軸信号のズレ(ジッター)を補完修正することが前提なのだから。
オーディオ再生時、DA変換でもそれが行われると僕は理解している。つまりオーディオ機器固有のジッター特性を補完修正するフィルターの実装が、MQA対応ということ。折り紙を解凍するだけではないということだ。

MQAの将来がどうなるのか、分からない。しかし何処かで命脈を保ってほしいと思っている。
ロストテクノロジーにするのは惜しいからだ。

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Feb 16, 2024

DaphileでDeezerの再生ができなくなるので(3月25日、追記)

前回エントリーの追記に、2月になるとDaphileでDeezerの再生ができなくなると書いたが、まだ使えている。いつまで使えるんだろうね、、、
再度、引用。

https://forums.slimdevices.com/forum/user-forums/general-discussion/1668327-uesmartradio-com-and-mysqueezebox-com-servers#post1668327
logitech FORUMS
UESmartRadio.com and MySqueezebox.com Servers

After a more than ten year journey, as of February 2024, we will discontinue our UESmartRadio.com and MySqueezebox.com servers.
/—snip—/
Most notably this will impact users of TIDAL, Pandora, and Deezer.
/—snip—/

使えているからといって安穏とはしていられない。Daphileが使えないとなったら、PCのウェブプレーヤーかスマホやタブレットのDeezerアプリからの出力を、何とかしてオーディオシステムに送る方法を見つけないといけない。
とりあえず、BubbleUPnPを試したが、使えない。過去にDaphileを使い始める前にも試みたことがあって、うまくいかなかったんだけど、やはり今回も難しかった。

DeezerのストリーミングデータをDLNA/UPnPで出力できる装置が欲しいけど、見つからない。Daphile + MySqueezebox.comは、極めて貴重だった。
見つからない以上、諦めるしかない。

そういうわけで、WiiM Miniを入手した。

ストリーミングレシーバーとか、いうのかな、いろんなストリーミングサービスを受信して、イヤホン端子や光デジタルから出力する。WiiM MiniはDeezerを受けることができる。

WiiM Proという選択もあったんだけど、入力に有線LANがあるなど機能が多い分、Proのほうがノイズが多いかもしれない。
デジタル出力はUSBがないのは同じで、SPDIF出力のみだ。
こちらの要求は、当面そこそこの音でDeezerをギャップレス再生できればいいので、割り切ってMiniにした。
あと、もうひとつ、以下は製品サイトのサポートの表記から引用。

Features we're thinking about in future updates:
/—snip—/
Cast to Sonos and other 3rd DLNA devices
/—snip—/

将来的には、DLNAでデータを飛ばすアップデートを考えているらしい。もしもこれでうちのPPAPサーバーにデータを送れるようになるなら、非常にありがたい。
いつになるかは、分からないが。

音質は、とりあえず光出力をPegasus R2Rに入れて、Deezer HiFiの44.1/16として、普通にいい音で鳴る。
1万円以下でこの働きなら、現状、なにも言うことはない。PPAPサーバーを通した音と比較したら劣るけど(微細な表現とか芳醇さで差が出る)、十分に許容できる水準だ。
なんとなくだけど、44.1/16の音は、昔より良くなっている気がする。あれこれと電源やノイズの対策を重ねてきているのが効いている可能性はある。

ついでに書いておくと、なんとなく全般的に感じることなんだけど、最近の機械は光入力の音が昔(20世紀頃を想定)に比べて良くなっている気がする。これは入力信号の処理方法がどこかで技術的に改善されたんだろうか。よく知らないので分からないけど、そういうことがあってもおかしくないと思う。

むしろ困るのは操作性の方。手元のタブレットにWiiM Homeというアプリをインストールして、そこから操作するのだけど、いかんせん、パソコンで操作するDaphileのほうが操作性はいい。

これは、もう、仕方ないかもしれない。
パソコン画面で使うDaphileは、一つの画面に表示される情報量が多いのが僕にとって良いので、タブレットアプリでは端から勝負にならない。Wiim HomeはWindows、Macのアプリもあるんだけど、うちの環境はLinuxなので、やや敷居が高い。

タブレットでは、Deezer、Spotify、Squeezer、Roonなどアプリを触っているが、WiiM Homeはそれらと比べて劣ることはなく、一般的な使いやすさの水準は十分にクリアしている、と思う。
ただ、My Libraryの中を検索できないのはつらい。ひたすら狭い画面を指で、求める音源を探してスクロールするしかない。自分のライブラリなんか持つなとでもいうようだ。
もはや、辛抱して使うしかない。

もうひとつの問題は、Deezerにタブレットやスマホからアクセスするので、気が付いたらこれらの電池が0%近くになっていること。日常的に使うものなので、ときに慌てることがあるので、注意が必要。音を流しっぱなしにしている時は、WiiM Homeは止めておいた方がいい。

WiiM以外に使える機種はないのかというと、BluesoundもDeezerに対応している。USB2.0で出力できる。
Bluesound NODEは8万円、WiiM MIniよりも高価な分、上質な音が狙える可能性がある、かな。しかし、今回は様子見。WiiM Miniを買ったばかりだし。

日本のコンポ、ネットワークプレーヤーもいくつかチェックした。Deezerに対応している機種はそこそこあるけど、DLNA/UPnPで出力してくれるようでないと選択しようという気にならない。そういう機種はまだ見つけられていない。

さて、更に何ができるか考える。

Deezerで配信されるMQAを鳴らす手段がなくなるので、対処したい。MQAはこの先どうなるか分からないので、聴けるなら聴けるうちに聴いておくほうがいいかな。

S.M.S.L M500がUSB入力でMQAに対応しているけど、DeezerからDaphileへの経路が使えなくなったら、M500には伝送できない。
WiiM Miniの光出力によるMQAを受信できるDACが必要になる。
調べたら、S.M.S.L M300SEというDACが、SPDIFでもMQAに対応しているとのことで、しかも2万円を切る。というわけで、ゲットした。こんなふうにして散財していくものなのかも。

M300SEは、光入力でMQAを受けることが出来るという。そこで、WiiM Miniからの出力を入れてみたが、認識しない。
PCMとして再生する。なんでだ、、、

原因は、WiiM Homeでの設定ミスだった。
タブレットの画面で「デバイス」から、WiiM Miniの設定に入れるんだけど、その中に「オーディオ設定」という項目があって、その中に「MQAベータ版」という項目がある。
そこを「オン」にしてはいけなかった。
これは、WiiM MiniでMQAを処理するためのもので、DACでMQAを受けることが出来る場合は、触ってはいけないのだろう。ここをオフにして、普通にDeezerのデータがロスレスでM300SEに送られるようにしたら、ちゃんとMQA (352.8kHz) を認識、352.8kHzで再生できた。

ちなみに、2Lの音源が全て352.8kHzなわけではない。中には44.1kHzのMQAもある。44.1kHzのMQAともなれば、PCMと比べて良いのかどうかよく分からない。聴き比べまではしていないから評価できないのだ。案外、環境によっては違いが出るのかもしれない。

M300SEの音はいい。
若干、低音が細い気がするけど、そこまで求めるのは多くを望みすぎだろう。M300SEは完成度が高いという評がネット上にあって、僕もそのとおりだと思う。

ちなみに、WiiM MiniはUPnPレンダラーでもあるので、現時点ではDaphileからMQA音源のデータを送ることが出来る。
しかしそれも、2月末までには終了するだろう。

さて、DaphileからWiiM Miniに送るMQAと、WiiM Homeからの指示でWiiM Mini自身が受信するMQA、どちらの音がいいか。
後者の方が、伸びやかに聞こえる。同じデジタルデータでWiiM Miniから光出力するMQAなのに。これには、MQAもデジタルオーディオの呪縛から逃れられないんだなあ、という思いを強くした。

TidalがMQAから撤退する中、MQAのストリーミング配信は、Deezerの2L音源に殆ど限定される状況になった、ということだ。
ある意味、貴重かもしれない。

個人的には、MQA (特に352.8kHz) は手軽にかなり良い音が得られるので、フォーマットとして残ってほしいと思う。音源制作過程がPCMと違って密室だというので受け入れられないという意見もあるようだが、録音機器や再生機器の特性を反映させた上でのMQA音源の再生なので、それを公開したらそれら個々の機器のジッターの内実を晒すことになる、と思う。
そんなことになるのは、機器のメーカーは何処も受け入れないと思うので、結果、MQAは密室のままでやっていかざるを得ないだろうと思うので、まあ、仕方ない。

個人的には、何をやっているのか、公開してもいいのではないか、と思う。
幾多のレコーディング機器やオーディオ機器のメーカーが慌てることになるだろうけど、ほとぼりが冷めたらデジタルオーディオとジッターを取り巻く状況は1歩も2歩も前進すると思うので。ただ問題は、そうした騒動があったとして、その後にMQAを受け入れるメーカーが、どのくらいいるだろうかということだ。高音質音源はPCMかDSDのハイレゾに特化するというメーカーばかりになるかもしれない。
まあ、そうなったらなったで、現状と大して変わらないという見方もできるが。

最近、Grimmというオーディオメーカーが、標本化定理に沿ったDA変換が出来るようになったと謳っているとネット上で見た。
製品は数年前に売り出されていて、MU1という。
最近のデジタルオーディオの論調は「理想どおりのDA変換はDACチップの技術的限界で不可能」というものだったので、どうやって実現しているんだろう、とか思う。問題は、量子化誤差(量子化ノイズ)とか、折り返し歪みといったものになるんだろうけど、ここらあたり、ジッターの悪影響で括ってしまってもいいのではないかと(乱暴だな)、、、

3月25日、なんとなく読み返して、気付いたので追記。

上記の文面、普通に読んだらMU1はDACだとしか読めない。まずい。
MU1は、DACではなくトランスポートに類するものなのだ。
それが、なんで理想的なDA変換を謳っているのかというと、DACへの送り出しに際して高精度の信号に高精度のクロック信号を載せて送るからということだ。いや、それだけじゃないんだろうけど、肝はそういうことだ。
つまりUSB出力がない。一般的な出力はAES、SPDIFだけだ(最初はAESだけだったらしい)。そういう恐ろしい機械なのだ。
誤解がないように追記しておく。

ネット上で触れられる情報によると、MU1は殆どコンピューターであり、コンピューターで扱える特別なフィルターで技術的限界越えを実現した、ということで、僕なりに考えたのは、おそらく、そうだとしたら、MU1が行っていることは、MQAが行っていることと実は似ているのではないか、ということ。
つまり、機器のジッター特性を排除するフィルターを機器に実装したら、出てくる音はジッターの影響を最小限にした音、つまり、標本化定理に沿った理想的なDA変換に極めて近似した音になる。
そうした手法ならば、やっていることはMQA再生に似ているのではないか、と。
空想だけど。

GrimmとMQAの違いは、Grimmはハイエンド機器で、MQAはM300SEでも実装できるということと、Grimmは普通のPCM音源の再生でも恩恵が得られるが、MQAは特別に仕立てたMQA音源の再生に限られるということ。
そして前者はビットパーフェクトなPCMの再生で、後者はロスレスではないブラックボックスだ。

どっちがいいかとか、どっちがダメとか、そういう議論には、僕は結論を出したくない。
むしろ、両方ある方がいいんじゃないかと思う。PCMやDSDは基本技術として重要だけど、それだけでは閉塞的だ。

M500とM300SEで、MQAの音を比較しようと思っていたら、M500にUSB出力するpiCorePlayerが使えなくなった。
Squeezeliteが動かなくなったのだ。まだMySqueezebox.comのサーバーは動いていて、使えなくなった理由は不明。
試しにpCPにLMSをインストールしてみたけど、やはり動かない。よく調べて何か設定に手を入れたら動くのかもしれないけど、よく分からない。pCPを新規インストールしたら一瞬、動いたが、じきに不調となって音が出ない。

現状、Ras Piからの出力は、UPnPでDeezerからの信号を受けてUSB出力してくれさえしたらいい。
Volumioに入れ替えてみた。
音は出て、DeezerのMQAも再生できる。しかし、なぜか安定しない。すぐに音が出なくなる。こっちも結局、原因は不明だ。継続使用は断念。

別に、PPAPを通してapu2からMQAデータを送ることは、出来ないわけではない。問題はmpdなど複数のサーバーの設定を変えないといけないことだ。そして、普段の使い方に戻すときにはまた設定を戻してやる必要がある。
面倒だ。
DAC間のMQA再生音の比較なんか、しなくてもいいかな。

そうこうするうちに、うちにあった一番古いNASが、ついに壊れた。
さいきん、いろいろ壊れる。
2007年のIODATAの製品で、一番最初に入手したNASだった。2台目は同型機だが、これも暫く前、昨年だったかに壊れた。3台目はオーディオ用のつもりで2010年代に入手したのだけど、早々に不調になり、今も使っている4台目のHS-210に代替わりした。その後、HS-251、TS-212p、HS-264、と入手している。

今、残っているのは、HS-210、TS-212p、HS-264ということになる。
考えたら、ずいぶん壊れたものだ。HDDが壊れたものもあれば、そうでないのもある。
古いデータは500GBの半分しかなかったので、必要なデータは新しいNASに救出した。移動しきれなかったデータもあるけど、長年触ることもなかったもので、なくしてもダメージは少ないものだ。

思えば世の中も、最近はいろんなものが壊れていく。
日本でも世界でも、壊れなくてもいいものが次々と壊れているので、うちなんか何でもない方だ。
もうじき、花粉症の季節が来る。
去年はゴーグルとマスクなしには外を歩けなかった。
今年は、症状が軽ければいいんだけど。

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Feb 20, 2023

なぜpiCorePlayerとM500でMQAを再生すると、音が途切れることがあるのだろう

今回のエントリーは前回エントリーの続きだ。
(http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20230214a.htm)

Deezer hifiのMQAを、Daphile経由でpiCorePlayerに送って再生しようとした顛末を書いている。
有線LANで音が途切れて、WiFiでつないで改善したのは前回エントリーに書いたとおり。
問題は、なんで有線LAN経由だったら途切れるのかということだ。

有線LAN Deezer, 2LのMQA(352.8kHz) とぎれる
有線LAN Deezer, Fairytales MQA(176.4kHz) とぎれない
有線LAN NAS音源のMQA(352.8kHz) とぎれない
WiFi Deezer, 2LのMQA(352.8kHz) とぎれない

Deezer MQA音源の352.8kHzで音切れし、176.4kHzではしない。
これはどういうことなのか、最初はM500が行うエンコードの負担が352.8kHzと176.4kHzで違うのかと思った。だから、その上流にあるSqueezeliteの設定を変えることで、多少でも負担を減らせないかと考えた。
しかしNAS音源のMQA 352.8kHzでは音切れしないことが判明。
Squeezeliteの設定は関係ないだろうと判断して、そこを弄るのは止めた。

Deezer音源とNAS音源、ともにMQA 352.8kHzであり、flac 44.1kHz/16bitの同一のフォーマットとして伝送処理される筈と思いきや、音切れが起きるかどうか差異が生じるのはおかしい。
信号処理経路のどこかで、両者に差異が生じている。
どこかで、って、Daphileサーバーより下流には差異がない。上流のデータ信号の差異が、下流に影響しているということか。

Daphileサーバーを変えたらどうか。
6730bは実はテスト用で運用しているサブマシンで、メインのDaphileサーバーはhp Elitebook 2570pが担当している。6730bよりもずっと高性能だ。こっちを使ったら、ちゃんと鳴る?
やってみた。残念でした。同じである。
ということは、NASかストリーミングか、それこそが問題ということになるのか。

どうにかして問題なく再生出来ないか。
他に弄れるところは?、ということで、有線LANからWiFiに変えたら、音切れがおさまった。

これもまた、理由がよく分からない。
Raspberry Pi上の信号伝達経路を変えたら、Deezer MQA 352.8kHzの音が途切れなくなった。WiFiのほうが、Raspberry Pi、piCorePlayerにとって、信号データの処理がやりやすいのだろうと想像できる。
しかし、ボードPCのUSBポートからUSB DACにデータを送るのに、どれほどの大きな負担の差異が生じるというのだろう。
というか、Deezer MQA 352.8kHzは、有線LANだったらラズパイが処理に困るようなデータの伝わり方をしている、ということになるのだろうか。

しかし、ポイントは絞られた。
MQA 352.8kHzが、ストリーミングで、Raspberry Piに有線LANでデータが送られUSB出力される。この3つの条件が揃ったら音切れが起きる。

いくつかの仮説が導かれる。

まず、うちでのストリーミング信号の伝送は、NAS音源データの信号を伝送するよりも、システムの負担になっているらしい、ということ。
これは思い当たることがある。
というのは、今回とは関係なく、MQAではない楽曲で、NAS音源とストリーミング音源を比べたら、わずかだがNASの方が音が良い。
音が違うのは音源のマスターが違うんじゃないかという疑念もあろうけど、僕が聞くような音源は、そうそうお金をかけてリマスターとかされるような音源は少ない。ほとんどがCD化された時点と同じマスターだと思うので、同じデジタルデータで比較できていると言って良いと思うのだ。
話を戻す。
NAS音源の方が音が良いということは、音楽デジタルデータとして、NAS音源の方が上等でシステムにとって扱いやすいということだと思う。
つまりジッターが少ないのだ。
以前、海外のサイトでジッターの解説が書いてあるのを読んだけど、そこにはジッターが多いと音が途切れると書いてあった。僕は、そんな状況が今時あるのかというようなことを書いた気がするけど、どうも今回は当てはまるのかもしれない。

しかし、そもそもMQAというのは、PCMだと原理的に逃れられないジッターの影響を極力排除しようというフォーマットではないかと思うんだけど、そういうフォーマットであるせいか、音がブチブチと切れるような状態であっても、途切れていないときに出てくる音自体はきれいな気がする。なんとかつなげて聴けるようにしたいと思わせる音がする。

次に、Raspberry Pi 3B+のデータ伝送について。
有線LANからWiFi伝送に変更したら音切れがなくなったということは、有線LANで入力しUSBから出力すると音楽信号が劣化する、つまりジッターが増加すると言っていいのではないか。
これは、異論を挟む余地はほとんどないと思う。
たぶんハードの特性によるものだ。USBと有線LANを1つのチップで処理していると思うので、安定した信号送信が出来ないのだと思う。音楽以外で使う分には問題ないのかもしれないが、音楽データだとジッターが大問題になるのだろう。

以上を踏まえて。

ジッターが多い状況だったら、MQA 352.8kHzと、MQA 176.4kHzとで、伝送結果(音が途切れるかどうか)に違いが生まれる。
MQAは折りたたまれたファイルを展開する行程がある。
たぶん展開後のデータ量が多い方、ファイルが大きくなる方が、フルデコードするDACにとって負担が大きくなる。そしてジッターが多いMQA音楽データの処理は、M500にとって、より厄介な仕事になるのだろう。
そうした違いが、再生音が音切れするかどうかに関わってくるのだと思う。176.4kHzはなんとかなったけど、352.8kHzは無理だったのかな。

デジタルデータ処理というのは、一部で問題が生じたら、他にも問題が飛び火するということがあるのかもしれないと思っている。
一部で生じているジッターが、他の場所のジッターの原因になるというようなことだ。
よく分からないから、いい加減な考えだけど。

以上、想像に過ぎないけど考えてみた。音はいい感じで鳴っている。

Posted at 23:06 in audio_diary | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

Feb 14, 2023

Deezer hifiのMQAをDaphile、piCorePlayerで再生する(追記:WiFiでつなぐことにした)

趣味のオーディオはBGMで聴くだけになっていたけど、Deezerを日々使ううち、昨年12月に2Lレーベルの音源にMQAがあることに気付いた。
どういう状況で気付いたのかは忘れたけど、、いや、思い出した。何の気なしにDeezerで「MQA」を検索したら2LのMQAサンプラーがヒットしたのだ。
調べたらDeezerはずいぶん前にMQA対応してるのだ。
下記、5年前のネット記事のurl。

https://www.phileweb.com/news/audio/201709/06/19032.html
2017/09/06
音楽ストリーミングサービス“Deezer”がMQA音源の配信を開始 PHILEWEB

そして最近になって、どうやら2Lの音源は多くが(全部が?)MQA、352.8kHzらしいということに気付いた。
今回はこの件についてアップしておこうということ。
下記に関連のurlを記載。

2L - the Nordic Sound
All releases - 2L Music Store
https://www.2l.no/
https://shop.2l.no/collections/all
Deezer https://www.deezer.com/
Daphile https://daphile.com/
piCorePlayer https://www.picoreplayer.org/

使用機器の構成は下記のとおり。

Daphile(logitech media server)Compaq 6730b
piCorePlayer(Squeezelite)Raspberry Pi 3b+
USB DACS.M.S.L M500

6730bは古いノートPCだが、使い慣れていたのであちこちで使っていた。
このスペックでもDaphileは問題なく動く。ストリーミングが聴けてDeezer以外にSpotify、Qobuz、Tidal、Youtubeなど対応しているがAmazon、Appleには対応していない。
DaphileではLMS(logitech media server)が動いている。
Daphileサーバー自体をプレーヤーにすることも出来るが、うちではラズパイのpiCorePlayerをプレーヤーにして、家庭内LAN経由でデータを送信している。
MQAを鳴らすためには、ウェブブラウザでアクセスして、「Settings」、「Advanced Media Server Settings」の画面から、「player」のタグ選択、「Basic Settings」ボタンから「audio」項目を選択して、プレーヤーのボリュームを100%に固定する必要がある。固定していないとMQAがただのPCMになってしまう。
文章にするとわけが分からないけど、実際に触りながらなら分かると思う。

piCorePlayerは、LMSから受信したデータを「Squeezelite」で受けて、USB DACに出力する。
Squeezeliteというのは、Squeezeboxのエミュレーターということだけど、要はmpdみたいなもんじゃないかと思う。
ウェブブラウザからアクセスして、あれこれと設定ができる。現状の設定は後述。

S.M.S.L M500は数万円の中国製DACだが768kHzに対応、MQAをフルデコードする。久しぶりに使っているけど、音も良いように思う。
しかしファームの当て方がはっきりしなかったり、使うのに多少の覚悟がいるかも。
僕が買ったのは数年前で、今はmk2、mk3まで製品が出ているらしい。

Squeezeliteの設定。
備忘録でもあるので、説明なく書き変えるかもしれない。

Audio output device settingsUSB Audio(これは必須。設定しないと音が出ない)
Output settinghw:CARD=AUDIO,DEV=0
ALSA setting
<b>:<p>:<f>:<m>:<d>
<8192>:<128>:<f>:<0>:<d>
Buffer size settings4096:8192
Priority setting45

他に「Name of your player」と「LMS IP」を設定してある。LMS IPはDaphileのIPだ。

Squeezeliteのマニュアルがネット上にあるので、引用しておく。

squeezelite - Man Page
https://www.mankier.com/1/squeezelite

-a <params>
Specify parameters used when opening an audio output device.

For ALSA, the format <b>:<p>:<f>:<m>:<d> is used where <b> is the buffer time in milliseconds (values less than 500) or size in bytes (default 40ms); <p> is the period count (values less than 50) or size in bytes (default 4 periods); <f> is the sample format (possible values: 16, 24, 24_3 or 32); <m> is whether to use mmap (possible values: 0 or 1). <d> open ALSA output device twice. (possible values: 0 or 1).
For Linux PortAudio, the value <l> is simply the target latency in milliseconds.
For MacOS, <l>:<r> <l> is target latency in milliseconds. <r> open device in Pro Mode or Play Nice (respective values: 0 or 1).
For Windows, <l>:<r> <l> is target latency in milliseconds. <e> use exclusive mode for WASAPI (possible values: 0 or 1).
When the output is sent to standard output, the value can be 16, 24 or 32, which denotes the sample size in bits. Little Endian only.

-b <stream>:<output>
Specify internal stream and output buffer sizes in kilobytes. Default is 2048:3446.

問題は、音が途切れることがままあること。
設定を詰め切れていないせいなのか、ハードの問題なのか、通信環境によるものやら、はっきりしない。せっかく音は良いのだから、もったいない。

そういうわけで、2LのMQAを聴いているのだけど、少ないながら2L以外でもMQAで配信されている音源があるようだ。
例えば、これとか176.4kHzのMQAだ。
Fairytales - Steve Dobrogosz, Radka Toneff
https://www.deezer.com/ja/album/79443672
Radka Toneffはノルウェーの女性歌手とのこと。どこかで2Lと関わりがあるのかな、などと思っていたら、1982年に亡くなっている。これは名盤なのでお薦め。

ところで、この音源だと音が途切れない。ということは、352.8kHzのMQAはM500の処理能力を越えている、ということがあり得るのか。
ところが、うちのNASに置いてある352.8kHzのMQA(MQA-CDからリッピングしたもの)を再生する分には途切れない。ということはストリーミング環境が良くないのか。聴いてる人が多いのかな。
これは様子を見ながら考えていく。

16日、追記。
Squeezeliteの設定調整では音が途切れるのを止められない。
どうしようかなあ、と思って思い付いた2案。

ひとつはi2sボード(Hifiberry Digi+)を使ってS/PDIF出力してみる方法。光か同軸を使えないか。
しかし確認したらM500は、USB入力はMQA対応しているが、S/PDIF入力はしていない。残念でした。M500 mk2では対応しているようだ。

もうひとつの方法は、WiFiでLANにつないだらなんとかならないかな、というもの。
Rasperry Pi3B+に付いている無線で、家庭内LANにつないで使ってみようと。
Raspberry PiはUSBと有線LANを1つのチップで処理しているという話を昔に聞いたことがある。3B+でもそうなのか、分からないのだけど、無線LANは取り敢えず専用の処理チップが充てがわれている、らしい?、よく分からないけど。

まあ、やってみたら分かるさ、ということで、piCorePlayerをWiFi接続するように設定。
これで今のところ、音切れなくDeezerのMQA 352.8kHzを再生出来ている。

ああー、よかった。これで使える。

構成図

もう一つの問題は、音源の曲名などに記載がなければMQAなのかどうか、分からないこと。
うちだとM500で鳴らしてみて初めて分かる。
これはDeezerのほうで、表記なりをどうにかすべきだと思うんだけど、たぶん気にしてないのだろう。まあいっかあ、である。

May 08, 2022

DaphileでMQAデータをpiCorePlayerに転送再生する

今回はちょっとした小ネタというか。
DaphileでMQAを再生できるかという話、なんだけど、Daphileサーバー本体からの出力(USBとか)は試していない。
LAN経由でpiCorePlayerに送ったらできましたよという話だ。

システムの構成図。

うちではDaphileにNASをマウントして使っている。NASにMQA CDからリッピングしたMQAファイルを置いている。
下図が再生時のDaphileの画面。
というか、ウェブブラウザでの操作画面のスクリーンショットだ。

左上に、マウントされたNASの共有音楽フォルダが、階層化されている状況を含めて表示されている。
その下にフォルダに含まれているflac-mqaのファイル表示。
右のプレイリストに登録された曲が表示されている、、、のだけど、曲名はリッピング時にタグを入れるときに僕がサボったので、ちゃんとしていない。ちゃんと入れたらちゃんとした表示になる。

piCorePlayerのUSB出力からM500に音声データが伝送されて、表示された様子。
MQA 352.8kHzと表示されている。MQAの音がする。

たぶんだけど、Daphileサーバー本体からUSB出力してもMQAを鳴らせるのではないかな。試してないから明言はできないけど。

Posted at 17:34 in audio_diary | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

Jul 06, 2021

pulseaudioでMQAデータを転送再生する

以前のエントリーで、pulseaudio経由の音声信号伝達について書いていた。
現在は、ras pi2とM500(USB-DAC)をつないでシステム化している。piCore7にalsaとpulseaudioだけ組み込んだ簡素なサーバーだ。
Youtubeなどの再生に使うんだけど、実はもうひとつ他に目的があって、MQA再生環境が必要な時にM500を使おうと考えていた。

今回、普段使いのノートPCでmpdを動かして、MQAデータをpulseaudio出力しpulseaudioサーバーに転送、M500で再生したところ、MQAを認識し再生した。
MQAはpulseaudio経由で転送することも可能なことが分かった。

大したことはしていない。
ノートPC(OSはFedora)の.mpdconfに下記のようにpulseaudio出力を設定、サーバーのipアドレスを設定し、mpdでMQAファイルを再生しただけだ。

audio_output {
        type            "pulse"
        name            "My Pulse Output"
##      server          "remote_server"         # optional
      server          "192.168.1.77"
##      sink            "remote_server_sink"    # optional
}

MQAの音は、綺麗だと思う。
うちではメインの音源は主にCD相当のデータをlibsamplerateでアップサンプリングして鳴らしていて、これはこれで高音質なんだけど、なんというか、MQAの音には無理がない軽やかさがある。スムーズで余裕があり歌心がある鳴り方をする。

MQA対応のハードというのは「オーダーメイドの服」みたいな理解を僕はしていて、つまり、MQA音源とハードウェアがあつらえた服のように合っている、というイメージだ。
従来のPCM再生はハードウェアがPCM音源に合わせないといけないが、限界があるというイメージ。
MQAはハードウェアの合わせ方が予め決まっていて、ハード側がそれに沿って合わせるように作られているので、PCMの限界を越えるというイメージ。
うちでやっているPCM768kHzへのアップサンプリングは音源をハードに合わせる努力であって、だから良質な仕立て(libsamplerate)が必要なんだけど、確かに音質改善があって楽音の情報量としても多いけど、何処かしら頑張ってる音という感触がある。これはハードのスペック向上によって改善するのかもしれないけど。
MQAの音は、そういう野暮ったさがない。スマートな音がする。

今回はpulseaudioで転送したけど、一般的なUPnPでも転送は可能だと思う。そもそも、UPnPで転送してMQAだと読めなくなるようなら、使いものになってない筈だ。
うちではUPnPで転送するなら、転送先にmpd、upmpdcliをインストールしないといけない。他にUPnPレンダラーの作り方を知らないからだ。
そうそうMQAは使わないし、当面は現在のシステムでいいと思っているけど。

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Jun 16, 2020

SMSL M500でMQAを聴いてみた(10.26. 追記あり)

最近はサンプリングパラメータ関係で右往左往していたんだけど、一息ついて考えた。
そういえばMQAって最近はどうなってるんだっけ。
今迄、768kHz再生に取り組む方を優先していたのと、MQAを鳴らすなら700kHz台も鳴らせるDACじゃないと試す気になれなかったので、後回しになっていた。要はつまり、比較試聴ができないといけないと。
768kHz MQA DACで検索したら引っかかったDACが、S.M.S.L M500だ。
4万円強、と値段も手頃感があって入手した。MQAとアップサンプリングPCMを比較するためだけに5万以上は出せない。

しかし、考えてみたらMQAとPCM、どちらが上手く鳴るかはDACによっても違うかもしれないし、入力の種類によっても違う可能性がある。今回はうちで鳴らしてみたらどうだったか、という記録で、他のDACだと違う結果になる可能性がある。

さて、M500が届いた。
メガネケーブルでAC100Vに継ぐ。usbからの電力供給では動かない。
うちのPCトラポ(apu2c4/tiny core pure64 / mpd)のusbから入力してみる。
音が出ない?
リモコンのセレクターで入力選択する必要があるのか?
単4電池2本をリモコンに入れて操作。最初に「C」ボタンを押せというトラップがある(よく見たら説明書に書いている)。
usb入力で合ってるようだ。音量は40でMAXらしい。
ここで、下げていたアンプのボリュームを上げたら音が出た。いつから出ていたんだ?
どうもおかしい。音がすごく小さいのだ。
説明書は英語と中国語で書かれているのだけど、小さくて内容は最低限で今回の件では参考にはならない。
小さいとこに小さい字でファームウェアのアドレスが書いてあるんだけど、アクセスしたら「404 not found」。
新品なのに中古感があるとは味な奴である。

この時点で一応、MQA音源を認識するか確認。
所謂「ハイレゾCD」のサンプラーからEACでリッピングしたflacファイル。mpdで再生してMQAと認識。
ちょっと驚いたのは、CD1枚分flac+cue sheetの形式でも認識できる。
しかし、細かいことは後回しだ。

ネット検索したら音が小さいとか出ないとかノイズとかトラブルはあるようで、ファームのアップデートで解消されるらしい。

10.26. 追記。
ふと一応と思って下記のアドレス先がどうなっているか確認したら、6月にこのエントリーを上げた時とは全く違う様相になっていた。つまり、アップデートに関する下の記述は今となっては使えないということだ。ファイル名も変わってしまっているようだし。
内容自体は削除しないけど、線を引いて消しておく。
もしもこれからアップデートをしようという人は、ここの記載は参考程度に留めていただければと思う。

smsl m500 firmwareで検索したら、shenzhenaudio.com のファーム置き場が引っかかるので、ここから落す。
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/M500%201.08%20USB%20firmware.zip

windowsじゃないとアップデートできないので、windows10のノートPCを起動。
上記のアドレスから「M500 1.08 USB firmware.zip」を落として、解凍したら「Instrutions.txt」というファイルがある。
記載内容を下記に引用。

1. Install the Driver.exe if you are not sure you using a v4.67.0 driver.
2. Run the XMOSUSBDACDfu.exe of the DFU_tool folder.
3. Load the SMSL_M500_1.08_DFU.bin to update the USB firmware.

Version note:
1.06 first release
1.07 fixed the android phones sound small problem! with canceling the volume adjust the function of USB.
1.08 fixed the 32bit can not be played.

これで全部だ。
android phones sound small problem!と。linuxのトラポへの対応ができてないらしい。それで音が小さいのね。
usb入力の問題ということは、S/PDIF入力だと問題ないのかな、、、ras pi2のhifiberry Digi+から光出力。
S/PDIFだとMQAだと認識しない。
でも音量は正常だ。

Instrutions.txtに書いてある通りに、ファームを1.08にアップデートする。

まず「1. Install the Driver.exe」とある。
解凍したファイルの中の「XMOS_USBAudio_v4.67.0_setup.exe」を起動し、windowsノートPCにドライバーをインストール。
M500をusbでノートPCに繋いで「XMOSUSBDACDfu.exe」を起動。
うちでは何故か、M500を認識せず。
ひょっとして光入力に設定してたからかな、と思ってリモコンでusbに設定、usbを刺し直したら認識した。入力設定と刺し直し、どっちが効いたか分からない。
XMOSUSBDACDfu.exeのウィンドウ上でファームインストール用の実行ファイル「SMSL_M500_1.08_DFU.bin」を選択、設定して実行。
これで、ファームのアップデート完了。

コンポにつなぎなおして試聴再開。 apu2c4 / tiny core pure64 7.2 / mpd+libsamplerate からusb出力。

音源に使ったのは、ハイレゾCDのサンプラー。MQA-CDと通常CDの2枚組。
これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー [MQA/UHQCD] / universal
https://www.universal-music.co.jp/p/uccg-40079/
クラシックだけじゃなくてジャズやロックのも用意したんだけど、実際に試聴に使ったのは殆どクラシックだ。

MQA-CD、通常CD両方を、EACでリッピングした。
MQA-CDは、トラック毎にflacファイルにしたものと、CD1枚のflac+cue sheet形式にしたものを作った。EACでリッピングしたものはMQAとして読み込めないという情報がネット上にあったので、トラック毎のflacはmqa.flacに変換したものも用意した。
つまり、1曲につき4種類のファイルを作っている。

mqa.flacというのは「MQA TagRestorer」というソフトで作られるファイル。flacファイルのタグにMQAの情報を書き込む。
MQA Tag Renaming Application / MQA
https://www.mqa.co.uk/tag435sdf43te
一見、英語サイトだが、下にスクロールしたら日本語が現れる。WindowsとMacに対応している。

しかしM500の場合は、mqa.flacでなくてもMQAとして読み込んでくれた。
つまり普通にEACでflacとしてリッピングしておけば、MQAファイルとして再生してくれる。flac+cue sheetでも問題ないようだ。cue sheetからアルバム1枚分の曲目リストを取り込み、3曲目を再生、というような操作をしても、ちゃんとMQAとして認識、再生する。

試聴の感想。

MQAは、なにしろ音の立ち上がり、減衰の感触が綺麗。個々の音が混濁せずに立ち上がり程よく主張する良い音だと思った。352.8/24のハイレゾ相当を圧縮解凍しているのだから良くて当たり前かもしれない。
サンプラーの説明書に、当初は176.4kHzの予定だったが音質の観点から352.8kHzにしたと書いてあった。僕自身の経験では、PCM音源は300kHz台以上から明確な音質改善があると感じていて、そういう意味でもサンプラー製作者の判断は正しいと思う。

しかし、曲の開始時にMQAだと認識するのに時間がかかり音が途切れる。
MQAの曲から次のMQAの曲につながる時は問題ないんだけど。
どんな条件で途切れるのか、しばらくはっきりしなかった。
いろんなファイルを繰り返し再生するうちに、何かバッファーの問題?と目星を付け、意外だったんだけど、もしやと思い、mpd.confの「audio_buffer_size」を小さくしたら、すっかり改善してしまった。
こんな影響があるんだね。
mpd以外の再生ソフトでどうなるかは確認していない。

通常CDからリッピングした44.1/16 PCMはどうか。
そんなに悪くない。
これだけ聴いてたら多分、こんなものかと思うんじゃないかな。
しかしMQAと比較したら音が刺々しく音色の分離も劣る。というか、音質を比較するとかするまでもなく、音が鳴りだした瞬間に全く違うということが分かる。

アップサンプリングしたらどうか。
今回の試聴で、mpdによる352.8/24アップサンプリングはMQAに引けを取らないことが確認できた。
情報量は全く同等で互角。
音色の比較も非常に僅差。
だけどアップサンプリングのほうが、大音量のオーケストラなどDACにとって難しそうなところが、本当に少しだけ、混濁せず綺麗に鳴る。ブラインドで区別する自信は全くないけれど。
4万円のDACだからMQAで余力の無さが出るのかも。つまりDACにデコードの負担がかかるだけ不利ということだ。これは機種によって現われ方が違うかもしれない。
僕は、もしかしたらMQAのほうが、PCMアップサンプリングに勝るかもしれないと考えていた。デコードの負担が少ない機種なら、時間軸への対処に優位性があるMQAの音のほうがよくなる可能性があるのではないか。

CD音源705.6kHzへのアップサンプリングだと更に良くなる。情報量が多くてクリアな再生音。
でも、比べたらADI-2 DACで鳴らすほうが音がいい。若干だが音色のグラデーションが細やかで深みがある。M500はやや薄いというか、イメージとしては山麓の清流で、ADIは珊瑚礁の海というイメージだ。
あと問題は、700kHz台はどうも安定して鳴らせない。
なぜかノイズまみれの再生になることがあったり、もとに戻ったり。頻度がどうなのかとか原因とかは確認してない。300kHz台までで使う方が無難な気がする。個体差なのかどうか、どうなんだろう。

今回の比較では、44.1/16 < 192/24 < MQA(352.8/24) ≒ 352.8/24 < 705.6/32、という感じだった。
これは順当といっていいのかな、どうなのだろう。

しかし今回の試聴で、うちでは通常CD同等の44.1/16の音源があればソースには困らないということが、ある程度明らかになった。
MQAはストリーミング音源とかに適するとか。
PCM音源のストリーミングをリアルタイムで768kHzにアップサンプリングして聴けるようにしたらどうなんだろうと考える。しかし現実的には、CDレベルのPCMを768kHzにアップサンプリングするより、MQAデコードのほうが機械の負担としては軽くて済むのかもしれない。それ自体でMQAフルデコードできるDACチップも作られたと聞く。そういうのを使った製品を買う方が、ユーザーは簡単に高音質が得られるだろう。
そういうのに比べたら、CD音源を768kHzになどというのは、ほぼそれ専用に特化したPCトランスポートがあるから出来るのだ。DACという機械にそれも含めて組み込むのは、まだ難しいのかもしれない。

あと今回、今更当たり前のことに気付いた。
PCMアップサンプリングだとmpdのソフトウェアボリュームでリスニングポイントのクライアントPCから音量調整が自由自在だけど、MQAだとその手は使えないんだね。mpdで少しでもボリューム絞ったらMQAでは無くなっちゃう。ただのPCMになる。それこそビットパーフェクトじゃなくなって折り畳まれたデータが使えなくなるのだろう。
つまりアンプまでボリューム調整のため歩かないといけない。
歩けよって事だけど、、、
うちではPCMでいいってことになるかな、、、

M500はフィルターを変更する機能があるんだけど、今回の試聴でそれは使っていない。
デフォルトの「fast linear」のままで、変えたら違うかどうかまでは試していない。
あとバランス出力の方がいいのかな。これはアンプがどうなのかにも依るんだろうけど。

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Feb 22, 2019

アップサンプリングについて色々

最近はCDリッピング音源を705.6kHz32bitにアップサンプリングして聴いている。
以前は768kHzで聴いていたんだけど、ごくごく稀にクリックノイズが聞こえるような気がして(あくまで気がしてなんだけど)、精神衛生上の判断でそうしている。明らかにノイズが入るというのではないんだけど、、、
だから時々、768kHzに戻したりもする。
なんだか、768kHzのほうが705.6kHzより1割増し繊細な気がする。どうなんだろうね。

先日、mpdの設定を見ていて、libsamplerateはmpd 0.19.19のデフォルトリサンプラーであることを思い出した。libsamplerateがインストールされていれば、ビット深度とサンプリング周波数の設定をするだけで、libsamplerateで「SRC_SINC_FASTEST」の設定でアップサンプリングされるようだ。
そうだったんだなあ、、と見てるうちに、libsamplerateは「ZOH」「linear」といった設定も可能だったことに思い至った。正直、低品質ということで眼中になかったので、じっくり聴いたことがない。しかし、実際にはどんな音になるのか、確認しておくことには意味があると思ったので、ちょっと聴いてみた。

まあ、やっぱり良くないんだけど。
アップサンプリングなし(つまり44.1/16をそのままRME adi-2 DACで鳴らすということ)とZOH、Linear設定の700kHz台アップサンプリングを比べても、アップサンプリングなしの方がいいような気がする。ZOHよりは、linearの方が音がいい。というか、ZOHは刺々しいな。
試聴音源で詳細に比較してエントリーにしようかと思ってたんだけど、、なんか、めんどいな。

今回のエントリーはちょっともう、だらだらしている。
うちのやり方で十分、不満はないし、細かいこと言わなくていいじゃないかという感じ。

最近なんだか、アップサンプリングして聴くという手法が市民権を得つつあるような気がする。以前は、どちらかというと外道な手法というイメージで、正統なオーディオ再生ではないと一般的には認識されている、というふうに感じていた。それでも僕などは音がいいと思って、その手法を選択した。スーパーツィーターの接続に、世間では効果がないとされていたチャージカップルドネットワークを採用して使い続けているような人間だから仕方ないのである。
それが、風向きが変わってきている。

例えば、CHORDのCDトランスポート「Blu MkII」はアップサンプリングしてDACにつなぐ仕様になっている。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1041113.html
この機種が発売になったのが2017年、もう2年前のことだ。アップサンプリングしてDACに送るということは、バイナリ一致かどうかなんてもう気にしない、ということだ。僕は何でか、うっかりしたのか、もとからトロいのか、この機械がオーディオ界に及ぼす影響について気が付いていなかった。この頃から、たぶん、デジタルオーディオというものへの認識は変わって来たんじゃないかな。
バイナリ一致が金科玉条では無くなってきている。
MQAというフォーマットも、そうした認識の変化が受け入れられる土壌となっているのかな。

そもそもDACチップ自体がアップサンプリングして鳴らしているということも広く知られるようになってきていて、最近はこんなDACが売られている。
https://www.phileweb.com/interview/article/201902/12/634.html
CDの44.1kHzであっても、DSD1024まで引き上げて最高の音質で聴くというのがPro iDSDのコンセプトだという。Blu MkIIがやってることをトラポでやるかDACでやるかの違いというわけだ。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1167703.html
最近、「だれでもわかるハイレゾオーディオ」という本が出版されていて、電子出版で買ってちまちま斜め読みしているのだけど、ここではDACチップが行っているアップサンプリングをPCで代替しても構わないと書かれている。この本は「ハイレゾ」というより「DA変換そのもの」に関する数式苦手なオーディオファイル向け解説書なんだけど、かなり踏み込んだ記述がなされていて非常に面白い。というか、僕の興味の中心を射抜いている。すごく勉強になるし分かりやすい。「ZOH」「linear」についても書かれている。

アップサンプリングに日の目が当たること自体は別にいいのだけど、オーディオファイルの間だけではなく、世間一般でもアップサンプリングへの興味が高まっているようで、「アップサンプリング」でググるといろんなサイトがヒットする。ディープラーニングでアップサンプリングするというサイトがあったりして、それってもしかしてジョーク?とか思うんだけど、世間では案外、そういう感覚なんかもなあ、と複雑な心境になったりしている。

アップサンプリングと名が付くものなら何でもいいということになったら、将来的に僕自身が不利益を被るような気がする。例えば、libsamplerateはPCへの負担が大きいし上質なアップサンプリングだと言っても他と変わらないんなら、いらないね、ということになりはしないか。
もしも、libsamplerateがmpdで使えなくなったら。
SoXでいいじゃんと言われたら、うちはSoXで十分な音質を引き出すスキルがないんだよと言わざるをえない。libsamplerateならインストールさえしておけば後はmpdが勝手に良質なアップサンプリングをしてくれるので非常に助かるのだ。
PCトラポによるアップサンプリングは諦めて、Pro iDSDみたいなDACを買えばいいということになるのかもしれないけど、それはDACによるアップサンプリングの精度が重視されて今後は性能が上がっていくという事が前提になる。ZOHやlinearと同等のアップサンプリングでもいいということになれば、そういう安価で低い性能のDACチップが主流になるに決まっている。そうじゃない高性能DACは僕にとっては高嶺の花となるのだ。しゃれにならない。

そんなこと考えたりしてたら、MQAに否定的な話がアップされている。
記述を一部だけど引用してみる。

さよなら、MQA | | 言の葉の穴
https://kotonohanoana.com/archives/23587

まず、MQAはロッシー/非可逆圧縮である。

MQA音源はMQA化された時点で「大元のデータ」から変質しており、二度と元に戻らない。

MQA音源はMQA Limitedの掌の上でしか真価を発揮できない。

なるほど、、、僕は過去のエントリーでMQAへの期待を書いている。
非可逆圧縮ということについて、まず、データの同一性という意味では、アップサンプリング自体がDACチップがするにせよPCトラポでやるにせよ、バイナリ一致の音ではなくなるということだ。一般的なDACで音を聞くことは、バイナリ不一致な音を聞いているということに等しい。そういう意味で、僕みたいなCDデータを700kHz台なんかにアップサンプリングして聞いてるような者にとっては意味が無い、ということがある。非可逆であっても解凍されたデータに充分な情報量があれば問題にならないんじゃないかと思う。
次に、非可逆圧縮の「PCMであれば本来あったはずのデータが削られる」というイメージについては、MQAはAD変換からDA変換まで一連の情報処理であり、録音からPCMデータが作られる段階で、AD変換などで生じる歪みを排除する処理が行われる、と僕は理解している。つまり可逆か非可逆かと分けられるものではない。言ってみれば最初からMQAなわけだから。そういう理解。

非常にわかりやすいMQAの解説が1年半前にアップされていたのでメモで追記。

https://rideonmarin.blogspot.com/2017/10/mqa.html
コラム MQA技術解説についての私的メモ・ロスレスかロッシーか?

しかし、音質がどうなのかという一点。
引用。

Roon 1.6によって「TIDAL Masters/MQAとQobuz/ハイレゾFLACを聴き比べる」ことが可能になり、比較の結果として「MQA音源は同スペックのハイレゾ音源と比較すると音質が劣る」という私自身の結論を得た。

もしその比較が妥当なら、僕もMQAには期待できない、ということになるのかな、、、
うちではmpd + libsamplerateで700kHz台へのアップサンプリングがデフォルトだ。その音は、一般的に流通しているハイレゾ音源そのまま(つまり96kHzや192kHzをDACチップでアップサンプリング)の再生音を凌駕する。ということは、MQAの再生音も越えていると予想される。
実際には聴けていないというのが歯痒いけど、、、

比較の経過は下記アドレスのエントリーに書かれている。読んでみて思うのは、、、判断は実際に聴くまでは保留かな。
https://kotonohanoana.com/archives/23505

なんというか、うちでやってるmpdで700kHz台に上げるというのは、どうなんだろう。一般的な音質比較の対象としていいものかどうか。
MQAは176.4kHzとか96kHzで、MQA対応DACは、そこからどういうフィルタリングをするのだろうか。
上位の周波数にアップサンプリングするのかいな?
しないのなら、700kHzのほうが有利に決まっていると思うし、時間軸の正確性はどうなるのか、、、
使うDACによっても違うだろう。CHORDのDACとかPCM再生が得意なはずだけど、どうなんだろうね(僕はCHORDのDACは聴いたことがないのだ)、、、

最近、うちでオーディオを聴いていて気になるのは「録音」だ。
日本のポップミュージック、特にボーカルの多くに、僕は違和感を覚えるようになった。生の人の声に聞こえないのだ。洋楽だったらロックとかでも、まだ生の人の声に聞こえるのが多い。
とはいっても、そんなにたくさん聴いて確認したわけじゃないので、現時点での印象にすぎないのだけど。

これは何なんだろうと考えるうちに、日本のポップミュージックの録音は、生の声ではなく、コンサート会場のPAを通した歌声を再生しようとしてるんじゃないか、と思い付いた。いくらなんでもそんなことはないだろう、とは思うのだけど、、、でも、コンサート会場やカラオケルームでマイクを通した声が、リビングルームのコンポから鳴るように録音されているのだとしたら、「そうそう、そういう感じの音だよ」と納得がいくというか。
歌声が生の声として再生されるような録音になっていないと感じるのだ。若い人のJポップに限らない。ベテラン歌手の作品でもそういう音がするのが少なくない。必要ないエコー成分が多すぎたり、人の声はこんなガサ付き方しないだろという感じに聞こえたり。
日本のポップミュージックの特徴じゃないのか、と思う。そうした音が似合う音楽が作られているし、たぶん、そうした音楽を再生するのに適したコンポが作られている。

これは、一種の文化的なフィルターとして機能していると思う。
リアルな生の人の声が生きるポップミュージックは、日本ではほとんど作られていない。

僕は最近、リアルな人の声を聴きたいと感じる事が多くて、その結果、はまっているのがアメリカのフォークミュージックだ。ジョーンバエズとかピートシーガーとか、あのあたり。日本の音源で何かないかとなると、再生音に何か違和感を感じる。たぶん録音の、音の問題だと思うのだ。本当はこんな不自然な声じゃないはずだ、と感じることが多い。

現在流通してるハイレゾ、96kHz、192kHzといったレベルだと、そこまで気にならない、というか、気付かない。ラジオやテレビの人の声に違和感を感じないようなものかな。おそらくフォーマットによって違ってくるんだと思う。案外、アナログレコードがうけてるのは、この辺りに理由があるんじゃないかと思っている。受け皿に乗ってるデータが、相対的に上質なのだ。
PCMで700kHzまで上げると、何かしら、圧倒的な差が生じてしまう。まともな録音じゃないと、きびしいのだ。受け皿が大きい分、質の悪さも目立つというのかな。拡大鏡みたいなものなのかもしれない。良質な録音だと素晴らしいのだけど。

2020.05.13.追記。

現在、PPAP方式 768kHzで再生し始めて1か月ほどになるんだけど、1年前に感じていた違和感がなくなった。
違和感を感じていたはずの声が、違和感を感じ始める前よりもっと自然に耳に届いている。
ここに至って、ようやく気がついた。
あの違和感は、残存していたジッターが原因だったのだと思う。録音のせいなどではなかった。

しかし、検証しないといけない。
本当にジッターが原因なのか、どのような作用をしたのか、できれば確かめたい。

2020.10.18.遅まきながら追記。
できれば確かめたいと書いておいて、それっきりになってた。
実際のところ、検証できていると言い切れないけれど、関連エントリーということで記載しておく。

サンプリングパラメータによるジッターの影響の差異について
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200524a.htm
ジッター再々考
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200531a.htm

MQAは録音段階にも踏み込んだ処理を行う。そういう意味で、MQAには期待する部分があった。
しかし録音のクオリティは、MQAかどうかみたいなフォーマットの差異だけではカバーしきれない部分がむしろ大きいだろうと感じている。実際、昔から録音の善し悪しは千差万別だからね。

良質な録音にMQAの処理が加わると、さらなる音質向上が見込めないかと考えたり、MQAで700kHz台にとか将来的にはどうなのかと思ったりする。
しかし700kHz台のPCMは相当のクオリティで、上流再生レベルの受け皿としては、これでもう十分じゃないかと思わせるものがあるのだ。個人的感覚的な物言いで、実際どうなのか分からないけど。
受け皿が大きい分、録音自体がよいかどうか、丁寧に録られているかどうかがこれまで以上に重要になってくると思う。
録音に合わせた再生をどうするかも重要ということになるのかな、と思っている。

Posted at 23:36 in audio_diary | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: , , ,

Aug 12, 2018

USB電源用のDCノイズフィルターを作ってみた

7月は岡山も水害があり、仕事の同僚が被災したりして、どうにもブログを書くとかいう気分になれなかった。他にもいろいろあった。
でも、なんとなく最近になってぼちぼちでも再開しようかという気持ちになれたので、書いていこうと思う。

タイトルにあるように、USB電源用のノイズフィルターを自作してみた。
自作と言うのは恥ずかしいぐらいのもので、半田付けしたから自作、みたいな。例によってGNDと+をキャパシタで繋いだだけで、何Hzのノイズを狙ってとか考えもなく、あわよくば高周波を減らせたらいいや、手元にある部品を使って様子を見よう、で作ってしまったようなものである。うちにあるのはそんなのばっかりだ。

オスメスのusb端子はウェブ通販で購入。メス端子のほうに基盤がついていて、オス端子を半田付する。キャパシタは地元の部品屋で購入した0.027μF。
半田付の固定だけでは強度が心許無いので、写真の状態の後、ヒートガンで固めている。
うちのras piに使っているusb電源は、いくつか変遷した後、現在はELECOMのAVA-ACU01という小物になっている。白地に顔が付いたバージョンで、ゆるキャラ系だ。1個500円で売られていたものを複数まとめ買いして携帯の充電に使ったりしていたんだけど、試してみたら意外にいいんじゃないかな、ということでオーディオに使うようになったのだ。
いいといったって、オーディオ用の電源などは試してないので、ほんとうはiPowerとかのほうがいいんだろうなあ、などと思ってるんだけど、3つ買ったら2万円になるし、ちょっと手持ちの部品を試してみてから検討してもいいかな、ということで、やってみた。

結果は、意外にいいような。
音が滑らかになり奥行が出て、微かにまとわりついていたギラつきが消えて音色がより分かりやすくなった。
まだ改善の余地があったと比べて気付いた。
以前からときどき試聴に使っているエネスクのルーマニア狂詩曲2番とか、1年前よりもずっと聴きやすく美しく鳴るようになってきているんだけど、さらに気持ちよく鳴るようになった。

ロック音源の関係で驚いたことは、THe Whoの「Live at Leeds」を聴けるようになったということ。
聴けるってどういうことかというと、僕はこのCD音源を学生のころに購入して、あんまりにも音が悪いと思って聴き通せず中古屋に売った(他の物を買う元手にしないといけないので)という経緯があるのだ。ノイズっぽいし籠っていて精彩を欠くという再生音。ただ、当時のオーディオシステムはトータル数万円のシスコンで、スピーカーは16cm?フルレンジ?にプラスチック製で直径1cmのドームツイーターが付いていて、ツイーターの傍に耳を近づけても音が聞こえなかった。マイルスのトランペットとコルトレーンのサックスを聴き分けられないという代物だった。
しかしその後、これを持っていないというのはロックファンとしていかがなものかという気持ちに負けて、再購入したのである。その後、システムが変わっても良い音だと思ったことは全くなかったし、そもそもパッケージにノイズなんかは気にするなという旨のコメントが予め書かれているのである。最後まで聴き通した記憶が無い。

その音源が、あろうことかTAS Super LP Listに載っているのである。
http://www.theabsolutesound.com/articles/2018-tas-super-lp-list/

まあ、リマスターで再発のアナログ盤なので、初期CDとは別物だろうけど。
しかし、どこにか優秀録音の片鱗があるのかもしれない、聴いてみないといけないと思って聴いてみたら、なんと、意外に聴けるのだ。パチパチノイズが入っている(8794年のCDでリマスター前のものだ。リマスター後は消えている)けど、ロック演奏の生々しさは、確かに音源に記録されていて、最初から最後まで感動を持って聴き通せたのである。
リマスターCDはどうなのよと思って入手したらノイズが消えていて、初期CDより聴きやすくなっている。音が明るいというのかな。ただ何というのか、、、Live at Leedsってなんだか、ヘビーな初期CDのほうが自分には馴染む気がする。好みだろう。
しかしなるほど、名盤とされるだけのことはあるんだこれはと、ロック聴きだして35年でようやく理解するに至った。

TAS Super LP Listはアナログ音源なんだけど、CDでもいいかと思って最近は参考にしている。
ポピュラー系にはLive at Leedsのように意外な音源もアップされていて、どう料理するか考えろというリストなのかなこれは、と思うようになった。

そんなこんなで、電源アダプターのDCラインというのは対策しやすいのかな?と思って、fireface UCXのDC入力プラグに、上記のフィルターと似たような構造のアダプターを作って噛ませてみた。どうだったかというと、こっちは全く駄目で、再生音がこもり覇気がなくなってしまった。
ひとつ覚えではやはり無理みたいだ。
こっちのほうこそiPowerを使ったほうがいいのかな、、、

UCXの電源といえば、1年も前になるかもしれないけど、楽器店で電源アダプターを注文しようとしたことがある。楽器用のものを流用して音質アップを図ろうとしたのだ。受付でにこやかにどういったご要件でしょうか、と尋ねてくるお姉さんに、これこれの代替品の電源アダプターが欲しいんですがと切り出したところ、たちまちお姉さんの表情がかき曇った。そして、何を言われたかは全く覚えていないのだけど、対応できない理由について、なんでそんな顔して話す必要があるのかというような、苦虫をかみ潰したような、親の仇を見るかのような表情で話すのである。こちらは平静を装いながら、いや、難しいんならよろしいんです、、、と精一杯の応答を絞り出したのだった。
いったい、何があったんだろう。

オーディオで気になることは他にもいろいろとあるんだけど、まず、alsaがバージョンアップしてaplayで扱えるサンプリング周波数が上がったこと。

http://www.alsa-project.org/main/index.php/Detailed_changes_v1.1.5_v1.1.6

aplay: Adjust sample rate limits to support newer hardware
There are number of devices that support up to 384 kHz sampling rate and some devices up to 768 kHz sampling rate. This patch increases sanity check limit to 768k in order to support testing of such hardware.

しかし、まだpiCoreには移植されてないんだよね。自分でコンパイルも試みたけど難しい、、、
まあ、使えるようになるまで待とうかと。

これが使えるようになれば、384kHzとか768kHzにアップサンプリングしたPCM音源をPPAPで鳴らすことが出来るかもしれない。
768kHzが使えるDACがCHORDとかRMEから発売されている。
こういうのに入力したらどんな音が出るだろうと思うんだけど、、、
これらのDACは、MQAに対応していない。RMEとかサイトでMQAを推してるのに対応してない。
フィルターとかクロックとかで高度な技術を使っている分だけ、対応に時間がかかるというのはあるんだろうか。
どうしようかなと。

MQAは、誰も言わないみたいだけど、僕が勝手に考えてるのは、見当違いかもしれないけど、PCMよりもジッターの影響を受け難いのではないか、ということ。
つまりノイズ管理やクロック精度の重要性が低くなり、デジタルオーディオの一番厄介な部分の労力が減ることになり、かなり気楽に構えていても安定して良い音が得られるようになる、のではないかと、思ってるのだけど。
あちこちの説明を読むと、PCMには出来ないところに踏み込んだ技術のようだ。
過去のCD導入の時は音がいいと言われながら違ったし、ハイレゾも音がいいと言われながらそうなの?という感じだし、今回は、確かに音がいいと言われながら普及するといいなあと思っている。
でも僕自身、試聴機会がないので、なんとかならないかな、と思っている。

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