Page 1 / 31 :  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 Next › »

Current filter: »watermark« (Click tag to exclude it or click a conjunction to switch them.)

Aug 13, 2007

ユニバーサルの店舗は遠い

以前のユニバーサルの話の続き。

Universal Music、DRMなし楽曲の販売をテスト(ITmedia)
Universal Music to Start DRM-Free Experiments(DRM Watch)
Universal Music、DRMなし楽曲の販売をテスト、しかしiTSは仲間はずれ。(ふっかつ!れしのお探しモノげっき)
ITmediaから引用。

同社は8月21日から1月31日までDRMなしの楽曲を販売する。(中略)同社によると、DRMなし楽曲を販売するオンラインストアは、Amazon.com、Google、Wal-Mart Stores、Best Buy、Rhapsody、Transworld、Passalong Networks、Puretracksなど。

へぇ、、、僕は買えるんですかね。
れし氏のとこから引用。

そして、世界でのこのような動きに対して、日本は蚊帳の外(苦笑)

買えないのかよ。。。

18日、追記でリンク。英文記事。
Music Industry Accelerating Watermarking Adoption(DRM Watch)

マイクロソフト社のウォーターマークを採用してるらしい。
それでウィンドウズユーザーのみ対象なんですね。
記事に拠ると「どこから購入されたファイルか」ということだけ書き込まれるらしい。そんなこと透かしに入れてどうするのだろう。
全く、無駄としか思えない。
誰でも買えるようにすることの方が余程重要だろうに。

Posted at 10:05 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

Jun 18, 2007

デジタル指紋

前のエントリーから続いて。いるのか?
iTunes Plusのファイルには、ファイルを特定する「署名のようなもの?」が付いているらしいことがわかった。
これは「透かし」ではないらしい。
しかし、違法アップロードに対してある程度の抑止力を持つだろう。

デジタル指紋によるビデオ共有サイトのフィルタリングは「機能していない」:NewTeeVeeの実験(P2Pとかその辺のお話)

所謂、「デジタル指紋」というものがどういうものなのか、良く知らないんで何ですが、、。

ネット上で軽く調べると、電子透かしと混同されてるという話もあったり。
8年前に書かれた説明 をちょっと引用。
暗号化について(大坪家の書庫)

デジタル指紋:これはIBMの定義によれば、デジタル透かしと対をなす技術のことだ。IBMの定義ではデジタル透かしとは送り手側の情報を埋め込む事を指し、デジタル指紋とは、受取手側の情報を埋め込む事を指すらしい。もっとも他の「電子透かし」のページを見てみると両者を合わせて「電子透かし」と読んでいる場合も多いような気がするが。

つらつら読むに、電子署名は見えるが透かしは見えないということらしい。
しかもコンテンツデータそのものの中に気付かれないよう埋め込むらしい。

うーーん。
思うんだけど、フィルタリングは機能していないと言う記事、初歩的な疑問で悪いんだけど、実験でアップロードされたファイルに指紋なり透かしなりは入っていたのかい?
入ってないなら、何度もアップロードできて当たり前だと思うわけで。
Daily Showのクリップってのは、入ってるという前提でやってるんだよね、、?
このクリップのファイルには「誰に売りました」という情報が埋め込まれてるということなんだろうか。

  1. YouTube上で「Daily Show」を検索する。
  2. Jon Stewartの本物のDaily Showの最初のクリップを選択肢、KeepVid.com経由でダウンロードする。
  3. Soapboxにアップロードできるフォーマットに変換する
  4. SoapboxにDaily Showのクリップをアップロードする
  5. Soapboxが処理し、変換し、そして(おそらく)著作物かどうかのスキャンのためにかかる時間を待つ

こういった過程で得られ、いじられたファイル、それでも消えない指紋なり透かしっていうデジタル技術は、自分のような素人には想像がつかない。データベースと比較するというのも、すさまじい話だなあと思い、どうも何か違うと思い、、。

オープンソースのデジタル音楽ファイル識別サービス(hotwired)
4年前の記事だけど。

音響デジタル指紋技術は、米リレータブル社が開発したもので、曲に固有のオーディオ的特徴1分当たりの拍数、高音域と低音域の量などを抽出し、『ミュージックブレインズ・タガー』によってそれぞれに独自の識別マークをつける。

これって、まったく前述のIBMの定義の話と違ってくるんですが。
しかしこっちのほうが、問題になっている「デジタル指紋」に近い技術のように見えます。曲や映像の「固有の特徴からデータを抽出してデータベースと比較する」という。
気が遠くなるけど。

機能していないという記事が載ったAudible Magic社の技術だけど、5月のネットニュースにリンク。
マイスペース、著作権保護技術「Take Down Stay Down」を導入へ--不正動画の再投稿防止(1/2/3)(cnet japan)

どえらいことを言っている。

Ikezoye氏は「人間が同じコンテンツだと認識する作業をシミュレートしている」と語っている。

どういうフィルターなのだろう。
これが「デジタル指紋」ということなら、権利者がファイルに何か埋め込んでいるとか、そういうのは一切関係ないってことになる。YouTubeからダウンロードしようがフォーマット変換しようが、関係ない。
すごくファジーな部分をカバーする技術だと思う。

実際どこまで機能するのか疑問、とあるが、さもありなん。
だって人間って見間違いするし。それをコンピュータがシミュレートするなら見間違いも増えそうだよね。

しかし、記事を読んでいて、「デジタル指紋」がどのようなものを指すのかというのは、混乱しやすいんじゃないかと思った。

MySpaceのプレスリリースによると、著作権所有者はTake Down Stay Downを無料で利用できるという。MySpaceは、ホスティングサービス「MySpace Videos」経由でホスティングされた著作権で保護された動画の排除を要請する通知を受け取ると、その新機能がその動画の「デジタル指紋」を採取し、コンテンツの再投稿を阻止する著作権フィルタにデータを登録する。Audible Magicの最高経営責任者(CEO)であるVance Ikezoye氏によると、「これは、コンテンツに印を付け、それを特定できるようデータベースに登録する機能だ」という。

これを読むと、あらかじめファイルに組み込まれた指紋を、要請によってデータベースに登録する、というふうにも受け取れる。
しかし「あらかじめファイルに組み込まれた指紋」があるなら、「新機能がその動画の「デジタル指紋」を採取」なんてことはしなくても、その指紋のデータそのものを著作権所有者がMySpace・Audible Magicに送りつければいいだけの話では?

コンテンツに印を付けるという言い方は、あたかも「そのコンテンツに指紋を埋め込む」かのように見える。そして、その指紋を「それを特定できるようデータベースに登録する」というふうに読んでしまう。
しかし、その印はどこに付いているのか。
どうやら「ファイル自体に組み込まれた指紋が印」なわけじゃなく「データベースに登録された=印が付いている」と考えた方が話が通る。

英語記事の原文は、
「 "(It's) the ability to have a piece of content imprinted and put in a database so we can identify it," said Vance Ikezoye, CEO of Audible Magic.」
意訳してみる。
「(それは)コンテンツの一部を刻印にしてデータベースに入れることで、それを特定可能にする能力だ、とAudible MagicのCEO、Vance Ikezoye氏は言った。」
こう言った方が分かりやすいのでは。

電子フロンティア財団(EFF)の弁護士スタッフであるCorynne McSherry氏によると、ビデオフィルタリングから人の介入を排除すると、不当に排除されるコンテンツが出てくる可能性があるという。

(中略)

McSherry氏は、「デジタル指紋を組み込みたいなら、最終的な安全対策や防止対策が必要だ。特定の素材に関する対抗通知があったら、適切でない可能性もあるため自動デジタル指紋の削除が必要になるかもしれない。少なくとも、判断は人が行うべきだ」と語っている。

「デジタル指紋を組み込みたいなら、」という言葉のせいで分かりにくい。
うっかりすると、コンテンツに指紋を組み込むかのように読み違える。

英文記事原文では「"If you want to build in a digital fingerprint,」とある。
「デジタル指紋に取り込みたいなら」とか「デジタル指紋を取りたいなら」としたほうがいいと思う。

同氏は、「コンテンツの特定に関しては指紋の方がはるかに堅牢だ。ハッシュはファイルを特定するだけだ」と説明している。もし、Viacomの依頼を受けて「Colbert Report」の映像を排除したとすると、MySpaceのフィルタはMPEGファイルからAVIファイルまで、同映像のあらゆる品質の全形式をブロックする。また、排除された作品のごく一部しか含まれないビデオクリップも排除可能だ。Ikezoye氏は「人間が同じコンテンツだと認識する作業をシミュレートしている」と語っている。

うーむ、「ファイルを特定する」だけではないらしい。
いや、むしろファイルの特定なんかの機能があったら邪魔で、コンテンツの集合が引っ掛かってくれればいいということなんだろう。だって、コンテンツとしては同じでもファイルは無数に存在するもんね。長さとかフォーマットとか違うのはいくらでもアップされている。

これって「デジタル指紋」というような呼び名から受けるような正確さを持ったものとは考えにくい。
モンタージュとか、似顔絵レベルのもんじゃないのかなあ、、。
IBMの言葉の使い方のケース(8年前のものではあるけど)もあることだし、まぎらわしい呼び方はして欲しくないのだけど。
指紋っていうと、あたかもファイル・コンテンツ自体にくっついていて正確に他との識別が可能な属性のように感じられますから。

もしかして、自分が間違ってる?、ちょっとよく分からないんですよね、、。

Posted at 10:03 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

ウォーターマークじゃなくて署名があるらしい

iTunes Plusのライブラリアップデートって作品別で出来ない。一括なんだよね。
これは不満。
作品別で出来るようにして欲しい。

さて、以前のエントリーの続き。もはや旧聞か。
iTSから買ったファイルに個人名とメールアドレスが刻印されているという話。
そもそも以前から、iTunesでファイルの情報を見ると、名前、メールアドレス(iTSのアカウントとして)、購入日まで見れるわけで、何を今更という感もあったが、しかし、暗号化も何もなされていないというのでちょっとなー、、。
名前はともかくメルアドまるみえは(w;。
まあ今回は、ネット上にアップロードするには憚られるってことが周知されたってことでしょうか。

実際、エディタでファイルを開くとメルアドがある。
しかし名前がない。文字化けしてるのか。
iTunes Plusかどうかは関係なく、メルアドは見れるが名前は見れず、nameという単語がある。。。

その組み込まれた名前がこうやったら簡単に見れるのだと。
マックでTerminalを使うと言うんだけど。
Watermarked iTunes files(Playlist)

strings ファイルのパス | grep name

これでファイルに登録された自分の名前が見れるよというが。
やっぱりnameと出るだけで見れないぞ、、。

僕は自分のマック本体のユーザー登録をする時に漢字で登録している。
ファイルに書かれてる名前がそれだとしたら、うちのTerminalでは日本語表示が出来ないから見れない。残念。

もうひとつ、他に何か組み込まれていないかってことでEFFが調べている。もしかしてこれも旧聞。
An Update on the Innards of iTunes Plus Files(EFF)

「電子透かし」と言えるものは、なかったとのこと。
しかし過去のDRMありのファイルにはなかったフィールドが、追加されているらしい。これは購入者・トラックによって全く個別のものになってるんだと。いうなればファイルごとの署名みたいなものか。
引用。

While there are no watermarks, there are some other interesting fields that are likley to have privacy implications. In particular, there is a 1024 bit variant field labeled sign and a 630 byte variant field labeled chtb. These are unique for every combination of user and track we've seen. Neither of these fields existed in the FairPlay DRMed .m4p tracks that Apple has been selling in the past.

It's best to assume that either the sign or chtb field could be used by Apple to identify the user who purchased a track (that would be true if Apple logs what it writes in these fields, or if sign is, as it seems, a cryptographic signature). It's also safe to assume that they can be used to tell the difference between real and forged names / Apple IDs in tracks.

cryptographic signature、つまり暗号化された署名。
ファイルに入った名前やアップルID(メルアドね)を偽造されたとしても、これを見たらバレる、と。
以前、ファイルにユーザーの判子を押せたらいいと思ったことがあったが、それ以上のことをアップルは勝手にしてくれてるみたいだ。
おそらくDRMフリーにするためにはファイル所有者の識別が出来るようにする必要があったんだろう。

しかし、こういうのって予め教えてくれてもいいのにね。
個人の情報をいかに管理するかについては各方面でナーバスになってるから、説明した上でやったほうが心証はいいと思うんですが、どうでしょうね。

Jun 05, 2007

アップル関連2つ

アップル関連で2つのネットニュースにリンク。

アップル、文化庁を激しく非難--「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」(cnet japan)

いかにもタイトルが弱い。
括弧の中は「著作権行政は速やかに他省庁に移管すべき」とすべきだろう。

5日、追記。首相官邸からダウンロードできるpdfファイルから引用しとこう。

[総括]
文化庁著作権課に依る一方的な行政運営には理解不能である。徒に著作権者団体の意見のみを汲取り消費者、機器メーカーの立場は無視し続けている。アップル社を私的録音録画小委員会から閉め出し、欠席裁判で物事も決める閉鎖的な体質を持つ文化庁の典型的な隠蔽体質を良く表している。平成19 年3 月27 日、文化審議会 著作権分科会私的録音録画小委員会にても多くの小委員会委員が補償金制度の必要性の根幹の議論提示をしたにも関わらず、作為的に「私的録音録画問題に関する検討の進め方(案)」から削除するなど鼻から「結論ありき」の審議会運営をする著作権事務局には真摯な姿勢は微塵も感じられず、もはや公平公正な著作権行政を運営する適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。

アップル、閉め出されたのか。だとしてもこの言い分はなかなかすごい。

さて、アップルに電凸した人がいる。
知的財産推進計画2007 ──“既成事実化”する「アップル」のパブコメ(エンドユーザーの見た著作権)

最終的に回答を貰ったアップルジャパンの広報によると、現時点で、アップルジャパンから確かに送られたものかどうかは判りかねるとのこと。内部で確認をとってみないと誰が送信したのかも明らかでない、また(アップルジャパンでなく)アップル本社から送信されたどうかの可能性についても答えようがない(つまり現時点で判らない)という話でした。

さて、なかなか面白い話です。誰だろうなー、これを送ったのは。
つうか、官邸は送られてきたものが「本当にそこから送られてきたのかどうか」は確認するんでしょうかね。
僕んとこには、確認は来てないなー。
やっぱり、送られたものをそのまま載せてるんでしょうか。
まぁ、アップルとしての意見なのかどうか、アップル社自体の動向に注目せざるを得ませんね。


10日、追記でリンク。件のパブコメコメントの内容について検討が行われています。
Aのパブリックコメントを読む(試される。(ココログ mix))
そして、過去のアップルのパブコメを載せている。比べると今回のはやっぱり極端だなあ。過去の意見募集において「アップル」名で提出されたパブリックコメント(試される。(ココログ mix))

もうひとつはこれ。
「楽曲データに氏名とメールアドレスが」--EFFがアップルを非難(cnet japan)

EFFの記事がこちら。
Apple's DRM-Free AAC Files Contain More Than Just Names and Email Addresses(EFF)

gigazineにも載っていた。
DRMフリーの「iTunes Plus」で購入した楽曲にはAppleIDが埋め込まれる(GIGAZINE)

自分は以前、アップルのFairPlayをオープンにするのと同時に自分の所有する曲に自分の判子(ウォーターマーク)が押せたらいいんじゃないか、ということを書いたことがある。
アップルはDRMフリーという予想以上のとこに行ってくれたわけで。
所有権を明確にするための電子透かしは、自分としては抵抗感が無い。

しかし、個人名とメールアドレスとなるとなぁ、、。
なくした時に拾った人が届けてくれるとかでないもんなー。

Jan 21, 2007

不可逆圧縮でいいのかい。

あちこちで語られてる話だけど。
オリジナルのCDをごみ箱に捨てる若者(bpspecial ITマネジメント)

CDを捨ててしまう若者、、、別にそれはいい。
案外自分は、淡々と受け止めている。
なんつうか、自分の場合、収納の為にケースを捨てはじめた時点で、けっこうそういうこだわりは抜けた気がする。
捨てる人がいてもいいやっていうか。

そういえば、iTSとかで買った場合付いてくるアートワークは、ああいった形にこだわる必要はないと思うし、歌詞とかのダウンロードとか、そういうのも込みで、もうちょっと熟れてもいいと思う。

そんなことよりも問題なのはこっちだ。

パソコンに圧縮して格納しておけば、またその音楽CDが欲しくなったらCD-Rに“焼直せば”復元できる。そういうと、「一度圧縮してしまったら、オリジナルの音質には戻らないよ」と思う方もいると思う。僕もそう思ったのだが、「圧縮した音楽とオリジナルの音楽の違いは、人間の耳には区別できないでしょ」というのが彼の考え方である。

何いうか。
その「彼」というのはミュージシャンだというが、「音色」というとこまで気を使うかどうかは各々のミュージシャンの勝手だろうけど、そういう人ばっかりだと思って欲しくないなあ。
音質に配慮してSACDとかでリリースする人だっているのだ。
SACD、捨てられないぞ。

現時点で、CDDAの方がファイルよりも音がいい以上、捨てるわけにはいかない。
つうか、可逆圧縮か、圧縮せずに取り込んで聴くなら、ハードウェア次第でCD並みの音質になるだろうけど、それなりのオーディオを使えば不可逆圧縮ってのはやっぱり音質は劣るのだ。

このコラム自体は、知的所有権の関係でなかなか興味深い話が書かれていて、とても面白く読ませていただきました。

追記なわけです。
このコラム、そもそもCDを捨てるって話よりも知的所有権の問題の方が主旨なわけで。
そっちのほうも少しだけあたっておこう。

オリジナルの音楽CDを捨てたりしないで、僕にくれればいいじゃない……。そんな風に思うのだが、「それは違法コピーと変わらないですよ」という返事になる。

誰かの手に渡ると、その分、その誰かが買うかもしれなかった本来の音楽CDが売れなくなるかもしれない。それではアーティストに迷惑がかかる。だから彼自身の手できちんと捨てることが彼にとっては大切なのである。

この彼の考え方は、知的所有権の考え方としてはきわめて正しい。

(中略)

しかし実は、世の中の“仕組み”としては大きな問題を抱えている。彼のパソコンに入っている音楽CDが、本当に彼自身が自分のお金を出して購入したものかどうかを証明する証拠が存在していないのだ。

なぜなら、彼が買ったというオリジナルであるところの音楽CDは、すべてゴミ箱に捨てられてしまったのだから、彼のパソコンに入っている音楽ファイルが元々、彼のものだったのか、例えばWinny(ウィニー)経由で不正に入手したものかを証明する手立てはない。

なるほど。
ちょっと考えて思い至ったのは、それなら「帯」を購入証明としてストックしとけばいい。
あれだけだったら、そんなに場所もとらないし。
でも輸入盤には帯がないな、、、レシートとっとく?

僕はケース以外は、ブックレット、歌詞カード、帯も保管している。
のだけど、それらを全部捨てるとなると、購入したという証明は確かになくなる。物そのものが「所有の証明」だったわけで。
でも、考えてみたら盗品でも区別は付かないよね。

誰かが車を乗り回してるのを見て、盗んで乗ってるよと思う人はいない。
そう思うのは、「あいつ車持ってなくて無免許のはずなのに運転してるよ、どうしたの?つうか、あの車誰のよ。」と思う誰かの友人なわけで。
疑心暗鬼はきりがない。
僕の目の前にある朝食の皿、これはどこかから盗んできた物じゃないと、誰が証明できる?

所有の証明が問題になるのは、やっぱりコピーが問題になるからだろう。
簡単にコピーできるというデジタルの諸刃の剣が、所有の証明なんていう、一般常識内の暗黙の了解で済んでたところに、不安定要素を持ち込んでしまった。

そこまでメクジラたてなくても、とも感じるけど、、。

えーと。
このコラムに出てくる「彼」は、所有するということについてどう思っているのだろう。
極端な話、彼は多分、脳内に音源があれば問題ないのだ。
ハードディスクは記憶の補完にすぎない。

音楽はともかく、読んだ本を捨ててしまう人もいる。古本屋に売るとか。
読んでアタマにはいってるから、手元には要らないんだそうだ。
忘れないのかアンタ、と僕のような忘れっぽい人間は言いたくなるが、実際、そいつに訊いたら、時間が経つと内容を忘れるそうだ。そりゃ大抵そうだ。
僕は、忘れたときに読み返すことが出来ないのがイヤなので、何年も前に読んだ本を捨てずに置いている。
まぁ、思い入れというのもあるけど、ふと思った時に引っ張りだして来れないという方がイヤなのだ。
実家に置いてある諸々の本、いつ捨てられるかというリスクはあるし、すぐに手元にはないけれど、取ってこようと思ったら取ってこれる、と思っている。
結局、これも脳内記憶の補完なのだ。

図書館なんてものが世の中にはあるが、これは社会的に知的財産の記憶を補完しましょうってことだ。
市民は市立図書館の本を「所有」してるのとおんなじだ、って言い方したら少し気分いいかも。
なかなか行けないけど。

今後は音楽CDについても、パソコンソフト同様にユーザー登録をする方向で考えていくのもいいのではないかと思ってしまう。

そして、ユビキタス環境で使う、と。
これって、=DRMをどうするかって話にも関連すると思う。
CDで行う音楽のユーザー登録は、SMEがレーベルゲートCDでしようとしたことだと思うし、次世代CCCDのrootkit騒動があったりで、なんだかもう、難しいんじゃないかという感じがする。よっぽどユーザーの理解が得られる形にしないと。
でもファイルに関して言えば、今後どうすればいいかという話が、まさに始まったばかり。

図書館の本にはラベルが貼ってあるけど、持っていこうと思えばどこででも読める(ただし公共物なので大事に、貸し出し期間中に返しましょう)。
プチ・ユビキタスって感じか。
そういえば、自分の本にハンコ押してる人がいるね。××蔵書とか凝ってるのもある。

もしかして音楽も、自分のファイルに自分のハンコが押せたらいいんじゃないかな。
JASRACだったか電子スカシの研究してたっけ。
応用効かすこともできそうな。
でも、そんなハンコ押したからって、自分に何の得があるのか、って思ったりもしますが、そのあたり、アップルのFairPlayがオープンになるという噂もありますが、そんなあたりと絡めたら落としどころが見えてこないだろうか。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: , , ,
Page 1 / 31 :  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 Next › »