Page 7 / 11 :  « ‹ Prev 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 Next › »

Jun 24, 2007

総務省からパブコメが2つ

まず平成19年6月19日。
「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会 中間取りまとめ」に対する意見募集(総務省)

総務省は、「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(座長:堀部政男 一橋大学名誉教授)において取りまとめられた標記「中間取りまとめ」について、平成19年(2007年)6月20日(水)から同年7月20日(金)までの間、御意見を募集します。

ネットニュースやブログにリンク。
総務省研究会が中間報告 ブログ、2chも対象にする「情報通信法」(仮)とは(@IT)
通信・放送の融合に対応する新法体系案、総務省が中間とりまとめ公表 通信・放送法制を「情報通信法」として一本化することを提案(internet watch)
ネットにも規制を——放送法と通信法、一本化へ(ITmedia)
通信・放送を一本化した新法制定へ--総務省の中間報告書(cnet japan)

ネット規制はどこまで想定されているのか(P2Pとかその辺のお話)
(追記)ネット配信番組も規制されたくなかったら、まずはこのパブコメに参加すべし(ふっかつ!れしのお探しモノげっき)

25日、こっちも追記。読み違えていなければいいけど。
まず@ITの記事から引用。

中間報告は「ホームページなど公然性を有する通信コンテンツ」と公然通信を定義する。電子メールなど特定の人とだけ行う私信以外のすべてのネット上のコンテンツが、対象になると見られる。「2ちゃんねる」などの掲示板や、個人のブログも公然通信だ。

中間報告は、現在は「プロバイダ責任制限法」くらいしかない公然通信コンテンツに対する規制について、違法・有害コンテンツが社会問題化しているとして「保護の範囲と程度を捉え直すべきである」と指摘。その上で、「有害コンテンツを含め、表現の自由と公共の福祉の両立を確保する観点から、必要最小限の規律を制度化することが適当である」としている。

具体的には業界団体の自主規制やガイドラインを参考に、違法・有害コンテンツの流通に関して、関係者が守るべき最低限の「共通ルール」を策定することを提言。プロバイダーが違法・有害コンテンツを削除したり、レイティングする場合の法的根拠にすべきとしている。さらに特定の行為に関して一定の範囲内に限り規制を行う「ゾーニング規制」を導入することも検討するとしている。

違法・有害コンテンツを規制するとする一方で、有害コンテンツを含め、表現の自由と公共の福祉の両立を確保する観点から、必要最小限の規律を制度化することが適当であると。
かなり、もめたんだろうかね(もめて当然とも思うが)。
「共通ルール」から外れるコンテンツが、違法・有害コンテンツってことになろうか。

しかし、何が「有害」なのか決める「共通ルール」っていうのは、誰がどうやって決めるのか。
恣意的な運用が可能な法制化がなされるようなら、言論の自由の危機ですから、必ず条文に歯止めが必要だと思います。
そして、それに当てはまるサイトかどうか判断するのは誰がするのか。

誰がやるんだってことになるけど、報告によると「違法・有害コンテンツ流通に係る最低限の配慮事項として、関係者全般が遵守すべき「共通ルール」の基本部分を規定し、ISPや業界団体による削除やレイティング設定等の対応指針を作成する際の法的根拠とすべきである。」ってことらしいし、プロバイダ責任制限法など可能な限り一元化すべき、と言ってるから、結局、プロバイダにやれってことになるんだろうね。
要するにプロバイダに「検閲の義務」が生じるってことになろうか?
まじか?
このときにも、プロバイダ責任法だけでは足りないというような話があって、どうするのだろうと思っていたけど、、。
あと、プロバイダだけでなく「業界団体」というんだけど、どんな団体を想定してるんだろうか。
P2Pとかその辺のお話ではビデ倫みたいな「ネット倫理機構」というものが想像されたりされていますが。

関係者全般が遵守すべき、とあるから、関係者をどう考えるかで、ずいぶん違うことになるだろう。
2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が含まれるのかどうか。
Winnyをインストールしてるパソコンの所有者は含まれることになるのかどうか。、、これは、かなり考え過ぎな感じですかね。

総務省ではこんな話しも。
「P2P活用を」「ヘビーユーザーの帯域制御OK」——総務省懇談会、ネット混雑緩和へ提言(ITmedia)
ネットワークの中立性に関する懇談会、報告書案を公表 帯域制御ガイドラインの策定などを提言(internet watch)

へー、って思ったら、こっちもパブコメ。
平成19年6月22日。
「ネットワークの中立性に関する懇談会」 報告書案の公表及び本案に対する意見の募集(総務省)

総務省は、「ネットワークの中立性に関する懇談会」(座長:林敏彦放送大学教授)において取りまとめた報告書案について、平成19年(2007年)6月22日(金)から7月23日(月)までの間、意見を募集します。

25日追記。ざっとpdfファイルを流し読みした感じ、こっちのほうは著作権は関係ないような、って総務省だからあたりまえか。p2pについて、災害時などの障害に強い特性が評価されていたりする。
こっちは、自分にはパブコメで書くことはないというか、知識が無い。

災害時のp2pの有用性については、こういう話しもある。
iCare:災害被災者援助のためのP2Pネットワークの構築(P2Pとかその辺のお話)
日本でも、地震情報の共有に対応すべくソフトが配付されているんだって。知らなかったよ。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

Jun 20, 2007

非親告罪化についての事務局の説明

著作権分科会 法制問題小委員会(第4回)(zfyl)
ありがたい議事録である。
事務局の説明の一部を引用。

今後親告罪ということで維持されるべきかどうかだが、(中略)、取り締まりへの影響という観点から申し上げると、非親告罪とし たことによって捜査機関的考え方、あるいは捜査実務の現場を考えると、非親告罪化すれば取り締まりが強化されるのかということについては、直ちにそうはな らないのではないかという感触を持っている。というのは、被害者からの申告や協力がなければ、実際問題、著作権に当たるとか、著作権侵害による影響という ことが判断できないので、実際には訴追することが非常に困難であると。いずれにせよ、被害者からの協力などなしに訴追することは考えられない。

例えば、コミケに参加してる特定のサークルを指して、××の著作権を侵害してるよと、なんつうの、警察に密告されたとして、多分、警察は「被害者××」に、このケースは著作権侵害にあたるのですかどうですか、と問い合わせなり何なりすることになるのでしょうが。
そうなったときに××は「ああ、それは侵害じゃないです」と言いますかね。

ほぼ100%、「それは侵害です」と言うんじゃないかな。

だって、そう言わないと××は「二次創作を公認した」ってことになるもんね。
現在の日本の法制度、運用上、権利者は問われたら侵害だと言わざるを得ないし、逆に言うと、二次創作を黙認してる権利者からしたら警察からの問い合わせが来ませんようにと祈る、なんてことになるんじゃないだろうか。

事務局の説明は、「直ちにそうはならないのではないかという感触を持っている。」と、歯切れが悪い。
じゃあ「将来、そうなるという確信」はどうなんだ。
つうか、感触で説明されてもちゃんとした議論にならないのでは?
それが狙いか?

警察庁古谷氏の説明も興味深い。
一部引用。

非親告罪化による実務上のメリット。非親告罪化すれば、社会に警鐘を鳴らずうえで検挙する価値が非常に大きい事件について、ある程度捜査が進 んで証拠もある程度確保された段階で示談が成立したから告訴が取り下げられて捜査が頓挫するといった問題は解消されるだろう。

先日のドラえもんの和解したケースってどうなのかな。あれって一旦は告訴まで行ったんだっけ?
非親告罪ということになれば、あれはアウトかもね。
和解したいと言っても通用しないってことか。

権利者の協力なしには捜査が進展しないという話しだけど、警察の人は「告訴がいらなくなると、捜査への協力意識にどう影響するやや気になるところ。」と言っている。
変な話、二次創作を黙認したい権利者の場合、捜査に協力しないケースがでてくるのかな?

でも、たしか経団連が商用コンテンツのデータベースを作ったんだよね?
経団連主導のコンテンツポータルがオープン(ITmedia)
日本のコンテンツ情報を国内外に発信、ポータルサイト開設(internet watch)
ここと照らし合わせたら、警察は簡単に証拠を集められるんじゃないのかな、違うかな?
やっぱり、権利者の「証言」が必要なんですかね。

まだぜんぜんちゃんと読めていない。
また暇な時に読もう。

Jun 18, 2007

第3回thinkCが開催された一方で、政府事務方のマイペースぶり

15日、著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム 公開トークイベント vol.3が開催された。
ネットニュースにリンク。
著作権問題はカネ次第? YouTubeや2次創作を考える (1/2)(ITmedia)
YouTubeやコミケはコンテンツ業界の発展に有効か--著作権のあり方をめぐる議論(cnet japan)

報告が上がっています。
第3回thinkCの私的メモ(半可思惟)
2007-06-15(ものがたり)
誰がなんといおうとあの時の白田准教授はとてもカッコよかったのだ。(境真良(実名登録)の  “とりあえず、前進!”)

19日、追記。
著作権問題を「創る」(雑記帳)
白田先生、なんで国会議員に話をしないのですか?(bewaad institute@kasumigaseki)

政治家を動かすか、、。
まぁ確かに音楽の著作権に関しては、川内議員をはじめ多くの議員さんにずいぶん世話になった過去がある。↓
役人にせよ、政治家にせよ、マトモな話しが通じそうな人と意思疎通していくのは大事かも。
しかしPSEの顛末見ても、役人にマトモな反応を期待して話をしても大丈夫なのかなあって思うんだよなあ、、。

24日、さらに追記。
白田教授のサイト、白田の情報法研究報告で騒ぎに対して緊急声明が上がっている。

その一方、同日に私的録音録画小委員会の07年第5回会合が行われた。
私的録音録画小委員会、見直し議論は「補償の必要がある」ことが前提?(internet watch)

「補償の必要性がある」という前提の資料を用意して議論を開始、っていうのがすごい。
つうか、役人にかかると「議論した」ということが重要で、意見が反映されているかいないかは、報告としてまとめるのに際して大きな問題ではないという姿勢だから、ちょっと注意しないといけないと思う。
昔、輸入権の法制化に際しては、委員会で上がった反対意見は「等」で括られたのだ。
これは議事録が残っており、国会で問題があると指摘もされている。

屈辱的な話だ。
臆面無く詐欺が行われているのに、やめさせることが出来ないとは。

今回のことは「資料が配られ、補償の必要性がある等の意見が述べられた。」でまとめられるかもしれない。
また、政治を舞台に茶番が繰り広げられるんだろうか。

こっちも19日追記。ありがたい議事録が上がっている。
著作権分科会 私的録音録画小委員会(第5回)(zfyl)

internet watchの記事には、「次回の小委員会は6月27日に開催。今回、小委員会が提出した資料をもとに議論が進められる予定」とある。
ということは、今回配布された資料は重要ってことか?
上がってる議事録、資料ともども、あとでじっくり読ませてもらうつもり。

デジタル指紋

前のエントリーから続いて。いるのか?
iTunes Plusのファイルには、ファイルを特定する「署名のようなもの?」が付いているらしいことがわかった。
これは「透かし」ではないらしい。
しかし、違法アップロードに対してある程度の抑止力を持つだろう。

デジタル指紋によるビデオ共有サイトのフィルタリングは「機能していない」:NewTeeVeeの実験(P2Pとかその辺のお話)

所謂、「デジタル指紋」というものがどういうものなのか、良く知らないんで何ですが、、。

ネット上で軽く調べると、電子透かしと混同されてるという話もあったり。
8年前に書かれた説明 をちょっと引用。
暗号化について(大坪家の書庫)

デジタル指紋:これはIBMの定義によれば、デジタル透かしと対をなす技術のことだ。IBMの定義ではデジタル透かしとは送り手側の情報を埋め込む事を指し、デジタル指紋とは、受取手側の情報を埋め込む事を指すらしい。もっとも他の「電子透かし」のページを見てみると両者を合わせて「電子透かし」と読んでいる場合も多いような気がするが。

つらつら読むに、電子署名は見えるが透かしは見えないということらしい。
しかもコンテンツデータそのものの中に気付かれないよう埋め込むらしい。

うーーん。
思うんだけど、フィルタリングは機能していないと言う記事、初歩的な疑問で悪いんだけど、実験でアップロードされたファイルに指紋なり透かしなりは入っていたのかい?
入ってないなら、何度もアップロードできて当たり前だと思うわけで。
Daily Showのクリップってのは、入ってるという前提でやってるんだよね、、?
このクリップのファイルには「誰に売りました」という情報が埋め込まれてるということなんだろうか。

  1. YouTube上で「Daily Show」を検索する。
  2. Jon Stewartの本物のDaily Showの最初のクリップを選択肢、KeepVid.com経由でダウンロードする。
  3. Soapboxにアップロードできるフォーマットに変換する
  4. SoapboxにDaily Showのクリップをアップロードする
  5. Soapboxが処理し、変換し、そして(おそらく)著作物かどうかのスキャンのためにかかる時間を待つ

こういった過程で得られ、いじられたファイル、それでも消えない指紋なり透かしっていうデジタル技術は、自分のような素人には想像がつかない。データベースと比較するというのも、すさまじい話だなあと思い、どうも何か違うと思い、、。

オープンソースのデジタル音楽ファイル識別サービス(hotwired)
4年前の記事だけど。

音響デジタル指紋技術は、米リレータブル社が開発したもので、曲に固有のオーディオ的特徴1分当たりの拍数、高音域と低音域の量などを抽出し、『ミュージックブレインズ・タガー』によってそれぞれに独自の識別マークをつける。

これって、まったく前述のIBMの定義の話と違ってくるんですが。
しかしこっちのほうが、問題になっている「デジタル指紋」に近い技術のように見えます。曲や映像の「固有の特徴からデータを抽出してデータベースと比較する」という。
気が遠くなるけど。

機能していないという記事が載ったAudible Magic社の技術だけど、5月のネットニュースにリンク。
マイスペース、著作権保護技術「Take Down Stay Down」を導入へ--不正動画の再投稿防止(1/2/3)(cnet japan)

どえらいことを言っている。

Ikezoye氏は「人間が同じコンテンツだと認識する作業をシミュレートしている」と語っている。

どういうフィルターなのだろう。
これが「デジタル指紋」ということなら、権利者がファイルに何か埋め込んでいるとか、そういうのは一切関係ないってことになる。YouTubeからダウンロードしようがフォーマット変換しようが、関係ない。
すごくファジーな部分をカバーする技術だと思う。

実際どこまで機能するのか疑問、とあるが、さもありなん。
だって人間って見間違いするし。それをコンピュータがシミュレートするなら見間違いも増えそうだよね。

しかし、記事を読んでいて、「デジタル指紋」がどのようなものを指すのかというのは、混乱しやすいんじゃないかと思った。

MySpaceのプレスリリースによると、著作権所有者はTake Down Stay Downを無料で利用できるという。MySpaceは、ホスティングサービス「MySpace Videos」経由でホスティングされた著作権で保護された動画の排除を要請する通知を受け取ると、その新機能がその動画の「デジタル指紋」を採取し、コンテンツの再投稿を阻止する著作権フィルタにデータを登録する。Audible Magicの最高経営責任者(CEO)であるVance Ikezoye氏によると、「これは、コンテンツに印を付け、それを特定できるようデータベースに登録する機能だ」という。

これを読むと、あらかじめファイルに組み込まれた指紋を、要請によってデータベースに登録する、というふうにも受け取れる。
しかし「あらかじめファイルに組み込まれた指紋」があるなら、「新機能がその動画の「デジタル指紋」を採取」なんてことはしなくても、その指紋のデータそのものを著作権所有者がMySpace・Audible Magicに送りつければいいだけの話では?

コンテンツに印を付けるという言い方は、あたかも「そのコンテンツに指紋を埋め込む」かのように見える。そして、その指紋を「それを特定できるようデータベースに登録する」というふうに読んでしまう。
しかし、その印はどこに付いているのか。
どうやら「ファイル自体に組み込まれた指紋が印」なわけじゃなく「データベースに登録された=印が付いている」と考えた方が話が通る。

英語記事の原文は、
「 "(It's) the ability to have a piece of content imprinted and put in a database so we can identify it," said Vance Ikezoye, CEO of Audible Magic.」
意訳してみる。
「(それは)コンテンツの一部を刻印にしてデータベースに入れることで、それを特定可能にする能力だ、とAudible MagicのCEO、Vance Ikezoye氏は言った。」
こう言った方が分かりやすいのでは。

電子フロンティア財団(EFF)の弁護士スタッフであるCorynne McSherry氏によると、ビデオフィルタリングから人の介入を排除すると、不当に排除されるコンテンツが出てくる可能性があるという。

(中略)

McSherry氏は、「デジタル指紋を組み込みたいなら、最終的な安全対策や防止対策が必要だ。特定の素材に関する対抗通知があったら、適切でない可能性もあるため自動デジタル指紋の削除が必要になるかもしれない。少なくとも、判断は人が行うべきだ」と語っている。

「デジタル指紋を組み込みたいなら、」という言葉のせいで分かりにくい。
うっかりすると、コンテンツに指紋を組み込むかのように読み違える。

英文記事原文では「"If you want to build in a digital fingerprint,」とある。
「デジタル指紋に取り込みたいなら」とか「デジタル指紋を取りたいなら」としたほうがいいと思う。

同氏は、「コンテンツの特定に関しては指紋の方がはるかに堅牢だ。ハッシュはファイルを特定するだけだ」と説明している。もし、Viacomの依頼を受けて「Colbert Report」の映像を排除したとすると、MySpaceのフィルタはMPEGファイルからAVIファイルまで、同映像のあらゆる品質の全形式をブロックする。また、排除された作品のごく一部しか含まれないビデオクリップも排除可能だ。Ikezoye氏は「人間が同じコンテンツだと認識する作業をシミュレートしている」と語っている。

うーむ、「ファイルを特定する」だけではないらしい。
いや、むしろファイルの特定なんかの機能があったら邪魔で、コンテンツの集合が引っ掛かってくれればいいということなんだろう。だって、コンテンツとしては同じでもファイルは無数に存在するもんね。長さとかフォーマットとか違うのはいくらでもアップされている。

これって「デジタル指紋」というような呼び名から受けるような正確さを持ったものとは考えにくい。
モンタージュとか、似顔絵レベルのもんじゃないのかなあ、、。
IBMの言葉の使い方のケース(8年前のものではあるけど)もあることだし、まぎらわしい呼び方はして欲しくないのだけど。
指紋っていうと、あたかもファイル・コンテンツ自体にくっついていて正確に他との識別が可能な属性のように感じられますから。

もしかして、自分が間違ってる?、ちょっとよく分からないんですよね、、。

Posted at 10:03 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: ,

ウォーターマークじゃなくて署名があるらしい

iTunes Plusのライブラリアップデートって作品別で出来ない。一括なんだよね。
これは不満。
作品別で出来るようにして欲しい。

さて、以前のエントリーの続き。もはや旧聞か。
iTSから買ったファイルに個人名とメールアドレスが刻印されているという話。
そもそも以前から、iTunesでファイルの情報を見ると、名前、メールアドレス(iTSのアカウントとして)、購入日まで見れるわけで、何を今更という感もあったが、しかし、暗号化も何もなされていないというのでちょっとなー、、。
名前はともかくメルアドまるみえは(w;。
まあ今回は、ネット上にアップロードするには憚られるってことが周知されたってことでしょうか。

実際、エディタでファイルを開くとメルアドがある。
しかし名前がない。文字化けしてるのか。
iTunes Plusかどうかは関係なく、メルアドは見れるが名前は見れず、nameという単語がある。。。

その組み込まれた名前がこうやったら簡単に見れるのだと。
マックでTerminalを使うと言うんだけど。
Watermarked iTunes files(Playlist)

strings ファイルのパス | grep name

これでファイルに登録された自分の名前が見れるよというが。
やっぱりnameと出るだけで見れないぞ、、。

僕は自分のマック本体のユーザー登録をする時に漢字で登録している。
ファイルに書かれてる名前がそれだとしたら、うちのTerminalでは日本語表示が出来ないから見れない。残念。

もうひとつ、他に何か組み込まれていないかってことでEFFが調べている。もしかしてこれも旧聞。
An Update on the Innards of iTunes Plus Files(EFF)

「電子透かし」と言えるものは、なかったとのこと。
しかし過去のDRMありのファイルにはなかったフィールドが、追加されているらしい。これは購入者・トラックによって全く個別のものになってるんだと。いうなればファイルごとの署名みたいなものか。
引用。

While there are no watermarks, there are some other interesting fields that are likley to have privacy implications. In particular, there is a 1024 bit variant field labeled sign and a 630 byte variant field labeled chtb. These are unique for every combination of user and track we've seen. Neither of these fields existed in the FairPlay DRMed .m4p tracks that Apple has been selling in the past.

It's best to assume that either the sign or chtb field could be used by Apple to identify the user who purchased a track (that would be true if Apple logs what it writes in these fields, or if sign is, as it seems, a cryptographic signature). It's also safe to assume that they can be used to tell the difference between real and forged names / Apple IDs in tracks.

cryptographic signature、つまり暗号化された署名。
ファイルに入った名前やアップルID(メルアドね)を偽造されたとしても、これを見たらバレる、と。
以前、ファイルにユーザーの判子を押せたらいいと思ったことがあったが、それ以上のことをアップルは勝手にしてくれてるみたいだ。
おそらくDRMフリーにするためにはファイル所有者の識別が出来るようにする必要があったんだろう。

しかし、こういうのって予め教えてくれてもいいのにね。
個人の情報をいかに管理するかについては各方面でナーバスになってるから、説明した上でやったほうが心証はいいと思うんですが、どうでしょうね。

Jun 17, 2007

Sony-BMG rootkitCDの補償期間が終わる、といってもアメリカでの話

半年前の記事。
SONY BMG、rootkit問題でFTCと和解へ(ITmedia)
引用。

和解案で提示されているCDの無償交換は、2006年12月31日までに販売されたCDが対象。2007年6月31日までの間、SONY BMGがDRMソフトを含まないCDとの無償交換に応じるよう求めている。また、PCの修理代の支払いについては、上限150ドルまでとしている。

あれ、6月31日はないはずだけど。いつまでなんだろうね。

FTC(米連邦取引委員会)はこの和解案について、一般からのコメントを3月1日まで受け付けた上で、最終の和解条件を決定するということなんだけど、続報が無いということは、これで決着したのでしょう。
日本ではついにホショウのホの字も無かったなあ。

アメリカでは、スパイウェアについて行政サイドで監視しようとする動きがある様子。
EFFは、行政が主体になるとカリフォルニアでSony-BMGに対して行われたような「一般市民が不公平・無法な企業を訴える」ことが出来なくなる、という理由で、問題があると思っているようです。
H.R. 964: Another Misguided Spyware BillAction Alert - Stop the SPY Act!(EFF)
英文は苦手だから正確ではないかも。リンク先を読んでください。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: , , ,

Jun 11, 2007

知的財産推進計画2007・有識者本部員会合議事要旨

前のエントリーの続きというか何というか。

知的財産推進計画2007(首相官邸)では、有識者本部員会合というのがあって、第1回が4月17日に、第2回が5月22日に開催されている。構成員はこちらの「有識者」に掲載されている10名。知的財産戦略本部・構成員(首相官邸)

この「議事要旨」というのが、有識者本部員会合自体は非公開でもあり、どこまで実際の議論を反映しているのかは分からないけど、一応、何を行ったか、どんな意見が上がったかがリストになって公開されている。

ここに書いてある内容を見ると、4月17日の時点で「知的財産推進計画2006」の見直しに関する意見募集(3月のパブコメ)の結果について、報告が行われたらしい。
その報告内容については不明。
サイトには結果概要、団体からの意見、個人からの意見の3つのファイルがあるけど。

そこでの議論、意見を踏まえて、5月22日に「知的財産推進計画2007の草案」について審議したとのこと。
議事要旨の最後に「※ 知的財産推進計画2007の草案については、会合で出た意見を踏まえ必要な修正を行うこととし、最終的なとりまとめと知的財産戦略本部会合における報告は相澤本部員に一任されることとなった。」とある。
そして5月31日付けで公開された、と。

相澤本部員、名簿を見たらこう書いてある。
「相澤 益男 総合科学技術会議議員/東京工業大学学長」
総合科学技術会議といえば、第2回議事要旨に記載があった。

総合科学技術会議が本年5月18日に取りまとめた「知的財産戦略について」及び自由民主党知的財産戦略調査会が5月17日に取りまとめた提言「世界最先端の知財立国を目指して」の内容並びに「アジア・ゲートウェイ構想」やイノベーション25戦略会議の状況について、それぞれ報告が行われた。

総合科学技術会議のサイトにリンク。
5月18日には第67回総合科学技術会議というのがあって、資料が配布されたということらしい。
総合科学技術会議(第67回)議事次第
ここにpdfファイルが2つ置いてある。これのことらしい。
資料2−1 知的財産戦略について(案)資料2−2 知的財産戦略について(案)

他にも総合科学技術会議からは、イノベーション25戦略会議にもリンクがある。

アジア・ゲートウェイ構想ってなんだってことで、リンク。
アジア・ゲートウェイ戦略会議(首相官邸)
去年の11月8日に第一回目の会議が行われているらしい。知らなかったよ。
サイトから引用。

本格的な景気回復が現実のものとなる一方、日本は、少子高齢化をはじめとするさまざまな課題に直面しています。日本が今後安定した経済成長を続け、世界にとって魅力のある「場」となるためにも、成長を続けるアジアをはじめとした、海外の成長や活力を日本に取り込むことが重要な課題となっています。
このためにも、世界に誇れる自然、歴史、文化、伝統をあらためて評価し、「美しい国、日本」の魅力を世界にアピールするとともに、新たな「創造と成長」を目指して、人・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、オープンな経済社会を構築することが重要です。
「アジア・ゲートウェイ構想」は、日本が魅力ある国となるために必要な政策を実現するための構想であり、そうした日本の魅力を広く海外に発信することを目指しています。こうした構想を議論し、具体的な政策に結びつけるために、「アジア・ゲートウェイ戦略会議」を開催しています。

また美しい国ですかよ、いいけどさ。
ここにアジア・ゲートウェイ構想(pdfファイル)、その他ファイルが置いてあります。

あと、世界最先端の知財立国を目指してっていう提言。
これは、何だ?

総合科学技術会議の専門調査会の中に、知的財産戦略専門調査会にリンクがあるけど、これは自民党の知的財産戦略調査会とは別物。そりゃそうか。知的財産戦略調査会は、2006年4月25日に発足した自民党内の調査会であって、どうもネット上には情報公開していないらしい。

知的財産戦略本部会合(第17回)議事次第の配布資料[資料9]に、世界最先端の知財立国を目指して〜「知的財産推進計画2007」の策定に当たっての提言〜(自由民主党)というpdfファイルがある。
これのことだった。

とりあえず、あちこちリンク。
目を通すのはいつになるやらです。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as:

Jun 05, 2007

アップル関連2つ

アップル関連で2つのネットニュースにリンク。

アップル、文化庁を激しく非難--「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」(cnet japan)

いかにもタイトルが弱い。
括弧の中は「著作権行政は速やかに他省庁に移管すべき」とすべきだろう。

5日、追記。首相官邸からダウンロードできるpdfファイルから引用しとこう。

[総括]
文化庁著作権課に依る一方的な行政運営には理解不能である。徒に著作権者団体の意見のみを汲取り消費者、機器メーカーの立場は無視し続けている。アップル社を私的録音録画小委員会から閉め出し、欠席裁判で物事も決める閉鎖的な体質を持つ文化庁の典型的な隠蔽体質を良く表している。平成19 年3 月27 日、文化審議会 著作権分科会私的録音録画小委員会にても多くの小委員会委員が補償金制度の必要性の根幹の議論提示をしたにも関わらず、作為的に「私的録音録画問題に関する検討の進め方(案)」から削除するなど鼻から「結論ありき」の審議会運営をする著作権事務局には真摯な姿勢は微塵も感じられず、もはや公平公正な著作権行政を運営する適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。

アップル、閉め出されたのか。だとしてもこの言い分はなかなかすごい。

さて、アップルに電凸した人がいる。
知的財産推進計画2007 ──“既成事実化”する「アップル」のパブコメ(エンドユーザーの見た著作権)

最終的に回答を貰ったアップルジャパンの広報によると、現時点で、アップルジャパンから確かに送られたものかどうかは判りかねるとのこと。内部で確認をとってみないと誰が送信したのかも明らかでない、また(アップルジャパンでなく)アップル本社から送信されたどうかの可能性についても答えようがない(つまり現時点で判らない)という話でした。

さて、なかなか面白い話です。誰だろうなー、これを送ったのは。
つうか、官邸は送られてきたものが「本当にそこから送られてきたのかどうか」は確認するんでしょうかね。
僕んとこには、確認は来てないなー。
やっぱり、送られたものをそのまま載せてるんでしょうか。
まぁ、アップルとしての意見なのかどうか、アップル社自体の動向に注目せざるを得ませんね。


10日、追記でリンク。件のパブコメコメントの内容について検討が行われています。
Aのパブリックコメントを読む(試される。(ココログ mix))
そして、過去のアップルのパブコメを載せている。比べると今回のはやっぱり極端だなあ。過去の意見募集において「アップル」名で提出されたパブリックコメント(試される。(ココログ mix))

もうひとつはこれ。
「楽曲データに氏名とメールアドレスが」--EFFがアップルを非難(cnet japan)

EFFの記事がこちら。
Apple's DRM-Free AAC Files Contain More Than Just Names and Email Addresses(EFF)

gigazineにも載っていた。
DRMフリーの「iTunes Plus」で購入した楽曲にはAppleIDが埋め込まれる(GIGAZINE)

自分は以前、アップルのFairPlayをオープンにするのと同時に自分の所有する曲に自分の判子(ウォーターマーク)が押せたらいいんじゃないか、ということを書いたことがある。
アップルはDRMフリーという予想以上のとこに行ってくれたわけで。
所有権を明確にするための電子透かしは、自分としては抵抗感が無い。

しかし、個人名とメールアドレスとなるとなぁ、、。
なくした時に拾った人が届けてくれるとかでないもんなー。

Jun 03, 2007

知的財産推進計画2007

知財推進計画改訂(The Casuarina Tree)で知った。毎年出てる計画が今年も出たということだ。

知的財産戦略本部にある、知的財産推進計画2007(首相官邸)
計画のpdfファイルへリンク。
知的財産推進計画2007(H19.5.31)別冊参考資料(H19.5.31)(pdfファイル)

ファイルを読むひまないので、ネットニュースやブログにリンク。
著作権法の親告罪見直し 海賊版の出品・ダウンロード違法化も検討 07年知財計画(ITmedia)
「知財推進計画2007」正式決定、ファイル交換ソフトからの複製禁止など(internet watch)
知的財産推進計画2007に盛り込まれたロクでもない審議項目。(ふっかつ!れしのお探しモノげっき)

官邸からは春のパブコメの結果もダウンロードできる。4月中旬には出来てたものを遅れて出してきたらしい。
・結果概要・団体からの意見・個人からの意見(pdfファイル)
概要には寄せられた意見がおおざっぱに網羅されてるが、これって正確に反映されたものなのかねー。
団体からの意見にすごいものがある。
ブログにリンク。
アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張(林檎の歌)
まじかい?
と思って官邸のファイルを確認したら確かに書いてあるよ。
ここまで書くか?とも思ったが、言われてみると、これは僕の本音だよ。

毎年発表される知財推進計画。
アメリカの言い分が国の方針に反映されてるよ、ということでリンク。
つか、いろんなことがアメリカの要望で実現している。
著作権の非親告罪化やP2Pによる共有の違法化は誰が言い始めたのか?(GIGAZINE)

最近はかなり有名になりつつあるので知っている人も多いと思いますが、アメリカ政府が毎年日本政府に「年次改革要望書」というものを出しています。要するに「ここに書いてあることはちゃんとやっておけよ」というアメリカからの命令・指導・要望が書いてあるわけです。法科大学院の設置や郵政民営化、最近では三角合併などはこの年次改革要望書に書いてあったために実行しただけに過ぎません。ホワイトカラーエグゼンプションや労働者派遣法などについても書いてあります。

そしてこの年次改革要望書の最新版に著作権の非親告罪化やP2Pによる共有の違法化などについても書いてあるわけです。つまり元凶はアメリカからの圧力とそれに従わざるを得ない日本政府の弱さにあったわけです。

映画の盗撮を「非親告罪化」するのも、このアメリカの要望書にあったという。
アメリカの映画業界は海賊版が多く作られているというカナダに対してこういうことをしている。
盗撮された映画はカナダから来る:新作映画の公開を遅らせるとの方針も(P2Pとかその辺のお話)
カナダは海賊版「映画の都」〜世界市場の5本に1本(U.S. FrontLine)

日本に対しては、政府を通じて要望書を出して、法制化に成功したというわけだね。
映画館での盗撮、懲役最高10年か罰金1000万円に--盗撮防止法成立(cnet japan)
「映画盗撮防止法案」成立で米映画協会が称讃のコメント(ITpro)
誰が作ったんだこんな法律。(企業法務戦士の雑感)

もしかして、非親告罪化とか保護期間延長がどうとかいって、日本のコンテンツを生む環境が豊かになるかというと、やっぱりアメリカのコンテンツ産業にとってだけしかメリットがないんじゃなかろうか、という気がしてきます。
パブコメ、日本の著作権団体がいろんな要望を出していますが、本当に自分たちの利益になると考えてのことなのだろうか。

暇ができたらパブコメの結果とか計画書2007とか、目を通すつもり。
いろいろあって目がまうよ。

11日、追記。目を通すとか言いながら出来ていない。

他のサイトにリンク。注意すべき項目について網羅(ページ付き)している。
「知的財産推進計画 2007」で私が個人的に注目した項目(エンドユーザーの見た著作権)
いっそ、リストをもらってしまおう。すまんです。

(P.5)
●「知的財産推進計画2007」の基本的考え方
(P.14)
●個人輸入等の取締りを強化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.19)
●デジタルコンテンツの流通を促進する法制度等を整備する
(P.20)
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.21)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
(P.60)
●模倣品・海賊版の税関での取締りを強化する
(P.61)
●差止申立てに係る手続を簡素化する
●インターネットオークション上の模倣品・海賊版の取引を防止する
(P.63)
●劇場内で無断撮影された映像の違法流通への対策を強化する
●著作権法における親告罪を見直す
(P.65)
●模倣品・海賊版に関する国民への啓発活動を強化する
(P.90)
●IPマルチキャスト放送へのコンテンツ流通を促進する
●違法複製されたコンテンツの個人による複製の問題を解決する
●権利者不明の場合におけるコンテンツの流通を促進する
(P.91)
●私的録音録画補償金制度の見直しについて結論を得る
●権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定を整備する
(P.93)
●権利の集中管理を進める
(P.94)
●利用とのバランスに留意しつつ適正な保護を行う国内制度を整備する
※間接侵害・法定賠償制度・保護期間延長・放送新条約
(P.95)
●ネット検索サービス等に係る課題を解決する
●アーカイブ化を促進し、その活用を図る
※絶版 入手困難著作物・ NHK アーカイブス・フィルムセンター・国立国会図書館
●インターネット上でのコンテンツの新たな創作・発信を促す
※意思表示システム・権利放棄
(P.96)
●音楽用CDにおける再販売価格維持制度について検証する
●安心してコンテンツを利用するための取組を奨励・支援する
(P.99)
●音楽レコードの還流防止措置制度を活用するとともに輸出を拡大する
(P.100)
●コンテンツ・ポータルサイトを支援する
(P.127)
●知的財産を含めた消費者教育を推進する
(付属資料 P.37)
●音楽レコードの還流防止措置等

他にも重要と思われる項目が多々あるから目次は確認しておけとのこと。

これに合わせるような形で、検討のエントリーもあがっている。
知的財産推進計画 2007 からピックアップ(試される。(ココログ mix))

17日、今更だけど追記リンク。小寺信良氏のコラム。
知財推進計画が目指す「コンテンツ亡国ニッポン」 (1/2/3)(ITmedia +D LifeStyle)

Jun 01, 2007

国税庁オークション

笑かしてくれるニュース。でも日経だからホントかどうか分からない?
ざっとみた感じ、国税庁のサイトにも文化庁のサイトにもそれらしき文言は無い。
国税庁の公売サイト、著作権法違反?——文化庁が指摘(nikkei net IT-Plus)

税金滞納者からの差し押さえ品をもとに、国税庁が6月から入札を始めるネットオークションを巡り、文化庁が「著作権法違反の疑いがある」と指摘していることが分かった。洋画家で文化功労者の故東郷青児氏の作品などが既にサイトで紹介されているが、国税庁は著作権者から許諾を得ていない。国税庁は「権利者の不利益ではない」とするが、入札を控え同庁の対応が注目を集めそうだ。

国税庁関連で、こういうのあるのを知った。
官公庁オークション(Yahoo!オークション)、国税庁も出品中だそうだ。
ヤフオク使ってやってたんだねぇ。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as:

May 31, 2007

写真の著作権

写真を無断でデジタル化、小学館に賠償命令・東京地裁(nikkei net)

判決によると、加藤さんは1998—2003年6月ごろまで小学館発行の雑誌「サライ」に掲載するための写真を同社の依頼で撮影。同社は掲載写真を有料データベースに活用しようと、加藤さんの許諾なしに写真(ポジフィルム)計407枚をスキャナーでデジタル化してサーバーに取り込み、複製して著作権を侵害した。

有料データベースって、サライの読者がアクセスするのかいな。
こりゃまた、そういうとこで訴訟になるのかいと思ったら、大きな争点はもっと違うとこにあるような。
ちなみにこちらが判決。
平成17(ワ)24929 損害賠償請求事件(裁判所)

日経以外の記事。
雑誌写真のフィルム所有権は写真家に認定(nikkansports)
フィルムは写真家の物/小学館に320万賠償命令(四国新聞社)
朝日や読売など、大手の新聞社はネット上を見る限り記事が無いような。地方紙が多いね。共同通信かどこかか?

日刊スポーツより。

フィルムの所有権が同社と加藤さんのどちらにあるかなどが争点になったが、清水節裁判長は加藤さんに帰属すると認定。「無断で写真がデータベース化され著作権を侵害された」との主張も「複製権の侵害に当たる」と認め損害額に加えた。

日本写真家協会(東京)は「フィルム所有権の帰属が訴訟で争われるのは異例。所有権をあいまいなままにして写真やフィルムを返さない出版社もあり、非常に評価できる判決だ」と指摘。小学館側は「一般にフィルムの所有権についてはあいまいだった。編集者と写真家の関係への影響は大きい」としている。

判決によると、加藤さんは1998年ごろから約5年半、同誌掲載用の写真を撮影。フィルムを小学館に渡したが、同社は117枚を紛失した。

訴訟では所有権の帰属を中心に争われ、小学館は「フィルム代や現像代などの経費を払っており所有権は社にある」と主張。しかし判決は「すべてのフィルム代が払われたかはっきりせず、所有権を同社に帰属することを考慮した対価も払われていない」と判断した。

つまり、記事から読み取れる争点は2つ。

  1. フィルムの所有権

    これは写真家の加藤雅昭氏に帰属するという判決。今まで契約とか曖昧だったのかもしれない。逆に今後は契約内容で帰属が決められるようになるかも。音楽とかそうだよね。ミュージシャンに音楽は帰属しない。力関係が問われそうだ。
    それにしても、紛失したというのは情けない。生原稿とかもなくなると言うし、、。
    出版社っていいかげんなのかね。

    所有権の帰属問題から派生して、コピーが争点になったということか。
    つうかコピーの損害賠償よりも紛失したフィルムの賠償というのはないのかいな。と思ったら、判決文には紛失の賠償も含まれている。

  2. 写真の著作権

    これはなんというか、どうなんだろう。
    サライに掲載された写真ということで、小学館がデータを持っていて、過去に出版されているという事実。今回、実は著作権は写真家にあるんだよという判決で、多分、今後こういうことは契約をきちんとしないと、ってことになるんだろう。
    そうじゃないと社内にデータベース構築するだけで、著作権使用料を支払わなくちゃいけないんだから。雑誌で掲載される写真の全てについて、いちいちそんなことはできないんじゃないかな。

えーと。
裁判所サイトからダウンロードできる判決文によると、争点は5つ。

  1. 本件交付ポジフィルム写真に係る送信可能化権又は複製権の侵害の有無(争点1)
  2. 本件交付ポジフィルムの所有権の帰属(争点2)
  3. 本件交付ポジフィルムの紛失の有無・枚数(争点3)
  4. 被告による営業妨害の有無(争点4)
  5. 原告の損害(争点5)

つうか、有料データベースの話、出てこないんですけど。。。あくまで、社内のデータベースとして使うためにデジタルデータ化したらしい。それが、社員が数百人いるから、送信可能化権の侵害にあたるのだと原告の主張。うーん、、。
実際、判決文では、送信可能化権の侵害にはあたらないと書かれているようだ。「複製権の侵害」ということらしい。そういうことなら話は通るけど。

ちょっと引用。

ポジフィルム自体の所有権と,そこに化体されている著作物である写真の著作権とが別個に考えられるのであるから,費用の負担状況,サライ掲載後の報酬等の支払などの諸事情を考慮した上,原告と被告間の合意において,ポジフィルム自体の所有権をいずれに帰属させることを内容としていたのかを合理的に解釈するのが相当である。

所有権と著作権は、別ってこと。まぁ、それはそうだ。
なるほど、「所有権の帰属問題から派生して、コピーが争点になった」、とは言えないんだね。
争点3については、117枚の紛失。争点4については、原告の主張は退けられている。
争点5について、引用。

被告には,上記において認定したとおり,本件デジタルデータ407枚について,該当するポジフィルムに写された写真についての複製権侵害(上記1)及び本件紛失ポジフィルム117枚についての所有権侵害の不法行為(上記3)が認められるから,以下,これらについての原告の損害を検討する。

その結果は、以下の通り。

本件デジタルデータに係る複製権侵害の損害82万円
本件紛失ポジフィルム117枚についての所有権侵害の損害246万円
合計328万円

つうことで、ほとんどがフィルムを無くした賠償なんだった。
とりあえず、日経の記事ってどうよ、ってことで。報道しない大手新聞社もどうかと。印刷紙面では出てるのかな。

と思ったら、原告本人のサイトがあるよ!
小学館サライ著作権侵害裁判報告

6月1日、追記。
行政書士のブログに解説がアップされた。
「サライ写真著作権侵害」事件〜著作権 損害賠償請求事件判決(知的財産裁判例集)〜(駒沢公園行政書士事務所日記)

6月3日追記。
この事例とは違う写真に関する著作権についてもう一件。
二審も角川に販売差し止め=家族写真掲載で著作権侵害−知財高裁(時事ドットコム)
「スナップ写真にも著作権」角川に販売差し止め・知財高裁(nikkei net)
3日の時点で裁判所に判例は上がっていない様子。
前の判例は上がってるのかな。

解説してるブログがある。
出版社、受難の時代。出版社の災難(企業法務戦士の雑感)

むしろ肖像権とかで問題になりそうなもんだけど。
著作権が及ぶ範囲を広げすぎるのは違和感がある。

Posted at 10:03 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: , ,

意匠法

著作権問題について考えるとやばいことになりそうだから、困ったもんだ。(Web屋さんのココロえ)

知財に関しては、ちょっと前の日経デザインで特集が組まれていたりして、プロダクトデザインは今、網の目を縫うような形で行われているんだと実感し、今さっき、特許庁が画面デザインとかを意匠法で守るときのFAQを出して、ほう、そうですか、と思ったところだったのですが、しかしまあ、なんだか、だんだんどうしたらいいんだかわからなくなる世の中になってきたなあ、と思う今日この頃。

同感だ。
まったく、どうしたらいいんだかわからない感じだ。
リンク先にもある平成18年改正意匠法の運用に関するよくある質問(特許庁)を読むと目眩がしてくるよ。

Posted at 10:00 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as:

May 27, 2007

音楽のストレージサービスに違法判断

この辺って、なにげに、大きな話ではないだろうか。
携帯電話向け音楽データのストレージ・サービス 音楽著作物の利用許諾が必要と判断(JASRAC)
音楽保存サービス:ストレージ利用は著作権侵害 東京地裁(MSN毎日インタラクティブ)

副作用が大きすぎるストレージ・サービス違法判決(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)から引用。

要は、「自分が所有する著作物を自分が使用するためだけにストレージ・サービスに許諾なくアップすると著作権侵害である」ということになります。
(中略)
いわゆるストレージ・サービスに限らず、メール・サーバを始めとして複製行為を行っているサービスはすべてリスクがあることになります。

関連でリンク。

ストレージの利用がなぜ著作権侵害なのか(ナガブロ)

わいせつ図画公然陳列の疑いで画像ちゃんねる管理人ら7人が逮捕
Googleが日本の法律に従うならば、Googleは確実に違法
リンクを張る行為は本当に犯罪の幇助行為になるのか?
ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法です(GIGAZONE)

サーバー運用に際してどこまで求められるのか、注目が必要か。
まねきTVに関するエントリーも参考になるか?、あんまり関係ないか。

29日追記。あちこちで話題になっている。
以下、リンク。

著作権侵害が厳罰化されることによって運営できなくなるかもしれないWebServiceまとめ(空繰再繰)
JASRACの厚い壁(企業法務戦士の雑感)
MYUTA違法判決は失当ではないか(境真良(実名登録)の“とりあえず、前進!”)
個人用ネットワークストレージの著作権違反判決。gmailやSFは大丈夫?(blog@browncat.org)
そろそろMYUTAのストレージサービスについて一言いっておくか(muumoo.jp)
JASRACもJASARCだし裁判官も裁判官(Web屋のネタ帳)
ネットを理解できない裁判官、利権を守るJASRAC、振り回されるオンラインストレージ(P2Pとかその辺のお話)
著作権保護と通信の秘密が両立しなくなる?(狐の王国)

さらに30日追記。裁判所に判決がアップされた。
平成18(ワ)10166 著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件(裁判所)

あちこちリンク。
音楽ストレージサービスには音楽著作物の利用許諾が必要〜東京地裁(internet watch)
MYUTAにおける闘争(cnet japan クロサカタツヤの情報通信インサイト)
「MYUTA著作権侵害」事件〜著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件判決(知的財産裁判例集)〜(駒沢公園行政書士事務所日記)
MYUTA事件の判決文が公開されました(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)
公衆送信拡大解釈事件について(ものがたり)
ダビング屋か、それとも貸金庫か。(企業法務戦士の雑感)
MYUTA裁判はむしろWeb 2.0を否定してるんじゃないか(狐の王国)

裁判官、まねきTVに関係ないどころか判決出した人だった。
つうか高部真規子裁判官は、何かと著作権関連では有名だ。
高部眞規子判事のオシゴト ベスト10(ナガブロ)

何が正しいのかもはやよく分からない著作権関連だけど、インターネットの利用を妨げない法整備が急がれるんだなぁ、とか当たり障りの無い話で終わるのだろうかなぁ。

さらに31日追記。つうかリンク追加。

対象が限定されればそれで良し、というのは厨房の反応だ(ものがたり)
サーバは複製の「主体」か著作権がイノベーションを阻害する(池田信夫 blog)

実際、にっちもさっちも著作権でいくことでわけわからんことが、
今日は、出版社が雑誌に使った写真のデータベースを作ったら著作権侵害になるという話が出てきた。
うぅぅぅぅーん、大変なよのなかだ。
互いに首締め合ってるようにしか見えない。

6月3日追記。分かりやすく論点が整理されている。
高部眞規子判事への誤った評価オンラインストレージサービスを違法とした判決は正しい。「オンラインストレージサービスを違法とした判決は正しい。」の補足(KSTK)

最終的な結論としては、現状で法的に妥当と思われる解釈をしていくと、今回のような判決に至ってしまうのは致し方ない、ということらしい。やはり法からなんとかしないと、ということか。

6月11日、今更だけど追記。
栗原潔のテクノロジー時評Ver2で4、5日に改めて「自分が所有するCDの楽曲を携帯電話にダウンロードして聴けるようにするという形態が、法律的にどこまでOKであるか」検討を試みています。
携帯への音楽ダウンロード:どこまでがOKなのか(1)(2)(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)

もう一件。
池田信夫 blogで5日、改めて著作権の本質について「法と経済学」の立場からおさらい。封建的特権としての著作権(池田信夫 blog)
一部引用。

第一に、著作権によって社会全体の利益が増加するという根拠はない。著作権の本質は、複製を禁止して独占を作り出すことなので、ほんらい経済的には好ましくない。それが許されるのは、独占によって情報生産のインセンティブを作り出す効果が独占の弊害を上回る場合に限られるが、そういう結論は、理論的にも実証的にも証明されていない。知的財産権(独占権)の経済効果は負であるという研究もある。

第二に、著作権は近代的な財産権ではなく、もとは封建的特権(privilege)の一種だった。Wikipediaにも書かれているように、コピーライトは18世紀初頭に、ギルドが版木(copy)を独占することを王が許可する特権としてできたものだ。近代社会でギルドが廃止されたとき、コピーライトも廃止すべきだったが、これを特許権と一緒に「財産権」になぞらえて延命させたのだ(それが財産権ではないことは前述の通り)。

なるほど。

Posted at 10:03 in NoCCCD | WriteBacks (0) | Edit Tagged as: , ,

非親告罪化についてとかメモ

例によってメモでリンク。

著作権侵害の非親告罪化に関するリンク。

「著作権法の非親告化」法案の議論がややこしい方向に(切込隊長BLOG(ブログ))
著作権法の非親告罪化はチャンスかも知れない考えるきっかけを無駄にしない(novtan別館)
著作権法の非親告罪化って話で釣られる人達じゃあ同人誌の権利処理はどうするか?解決編?(ニセモノの良心)

著作権の非親告罪化で問題なのは、間接的な検閲じゃないだろうか?(少年少女科学倶楽部)
同人誌・パロディは海賊行為?(アニオタフォース)
現在の著作権法で非親告罪化が不可能である理由(ものがたり)
著作権法の非親告罪化は同人誌を殺すのか(煩悩是道場)

著作権侵害の非親告罪化についてひとこと(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)から引用しておく。

法律を改正するからには、法体系や法目的との整合性(ソフトウェアで言えばアーキテクチャ(設計思想)との整合性と言い換えられるでしょう)や様々な副作用について、代替案と 比較して考える必要があります。システム開発においてセキュリティの穴を作ってクラッカーに狙われないようにすることが重要なのと同様に、法律の穴を権力 者側に悪用されないよう注意することも必要です。利益よりもリスクの方が大きいと判断されれば改正はすべきではありません。

「海賊版業者は罰されて当然なんだからそういう規定を加えることに何も問題はない。反対するのは海賊版買ってる人だけだ。」というのはあまりにナイーブな主張だと思います。

例のiTunes問題がJASRAC崩壊の引き金になるか(novtan別館)
これが真実! iPod vs. JASRAC 著作権料2.5億円不払い騒動(家を建てよう)

どうなるんだろうかね。

同人誌と表現を考えるシンポジウム--論点整理のために(博物士)

同人誌と表現を考えるシンポジウム:
(1)アピール不足だったかもしれない──自主規制の現場(1/2/3/4/5)
(2)イベント会場でマジックで塗るということ(1/2/3/4/5)(ITmedia)
凄い特集だ。
これで第一部終了、つづくということで期待。

May 23, 2007

法制問題小委員会(第3回)

先日エントリーしましたが、著作権侵害の非親告罪化について、あちこちで議論があるようです。
実際、法案になる時にどこまでが「違法」となるのか見えないせいで混乱状態に近い感じか。

zfylで議事録が上がっている。
著作権分科会 法制問題小委員会(第3回)(zfyl)
(非申告罪化に関する議論のみ掲載)、とのこと。おぉー。
内容は、リンク先を参照ください。

まぁ、非親告罪化と言ってもことは単純ではないようだ。
つうか、我々の心配とは全く関係のないところが話し合われているような。

Page 7 / 11 :  « ‹ Prev 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 Next › »