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Apr 06, 2009

pが辞めると

先日からミク歌についてダラダラ書いていたら、機材Pがミクを辞めると宣言した。

なんと。
モノノケ6号氏(=機材P)の作品は好きなので驚いたよ。
でもまあ、書いてあること読んで、なるほどとも思った。
音楽が使い捨てられることについて曲にしてもいたしね。
そんなに音楽聴いてないかね我等、とも思ったが、まあ、しかたあるまい。

彼がミクから離れると聞いて、思うところに変化があったので書いておく。

以前、ミクの代わりに人が歌えばどうだろう、と書いたことがある。
それが良さそうな曲は多数あると思う。メルトとかLast Night, Good Nightとか。
しかし機材P氏のミク歌は多分、人の声ではダメだと思う。機材P氏のバックトラックに乗っかったミクの声のリアリティは、人が替わりに歌ったのでは替えが効かない(だいたい、かなり歌いにくそうだ)。機械の声だからこそ高い音楽性が得られる場合もあるという当然のことに言及していなかったことに、彼がミクを辞めると聞いてから気付いた。

ミク歌といってもいろんなミク歌があって。
ニコニコ動画とピアプロというシーンもひとつには括れない。
いろんな人がいて、合わないと思った者は離れていくという当たり前の話。
というわけで、ニコニコ動画など以外の場所で生まれるミク歌について、以前はミク歌と感じられないかもしれないと書いたけど、どうもそのあたり、分からなくなってきています。
実際、ニコニコ動画にあるミク歌はすべて好きですなんて言えないもんね。

実際、僕自身、あたらしいミク歌を追うのが出来なくなって1年になるのでシーンの状況を以前ほどにはよく知らないというのはあって、そういう人はあんまりいい加減なことを言わない方がよかったかもしれない、と思って反省したところです。

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Mar 28, 2009

ミク歌アルバム5

まだやるんかい。
多分、これでとりあえず終わり。5回目です。

  1. OnChristmasDay
  2. ハルカゼチューナー
  3. ストラトスフィア -2008 Remix
  4. Birth
  5. 電脳スキル (short version)
  6. スノウサーフスタイル
  7. サウンド
  8. オヤスミサラウンド
  9. Lilith/electro ver.full
  10. Last Night, Good Night Guitar Plus ver.1.0
  11. セカイノカケラ

エレクトロからロックに繋がるラインでセレクト。
3回目の黒盤に近いベクトルだけど、もっとドライでクールな感じ。
実は、10曲目を使ったセットが欲しかったので急遽作ったので詰めが甘い。トータル時間も短め。
モノノケ6号氏のトラックは好きなものが多い。今回3曲。

他にも好きな曲は多々あるけど、セットに組めないまま残ってます。
ストラトスフィアのオリジナルバージョンとか、ネハンシカ、ミラクルペイント、10月の雨、オアシス、とか。宇宙人にさらわれる、春!桜!ニンジャ!、とか面白いんだけど。
宇宙人にさらわれるのshort versionなんて、iTunesに入れてリピートするための曲だし、、、
ほかにもいろいろ、、、

こういうセットに組んで聴くのは、いまどき古いような気もするんだけど、まあいいか、と。
なんつうか、いろいろ楽しめていいねえ、ということで。

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Mar 26, 2009

ミク歌アルバム4

さて、4回目。
キーワードはエバーグリーン。

  1. Breeze
  2. 廻り出すセカイ
  3. ソラノカナタ
  4. for my dear
  5. キミにアイに
  6. after resolution
  7. 電空少女
  8. encore
  9. packaged
  10. ストロボ ナイツ -STROBO NIGHTS-
  11. Voice
  12. 永夢
  13. シューティング☆スター
  14. Wish

1、11、14が19's Sound Factoryの曲。
その間にいろいろ、基本的に切なさとポジティブな感じでまとめたつもり。
こういう感じのは気恥ずかしいけど、車なんかで聞くには良かったりする。春のドライブ向けというか。

さて。
Waste Of Pops 80s-90s|カバー曲・消えたバンド・ニュース
■03/24より。

俺はニコニコ動画を「ジャンル」、初音ミクやVocaloidを「ツール」と捉えていたからわからなかったんだ。
ニコニコ動画は「ジャンル」ではなく「メディア」であり、初音ミクが「ジャンル」だということ。
そう考えると非常に単純に理解できたような気になってきた。

そこのところは、僕も読んでて違和感を感じたとこだった。
初音ミクがジャンルというのは、うなずける感じ。
僕のiTunesでは、Vocaloidというジャンルが設定されてますしね。
ちなみに、先日リンクしたちょうちょ氏の歌も「Vocaloid」に分類しています。悩んだけど。
その意味するところはやっぱり、ボーカロイドがらみでニコニコ動画で盛り上がってるものは、そのジャンルっていう風に、僕の頭が分類したってことですね。

僕は、ニコニコ動画やピアプロは、ネットというストリートに生まれたライブハウスでありスタジオであると認識しています。
音楽ファンやクリエーターが集う場所なんですね。
そういう意味で「強烈な帰属意識」が生まれる。リアルでも、ライブハウスって固定ファンが付くことありますよね。潰れるとかなったら大騒ぎになったり、思い当たると思う。ミク歌の場合、クリエーターとファンの間の垣根が今まで前例なく低いから、多分、今までにない楽しさがあるんだろうと思いますし。
そういうジャンルということ。

先日、ボーカロイドがうけてるのは、人の生身の声への信頼が失われたからだ、と書きました。
でもなんか、少し違う気がしてきた。
今の音楽シーンで生身の声への信頼感がなくなってるという考えは変える気はないけど、ボーカロイドが受けてるのは、やっぱりその「場」が魅力的だからだと思います。エネルギーが集まってる場所から、魅力的な作品が生まれている。
単純な話だけど、そういうことかと思います。

さて、そこで。
初音ミクという看板の意味について。
僕の中でそれは、「JASRACじゃない」ということ、だった。
僕の中では、ミクの看板は「JASRAC非登録」とほぼ同義だったと思う。
それが、どうもね。
このネット上のライブハウスで生まれた作品であれば、ミク印でいいんじゃないか、って感覚になってきてる気がする。つまり、ニコニコ動画やピアプロというライブハウスから飛び出すクリエーターがいるのはありだと。
昔、インディーズブームの中からメジャーに行ったミュージシャンたちのように。
ただ、メジャーはいい話ばかりじゃないよ、っていうのはさんざん先人が言ってますがね。

でも、そのネット上のライブハウス兼スタジオ以外の場所で作られたミク歌は、なんか、ひょっとしたら、僕の中ではミク歌じゃなくなるのかも知れない。
なんか、メジャー音楽業界のどこかで、ミク使って作品作って売って、、、
ちっとも面白くなさそう。
なんか、根本的に違う気がするんですね。よくわからんが。

今回は、このへんで。

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Mar 23, 2009

ミク歌アルバム3

3回目です。
忙しくしてるうちに日が過ぎるんだよなー。
今回は2セット。

  1. 初音ミクの暴走
  2. ファインダー
  3. Dragoon
  4. White Letter
  5. 歌に形はないけれど
  6. は☆あ☆と☆にキスしてっ
  7. 白の季節
  8. 俺のロードローラーだッ!
  9. リラホルン
  10. lalaway
  11. Holy Star
  12. Ievan Polkka (Rin & Len)
  13. SUPER HATSUNE BEAT Vol.1
  14. 電脳スキル
  15. ハジメテノオト

イメージカラーは白
でも白ばっかりじゃクールすぎるので、色が濃い曲でアクセントを入れてます。
あと、僕は「ミクの気持ちを歌った歌」は苦手なんですが、それでもいい曲だなと思う歌があります。そういう曲を集めた。
なんでもありで抜けた感じに。

  1. 恋は戦争
  2. 0.5秒
  3. 0
  4. ワールドイズマイン
  5. 恋愛ボーカロイド
  6. Favor
  7. 星姫
  8. CELLULOID
  9. Haruna
  10. あいのうた
  11. 斜陽
  12. ブラック★ロックシューター

こっちは黒。
supercellの曲が3曲。その間を実験的だったり夜に向いた楽曲で埋める感じ。
若干甘味も加えています。
切ない暗さが出ればいいな、と。

前々回に書いたことの反省。

>詳細なキャラ設定なんて全く必要ないんだ
と書いたんですが、そう思っていない人もいるということが分かった。
キャラ設定を作るのが楽しかった人、「ミクという歌姫の歌」を楽しんでいた人もいる、と。
そりゃ、そうか。
ちょっと、前々回は断定的に過ぎたと思った。いろんな受け止め方があるんよね。

それから、
>いろいろ思うところはあったんですけど、最終的に思ったのは、
>「この人、ちゃんとミク歌聴けてるのかな、、、」
ちょっと言い草が失礼だったなと。
いろいろ考えた末の疑問がそれだったんですね。ミクのキャラクターについてどの程度重きを置くか、ミクというイコンに何を見るかによって、感じ方は違うんでしょう。

また話変わって。supercellのCD買って聴いてみた。
CDで聴くボーカロイドってどんなんだろう、と。
メルトを聴き比べようと思ったらバージョン違ったw。
個人的には、ネット上のオリジナルバージョンの方が勢いがあって好きです。リズムといいピアノといい、あれは意外に乱暴でパンクなバラードだと思うんだよね。そういうアレンジで切なくロマンチックなとこが好きですね。

CDを聴いて分かったのは、ボーカロイドに関しては「高解像度なほうがいい」という訳ではなさそうだということ。
mp3をiTunesからコンポに飛ばした音のほうがマイルドでなじみやすい。
CDのメルトは、かなり機械な感じ。
嘘つきのパレードとか、曲によってはそんなに機械っぽさが気にならないけど、やっぱり新しい曲の方がスムーズになってるのかな。

でも、機械っぽさに違和感を感じる人は少なくないと思いました。
パフュームとか人の声にエフェクトかけた声とはやっぱり違うんですね。

そんなこんなで、これを聴いてしまった。
【高音質+MP3】「Last Night, Good Night」を歌ってみた(ちょうちょver.)
ちょっと、頭抱えてしまいました。
半年前のアップじゃん。すっかり遅れてるじゃんおれ(しゃーないけど。
「ミク歌を歌ってみた」って、いつの間にかすごいことになってるんだね、、、

以前、僕は、音楽業界で制作されている音楽のクオリティは低くない、でも何でか魅力がないと書いてました。
でも、これを聴いてしまうと。前言撤回。

ミク歌をきちんと人間の歌い手が歌ったら、数段以上クオリティがアップする。
音楽業界の商品は、曲としてのクオリティが低くても、歌手の上手さや声の耳あたりの良さで底上げされて良くきこえていたらしい、と、僕は思ってしまった。どうなんかね、間違ってるかもしれないけど。

もちろん、いい音楽もあるのは知ってるし。
でも、ほんとにちょっと、本気でどうすればいいか考えた方がいいと思ってしまいました。

あれ?
じゃあやっぱりミク歌が売れるのって不自然なのか?

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Mar 20, 2009

ミク歌アルバム2

さて、2回目ですが。

  1. スマイリーxスマイリー
  2. ストロボ ナイツ -STROBO NIGHTS-
  3. 夏の横顔 (ducky arrange)
  4. 仕方ないのよね
  5. サイハテ
  6. 404 not found
  7. やくそく
  8. ハト
  9. エッチな娘
  10. コドクノオト
  11. きみの体温(ぬくもり)
  12. 翌日の恋 修正バージョン
  13. ホタルギター 修正版
  14. Tears In Blue
  15. 子猫のパヤパヤ
  16. 桜ノ雨

テーマは孤独、お別れ、ってことでセレクト。トータル64分ぐらい。
そのわりに1曲目、それかよですが、まあこの曲は僕の中では悲しい歌なんですね。
1回目の1曲目が世界征服だったので、これは世界平和ということで合わせてみようってことで。

これらセレクションは、以前ただダラダラ聴くのも飽きてきた頃に、自分なりに気持ちよく聴けるコンピを作ろうっていうことで組んだものであります。
それなりに、その曲がそこにある理由というのは僕の中にはあるんですね。

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Mar 19, 2009

ミク歌アルバム

Waste Of Pops 80s-90s|カバー曲・消えたバンド・ニュース

■03/16

supercellが売れて、「音楽としてのVocaloid論」的な議論があちこちで為されているわけですが。
自分としては、「音楽」としては普通にアリですが、「売れること」については正直なところ
猛烈な違和感があります。というか正直、何か薄気味の悪さを感じています。

上記のエントリーを読んで。
いろいろ思うところはあったんですけど、最終的に思ったのは、
「この人、ちゃんとミク歌聴けてるのかな、、、」
ということ。
ちゃんと聴けていたら、

初音ミクってイラストのイメージは
あっても詳細なキャラ設定とかはないんだろ?
何でそこまで入れ込めるのか。
---
つまりそれって、二次元に本気で恋愛感情を持ったことのある人間じゃないと、
少なくとも「売れること」についての本質はわからないということじゃないのか。

少なくとも、こうは考えないと思うんだよね。
詳細なキャラ設定なんて全く必要ないんだということは、ちゃんと聴いてれば自明なはず。
僕は、ミク歌はほとんど音楽だけで成立してると思っています。
そういう入り口から間違ってるから答えにたどり着けないんじゃないか、と。

なにしろミク歌って、膨大なんですね。
どこから手を付けていいやら分からない。
あちこちでアルバム形式にまとめていたりしますが、どうも僕が考えるアルバムというパッケージに集まっているのを見たことがない。寄せ集めに見えるんですね。
そういう状況だから、根性ないと数曲なぞっただけになるんじゃないかと。
もっと聞き込んだ上でのお気持ちだったら、ごめんなさいね。

つーわけで。
僕の好きなミク歌をアルバム形式にセレクトしてリストしちゃおうという企画。
こういうのは書くのに大して時間かからないだろうし。
問題は、選曲がほとんど2008年春以前からになるだろうということ。
この1年、ほとんど新曲のチェックが出来てないんだよね。

まず1回目

  1. 最終兵器「初音ミク」
  2. 夕闇メロディ
  3. 「やきとりはちゅね」の店内ソング
  4. メルト
  5. オモカゲレディオ
  6. 夕日坂
  7. クローバークラブ
  8. あるお節介な言葉
  9. ぐるぐる -full version-
  10. 恋の三角関数☆
  11. 中学生
  12. 嘘ついてるの
  13. Winter Story
  14. 夕暮れノスタルジック - remix -
  15. coffee & chocolate
  16. ぶちぬけ!2008!

トータル63分ぐらい。
テーマは思春期。子供と大人ですね。1曲目はまあ、イントロということで。
クリックで聴けたらいいんだけど、そこまで親切じゃないのですんません。

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Mar 13, 2009

ミク歌と生身の歌

おひさです。
今回はミクCDがオリコン2位につけたということで記念で今更書いてみようというわけだ。
しかも、早く寝ないといけないから30分で1本書き上げようという挑戦だ(むりぽ。
少々アルコールも入ってる。
ではゴー。

渋谷センター街に「メルト」が - what's my scene? ver.7.2

オリコンのアルバム・デイリーチャートで初登場2位だったらしい。週間チャートでどこまでいくのかは謎だけど、良くも悪くも、色々と考えさせられる事態なのかもしれない…。

そう、大変なことですよ。
一方で、生身のミュージシャンの歌はなかなか売れないらしい。でもチャットモンチー1位じゃん、がんばってるじゃん。
僕はそれでもCDを買い続けている人間だと思うけど、昔ほど歌に思い入れることがなくなった。
にもかかわらず、実はミク歌の歌詞は検索して調べて、iTunesにつっこんだ各々の曲に貼付けている。

ミク歌の歌詞はいいよ。
言いたいことがストレートなのがストリートミュージックらしくていい。
ネットはストリートだから、そこで歌われる歌はパンク的なんですね。
商業音楽のような、もってまわったような、売らんかなというような、耳障りが良ければいいみたいな、あざとい感じがなくて。
ミュージシャンのワークシェアリングのような、なんでいっしょにやってんのというようなコラボもないし。まあ、不景気だからワークシェアリングを責めはしないよ。でも音楽的必然がないっつうの。ホントにお前等今それ歌いたいのかという。
そんなこと商業音楽に言っても仕方ないけど。

さっきamazonのCDランキングを見たが、本当に唖然とした

何であれがいいと思うの? なんであれのCD買うの? 本当に分からない。あれ機械じゃん。機械の声だよ?

この人、反省してたりするんだけど、僕は気にしないよ。
いいたいことは分かる気はするよ、ひどい言い方してるのはマズかったと思うけど。
機械の歌に感動できるか、と。自然な感覚だよ。

そういう疑問は僕にもある。
ただ、僕の場合は逆に、何で機械の歌に感動してしまうんだろう、という。
人の歌に、感情移入しにくくなったのは、なぜなのか。

前から考えていたよ。
僕の答えはいつも独断的で支離滅裂で偏ってる。僕向けの答えだからしかたないや。

例えば、こんなことがあるわけで。
無断配信コンテンツのダウンロードは違法に - 著作権法改正案を閣議決定 | ネット | マイコミジャーナル
違法「着うた」入手も規制 著作権法改正を閣議決定 - 47NEWS(よんななニュース)

なんだそれは?
要するに、ユーザーの声とかそういうものは国政に反映されないと。
だったら、僕らが声を挙げるイミは何なんだい?
僕らの肉声に、何の意味があるんだい?

日々、仕事を失う人たちの声はどこに行くのか。
結婚したくても出来ない人たちの声はどこに行くのか。
子供を生み育てたくても、不安で生めない人の声はどこに行くのか。
一生懸命仕事してるのにささやかな願いも満たせない人の声はどこに行くのか。

こんな、世の中の片隅のあちこちで起きる出来事。

そんな声にイミなんかない、と、この国は言っている。
お前等の声なんか一分たりとも聞く気はないから、とこの国は言っている。
役人が損しないようにするのが国益だと、この国は言っている。
それを誰も切り崩せない。
世の中なんてそういうもんだよと、世の中は黙って言っている。

ボーカロイドの声、機械の声が、僕らのリアリティを体現するのは当たり前だ。
僕らの肉声には何のイミもない。僕らの声には何の力もない。
そんな声で歌われる歌に誰が感動するものか。
歌うことしか出来ない、現実にコミットできない初音ミクの歌だからこそ、僕の心に届く。
悲しいことに。

だから、他人の肉声の歌に価値はない。
僕らは、自分の肉声を自分の手で握りしめておくだけでも精一杯だ。
この国は、この社会は、僕の肉声なんかあってもなくてもどうでもいいというから。
そんなときに、自分と関係ない他人の肉声なんかに、感動してる暇なんかないんだよ。

ミクの歌は違う。
作者がそこに込めたものは、他人の声ではない、聞き手自らの声と同等のものとして共有される。
それは多分、ボーカロイドだからこそ出来る。
共有されることが前提で、同時に、全く押し付けがましくない、心がこもった歌。

YouTube - 【初音ミク】 サラリーマンのうた 【オリジナル曲】
YouTube - 【初音ミク】僻地医療崩壊を歌う
こんな歌、CDで売れないよ。
でも、よっぽど僕らにとってリアルな、肉声に近い歌じゃないのかな。
ほとんど、叫びに近いんじゃないかな。
ミク歌はなんでもありだ。
人が肉声で歌うと、悲しくなるばかりの歌が、ミクが歌うとすんなりなじむ。笑って皆に共有される。
意外にミク歌には、そういう懐の深さがある。

えーと、問題は、

肉声はリアリティを持つのか。

人間のボーカリストは、何を歌えばいいのか。

最近数年間の音楽業界、売り出されてるのは企画ものや奇をてらったものがすごく多い。そういうものが売れていて求められているのは、お祭り騒ぎを求める人が多かったということだ。別にそういうのが悪いとは言わないけど、シリアスな歌は、求められていないということだ。
その一方、一昨年だったか、一番売れた歌は死者からのメッセージソングだ。
9.11と関係があるらしいけど、何で日本で売れるのか僕的には謎だ。
生きてる人の歌をききたい人は減っているというのに。
死んでる人の歌は聴きたいのか。
生きてる人が歌いたいこともないということか。

でも、生きてる人のかわりにミクが歌っている。
歌いたいことがある生きてる人の依り代として。
そういえばミク歌にも死者からの歌がある。僕は、そっちのほうが好きだ。コミカルだけど泣ける歌だ。

ミクのムーブメントには「ミク歌を歌ってみる」というのがある。
逆転の発想だ。ミク歌によって肉声がリアリティを得られるなんて。
すごく簡単なこと。
みんなのうたを、みんなで歌おうよってこと。
ほんとうは、ミク歌でなくてもいいはずだけど、今のみんなのうたはミク歌だから、それを歌えば、そこに僕らの肉声のリアリティが宿る。

死者からのメッセージソングは、たくさんの人が歌ったりしてるらしい。
でも、あれは僕が歌いたい歌じゃない。
ミク歌の方が、よっぽど僕にとっては身近で、琴線に触れる音楽だ。

ミク歌をカバーして歌うミュージシャンが出てきたら、面白いだろうなと思う。
つうか既にネット上には、マイナーな(失礼)ミュージシャンがミク歌を歌ってるのがアップされている。
そういえば、桜の雨を歌うプロジェクトもあったっけ。あれはミュージシャンが関わっている。

何年か前までは、音楽は音楽出版社がCDで供給していた。音楽ファンは好きなミュージシャンのもとに集い、CDやグッズを買ったりライブに出かけた。それが、音楽がみんなのうたになる過程だった。
それが、ちょっと変わってきつつあるってだけの話。

大事なのは「人が歌うCDが売れるかどうか」とか「ミク歌CDを買うかどうか」ではない。
「僕らがリアリティを感じられる歌があるかどうか」ってことだ。
それがミク歌だということもありだと思う。
なにげに名曲が多いし、自由な雰囲気が心地いい。

想像だけで根拠はないけど、今ほど、個人が自信を失ってる時代は、ないんじゃないかと思う。
それは社会情勢によるもので、今の日本の音楽シーンはそれを反映しているのだろう。
こんな時代だからこそ、リアリティを感じる肉声のボーカルを聴きたいと思う。
なかなか、難しいとは思うけど。
ミク歌が元気なばっかりじゃ寂しいような気がする。
ミク歌、好きだけどね。

30分で書くつもりが3時間経った。酔いはすっかり醒めたけど眠い。
おやすみなさい。

(そして日があけてからアップロード。ねむい、、、)

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Jan 07, 2008

ミクが自由に歌えるように

更新滞りまくっている。
まったく、去年の文化庁の言い分には全くあきれるのを通り越して疲れたよ。霞ヶ関の官僚が優秀だと言うのは嘘だね。いや、ちょっと特殊な能力が高くないと、あれはやれないと思う。
風邪引いてしんどくて、治るのに今までかかってしまった、つうか、まだ動くとダルいが。
今年の風邪は長いねえ。寒いので皆様ご自愛を。
なんか、久しぶりに書いたら長々だらだらした文になった。

さて。
初音ミク熱は収まる気配がない。リン・レンもなかなか良さそうな感じらしいし。
こんな楽しいムーブメントを日本国内で留めておくのはもったいない。
外国語でも歌えるようにならないかな。多分、初めての日本発の世界的ポップミュージックムーブメントになるよ。
英語のマニュアルつけたら海外でも売れるんじゃないか?
今にして思えばRadioheadのin rainbowsに間に合わなかったのは残念だった。

と思ってたら、英語は苦手なんだね。
初音ミク 英語の発音を何とかしたい(ニコニコ動画(RC2))
ミク以外に外国語で歌えるボーカロイドはあるようだけど、どうなんかなー。

とりあえずミク関連年末のごたごたをメモでリンク。

「みくみく」JASRAC登録で「手違い」 ドワンゴ・ミュージックが謝罪ドワンゴ、「アーティスト名:初音ミク」のJASRAC登録で「クリプトンと協議中」「初音ミク作品」契約をめぐりドワンゴ・クリプトンが説明「初音ミク作品」騒動、ドワンゴとクリプトンが“和解”コメントNews Weekly Access Top10「初音ミク作品」騒動から考える、「次の著作権のかたち」(ITmedia News)

ドワンゴ・ミュージック、「みくみく」のJASRAC登録について経緯を説明「みくみく」JASRAC登録問題で、クリプトンとドワンゴの双方がコメントドワンゴとクリプトンが「初音ミク」で協業へ、共同コメント発表(internet watch)

着うた配信の経緯着うた配信の経緯(2)着うた配信及び今後の協業に関する共同コメント(メディアファージ事業部 ブログ)
クリプトン社の謝罪に対するコメント着うた配信及び今後の協業に関する共同コメント(ニコニコニュース)

職人さんの権利関係まとめwiki(RC)[旧・みくみく登録問題まとめ] - トップページ

この件についてはいろいろ考えさせられた。ネット上では、そもそも何でミクでボーカロイドなのかというとこまで話は広がった。
引用しつつリンク。

何かというと、初音ミクは旧来メディアやJASRACといった権利者および権利者代行団体に対するアンチテーゼシンボルとして祭られて来ていたのだ。
これまでに「初音ミクとニコニコでCGMが花開く」という言葉がどれくらい記事の上に舞ったことか。

ジャンヌ・ダルクは捕らえられたのか(rerofumiのつぶやき)

また、関係者がダメージコントロールに成功したとしても、「みっくみく〜」がJASRACに登録されるという事実は当面動かないので、この曲の再利用が漠然とリスキーになった事に変わりはない。ひょっとしたら何も起きないかもしれないが、自分が一匹目の羊になりたいと思う奴はいない

ニコ動 vs クリプトン 第2回戦(Usada’s Backyard)

実際、初音ミク ブログパーツ・フルみっく伝染歌プレーヤーからは「みっくみく〜」が消えた。
このプレーヤー好きなんだけどねー。
集まってる曲は凄くポテンシャルが高い。熱くて伝達力つうかエネルギーが大きい。すばらしすぎる。
翻って、音楽業界に同レベルの曲を作る能力がないとは思えないのに、なんで活気がないんだろう。というか、なんで業界の提供する音楽になんで熱くなれないんだろうというのがある。

え? そりゃそうだろうって? まあねぇ、、、

音楽配信メモのエントリーを引用。

いや、年末に昨年購入したCDって何枚あったかなーと思って数を確認したんだけど、50枚弱くらいしかなかったんだよね。18くらいからずっと年間100枚切るなんてことはなかったんだけど、自分の中で音楽に純粋に向き合えなくなってプライオリティーが落ちていることがこういう客観的な数字として出てくるのはいろいろ考えますよ。なんか、ホントにCD買えなくなった。

あけましておめでとうございます(音楽配信メモ)

50枚なんて、僕より少ない。うーん、、、
かくいう僕も、減ってるんですね。特に邦楽が少ない。
物理的にスペースがないというのが大きな理由で、極力ディスク買いは減らしてネット配信利用に意図的に傾けている私です。iTSでの購入はかなり増えた。
しかしCharaとかiTSで買ったのにディスクで欲しくて買ったのとかある。そういえばiTSで知ってディスクを買うというパターンはけっこうあったな、、、
まだ、iTSにない作品は多いので、どうしてもCDDAを買ってしまうことに。
それでも減ってる。

なんか、盛り上がりに欠けるんですね。熱くなれない。
ときどきスペースシャワーTVとかぼーっとながしてるの見たら、作品としてのクオリティは低くはないように思うんですけどね。

音楽ビジネスはもともと純粋な音楽ファンを相手にした商売ではなかった。
それよりも、音楽自体に対する関心の強弱とは関係なく、音楽を媒介にしたコミュニケーションに興味ある一般層がターゲットだった。

「終わりの始まり」—— 音楽業界の2007年と2008年(くだらない踊り方)

物心ついた頃から僕の音楽的志向は、たまたまか必然か、たいていは周囲の志向とは相容れないもので、関係性を築くために聴くというのは全く選択肢になかったんですねー。
音楽を全く個人的な行為として楽しむ僕のようなのは、基本的には音楽業界の「メインの顧客」ではなかったかもしれませんが、コンスタントに何かを買っていく「上客」ではあったと思うんですね。
基本的に万引きとかしないしね。

CCCDだとか、そういう客をないがしろにすることを繰り返してきたら、熱も冷めようというものか。
ないがしろにするつもりはなくとも、著作権の窮屈さというのは本当に息が詰まる。
本当は、音楽ファンはそういうのに気付かずに楽しめる方が幸せ。

でも、寝た子は叩き起こされてしまって、今や寝付くすべも忘れてしまった。

そういう人間には、ミクの歌声はとてもピュアで汚れなきもののように聞こえる、のか?

この騒動の背景には、コミケットや2ちゃんねるといったオープンソース主義のアマチュア文化と、クリエーターをネタに儲けようと考える資本主義の対立という構図が見えるんだが、今回はドワンゴだけが資本主義社会を生きていて、クリプトンをはじめとして他の連中がみんな、プロかアマかを問わず、オープンソースをベースとするアマチュア文化を生きているという、そもそも「生きる世界が違う」という問題があるわけだな。

初音ミクはオレのモノ(ネットゲリラ)

しかし今や、ニコニコ動画のように、才能と大衆が勝手に集まってきて音プロもJASRACもなしで楽しく遊ぶ場が動き出してしまった。
もちろん、ヒット曲には対価が必要だろう。カラオケ配信で儲けたっていい。そこにJASRACが入ったってまあ良し。
でも、そこだけにしといてもらいたいというのが、多くの人の感じるところじゃないだろうか。ネット配信の制限だの、マッシュアップが著作権侵害だの、JASRAC余計なことしてくれるな、ということだろう。

初音ミクと終わりのはじまり

それでも、私は今回のドワンゴ、クリプトン間の合意の文面で、エイベックス流の「原盤権よこせ」ではなく、「音楽データ(原盤)に関する権利は、「初音ミク」ソフトウエアの使用許諾契約書の諸条件のもと、音楽データ(原盤)の制作者が保有することを確認」と、はっきり原盤権がそれぞれの作者にあることが明記されたことは大きな意味があると考える。

初音ミクのオリジナル曲の場合、作者が作詞作曲から、最終的にリスナーの耳に届く音データに至るまでを制作している。音プロがレコードを企画して、歌手が乗っかるだけというのとは根本的に事情が異なる。
自分の曲をどうネットで配信すべきかは、レコード会社が決めることではない。
それぞれの作者が、自分の保有する原盤権に基づいて決めるべきことだろう。

初音ミクと原盤権(松浦晋也のL/D)

でも前述の通り、ブログパーツからは「みっくみく」は消えてるわけで。
皆が納得しているのならいい。カラオケで歌えるというのはすごいことだしね。
ただ、カラオケで歌えて、なおかつネット上で自由に使えるなら、もっと良いのになあ、とか思う。こんなこと考える僕の方が悪いのかも知れないが。

こんなのがあった。
JASRACへの信託話([電波とどいた?])
引用。

E-licenseが、 今年の4月からカラオケの信託を受け付けてるのに気づきました。

問題はカラオケに関して委託するとき、同時にその他での利用の決定について、どの程度の自由度を著作権者が持ちうるのかってとこですけど。管理委託契約約款は今年の1月1日にも若干変更されてますが、ざっと読んだだけではよくわからない、、。

自分の作品を自分のサイトで配信する場合はどうなりますか?(e-license::作品使用について)

著作権管理団体に登録していない作品であれば自由に無料で配信することができます。
しかし、第三者に無断で使用させないためには、著作権管理団体に作品を登録し著作権を守ることが必要になります。
e-Licenseは“使用料の上限設定”という新たな仕組みを採用し、 自分の作品を自分のサイトで配信するケースになど個別のケースに応じて柔軟な対応を可能にしています。

e-Licenseの使用料率は、どうなっていますか?(e-license::e-License との契約について)

上限設定とは、利用者からの申請があった場合、利用料規程通りの料率であれば自動的に利用が許諾され、規程より低い料率で利用申請があった場合には、権利者へ確認を行い、同意が受けられれば利用を許諾するといったものです。
ただし、第3者からの申請であり、権利者にとって明確にメリットのある場合に限ります。

どうなんだ?
これって、カラオケに関してだけ登録して、ネット配信では登録しない(自由に無料で配信状態)っていうのは、可能なのか?
我ながら初心者ですね、、。

えーと。話はいきなり変わる。たまたま目にした周辺雑事。
初音ミク・エクスプロイテーション:第一期ブームの終焉がなんとなく見えてきたと思う(what's my scene? ver.7.2)
エロですか。まあ、そっちからは来るような気はしていたけど。
でも実写なんですなあ。そういう使い方?、、、
まあ、それってミクじゃない気がする、とか言って。

なんというか、ミクの持ち味・強さって匿名性だと思うので。なんたって楽器なんだから。ストーリー性とか共感とか欲望惹起するキャラクター添えてみたりとか、これまでのコンテンツビジネスに利用されていた付加価値は、かえって異物だと思う。
むしろ、作り込んだもののほうが、逆に淘汰されちゃうんじゃないかな、、。

あと、こんなことも。
柊巫女初詣祭(らき☆すた)・ネギ畑で捕まえて!(初音ミク)(Get The World!(夢彗星) まとめ@Wiki )
伝説の青龍刀系同人誌即売会、川崎に降臨!!(STRIKE HOLE)
いろんな騒動があるもんですねー。

昨年12月頃に考えてたこと。

初音ミクのわくわく感、楽しさというのは何だろうと。
こういう感覚って昔味わったことがあったかなあ、何だろうと思っていたんだけど。

僕がリアルタイムで体験したポップミュージックのムーブメントといえば、まずインディーズブームからバンドブームにかけての日本のポップミュージックシーンの盛り上がり。
最近は、自分の音楽の聞き方もシーンの中で盛り上がってというよりは、珍しいものを追っかけていくという感じになっていってました。オーディオが良くなったのをいいことに、ジャズ・クラシックに守備範囲を広げ、ポップミュージックはロックからレゲエ、ハワイアン、ボサノバ、ラテンミュージックへと流れ。
もちろんそういうのを聴くのって楽しいんだけどさ。
でもやっぱりインディーズブームは楽しかったなあ。
周り誰も聴いてないから一人で聴いてるんだけどさ。
20年も前になろうか。

当時は、インディーズからメジャーに行くことに抵抗感を示すファン心理というのがあったという。今もあるのかな。
僕は地方のファンでメディアを通じて触れていたせいか、全くピンとこなかった。
しかし都会で直にミュージシャンに接していたファンからしたら、遠くに行ってしまうというのは現実的な問題としてあったんだろうな。
そしてミュージシャンにとっては、契約・著作権で縛られるというのは大きな環境変化だっただろうと、今になって思う。
地方在住の子供には分からなかったけどね。

えーと。
数年前に局地的なムーブメントで中原小麦ちゃんがいた。
ネット展開するバーチャルアイドルというのは既に珍しくもなかったけど、小麦はかなり多くのファンを巻き込んだように思う。僕も一時巻き込まれていた。
2ちゃんねるというネット文化の日陰部分(当時)を前面に出して肯定したというのも面白かったし、中の人の才能もありーの、権利者サイドが二次創作に比較的寛容だったのも相まって、あれはなかなか楽しかった。ネットラジオ、インターネットが原動力になったという点でも新しかったんじゃないかな。
でもそんなムーブメントの中で、やっぱり「著作権」というものはそこかしこで障壁と言いますか、権利者とユーザーの間に壁として見え隠れしていたと思う。小麦ちゃんの場合、権利者とユーザーが近いにも関わらず、いや、近いが故というべきか、ちょっとデリケートな部分としてありました。

中原小麦はバーテャルアイドルだったが、中の人がいることは自明でそれコミでのムーブメントだった。というか、ファンと中の人とスタッフがいっしょに中原小麦を持ち上げていたというのかな、そういう構図だったと思う。
桃井はる子がいたからこそ、あれは可能だったんだろうと思う反面、それが中原小麦の限界だったとも思う。

で、初音ミクですが、やっぱり最初に思い付いたのは中原小麦との類似性だった。ネットアイドルだしね。
でもミクには中の人がいない。ミクが歌った作品にミクの著作権は生じない。

記憶の彼方なので正確でないかも知れないが、昔、シンガーソングライターについて「自分で下手な歌を歌うよりもうまい歌手に歌わせた方がいいのに」という話があった。それに対して「自分が歌うことで自分の歌になる。他人が歌ったら他人の歌だ」という反論があった。

楽曲に対する歌手の支配力というのは大きいのだ。
歌手のパーソナリティが歌に反映される。歌に説得力を与えるという考え方。
現在のポップミュージックシーンでは自作自演が主流だけど、その理由は著作権云々ということと同時に、そういうこともあるわけで、というか、歌にパフォーマーの「商品価値」を付加して売るということが、ずっとポップミュージックシーンでは行われてきてたわけで。

一方、匿名性ということが強く言われるシーンもある。テクノとか。
それはこうした「人格」を「商品価値」として売るシーンに対しての反動という面があったと思う。テクノでボーカルが前面に出ることが少ないのは、歌手のパーソナリティーが、場合によっては存在するだけでも、匿名性を妨げることがあるからだろう。そこに多くの物語、感情が宿るからだ。
と思うのだけどどうだろう。

ミクのムーブメントは、中の人なしで、ユーザーが皆でミクを持ち上げている。
うざったい業界著作権団体の思惑とか、歌手のパーソナリティに左右されない。
ミクは完全なユーザーの音楽の依り代として機能している。

ミクがヤマハのシンセをモチーフにした姿をしているのはだてではない、彼女は楽器であって、歌手ではない。生身の人間が背負ったしがらみや物語からは無縁だ。だから何でも歌える。

匿名性の極致であり、同時に姿形を与えられたイコンでもある。
あの姿が与えられたというのも何かの巡り合わせなんだろうな。面白いところだ。

で、何のイコンかって、やっぱり、自由な音楽そのもののイコンってことになるだろう、僕にとっては。
あのJASRAC登録のゴタゴタがあって以降も、そういう印象は変わらない。
多分、無名のクリエーターが作品を作り続けている限り、僕にとってボーカロイドはそういうものなんだろう。

昔の音楽シーンは自由だった気がしたんだよね。
だから多分、楽しかったのかなと思う。

音楽業界が、自由で楽しい音楽を売ることが出来なくなって。
多分その空気って、ダウンロード違法化がどうとか、そういう世界の窮屈さをもろに被ってるからだと思う。
音楽業界はかわいそうですね。

ミクはin rainbowsに間に合わなかったとか最初に書いたが、日本特有の事情で局地的なムーブメントなんだろうか。海外でも著作権がらみの音楽事情は厳しいから、ニーズはあるかもしれないとか思いますけどね。
霞が関はダウンロード違法化とかいってますが、ミクが自由に歌えるネット環境は何としても維持したいと思っています。
将来はミクに適法マーク?、、、似合わないと思います。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as:

Oct 20, 2007

パロディとかって楽しいのにね

騒動もなんとやらの華とばかりにもりあがっています、初音ミク。
短期連載:企業にとってのニコニコ動画 第1回:「初音ミク」に注目すべき理由を考えてみた(1/2)(ITPro)

ほんの数年前に,アニメや楽曲が顔も名前も知らない会ったこともない複数人のコラボレーションによって生み出されることを誰が予測しただろうか。ネットワークを生かした集合知の活用はまだ始まったばかりである。

なんか、わけわかんないダイナミズムを感じるミクなわけですが、気になる話が海外から。

気になる話:米メディア大手がCGMに関するルール作りに着手(what's my scene? ver.7.2)

どうやら、米メディアの大手企業が協力してCGM(米国での一般呼称は「UGC:User Generated Content」)に関するルール作りに着手した模様。同ルールに関する提案は「User Generated Content Princeples」として公開されており、参加企業リストには、Viacom、Disney、News Corp.、NBC Universal、CBS、Microsoft等の名前が連なっている。

ルールって、しかし、権利者主導でいくのかね?アメリカ。現状は「提案」ということらしいけど。
日本は二次創作が基本的に黒に近いグレーゾーンだから即影響を受けるということはないかもしれない?だろうけど、フェアユースの国アメリカでユーザーの権利が縮小させられるのは、周り周ってこっちにも影響する、かもしれない。のか?

一見関係ないようなエントリーだけどリンク。

「初音ミク」事件について(たけくまメモ)

特に俺の場合「パロディ」をやりますしね。これ、日本の著作権法では厳密にいえばアウトの可能性があるんです。それなのに、なぜそういうことを何十年も続けてこられたのかといえば、一番の理由は「著作権侵害は親告罪」だからです。要するに、告発マニアがなんと言おうと、パロディもとが「気にしない」なら、それですべてOKなわけです。俺は、この「著作権は親告罪である」ことに、ずいぶん助けられてきた気がします。

非親告罪化というけど、考えてみたら基準が要りますよね、今まで「親告罪」だったのが、非親告罪となれば罪かどうかを決めるのが権利者以外の第三者になるわけだから。
そこで基準が曖昧だから、どうなることやらと言われてる訳で、、、

でも、だったら基準が出来ればいいんじゃないかというと、そういうもんでもなさそうですね。
窮屈この上ない、楽しくない状況に至りそうです。
多分、ミクで遊べなくなるー。

そしてこんなことも。高校の文化祭で劇をやるのも大変。
権利制限の意味(Copy & Copyright Diary)

著作権料を払うようにとの連絡をした著作権管理会社のインターナショナル・ミュージカル新社の西村英方社長がインタビューに答えていて、文化祭では上演時間の関係でオリジナル作品を短縮版に改変している、「同一性保持権を侵害しているので、教育目的であっても著作権料を支払うべきだ。払えないというのなら、あきらめてもらうしかない」という趣旨のことを述べていた。

だから金払えってか?、高校生が文化祭でただで客に見せてるのに。
短くしたからって何だというのか。

でもこういうことって、JASRACとかのやってることとかも見てると、管理団体てのは歯止めがないとどこまでもエスカレートするんだなあ、って思う。
そりゃー好意的に見れば彼らは仕事してるだけー。
でも常識的なアタマがないかのように見えるところが何ともJASRAC。
管理団体ってない方がいい?、そうもいかないかなー。

ちょっと、どこに落としどころを見つけたもんだか、考える必要もあるかな。

メモ。
CGMとは、Consumer Generated Media(消費者生成メディア)の略ということらしい。覚えとこ。

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