Sep 30, 2020
Pulseaudioの備忘録
9月初旬のエントリーで、Pulseaudioのエントリーを上げた。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200906a.htm
Pulseaudioを使ってRaspberry piにAmazon Prime Musicを転送再生する
今回は、Pulseaudioについて、知見追加のメモ中心。
PulseAudio
https://www.freedesktop.org/wiki/Software/PulseAudio/
まず、アップサンプリングについて。
使っている音源はストリーミングサービス、ウェブプレーヤーからの256kbpsの不可逆圧縮とはいえ、するとしないでは音が違う。多少でも768kHz PPAPの音に近付けていかないと、僕のことだから最終的に飽いてしまいそうなので、試みないわけにいかない。
方法はサーバーの「~/.pulse/daemon.conf」に設定を以下のように書き込む。
; resample-method = speex-float-1 # resample-method = src-sinc-fastest resample-method = src-sinc-medium-quality # resample-method = src-sinc-best-quality default-sample-format = s32le default-sample-rate = 384000 alternate-sample-rate = 384000
1行目のspeexがデフォルト。下がlibsamplerateとその他の設定。
というはずなんだけど、libsamplerateは2015年頃に「意味が無い」ということになって非推奨になっていて、設定しても反映されない。
https://www.freedesktop.org/wiki/Software/PulseAudio/Notes/6.0/
実際、mediumやbestに設定しても、CPUの負荷が変わらない。「pulseaudio --dump-resample-methods」というコマンドで利用可能なリサンプラーを表示できるのだけど、libsamplerateはインストールしてあっても表示されない。
https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=217672
こちらのサイトによると「auto」でリサンプリングされているらしい。autoってなんだか分からないのだが。たぶんデフォルトの「speex-float-1」の設定になるのだと思うのだけど、はっきりしない。
それでも使わないよりは音がいい。
768kHzは設定できない旨が表示されて使えないので、384kHzにアップサンプリングして聴いている。
デフォルトの「speex-float-1」は、数値を上げるとぶちぶち音が切れる。2でもときに途切れるので、結局、1のままだ。「speex-fixed-1」でも悪くない。少し音の感触が変わる。好みで選択できる感じ。
個人的には、いずれはlibsamplerateを使えるようにしたい。他所では意味がなかったのかもしれないが、うちでは音がいいのだから。
アップサンプリングした結果、SM-SX100の光入力(44.1-48/16-32)は使えなくなった。
取り敢えずUSB-DACにSMSL M100を使っている。いつどういう経緯で入手したか覚えていない。RCA出力をSX100に入力している。
他にはリアルタイム化。daemon.confで設定。下記サイトを参考にした。
https://pulseaudio.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
http://yougateau.blogspot.com/2019/11/pcmx-linux.html
https://wiki.archlinux.jp/index.php/PulseAudio#.E8.A8.AD.E5.AE.9A.E3.83.95.E3.82.A1.E3.82.A4.E3.83.AB
https://wiki.archlinux.jp/index.php/PulseAudio/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
; high-priority = yes ; nice-level = -11 ; realtime-scheduling = yes ; realtime-priority = 5 high-priority = yes # nice-lebel = -19 realtime-scheduling=yes realtime-priority=99
「nice-lebel」は、なぜか、
E: [pulseaudio] conf-parser.c: [/home/tc/.pulse//daemon.conf:40] Unknown lvalue 'nice-lebel' in section 'n/a'.
と表示されてエラーになるので、コメントアウト。
音の透明感が出てきた気がする。
エラーになる理由が分かったので11月18日、追記。
上にそのまま書いてあるけど、levelをlebelと書き間違えている。非常に初歩的なミスだった。
nice-levelで優先度を高く設定することでシステムは安定し音質も向上した。
ここで、Deezer hifiに借り登録。
1ヶ月無料体験で、ウェブプレーヤーで44.1/16のロスレス音源を聴ける。
Tidal、Qobuzもウェブプレーヤーでロスレス以上を聴けるらしいんだけど、こっちは海外登録へのハードルが高い。
ロスレス音源を鳴らしたらどうなのかやってみたら、なんだか歪んだ感じでノイズっぽい。アップサンプリングしないほうがいい。
アップサンプリングなしだと、まっとうな音で鳴る。さすがロスレスで実直で至極まっとうな音ではあるんだけど、不可逆圧縮をアップサンプリングしたのより地味で残念だと思った。
まあ、派手じゃないけど、落ち着いて聴ける。
女房なんかはこっちのほうが音がいいという。
実際、CDリッピング音源をそのまま鳴らしたような音で、うち的にはポテンシャルを引き出せてない感じ。
上を目指せるのはこっちだ。ハードを改善したら問題なくなるのか、libsamplerateを使えるようにすべきなのか、その両方が必要なのか。
Deezer hifiのデータを転送してると、クライアントの6730bもギリギリっぽくて普段使いがややままならない。何か用事で触ると音が途切れることがある。古い機械だからな。
いろいろ考えないといけないようだ。
Sep 27, 2020
音楽ストリーミングサービスのウェブプレーヤーを使う
9月初旬に音楽ストリーミングサービスをPulseaudioで転送するエントリーを上げた。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200906a.htm
今回は、その後の話だ。
以前から時々、Spotifyの無料サービスやAmazon Primeを普段使いのノートPCなどで鳴らすことはあった。
しかしメインのオーディオシステムで中心的な音源として使うことはなかった。今回は重い腰を上げての試みだ。
Pulseaudioでの転送だけど、当初は、amazon prime music、数日後から、Spotify Freeも使用開始している。 ともにFirefoxのウェブプレーヤーで鳴らしている。
音楽ストリーミングサービスの聴き方についてネットで検索しても、ウェブプレーヤーというのは殆ど出てこない。一般的な聴き方は、まずDAPやスマートフォン。次に受信能力を持つコンポがあって、そういう解説は多い。パソコンを使う場合、忽ちは専用アプリケーションという話になる。
ウェブプレーヤーは脇役だ。
しかし、Linux PCでも使えるという優位性があって、うちではここから入ることにした。
音は、あんまり良くなかった。
いろいろ聴いていると、もう少し高音質で聴きたいと思う音源がある。
そういうのは、、、CDを買ってしまった。
なんというか、こうなるんだっけ?、何かが違うという感じだ。
ストリーミングならこの程度で良かろう、とはならない。このままでは財布に負担で置き場もない、という事態になってしまう。
もっと本腰を入れて考えないといけないと思い、Amazon HDを3ヵ月間無料でお試しできるというので登録した。
Amazon HDは、CD音源やハイレゾのような高音質で聞くには専用のアプリが必要で、WindowsとMacしか対応していない。つまり、ウェブプレーヤーからだとUnlimitedと同等で不可逆圧縮音源ということだ。
それでも曲数が増えて、なるほど、見える世界が変わってくる。
音質は、ウェブプレーヤーの高音質設定が256kbps、ファイル形式はAACらしい。
amazon primeの時より音は良くなっている感じがして、意外に気軽に聴く分には十分以上な感じだ。
しかし、実は、自分が何処の段階で音質調整の設定をしたのかが、はっきりしない。
ウェブプレーヤーでは「ストリーミングの音質」を、自動、高、中、低、の4項目から設定できる。デフォルトは自動だったか低だったか、、、それを現在は高にしているのだけど、これがPrimeの段階で使えていたかどうか、記憶が定かでなく分からない。
ちなみに3ヶ月HD無料キャンペーンなので「HDおよびUltra HD」の項目も表示されているのだけど、グレイアウトしていてウェブプレーヤーでは設定できない。下記の説明が併記されている。
HDおよびUltra HD: HD音質の再生はウェブではサポートされていません。HDおよびUltra HD音質で音楽をお楽しみいただくには、デスクトップアプリを{インストール/使用}してください。
Spotify freeも3か月間無料キャンペーンでPremiumに変更。
こっちはウェブプレーヤーの場合、freeだと128kbps、Premiumだと256kbpsで、固定ということらしい。ファイル形式はAACらしい。
Spotifyには、Linux用にも専用アプリが用意されている。こちらはファイル形式はOGGで、最高音質(320kbps)の設定ができる。
しかし、残念ながらpulseaudioによる音声転送が出来なかった。止まってしまって音が出ない。ノートPCローカルで音を出す分には鳴るけれど、それでは最高音質で鳴らす意味が殆どない。
結局、amazon同様にウェブプレーヤーで聴いている。
あれこれと書いておいて、なんなんだけど、ストリーミングの音質、ビットレートなどを調べるのが何故かすごく分かりにくかった。
あちこち調べて、断片的な情報から書いている。
調べ方が悪いのかもしれないが、こんなことはストリーミング提供元のサイトのすぐに見つかるところに書いてあるべきだと思うけど。
そのうち、信頼に足りそうなソースがあったら追記するつもりだ。
さて、ここで問題が出てきた。
同じ256kbps?でも両者の音にかなりの違いがある。
spotifyが、amazonより地味で埃っぽいのだ。いろんな音源で聴き比べたけど傾向は同じで、何が影響しているのか、、、
一方、Amazonのほうは、言い方が悪いけど、音が良すぎる。
うちではNASに保存した不可逆圧縮音源(10数年前にiTunes Storeなどからダウンロード購入した音源が多い)をメインシステムで聴くことがあって、不可逆圧縮音源はこんな音で鳴るだろうという個人的イメージがあるのだけど、それを越えた音がする。
ウェブプレーヤーが何かしている?、、それとも音源か?、、他にも条件が違うところはあるけど、、、
こういう話は聞いたことがない。
分からないなりに、topコマンドを打ってみた。
Amazonで聴いてる時は「Web Content」の%CPUが、35%前後。
Spotifyで聴いている時は、25%前後。
少なくとも、負荷は違うらしい。
あと、プレーヤーが表示されているウィンドウで他のタブを開くと(ウェブプレーヤーが背後に回って非表示になる)、Amazonのほうは%CPUが25%まで下がる(音質は変わらない)。Spotifyのほうはというと、数%下がるだけだ。
ということは、インターフェイスの表示に使っているものが違うということか。
表示の違いが影響するということなら、OS画面表示の方式を変えてみようと思った。
Fedora 32は、アカウントのログインに際して、画面表示の方法を選択できるようになっている。
1つ目がGNOME(Wayland)、2つ目がGNOME classic、3つ目がGNOME on Xorg。
うちでは普段は、1つ目のWaylandで使っていた。いったんログアウトし、3つ目のGNOME on Xorgに変えて再ログイン、Spotifyのウェブプレーヤーを使ってみる。
音が良くなった。
amazonと同等かも?
正直、こんなに変わるとは思ってなかった。
topコマンドを打ったら「Web Content」の%CPUが45%前後に上がっている。ここでプレーヤーが表示されているウィンドウで他のタブを開くと、%CPUが20%前後まで下がる。
一方、amazonのウェブプレーヤーの音には、大きな変化は感じられない。%CPUも40%弱で変化が少ない。他のタブを開くと、%CPUが25%程まで下がる。Waylandのときとほぼ同じかな。
アプリによって音が変るというが、同じFirefox上のウェブプレーヤーでも、提供元によって音が違うという事が分かった。
あと、OSの状況がウェブプレーヤーの挙動に影響するということも。
考えてみたら、そんな事が起き得るのは十二分に想定可能なことだ。しかしこれは、思った以上に複雑で難しいね、、、
そんなこんなで、ストリーミングサービスによる音の違いがどの程度あるのか、ぼちぼちと聴いてみようかなどと思っている。
しかし、、、なんというのだろう、、、
最初のうちは、想定以上にストリーミングの音がいいので有り難いなあ、とか思っていた。
それが、段々、集中して聴くには物足りない部分もあるけど、気軽に聴く時の音源としてなら問題なさそうかな、とか。
ひさしぶりに、768kHz PPAPの音を聴くと、、、
やっぱりこっちのほうが圧倒的にいい。これなしでは続かないな、、、
今後、CDレベル、ハイレゾレベル音源のストリーミング利用を考えていくのか。
分からないことが多い。この方面では完全に初心者なので、急がずに考えようと思う。取り敢えず、現状で回していく。
それでも良かったのは、2020年リアルタイムのポップミュージックに多く触れることが出来たこと。今の音だという実感が得られた。本当に久しぶりに、最新型のポップを追いかけようかという気持ちが芽生えたような気がする。実際にどの程度できるかは分からないけれど。
Sep 25, 2020
音楽を聴くにはどうしたらいいのだろうか
今回のエントリーは、音楽とどう向き合うか、という話だ。
オーディオも関係してくるけど、たいした内容はない。
他人にはどうでもいい話だ。
僕は中学の頃からラジオでポップミュージックを聴き始めた。
高校でビートルズに嵌ってプログレ、レッドゼッペリン、パンク、大学に入った頃にインディーズブームがあり、それからは最新のポップミュージックをずっと追いかけていた。
オーディオセットがましになってからは、クラシックやジャズなども聴いていたけど、メインの音源はロックなどポップミュージックだった。
それが、あの311以降、がらっと変わってしまった。
新しいポップミュージックを聴かなくなったのだ。
昔から追いかけているミュージシャンの作品は入手するが、新人はほとんど聴かなくなった。
この心境、志向の変化は、うまく説明できなかった。
災害当初は、新しい音楽なんか聞いていられるかという気持ちだった。それならば分からなくもなく、そのうち聴く気になるかなあ、などと思っていたんだけど、その後、年月が過ぎても、聴く気になれない。
では、手持ちの音源ばかり聴いていたのかというと全くそんなことはなく、主に新たに入手した音源を聴いていた。
クラシックの比率は大幅に増えた(これはオーディオシステム上流の改善に牽引されたと思う)。ポップミュージックは、聴いたことがなかった過去のミュージシャンが中心で、特に多かったのは安価なCDボックスセットで販売されているものだ。
つまり、クラシックが増えたとはいえ、ポップミュージックもあれやこれやと聴いてはいたのだ。逆に最先端中心に追いかけていた頃より、幅が広がったかもしれない。
10年経っても、最新のポップミュージックは聴く気になれなかった。
飽きたんだろうか。
年をとって付いていけなくなった?
なんというか、聴いたら面白いと思う瞬間はあるんだけど、なかなか追いかける気になれないのだ。
じゃあ、ストリーミングで十分じゃない?
、、、、、、
ここ数年、ストリーミングが音楽配信の主流になったと言われている。そこそこ良好な音質で聴ける環境も整ってきているらしい。
CDは古いのだそうだ。
新しい音源は、ストリーミングじゃないと聴けなくなるのかもしれない。
最近聴いているのはクラシックが多いけど、クラシックだって多分そうなるんだよ?ひと月に千円とかなら安いじゃないか。だいたいCD置く場所、なくなってるじゃないの。
しかし、だ。
そういう理屈は分かるけど。
全くそっちに行く気になれなかった。
今回、Amazon Prime Musicがある程度まともに鳴るようにセッティングしてみようと思ったのは、僕にとってストリーミングがどういう位置付けになるのか、試してみないことには分からないと思ったからだ。
やる気が起きないからと手を付けなかったら、たぶんずっとこのままだ。
HDとかUnlimitedとか、高音質や曲数が多いのもあるけど、無料で試せるのは短期間で、とてもじゃないけど見極められない。
そんなわけで、まずはPrimeで良かろうと割り切って手を付けてみた。
曲数なんて大して問題にならないだろう。ストリーミングは最先端ばかりではない。古くてCD入手困難な音源がしれっとおいてあったりもする。もちろん無い音源も多いけど、聴いたことがない音源には困らない程度の量はある。
だが、そんなにあれこれ聴こうという気に、自分はなるのだろうか。
昔は、とにかく広く浅く大量の音源を聴こうとしていた。聴いたことがない音楽があるということ自体が聴く理由だった。
何時頃からか、そんな無闇なやり方とは折り合いをつけて、今はずいぶん様変わりして物理的時間的限界で量を聴けなくたって別に困らない。
そうはいっても、興味がある音源があれば入手しようとするのだけど。
最近は何に興味が?
改めて考えてみたら、、、気が付けば、高音質音源だ。
先日、アンプが故障して痛感したことがある。
僕は良い音で鳴ってるオーディオがないと、もたないようだ。
短期間なら音が良くなくてもいいが、長くなると息が切れたような気分になってくる。不足感が半端ない。そしてたぶん、音が悪いなら聴かない方がマシだ、というようなことに、最終的にはなりそうな気がしたのだ。
高音質な音源は、鳴ってるだけでも気持ちがいい。癒される。どういうんだろうね、まるでドラッグ、依存症だ。
昔、僕にとって、世界と音楽は重なり合って存在するものだった。いや、音楽は世界につながるためのプラグの一つだった、というべきか。世界を音楽で彩ることで、僕は世界の中で息をしていた。
それが、最近そういう感覚がない。
311以降、世界と音楽は、僕の中で切れてしまった。
僕自身が、切ってしまったのかもしれない。
あの数年後、僕はツイッターに「伝説を語ることが空々しく感じられるけど、歴史に触れることには逆にリアリティがあるような気がする」とツイートしている。そんな感じで過去のポップミュージックばかり聴いていたんだね。
そして、切れたままなのだ。
僕から見える世界は、この10年で、ずいぶん変わってしまったと思う。こんな世界を彩ることが出来る音楽を、僕は見つけられなくなったのかもしれない。
まあ、それでも息をしていられるようになったということだけど。
だから別にそれでいけないことはない、とも思う。
昔の僕にとって音楽は空気や水のようなものだったが、今の僕にとってはドラッグだということだ。はたから見たらやってることはほとんど同じで、見分けがつかないだろう。
それが僕にとって問題なのかといえば、大した問題ではないっちゃないので、別にいいっちゃいいんだけど。
それとは別に。
音質希求の方向性は、オーディオシステムに影響する。
何が言いたいのかというと、つまり、ストリーミングは現状、768kHzにアップサンプリングできないのだ。
ストリーミング音源ではそれが出来ない。
僕にそのスキルがない。
そうした音源が主流になっていくとき、どう僕の中に位置づけるのかということになる。
昔は今ほど音質は大きな要素ではなかった。
今はそうではない。
ふだん、パソコンで音源を鳴らして平気でいたりすることもある。カーオーディオは現状の音質で全く不満がない。
しかしそれは、メインに高音質なオーディオがあるからこそ一時的に我慢できるのであって、それがなくてパソコンでしか聴けなかったら、車でしか聴けなかったら、、、
僕は聴くのをやめるだろうか、それとも、聴き続けるだろうか。
聴き続けるとしたら、何を聴くだろう。
それは世界を彩ることができる音楽なのか。それとも、もっと違う聴き方になるのか。
Prime MusicをPulseaudioで鳴らしてみようなどというのは、そういう疑問に対する一種の足掻きということだ。
そんなこんなで、うちでもストリーミングの利用が本格化?しつつある。今回のエントリーは一種の定点観測記録のようなものだ。
次回は、ストリーミング自体について、オーディオ中心の話になる。
いや、、、思った以上に、ストリーミングって、オーディオ的にも面白いね。
Sep 06, 2020
Pulseaudioを使ってRaspberry piにAmazon Prime Musicを転送再生する(9月8日追記)
今回はPulseaudioを使ってみたという話だ。
実は、Pulseaudioで音楽データを転送するというのは数年前にも考えたことがあって、でもスキル不足で実現していなかった。
今回、何故そんなことをしたのかというのは省略。
運用のノウハウだけ記録しておこうと思う。
参考にしたサイトのアドレスは以下の通り。他にも見たけど忘れた。
https://www.alprovs.com/wordpress/?p=439
https://penkoba.hatenadiary.org/entry/20130809/1376064438
http://bluewidz.blogspot.com/2018/04/oslinux-virualboxdebian-8.html
https://www.it-swarm.dev/ja/pulseaudio/
用意したもの。
普段使いのノートPC、Compaq 6730b。
OSはFedora。既にPulseaudioはインストールされていて、クライアントとして機能させる。
FirefoxでAmazon Prime Musicにログインし、音声データをPulseaudioサーバーに送信する。Raspberry Pi2。
OSはpiCore9.0.3。Pulseaudioサーバーとして動かす。Amazon Prime Musicのデータを受けて、usb dacに送る。usb dacはRATOCのRAL-24192ut1を使う。
RCA出力をオーディオテクニカのAT-SP150 bkで受ける。
こんなイメージ。

まずサーバーとなるRaspberry pi2をセッティングしていく。
ダウンロードしたpiCore9.0.3をmicroSDカードに書き込む。今回はusb dacしか使わないので「config.txt」を下記のように設定して、dtparam=i2c、spi、i2s、本体のオーディオ出力の使用を止めている。そうすることでalsaが認識するオーディオ出力がusb dacに固定されるメリットもある。
# Enable peripheral buses dtparam=i2c=off,spi=off,i2s=off # Enable onboard audio dtparam=audio=off
カードをRaspberry Pi2に刺して起動。
sshでログインし「filetool.sh -b」を打つ。「sudo fdisk -u /dev/mmcblk0」でパーティションを拡張。リブート。
再ログインして「sudo resize2fs /dev/mmcblk0p2」で拡張したパーティションを固定。
vi /opt/.filetool.lst で「usr/local/etc」を追加。
filetool.sh -bで保存、で準備完了。
このあたり詳細は過去のエントリーで繰り返し書いているので省略。
pulseaudioとalsaをインストール。
最近は「tce」コマンドから項目を選択してインストールすることが増えた。
pulseaudio.tczのインストールとalsa-utils.tczのインストールの操作だけで完成する。実際にはこの2項目の他にも必要なtczが同時に多数インストールされる。
2021.04.06. 追記。alsa-tczもインストール操作したほうが良さそう?
alsa-utilsだけでalsaもインストールされると思ったんだけど、先にalsa-utilsを入れたらインストールされなかった。要注意ということで。
tceコマンドで表示されるpulseaudioの説明から引用。
howto:
alsa needs to be working for whatever sound device you have.
Create dbus entry for booting into X
$ echo 'dbus-launch --sh-syntax --exit-with-session' > ~/.X.d/dbus
$ /usr/local/etc/init.d/dbus status [Check dbus is running]
If not running, start dbus with
$ sudo /usr/local/etc/init.d/dbus start
If dbus was not, initially running, add a command to start it next reboot
$ sudo echo '/usr/local/etc/init.d/dbus start' >> /opt/bootlocal.shexit to console
startx
$ pulseaudio -vv [to test]
When it is running correctly
echo "start-pulseaudio-x11" > ~/.X.d/pulseaudio
if a bluetooth sound devices is paired and configured, pulseaudio should find it automatically if the daemon is running
dbusが動いていないとpulseaudioは動かないらしい。
/usr/local/etc/init.d/dbus status で確認したところ、動いていない。
sudo /usr/local/etc/init.d/dbus start で動く。
下記コマンドで、OS起動時にdbusが動くようにbootlocal.shファイルを編集、設定。
sudo echo '/usr/local/etc/init.d/dbus start' >> /opt/bootlocal.sh
今回、~/.X.d/dbusの設定はしていないが、問題ないようだ。
次にpulseaudioの設定。
$ mkdir .pulse
$ cp /usr/local/etc/pulse/default.pa ~/.pulse
$ vi .pulse/default.pa
#load-module module-native-protocol-tcp
load-module module-native-protocol-tcp auth-ip-acl=127.0.0.1;192.168.1.0/24
ホームに.pulseディレクトリを作成。
ここに設定ファイルのdefault.paをコピーする。
この設定ファイルの中の「load-module module-native-protocol-tcp」に、上記のように記述を書き加えることで、ネットワークからのデータを受けることが出来るようになる。
192.168.1.0/24の部分は、各自のネットワーク環境に合わせる。
一応、alsaの状況を確認。「aplay -l」でusb接続しているDACが確認出来たら問題ないだろう。
filetool.sh -bで、dbusとpulseaudioの設定を保存。
これでサーバー完成。
デーモンとしてpulseaudioを起動するときはsshから「pulseaudio -D」、終了には「pulseaudio -k」。
次に、クライアント側の6730bを設定。設定というか、使い方だ。
先ずターミナルソフトでコマンドを打つ。
$ export PULSE_SERVER=192.168.1.xx
これで、このターミナルウィンドウから起動させるプロセスが、赤字のアドレスのpulseaudioサーバーに音声データを伝送するようになる。つまり、赤字の部分はRaspberry Pi2のipアドレスということだ。
同じターミナルウィンドウからコマンドを打ってfirefoxを起動させる。
$ firefox
firefoxが起動したら、amazonにログインし、prime musicの音源を鳴らせばいい。このfirefoxが出力する音声はlanを通じてRaspberry Pi2に転送される。うまくいけばusb dacから音が出る。
注意点としては、ネットワークが遅いと音がぶちぶち途切れる。うちでは6730bの無線lanが遅すぎて音楽にならず、有線100Base-Tでつないだら問題なく鳴るようになった。
ちなみにRaspberry Pi2の出力フォーマットを確認したところs32le 44100で、そこそこのデータ量がある。6730bのネットワーク出力をモニターしてみたら、400KiB/s前後でデータ転送されている。
youtubeの音源だとどうなるか確かめたら、s32le 48000。サイトや音源によって変化するようだ。
DACをRAL-2496ut1に換えると、s16leにフォーマットが変わる。こういう調整はRaspberry Pi2がやってくれているみたい。
あと、クライアントからの信号が止まって暫くしたらサーバーのpulseaudioは自動的にシャットダウンするようで、使う直前にsshでログインして起動しないといけない。
どこかで何か設定できるんだろうけど、確認していない。
さて、2496ut1の光デジタル出力をメインシステムにつないでみたのだけど、問題が。
直接つなぐと音量が大きすぎる。
というか、うちのアンプのボリュームが、普通のデジタル出力からみたら上げ過ぎなのだ。
普段はmpd/libsamplerateで768/32にアップサンプリングしデジタルボリュームで50%前後に絞って出力しているので、逆にアンプのボリュームは上げている。ここに普通のデジタル出力から入力したら、大音量になる。
Firefox上のPrime Musicにもボリュームがあるのだけど、これを下限ギリギリまで下げることになる。モニター画面上、ミリ単位の調節になって使いにくい。
pulseaudioサーバーの音量を下げられるコマンドもあるらしいが、どうもうまくいかない。うちではalsaが動かなくなって音が出なくなった。ここで考えてみたら、s16le 44100のフォーマットで、Raspberry Pi2でデジタルで音量調節というのは、音質に配慮するなら使わないほうがいい手法ではないのか、と思い至る。
そこで、あんまりスマートじゃないけど、メインシステムにつなぐのにはOdeon-Liteを使うことにした。ボリュームがついているので使いやすい音量に設定できる。Odeon-Liteにはusb入力がないので、2496ut1をDDコンバーターとして使う。
突っ込んだ音質評価はしていないが、Prime Musicの音源もそこそこの音質で聞けると思う。
8日、追記。
pulseaudioサーバーの音量を下げるコマンドについて書いておく。
参考にしたサイトは下記。
http://masahiroshiomi.jp/blog/pulseaudio/286/
まず、デバイスの状況を調べるコマンド。
pactl list sinks
いろんな項目について詳細な情報を表示してくれる。
Latency: 79996 usec, configured 75012 usec
よく見たら、こんな記載があったりする。あんまりいい数値とはいえないのかな。どこのLatency?とか、よく分かっていない。
音量を調整するコマンドは下記の通り。
pactl set-sink-volume 0 50%
0というのはデバイスの番号じゃないかと思う。「50%」のところで音量を調整する。
調整後に「pactl list sinks」で確認すると下記のように表示される。
Volume: front-left: 32768 / 50% / -18.06 dB, front-right: 32768 / 50% / -18.06 dB
音声再生中でもコマンドを打ったら速やかに音量を変更できた。
だけど、音質はどうかといえば、結局は「100%」にしてOdeon-liteやSM-SX100のボリュームを調整したほうが良いように聞こえた。
更に追記。
結局、Odeon-liteは外してしまった。
2496ut1からの光出力をSM-SX100に直に入力することにした。セレクターとボリュームを弄るだけでいいんだから簡単だ。
Brooklyn Ampにはその手は使えないので、他の方法を考えないといけない。
2021年1月1日、追記。「pactl set-sink-volume」がどんな感じに効くのかメモしておく。
pulseaudioの扱いにもだいぶ慣れて、ストリーミング用の日常音源として定着した。Amazon PrimeではなくDeezerを使っている。
pactl set-sink-volume 0 100% pactl list sinks Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 95% Volume: front-left: 62259 / 95% / -1.34 dB, front-right: 62259 / 95% / -1.34 dB Volume: front-left: 58982 / 90% / -2.75 dB, front-right: 58982 / 90% / -2.75 dB Volume: front-left: 55705 / 85% / -4.24 dB, front-right: 55705 / 85% / -4.24 dB Volume: front-left: 52428 / 80% / -5.81 dB, front-right: 52428 / 80% / -5.81 dB Volume: front-left: 51773 / 79% / -6.14 dB, front-right: 51773 / 79% / -6.14 dB Volume: front-left: 49152 / 75% / -7.50 dB, front-right: 49152 / 75% / -7.50 dB Volume: front-left: 45875 / 70% / -9.29 dB, front-right: 45875 / 70% / -9.29 dB pactl set-sink-volume 0 65536 pactl list sinks Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 61440 Volume: front-left: 61440 / 94% / -1.68 dB, front-right: 61440 / 94% / -1.68 dB Volume: front-left: 57344 / 88% / -3.48 dB, front-right: 57344 / 88% / -3.48 dB Volume: front-left: 53248 / 81% / -5.41 dB, front-right: 53248 / 81% / -5.41 dB Volume: front-left: 49152 / 75% / -7.50 dB, front-right: 49152 / 75% / -7.50 dB Volume: front-left: 45056 / 69% / -9.76 dB, front-right: 45056 / 69% / -9.76 dB Volume: front-left: 40960 / 63% / -12.25 dB, front-right: 40960 / 63% / -12.25 dB Volume: front-left: 36864 / 56% / -14.99 dB, front-right: 36864 / 56% / -14.99 dB Volume: front-left: 32768 / 50% / -18.06 dB, front-right: 32768 / 50% / -18.06 dB
%、整数での指定で設定するとこんな感じ。
うちでは100%以上の音量に上げることは無いので、下げる指定のみ試している。
整数での指定は、16bit=2の16乗=65536、そこから4096ずつ引いていった数値。8回引いたら32768で50%、15bitの情報量に圧縮?になるようで、相応の音質劣化がある。
聴感上、70%以上で使いたい感じ?
不思議なのは、pulseaudioのデジタルボリュームを使うよりも、Firefox、Webプレーヤーのボリュームを使うほうがまだ劣化が少ないような気がすることだ。mpdのボリュームを使っているときにも意外に劣化が少ないと感じるのだけど、それと似たような感触。pulseaudioのボリュームで音量を落とすより、劣化が目立たないように感じる。
全く理由は分からないが。気のせいかもしれないのだけど。
小数点付きの数字で指定だと、以下のような感じ。
音量2.0倍で+6dB、音量2分の1(0.5倍)で-6dBということで概ね相関している。
dBでの指定も出来るんだけど、%と整数による指定はデジタルな指定で、小数点付き数値とdBでの指定は音量によるものということらしい。
pactl set-sink-volume 0 3.0 Volume: front-left: 94519 / 144% / 9.54 dB, front-right: 94519 / 144% / 9.54 dB pactl set-sink-volume 0 2.0 front-left: 82570 / 126% / 6.02 dB, front-right: 82570 / 126% / 6.02 dB pactl set-sink-volume 0 1.5 Volume: front-left: 75020 / 114% / 3.52 dB, front-right: 75020 / 114% / 3.52 dB pactl set-sink-volume 0 1.25 Volume: front-left: 70597 / 108% / 1.94 dB, front-right: 70597 / 108% / 1.94 dB pactl set-sink-volume 0 1.0 Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 0.75 Volume: front-left: 59543 / 91% / -2.50 dB, front-right: 59543 / 91% / -2.50 dB pactl set-sink-volume 0 0.5 Volume: front-left: 52016 / 79% / -6.02 dB, front-right: 52016 / 79% / -6.02 dB pactl set-sink-volume 0 0.33 Volume: front-left: 45288 / 69% / -9.63 dB, front-right: 45288 / 69% / -9.63 dB
dB指定だと、ちょっと扱いが他の指定方法と違ってくる。
pactl set-sink-volume 0 3.0dB Volume: front-left: 73533 / 112% / 3.00 dB, front-right: 73533 / 112% / 3.00 dB pactl set-sink-volume 0 -3.0dB Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 -3dB Volume: front-left: 58409 / 89% / -3.00 dB, front-right: 58409 / 89% / -3.00 dB pactl set-sink-volume 0 +3dB Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB
指定した値の前に「+ -」を付けると「増減」の指定になる。
つまり「3.0dB」と指定したら「3.0dBの音量」に変更する指定だけど、「+3dB」「-1.5dB」みたいな指定をすると、現在の数値から増減指定になるということだ。
実は「+ -」で「増減」を指定するのは%、整数、小数点付き数字での指定でも出来る。
pactl set-sink-volume 0 -25% Volume: front-left: 49152 / 75% / -7.50 dB, front-right: 49152 / 75% / -7.50 dB pactl set-sink-volume 0 -25% Volume: front-left: 32768 / 50% / -18.06 dB, front-right: 32768 / 50% / -18.06 dB pactl set-sink-volume 0 +50% Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 -1024 Volume: front-left: 64512 / 98% / -0.41 dB, front-right: 64512 / 98% / -0.41 dB pactl set-sink-volume 0 -1024 Volume: front-left: 63488 / 97% / -0.83 dB, front-right: 63488 / 97% / -0.83 dB pactl set-sink-volume 0 -2048 Volume: front-left: 61440 / 94% / -1.68 dB, front-right: 61440 / 94% / -1.68 dB pactl set-sink-volume 0 +4096 Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB pactl set-sink-volume 0 +1.0 Volume: front-left: 82570 / 126% / 6.02 dB, front-right: 82570 / 126% / 6.02 dB pactl set-sink-volume 0 +1.0 Volume: front-left: 104031 / 159% / 12.04 dB, front-right: 104031 / 159% / 12.04 dB pactl set-sink-volume 0 -0.5 Volume: front-left: 82570 / 126% / 6.02 dB, front-right: 82570 / 126% / 6.02 dB pactl set-sink-volume 0 -0.5 Volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB, front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB
こんな感じ。
Aug 25, 2020
引き続き、hwとplughwについて
まずはちょっとしたメモから。
前回エントリーで出て来たコマンド「cat /proc/asound/card0/stream0」なんだけど。
ふだんpiCore7とi2s DACでusbメモリの音源を鳴らしているシステムで、試しに打ってみた結果が以下。
tc@box:~$ cat /proc/asound/card0/stream0 cat: can't open '/proc/asound/card0/stream0': No such file or directory tc@box:~$
No such file or directory、、、
usb出力だとusb DACのデータが表示されたけど、i2s出力だとそれがない。考えてみたら、i2sだと出力先デバイスを特定するデータを扱う必要がないのだろう。
出力自体のデータは、下記のように確認できる。.mpdconfの設定は24/96だ。
tc@box:~$ cat /proc/asound/card0/pcm0p/sub0/hw_params access: RW_INTERLEAVED format: S24_LE subformat: STD channels: 2 rate: 96000 (96000/1) period_size: 12000 buffer_size: 48000 tc@box:~$
2年前のエントリーで、USB出力は48kHzにリサンプリングされるがi2s出力はされずに設定どおりに出力されるようだ、という記載がある。出力先が何なのかを気にしないのだから、48kHzにリサンプリングする理由がない。
つまり今更だけど、i2s出力とUSB出力はalsaの動き方が違うということだ。
ここで、.mpdconfのaudio_output_format設定を変えて、出力のファイルフォーマットがどうなるかを確認してみた。
「96000:24:2」のとき出力はS24_LE、「44100:16:2」のときS16_LE、「192:32:2」のときS32_LEになった。
audio_output_formatをコメントアウトしたら、出力は44100でS24_LE。あれ?っと思ったけど、よく考えたら、このシステムではmp3を再生していたんだった。CDリッピングのflacデータを再生したら、S16_LEになった。
mp3って、S24_LEになるのかね、、、いろいろ謎がある。
前回エントリーの話では、「-D hw:0,0」を設定したらファイルフォーマットを厳密に設定しないといけないけど、「-D plughw:0,0」は緩いのではないか?ということだった。
今回は、実際のところどうなのか、やってみようということだ。
うちでは珍しくもないけど、長々だらだらとしたエントリーになった。
テスト用環境として、Raspberry Piを2台使って、usb出力のPPAP環境を作る。
Frontに、Ras pi2、mpd 0.19.19、libsamplerateを使用。
Back-endに、Ras piB+。
OSはともにpiCore7。
USB DACはいくつか手持ちがあるけど、何を使うか、、、ちょっと古いが、取り敢えずRATOCのRAL-2496ut1を使うことにした。
これにオーディオテクニカのAT-SP150 bkというデスクトップ用のパワードスピーカーをつないで出力した。
ファイルフォーマットやBack-Endのコマンドを変えながら、音が出るかどうかのデータをとってみる。
Back-endのRas piB+にsshでログインし確認すると以下の通り。
tc@box:~$ cat /proc/asound/card0/stream0 RATOC Systems,Inc. RAL-2496UT1 USB-Transport at usb-20980000.usb-1.4, full spee : USB Audio Playback: Status: Stop Interface 1 Altset 1 Format: S16_LE Channels: 2 Endpoint: 1 OUT (ASYNC) Rates: 44100, 48000, 88200, 96000 Interface 1 Altset 2 Format: S24_3LE Channels: 2 Endpoint: 1 OUT (ASYNC) Rates: 44100, 48000, 88200, 96000 tc@box:~$
ほほう、、、面白い。
ADI-2 DACなんかS32_LEしか出ないのに。S16_LEとS24_3LEが表示されている。
Frontの.mpdconfはこんな感じ。
samplerate_converter "Fastest Sinc Interpolator" audio_buffer_size "8192" buffer_before_play "20%" audio_output_format "192000:32:2" audio_output { type "pipe" name "ppappipe" always_on "yes" command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.18 4444" }
2496ut1は24/96までのDACなので、192/32はオーバースペックだ。
しかし、ここでBack-endのコマンドを下記のように設定。
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2"
音を出してみる。
Back-endの出力はこんな感じに。
tc@box:~$ cat /proc/asound/card*/pcm0p/sub0/hw_params access: MMAP_INTERLEAVED format: S24_3LE subformat: STD channels: 2 rate: 96000 (96000/1) period_size: 256 buffer_size: 2048 tc@box:~$
音はちゃんと出ている。
Frontの設定「192/32」が、「24/96」にリサンプリングされている。Back-endの「-f S24_LE -r192000」という設定も、どこにいったのかという感じ。
ちなみにBack-endの構成はこんな感じ。
tc@box:~$ df Filesystem Size Used Available Use% Mounted on tmpfs 391.1M 9.4M 381.6M 2% / tmpfs 217.3M 0 217.3M 0% /dev/shm /dev/mmcblk0p2 43.7M 13.1M 28.2M 32% /mnt/mmcblk0p2 /dev/loop0 1.1M 1.1M 0 100% /tmp/tcloop/mc /dev/loop1 1.9M 1.9M 0 100% /tmp/tcloop/openssh /dev/loop2 4.9M 4.9M 0 100% /tmp/tcloop/nmap /dev/loop3 768.0K 768.0K 0 100% /tmp/tcloop/alsa-modules-4.1.13-piCore+ /dev/loop4 256.0K 256.0K 0 100% /tmp/tcloop/alsa /dev/loop5 1.1M 1.1M 0 100% /tmp/tcloop/glib2 /dev/loop6 68.0K 68.0K 0 100% /tmp/tcloop/libssh2 /dev/loop7 256.0K 256.0K 0 100% /tmp/tcloop/ncurses /dev/loop8 1.5M 1.5M 0 100% /tmp/tcloop/openssl /dev/loop9 292.0K 292.0K 0 100% /tmp/tcloop/libnl /dev/loop10 128.0K 128.0K 0 100% /tmp/tcloop/libpcap /dev/loop11 128.0K 128.0K 0 100% /tmp/tcloop/lua-lib /dev/loop12 384.0K 384.0K 0 100% /tmp/tcloop/libasound /dev/loop13 28.0K 28.0K 0 100% /tmp/tcloop/gamin /dev/loop14 36.0K 36.0K 0 100% /tmp/tcloop/libelf /dev/loop15 256.0K 256.0K 0 100% /tmp/tcloop/pcre /dev/loop16 384.0K 384.0K 0 100% /tmp/tcloop/libgcrypt /dev/loop17 128.0K 128.0K 0 100% /tmp/tcloop/libusb /dev/loop18 36.0K 36.0K 0 100% /tmp/tcloop/bzip2-lib /dev/loop19 128.0K 128.0K 0 100% /tmp/tcloop/libgpg-error /dev/loop20 128.0K 128.0K 0 100% /tmp/tcloop/libudev tc@box:~$
alsa.tcz、alsa-modules-4.1.13-piCore+.tcz、libasound.tczだけで、リサンプリングしてるんだろうか?
まあ、ダウンサンプリングに関してはひとつ飛ばしするだけでいいっちゃいいもんなあ、、、
フォーマットはS32_LEだった?のが、S24_3LEに変換されているけど、これってRas piB+的に簡単なのだろうか、、、
設定を変えてみる。
Back-endのコマンドのオプション設定が「-D plughw:0,0」だったのを「-D hw:0,0」に。
さらに「-f S24_3LE -r96000」、つまり2496ut1で使えるはずの設定記載にする。
Back-end : /usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_3LE -r96000 -c2" Front : samplerate_converter "Fastest Sinc Interpolator" audio_buffer_size "8192" buffer_before_play "20%" audio_output_format "96000:24:2" audio_output { type "pipe" name "ppappipe" always_on "yes" command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.18 4444" }
音は出た、、、盛大なホワイトノイズが。はっきりしないけど、S24_3LEがいけないのではと思う。
S24_3LEをS24_LEにしたら、「Paused」で音が出ない。
そういうことなんだね。
じゃあ、もうひとつの使えるはずの設定「S16_LE」にしてみる。
Back-end : /usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S16_LE -r96000 -c2" Front : samplerate_converter "Fastest Sinc Interpolator" audio_buffer_size "8192" buffer_before_play "20%" audio_output_format "96000:16:2" audio_output { type "pipe" name "ppappipe" always_on "yes" command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.18 4444" }
tc@box:~$ cat /proc/asound/card*/pcm0p/sub0/hw_params access: MMAP_INTERLEAVED format: S16_LE subformat: STD channels: 2 rate: 96000 (96000/1) period_size: 512 buffer_size: 4096 tc@box:~$
mpdは動いている。Back-endも信号を受け入れているようだ、、、でも、音が出ない。、、、
じゃあ、、、ここで「-D hw:0,0」だったのを「-D plughw:0,0」に変えてみるか、、、同じ、、、いや、、、出てる?音量が小さい、、、
設定を「-D hw:0,0」に戻す。
ボリュームを上げると、普通に音が出ていたのが分かった。音量が大きく違ったのだ。
S16_LEだと音量が下がるのか?、いや、、、むしろこっちのほうが適正な音量だ。先刻、鳴っていた音量が大き過ぎたのだ。
これは、一筋縄には行かないな、、、
こんな感じでだらだらやってても大変だ。データを取るのに変数は、、、
1) Front : .mpdconf / audio_output_format (44100, 48000, 88200, 96000, 19200 : 16, 24, 32)
2) Back-end : aplay -D (hw:0,0 or plughw:0,0)
3) Back-end : aplay -f (S16_LE, S24_3LE, S24_LE, S32_LE)
4) Back-end : aplay -r (44100, 48000, 88200, 96000, 19200)
変数が4つもある、、、
1)は、44100, 96000, 19200 : 16, 24, 32、ぐらい?
2)aplay -Dオプションは、hwとplughw。
3)はS16_LE、S24_3LE、S24_LE、4)は44100, 96000, 19200ぐらいに絞ろうか、、、
総当たりでやったら、162とおりの組み合わせ。、、、やって出来ないこともないけど、なかなか終わりそうにないな。
さらに絞る。
1)は、44100, 96000 : 16, 24。
2)aplay -Dオプションは、hwとplughw。
3)はS16_LE、S24_LE、4)は44100, 96000。1)の設定に数値を合わせる。
これで、8とおり。
削り過ぎか?、もうちょっと、他の設定もしてみようか、、、以下、結果。
hw |
plughw |
|
front:44.1/16 |
ok |
ok |
front:96/16 |
ok |
ok |
front:44.1/24 |
paused |
ok (format: S24_3LE) |
front:96/24 |
paused |
ok (format: S24_3LE) |
front:44.1/24 |
white noise |
white noise |
front:96/24 |
white noise |
white noise |
front:192/24 |
paused |
ok (format: S24_3LE rate: 96000) |
front:192/32 |
paused |
?ok? loud? |
front:176.4/24 |
paused |
?ok? |
front:176.4/24 |
paused |
?ok? |
こんなところかなあ、、、、
やはり、aplay -Dオプションで「hw:0,0」を設定すると、ファイルフォーマットをきちんと合わせないと音が出ない。
2496ut1の場合、24bitのフォーマットの扱いが難しい。
Back-endで「S24_3LE」と設定したら、正確な設定のはずなのに、ノイズで音声が聞けなくなる。むしろ「S24_LE」に設定した方が、「plughw」で問題なく音声を鳴らせる分、随分ましだということになる。これは10年ほど前にも問題視されていた事らしくて、alsaはS24_3LEを扱えないという話がネット上に残っているようだ。最近の機械はS32_LEをサポートしている機種がほとんどのようで、こうした問題はなくなったらしい。
入力が176.4kHzや192kHzのフォーマットでも、plughwで設定したら音を出すことができるのには、正直驚いた。
ただ、ダウンサンプリングされてしまうけど。
といっても、dmixがインストールされていないからだと思うけど、48kHzにはならない。
176.4kHzは2分の1の88.2kHzになるのかと思ったら、96kHzにダウンサンプリングされた。そのせいかどうか分からないけど、高音がきつくうるさい感じに聴こえた。同じダウンサンプリングされるのでも、192kHzからのほうが聴きやすく自然な感触に感じた。192/32で音が大きくなるのは、理由がわからない。
本当は、S32_LEをサポートしている新しいDACだとどうなのか、確認したほうがいいんだろうけど、息切れ気味。
このぐらいにしておこうと思う。
Aug 15, 2020
PPAP back-Endの設定を考え直す(hwとplughw)(8月20日追記)
修理から戻ってきたアンプは好調で、クールな音を聴かせてくれている。
今回はアンプとは関係ない。
ずいぶん前に、PPAP back-Endの「aplay」の設定が釈然としないという話をアップした。
あちこちネット上を徘徊して調べて音が出るようにはしたんだけど、今回はそれをもう少し解明してみた。
aplayコマンドのオプション設定「-D hw:0,0」と「-D plughw:0,0」についての備忘録みたいなものなんだけど、このエントリーだけ読んでも、何が何だか分からないという人が多いような気がする。
8月20日追記。
読み返してみて、いくら自分用の備忘録だからといって「何が何だか分からないという人が多いような気がする」とか「上に挙げたエントリーに書いてある」とかで、背景説明を終わらせてるというのも凄いので、過去の経緯を簡単に追記する。
2年前にpiCoreでPPAPを運用し始めた数か月後、再生データのサンプリング周波数が指定通りのサンプリング周波数にならずに、48kHzに変換されて再生されていたことに気が付いた。
変換されるのはalsa、dmixのデフォルト設定だと思い至り、変換されないようにする方法をネット上で探したところ、aplayのコマンドに「-D hw:0,0」というオプションを追加すればいい、という情報を得た。これを試みたが、何故かmpdが止まって音が出なくなった。
更にネット上を探したところ「-D plughw:0,0」というオプションで再生する方法があるという情報があり、試みたところ、48kHzに変換されることなく指定通りのサンプリング周波数で再生されるようになった。
ちゃんと指定通りに再生されるようになったのは良かったのだけど、当惑したのは「-D plughw:0,0」は一般的には「48kHz/16bitに変換して再生するオプション設定」とされていることだ。
つまり、うちでは通常と全く逆になった。
原因不明で、ずっとその設定で運用していたのだけど。
今回はその原因がやっと分かったというエントリーだ。要は、何処其処が間違ってましたという話である。
piCore7でppap (piped pcm audio play)を試みる
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180301a.htm
PPAP Back-EndのUSB出力が48kHzになっていたので修正した
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180523a.htm
piCore7で作るPPAP Back-End
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180527a.htm
これらのエントリーでBack-Endの作り方を書いている。
ちょっとBack-Endとして機能させるためのコマンドを引用する。
下記は24/192のデータを受ける場合。
192kHzがaplayで扱うことができるサンプリング周波数の上限なので、PPAPの上限も192kHzになる。/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2"
当時、PPAP back-EndのUSB出力が48kHzになっていたのに気付かず使っていて、分かった時にはずいぶん驚いた。
上記のようにコマンドに「-D plughw:0,0」を加えることで、なんとか修正して設定どおりのサンプリング周波数で出力されるようにしたが、どうなってるんだろうと思ったまま、そのままになっていた(どうしてどうなってるんだろうと思ったのかは、上に挙げたエントリーに書いてある)。
アンプの調子もいいことでありがたいことだなあ、などと思ううちに、ふと脈絡なく思い出し、改めて調べ始めた。
以下、資料。実際は他にもあちこち見てまわったんだけど、省略。
PCM - MultimediaWiki
https://wiki.multimedia.cx/index.php/PCM
みみず工房本館 10センチの穴
http://mimizukobo.sakura.ne.jp/articles/articles007.html
Auraliti PK90の新機能とLinuxのインテジャーモード: Music TO GO!
http://vaiopocket.seesaa.net/article/223714988.html
ALSAでbit perfect再生するには ナカタの Digital Wonder Land
http://www.nakata-jp.org/computer/howto/audio/alsa.html
まず、みみず工房から引用。
2011年、9年も前の記事だ。原発のことも書かれていたりする。
この頃はうちではまだlinuxは使っていなかった。AirMac ExpressでPCオーディオをやっていた。
Computer Audiophileの[New mpd feature = cleaner signal](http://www.computeraudiophile.com/content/New-mpd-feature-cleaner-signal)という記事の情報によると、24-bit USB DAC に対する音質改善のため、mpdの改良が行われています。この記事はMPDの音質に関する大変興味深いやりとりがあり参考になります。例えば以下のような書き込みがあります。 S24_3LEハードでmpd.confのaudio_outputの「hw:n,n」を「plughw:n,n」と変えると(「hw:n,n」の行をコメントアウトしても同じ)、wavファイルは再生できるようなるのですが、音質は悪化します。これは上記の記事にあるように「plughw:n,n」を指定するとビットレートが48000、16ビットに固定されて、余分なフォーマット変換が入ってしまうためです。
2年前にうちで起きたのと同じようなことが書いてある。
ただ、音質が悪化したとは感じなかった。PPAPによる改善のほうが上回ったのだと思う。
早々に追記。
読みかえしてみて、「同じような事が書いてある」というのは大きな誤解を招くと思った。同じ事というのは「データが48kHzに変換される」ということだけで、plughwについては、うちではplughwを使うことで変換を回避したのだから、引用している内容とは真逆である。この、定説とは逆になったということが2年前からの疑問だったのだ。
あまりに記述が大雑把だったので加筆訂正する。
アドレスが書かれてあるComputer Audiophileのスレッドにも興味深い記載があった。
S24_3LE is a 24-bit format also known as "packed 24-bit". All 24-bit USB DACs only support S24_3LE. Since mpd didn't support this format before, it converted everything to a 32-bit format and then ALSA was needed to convert that 32-bit format to S24_3LE for a 24-bit USB DAC. That's why I could never get mpd to send audio straight to the Wavelength Proton with hw:0,0. I had to use plughw:0,0 instead because that allowed ALSA to make the conversion. hw:0,0 sends the audio straight to the DAC without any conversion. No other mpd.conf configuration is necessary besides specifying hw:0,0.
Music TO GO!から引用。こっちも2011年。
ALSAではDACなどのデバイス(ALSAでいうcard)に対してデータを送るときにいくつかのインターフェース(転送モードみたいなもの)を指定します。たとえばhwとplughwです。hwを使用した場合はDACにたいしてデータの改変なく(つまりダイレクトに)データを送出します。その代わりDACで扱えるデータのタイプをプログラム(再生ソフト)側で気にする必要があります。plughwを指定したときはALSAシステム側でなんらかの処理の後にデバイスに送出されます。たとえばデバイスが扱えないデータタイプを変換してくれますのでプログラムから見るともっと手軽です。
(中略)
この「ALSAのインテジャーモード」を使用するさいにはダイレクトに送るわけですから上に書いたようにhwインターフェースを使用する必要があります。問題はWAVを再生したときにここでエラーがおこると言うことです。
解決策としては上のCAスレッドにあるようにplughwを介してデータをいったん整数から小数点形式に変換するとエラーを回避することができます。つまりplughwインターフェースを介することによってWAVも問題なく再生できますが、先に書いたhwでの「ALSAインテジャーモード」のダイレクトアクセスのメリットは消失してしまいます。
ALSAでbit perfect再生するには、から引用。
非bit perfect再生
aplayを使用してわざわざ非bit perfect再生することもないと思いますが, 念のために書いておきます。 サウンドカードが対応していないサンプリング周波数やビット長のデータを、 無理やり再生することができます。 Bit perfect再生する時のhwパラメータをplughwに置き換えます。
hostname:~> aplay -D plughw:0,0 sample.wav
aplayの制限
aplayは、試験用に作られたプログラムのようで,制限があります。 特に,オーディオ再生として使用する場合の一番の制限は、 再生ファイルのデータフォーマットと、 デバイスのデータフォーマットが一致していなければならないことです。 デバイスが24bit linear PCM little endianだった場合, 再生するファイルも24bti linear PCM little endianでなければなりません。 ファイルが16bit だったり、big endianだったりすると、 この例ではbit perfect再生してくれません。 ここは注意してください。
次に、うちのサイトから引用。
以前に使っていた、
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2"
というようなコマンドだと、前述の通り音が出ない。alsa-dev.tcz alsa-doc.tcz alsaequal.tcz alsa-locale.tcz、、まあ、どれが働くのかわからないけど、これらがインストールされていたらdmixが働いて48kHzに変換された上で、音が出る。/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2"
だったら「paused」が表示されて音が出ないんだけど、alsa-dev.tcz alsa-doc.tcz alsaequal.tcz alsa-locale.tczを追加インストールしても、「paused」で音が出なかった。「-D hw:0,0」はあちこちでdmixによるリサンプリングをさせない設定とされているんだけど、どうもpiCore7ではうまく機能しない。/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2"
これだったら、こちらの求めるように機能して音が出る。どこかでそうなるように設定されているのかもしれないけど、よく分からない。
現状、変換せずに音が出てくれたらいい、という感じだ。
上記の引用は読むだけでは分かりにくいと思ったので表にして8月20日追記した。
|
alsa-modules-4.1.13-piCore_v7+.tcz alsa.tcz |
(以下tcz追加しdmix使用可能) |
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2" |
paused |
dmixが48kHz/16bitに変換し再生 |
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2" |
paused |
paused |
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=512 --buffer-size=4096 -t raw -f S24_LE -r192000 -c2" |
サンプリング周波数を変換せず再生 |
未確認 |
なんだか、ちょっと見えてきたような感じ。
2年前の僕はpiCoreのせいにしてるけど、実はデータフォーマット設定が合っていなかったから音が出なかった可能性がありそうだ。「S24_LE」とかコマンドに書き込んでるけど、24bitだからこれかな、みたいな感じで記述していて、理解してないままなのだ。endianのことなんて考慮していない。
というか、調べたけど全く分からなかったので考慮を放棄したというのがあるんだけど。
当時はnano iDSD LEや、fireface UCXをCCモードで使っていた。
CCモードなんて基本的にiPad用だ。どういうフォーマットなのだろう、、、
DACが受け取れないフォーマットだったら「paused」で音が出ないということはあり得るだろう。
受け取れなかったのを「plughw」設定でなんとかして、音が出るようになっていたのかもしれない。plughwは、必ずしもサンプリング周波数やビット深度を変えるというものではなくて、データ伝送先が受け取れられるように擦り合わせるという設定なのかも。
dmixがあったら48kHzに変換されるというのも、たぶん、あったらそうするのであって、なかったらなかったで他の何らかの伝送できるフォーマットで送るようになっているのではないか。
もしかして、過去のエントリーの記録に痕跡が残ってないかしら、、、
、、、、、みつけた、、、、、
そんなこんなで、fireface UCXにCCモード上限の96kHzで入力できるようになった。
バックエンドで「cat /proc/asound/card*/pcm0p/sub0/hw_params」を打つと「96000」と表示される。tc@box:~$ cat /proc/asound/card*/pcm0p/sub0/hw_params access: MMAP_INTERLEAVED format: S32_LE subformat: STD channels: 2 rate: 96000 (96000/1) period_size: 256 buffer_size: 2048 tc@box:~$
あんた、format: S32_LE、ってはっきり出てますやん!コマンドは「S24_LE」だったんとちゃいますのん?その何処見とるか分からん目は節穴どすか!
なにか脳内で聞こえた気がしたけど気にしない。PCM - MultimediaWikiから引用。Google翻訳も併記する。
Integer Or Floating Point
Most PCM formats encode samples using integers. However, some applications which demand higher precision will store and process PCM samples using floating point numbers.
Floating-point PCM samples (32- or 64-bit in size) are zero-centred and varies in the interval [-1.0, 1.0], thus signed values.整数または浮動小数点
ほとんどのPCM形式は、整数を使用してサンプルをエンコードします。 ただし、より高い精度を必要とする一部のアプリケーションでは、浮動小数点数を使用してPCMサンプルを保存および処理します。
浮動小数点PCMサンプル(サイズが32ビットまたは64ビット)はゼロ中心であり、間隔[-1.0、1.0]で変化するため、符号付きの値になります。
浮動小数点PCMサンプルは32bitか64bitと書いてある。
Music TO GO!の「plughwを介してデータをいったん整数から小数点形式に変換するとエラーを回避することができます」という記載と、うちでS24_LEだった筈のデータがS32_LEに変換されて聴けるようになったのと、整合性があるように思われる。
こうなると、現在メインで使っているADI-2 DACはどうなってるんだろう?と気になってくる。
現在はapu2、tiny Core pure64でPPAP Back-Endを運用している。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200320a.htm
700kHz台でPPAP(22日、4月7日追記)
サウンドカードが対応しているデータフォーマットの詳細を確認できるコマンドがあるとのことで、sshでapu2にログインし使ってみる。
tc@box:~$ cat /proc/asound/card0/stream0 RME ADI-2 DAC (52973504) at usb-0000:00:10.0-1, high speed : USB Audio Playback: Status: Stop Interface 1 Altset 1 Format: S32_LE Channels: 2 Endpoint: 2 OUT (ASYNC) Rates: 44100, 48000, 88200, 96000, 176400, 192000, 352800, 384000, 705600, 768000 Data packet interval: 125 us Bits: 32 Capture: Status: Stop Interface 2 Altset 1 Format: S32_LE Channels: 2 Endpoint: 1 IN (ASYNC) Rates: 44100, 48000, 88200, 96000, 176400, 192000, 352800, 384000, 705600, 768000 Data packet interval: 125 us Bits: 32
Capture:って、、ADI-2 DACにはADCの機能がある?と何処かで読んだ記憶があるのだけど、こういう表示になるのね。
DAC機能のほうはPlaybackの項目に書かれている。Format: S32_LE、ということだ。
今迄使っていたコマンド(bootlocal.shに書き込んである)は下記の通り。plughwを使っている。
/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=2048 --buffer-size=32768 -t raw -f S32_LE -r768000 -c2"
偶然、S32_LEになっている。
これは、768kHz/32bitにアップサンプリングするから、ぐらいの考えで書いたものだ。
これを下記のようにhw使用に書き換えて再起動してみる。
/usr/local/bin/ncat -kl 4400 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:0,0 -M --period-size=4096 --buffer-size=32768 -t raw -f S32_LE -r768000 -c2"
全く問題なく音は出た。
なんということか。
音質には差がない。いや、多少、固い音か?、気のせいかな、区別は付かない。
しかし、これでビットパーフェクト、なのかな?
アップサンプリングしてるから今更ビットパーフェクトとか関係ないけど、アップサンプリングしたデータを正確に伝送しているということなんだろうか。
それにしても、僕はapu2をPPAPで使用開始するにあたって、44.1、96、192、384と、24bitとかで試してきているのだ。その際に、S24_LEとかS16_LEとか、書いてたような気がする。問題なく音が出ていたのは、plughwで設定していたからだ、ということになる?
もしかしたら、plughwのほうが気軽に扱いやすい設定方法という一面もあるのだろうか。
しかしとりあえず、夏が終わる前に宿題が一つ片付いて、よかったかなと思っている。
Aug 07, 2020
オーディオ状況報告(2020.08.07.)
最近のシステム構成は下図のような感じ。

アンプが故障したので、代替にBrooklyn Ampを導入している。
SM-SX100と傾向は違うけど、なかなか悪くない音がする。
明確に違うのは中低域だ。ベース楽器が張り出す傾向はSX100と明らかに異なっている。あと、SX100よりもウォームな音がする。
しかしこれなら、SX100が帰って来るまでゆっくり待てるな、、、
と、思っていたら、どうもおかしい。
というか、Brooklyn Ampの音色がSX100にだんだん近付いてきているような気がするのだ。
以前の試聴で使っていたジョニミッチェルやフィッシュマンズの音源でも確かめてみたが、やはり聴こえ方が違ってきている。SX100に近い鳴り方で、情報量が増えてきている。ちょっと前まで、情報量はSX100の7、8割かな、などと思っていたのだけど、段々分からなくなってしまった。
これはエージングというべきなのか、ウォーミングアップがまだ続いているのか、、、
SX100が戻ってきたら比較しないといけない感じだ。
ちなみに、20年前に視聴した記憶の彼方の100万円プリメイン群の情報量は、SX100の2、3割という感覚だ。最近、一時的に使っていたLP-2020A+やTU-870の情報量は数パーセントから1割以下という感じ方。
どういう感じ方なんだろうね。
あと、CDプレーヤー周りでサブシステムを構成した。
ストックしてあった機材の寄せ集めだけど、使えるので結果オーライという感じだ。
ちなみに情報量は1割以下なイメージ。これは仕方ない。
メインシステムとは完全に別系統となっている。こっちも必要に応じて弄っていくと思うけど、テレビ台の下部に押し込んでいるので制約もある中でのことだ。
しばらくはこれで大丈夫、と思っていたら、SM-SX100の修理完了とのメールが来た。
今は帰還を待つのみだ。
さあ、どうなるやらだ。
早々に追記。
上流が768kHz/32bitのPPAP(piped pcm audio play)方式になってることを書き忘れていた。
まあ、それぐらいこの数ヶ月はアンプに気を取られていたということだと思う。
仕方ないよね。
Jul 18, 2020
バランス接続に業務用アッテネーターを試す
前回エントリーの追記で下記のようなことを書いた。
入力に関しての問題は、それよりも音量に関することだ。
mpdでソフトウェア的に調整しているんだけど、今の使い方だとボリュームが15%とかでちょうどいいような音源もあったりする一方、クラシックなどでは50%以上にすることもあったりする。ほんとうは、30%ぐらいから90%ぐらいで使いたいのだ。
SM-SX100はプリメインなので音量調整ができたけど、Brooklyn Ampはできないので、本当は、良質なプリアンプとかアッテネーターを併用した方が良いと思う。
SM-SX100はボリュームMAX表示128のところ50で使っていた。
Brooklyn Ampの音量調節は2段切り替えで、0dBと+6dBだ。0dBでも十分以上の音量が出る。
クラシックで、mpdのボリューム50以上というのは、最近の感覚ではかなり録音レベルが低い音源で(昔のCDのリッピング音源が多いかな)、ほとんどの音源で30前後でちょうどいい、というか、それ以上に上げると家族から苦情が出かねないレベルの音量が出る。
録音レベルが高い、海苔音源と呼ばれるものに近いものだと15とかになる。もともと音質に期待できそうにない音源で且つ32bitにアップサンプリングしてるとはいえ、15では低すぎないかと心配だ。微調整ができなくて使いにくいし。
パッシブプリの使用も考えたんだけど、それなりのものをと考えると、すごく高価だ。
業務用扱いで1万円切るのもあるけど、、、
普段のボリューム調整は、mpdのソフトウェアボリュームで行う。パッシブプリの可変抵抗は、いまいち、無駄じゃないのかと感じる。
音楽信号の伝達経路の途中に挟む抵抗は、音質低下の要因になる。安価な可変抵抗はできたら使いたくないのが本音。できれば固定抵抗で減衰させたい。
固定抵抗を使ったのでコンシューマー用でいいのはないのか?と思ったけど、ない。高価だったり入手困難だったり、うちの些細なニーズのためにそんなにかけられない。
そもそも、音量調節する必要はなくて減衰量は固定でいいのだ。ごく単純な機能があればいい。
自作も考えたが、業務用から探す。
業務用だと使えそうなのがある。

画像はサウンドハウスのサイトから引用。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) TXX10 | サウンドハウス
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25885/
XLRケーブルに繋いで使う10dB減衰のアッテネーターだ。
極めて安価で2本で1600円。まずこれでやってみようと思い入手した。
まず、アンプの方につないでみる。こんな感じ。
ADI-2 DAC --- XLR cable --- TXX10 - Brooklyn Amp
出てきた音は、なんだか籠りがちで、ぼんやりしている。これは使えない。やっぱり安いのは駄目なのかな、、、
次にDACのほうにつないでみる。
ADI-2 DAC - TXX10 --- XLR cable --- Brooklyn Amp
このつなぎ方だと、だいぶマシだ。
こういうアッテネーターの場合、インピーダンスが問題になる。
僕は詳しい理屈は分からないのだけど、インピーダンスへの対処が適切じゃないと音楽信号の伝送に不具合が生じる。
ADI-2 DAC | 出力インピーダンス:200Ω バランス、10Ω アンバランス |
Brooklyn Amp | 入力インピーダンス:10kΩ |
TXX10は業務用のアッテネーターなので、多分、600Ω平衡だと思う。
brooklyn Ampよりも、数値が近いADI-2 DACにつないだ方が悪影響が少なくて良さそうな感じはする。そんな感じでいいのかな、、、
音量はいい感じに落ちたけど、音質がいただけない。
やはり、なんだかぼんやりした感じに曇っている。
ランクが上のアッテネーターだと1本4000円以上する。
買い換える前に、対策を打ってみる。
まず、そのままだとDACのXLR端子に刺さったTXX10から先が宙に浮いた状態なので、ケーブルインシュレーターを使うような感じで支えてみる。具体的にはゴムシートを重ねたものを使って、浮いているTXX10とXLRケーブルを支えてみた。
意外にも、これだけでかなり音色の曇りが取れてきた。
ということは、更に振動対策をしたら、より効果があるかもしれない。
そこでTXX10自体に振動対策を施してみることにした。
Phile-Webで、ケーブル端子に振動対策をしたら音が良くなるという話を読んだ事がある。
そのケースではfo.Qや鉛シートを巻いていたと思う。しかし、うちにはないので手近のゴムシートでやってみた。0.5mm厚のゴムシートを数cm幅に切って、TXX10に巻きつけて結束用のビニールタイで縛り固定した。
これも効いた。
なんと、TXX10を使わないときの音と同等のレベルまで改善してしまった。
もちろん音量が違うので、TXX10を使ってる時はmpdのボリュームを上げるんだけど。
若干、音の違いはある。
優劣を付けるのは難しいんだけど、TXX10を使っているほうが聴きやすいような気がする。それが振動対策の効果によるものなのか、mpdのソフトウェアボリュームを上げることが出来ることの効果によるものなのか、はっきりしない。
少なくとも、信号経路に接点が増えたり抵抗が入ることによる悪影響は、全く感じられなくなった。これにはちょっと驚いている。

インシュレーターのゴムシートの代わりにJ1の青(A40R)を使うことにした。
それにしても写真が良くないね、、、
ともあれ、これでSM-SX100と同様の使用感で使う事ができるようになった。
そういえば、もうひとつの懸案、子供が使うCDプレーヤーなんだけど、別系統で鳴らすことにした。
実家の押入れにしまい込まれていたスピーカー、TANNOY Mercury mx1(そもそも20年近く昔に僕が実家に買ってあげたものなんだけど)を取り返し、以前に入手したまま死蔵していたLuxmanのデジタルアンプ(雑誌のおまけで、当時けっこう話題になった)を引っ張りだして繋いでいる。
置き場所は、小さかったテレビ台をお役御免にして、ラック用アングルでキャスター付き且つ大きいテレビ台を組み直して、そこのテレビの下にスピーカー、アンプ、CDプレーヤーもろともに押し込んでセッティングした。
さらにマスプロのセレクターを付け加えて、Raspberry piの音も再生出来るようにした。
うちでは最近、夜間に安眠のためにカエルや虫の声を小音量で流しっぱなしにしているのだけど、そのためのシステムとして使っている。日によっては昼間も鳴らしている。NASにつなぐのもどうかと思って、Raspberry piに刺したUSBメモリの音源を鳴らすようにした。
以前はメインシステムで鳴らしていたのだけどSM-SX100が壊れて、あれこれ変遷した末に現状に落ち着いた。
そんなこんなで、アンプの故障を機に、いろいろ運用状況が変わってきている。
修理完了を待ちながらも、変化を楽しむ余裕も出てきた感じだ。
Jul 05, 2020
Brooklyn AmpでSM-SX100の代替を試みる(07.14. 2022.02.24. 追記)
前回のエントリーで下記のようなことを書いた。
過去に1ヶ月待てると書いたのは、、、間違いではなかった。
いやー、、驚いた。
TU-870はいいアンプだね、、、
昔の記憶では低域が制動困難とかあったけど、今聴くとそこまででもない。ゆるいというより、伸びてない、出ていない。
中高域には多少響きが乗ってるが、そこそこ綺麗な音でオーケストラでも其れなりに歌ってくれる。これは大きい。不満がないとは言わないけど、この音色なら、まだ待てる。
そういうわけで、SM-SX100のときと比べて3分の1から2分の1ぐらい?の音量で使って、そんなに問題がない。
エントリーアップした直後、僕は考え込んでいた。
1か月、待つ?
それが出来たとして、何の意味があるのだろう、、、
SM-SX100が治って帰ってくるかどうかに関わらず、代替アンプはいざという時のために必要だ。
それも、ある程度以上の音質が保証されている機械でなければ、僕が持たない。それに1か月で帰ってくるとは限らない。
もしもSM-SX100が治らなかったとしたら、、、
メインを張れるアンプが絶対に必要になる。
つまり、何がどうあろうと最低1台は一定水準以上の音がする新しいアンプが必要なのだ。
僕は以前から、SM-SX100は替えがないアンプだということを折に触れて書いてきている。
本当に替えがないのかどうかは、実は明確じゃない。
僕があちこちのオーディオショップで試聴を繰り返していたのは、2000年代までだ。結婚してからは試聴機会はずいぶん減った。子供が出来てからはなお減っていて、この10年は数回しかしていないはずだ。
替えがない、というのは、「僕が聴いてきた範囲では」、ということなのだ。
今なら、替えがあるかもしれない。
いや、あってくれないと困る。
どこから探すのか。
SM-SX100を試聴したのは随分前になる。
当時、比較したのはマークレビンソン、ジェフローランド、そしてゴールドムンドの100万円クラスのプリメインだった。
マークレビンソンの印象は、モハメッドアリ。
ジェフは、バレリーナが優雅に踊っているような音。
ゴールドムンドは、なんだか電子計算機のような生真面目さを感じた。
SM-SX100の音は、近いのはゴールドムンド、しかしアナログアンプ3者とは大きく異なっていた。
人間離れした音、、、成層圏の空気のような、ある意味、究極に自然に近い、不純物が混じりようがないような音色、人界とは別世界の音だと感じた。
具体的には、まず何より情報量が桁違いに多かった。他のアンプでは聴こえない音が当たり前のように聞こえてくるのだ。加えてスピーカーをドライブする能力も明らかに上だった。他のアンプが息切れする大音量再生でのradioheadのpulk、低音のパルス(小さなスピーカーでは聴こえない。オーディオ店の店員は、こんなのをそんな音量で鳴らすんですか、みたいなことを言った)を軽く鳴らし切った。
当時の試聴に使っていたスピーカーはJBLの上位機種(当時はJBLがあちこちにあった)。これだけ鳴るなら、うちの4425mk2も鳴るはずだと確信できた。
僕は、一応、SM-SX1も試聴した。
安価なアンプで替わりが効くかどうかを確かめた。聴く前から分かっていた。ぼくはもうSX100に魅入られていたので、差があるということを確認しておきたいだけだった。
SX100は情報量とドライブ力が大きいだけではない。
当時試聴に使っていた音源に、オルフェウス室内管弦楽団のバロック・コンサートというのがあった。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00006BGTN
当時はCDで鳴らしていたけど、パッヘルベルのカノンは難しい音源だった。うちで聴いてはもちろん、あちこちのオーディオショップに持ち込んで聴いても、鳴り方が変なのだ。バイオリンがちゃんと定位しない。左右にふらふら動くように聴こえる。
ふらふらするなら良いほうで、某ショップで内部がフロート構造だという100万のプリメインで試聴したときは、雲のように音像が霧散して何処に定位してるのか分からなくなった。スピーカーはB&Wの805。それなりに期待して聴いた購入候補だったんだけど、こんな音がするアンプは止めねばならないと即決せざるを得なかった。
2022.02.24. 追記。
このアンプの上位機種とノーチラスがよい組み合わせだと書いているのをみた。
下位機種のプリメインとはいえ、そんなに音の傾向が違うとも思えないので、今から思い返すと、多分セッティングか何かの影響でそんな音になっていたのかもしれないと思う。ショップの好みにセッティングされ、それが僕には合わなかったというのはありそうなことだ。
僕は、しまいにはこの音源は音像がふらふらする、そういう音がする録音なのだ、と思うことにした。そのうち試聴に使うことも減っていた。
SM-SX100がうちにきて、ふとカノンを鳴らしてみようと思って、鳴らしてみたところ、、、全くバイオリンが揺れないのだ。ちゃんと定位して最初から最後まで鳴っている!
当時の驚きを僕は忘れていない。
アンプというものの本当の役割を、僕はこの時初めて知ったように思う。
そんなこんなで、僕はSM-SX100の信徒になった。シャープの3桁ならどれでもいいのかというと、思い入れが違うのだ。このあたりが信徒たる所以である。
さて、、、そうとなったら、探さないといけない。
アナログアンプは、この20年で長足の進歩を遂げて格段に音の情報量が上がったのだろうか?
確信はないけど、あんまり期待できないように思う。
それにSM-SX100というデジタルアンプの後釜は、デジタルアンプでないといけないだろう。
期待できるデジタルアンプをネットで探し始める。
あんまりないのね、、、
1bitのnmodeも考えたけど、只今SX100が修理に出ていて、サブのアンプが同じタイプというのも、あんまり気が利かないよね。LP-2020A+を使ってみて、PDMではないPWMのアンプが、今の時代、どの程度の音を生むようになっているのかを確認しておきたいという気持ちもあった。
あれこれネット上を巡るうちに目に留まったのが、MYTEK Digital Brooklyn Ampだった。エミライが代理店をしている。
RME ADI-2 DACを導入した際に、選択枝としてかなり迷ったのがLiberty DACだった。MQA対応、でも384kHzまでだ。700kHz以上を聴きたいという気持ちのほうが競り勝った。気になるメーカーだったところに「初めて作ったデジタルアンプ」という、SM-SX100との共通項がある。変なところで引っかかってきた。
Brooklyn AMP - Mytek Digital Japan
https://www.mytekdigital.jp/products/brooklyn-amp/
小型なのに巨大スピーカーが鳴る! MYTEK次世代オーディオ「Brooklyn Bridge/AMP」に驚く
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1231636.html
Mytek Brooklyn Amp power amplifier - stereophile.com
https://www.stereophile.com/content/mytek-brooklyn-amp-power-amplifier
Mytek Brooklyn DAC+ and Brooklyn Amplifier
https://positive-feedback.com/reviews/hardware-reviews/mytek-brooklyn-dac-brooklyn-amplifier/
My Journey With The Mytek Brooklyn AMP
https://audiophilestyle.com/ca/reviews/my-journey-with-the-mytek-brooklyn-amp-r827/
Brooklyn Amp - 6moons.com
https://6moons.com/audioreview_articles/mytek3/
Brooklyn Ampのネット上のレビューは少ない。そんなに悪くはないようだ。
前向きな気持ちになったところで、どこで売ってるのかと思ったら、、、ほとんど、どこにも売ってない。
市場にほとんど弾がないのなら仕方ない。試聴してないが決断した。
6月29日に注文、30日には運ばれてきたので(早!)セッティング。
ADI-2 DACとつなぐ。

知らなかったけど、スイッチの上のインジケーターって色を変えることが出来るのね。赤、白、青、オレンジ、ピンクに紫、黄色(今確認したら16色みたい)、取り敢えず、緑にした。スタンバイとパワーオン、各々について明るさを設定できる。消灯も設定できるようになっている。
機体の中にはオレンジ色に光る部品が並んでいて、なかなか奇麗だ。
当たり前だけどパワーアンプなので、音量調整はmpdで行うことに。ちょっとそれだけじゃ使い勝手が悪い。子供はCDプレーヤーが使えないままなんだけど、これはどうするかな、、、
音のほうは、、、取り敢えず音が出た瞬間に安心する。乾き切った喉に水が入った感じ。
比較したらSX100よりは音が太い。音色に滲みがあるけどSNはしっかりしている。
SX100が成層圏の音だとしたら、Brooklyn Ampは地上に降りてきている。しかもそこは緑豊かな森林や草原が広がっていて、空気は成層圏と同様に清透なのだ。キャラとしては、なぜか女戦士で、そういう可愛げとパワフルさがあって、まあ、マークレビンソンとジェフとシャープの良いとこ取りかな、、、
情報量も十分な感じ。
ひょっとしてSX100よりも多いか? だが、ここは間違いやすいので正確な評価はまだまだ先だ。
これはいけるかも?と思ったそのとき、いきなり女房が言った。
「前のアンプのほうが好き」
(何ぃいいい!?!?!?!?)、、どこが違うの?
「ひゅわーー、っていうとこの音が(このときの音源は真夏の夜の夢 メンデルスゾーン)」
い、いや、、これはまだ電源入れて30分もたってないから、、数日たったらたぶん、音、変わるから、、
「ふうん、めんどうくさいのね」
いや、、、肝が冷えるとはこのことだ。脅かすんじゃないよ。しばらく動揺してしまった。いったいこの家はどうなってるんだろう、、、
実際のところ、数日ウォーミングアップすることで音色に纏わりついた滲みがどのようになっていくかが勝負だと思っている。これがキャラクターになってる面もあると思うので、うまくいくといいけど。
うまくいけば、ひゅわーー、のデリケートな表情も出てくるんじゃないかと思うんだよね、、、
ずっと最初のままだったら、、、代替にならない。厳しいけど。
そして2日、、、
この時点でかなり落ち着いて来ている。
中低域はやはりSM-SX100よりも強い。テンションが高い。高域は、滑らかさが少ない。まだ少し棘がある。
ネット上にはウォーミングアップに100時間と書かれていたサイトがあった。もうしばらく様子を見る、、、
100時間を越えた、、、
より落ち着いた印象。いくつか聴きなれた音源で試聴してみる、、、
-
Mendelssohn - A Midsummer Night's Dream - S. Ozawa, Boston Symphony Orchestra
序曲を聴く。
冒頭のひゅわーー、だけど、電源を入れた当初に比べたらずっと良くなっている。SM-SX100が表現する実在感のある繊細さはやや少ないけど、より芯が通ったニュアンスの音がする。オーケストラの音量が上がっても破綻しない(これは当然か)。SX-100の写実的写真的な再生よりは印象派の絵画的なイメージに寄っている。
SX100の音色が外に拡散するようなイメージで鳴っていたのに比べたら、真ん中にまとまっていくような密度感、凝集感がある。楽音の温度がSX100より心持ち高めで、人肌ぐらいな感じがある。やはり成層圏から地上にという感じだ。 -
George Winston - Linus & Lucy - The Music of Vince Guaraldi
1曲目の Cast Your Fate to the Wind。
この曲では弦を指?で弾いたりしている。ウィンストンのピアノは90年代頃から重くなった。それ以前よりも沈み込むような濁りを含んだ音が増えていて、21世紀にはより顕著だ。のびやかで清らかな表現と重く濁った表現、そういう音色の振幅を表現できるかを確かめる。
ピアノ音の瞬発的な変化は表現できていて混濁しない。温かみ、力感がある方向に表現する。SX100ほど多様な音色の分別はしないけど、ウィンストンが使い分ける打鍵のニュアンスはかなり分かる感じ。
音色の分別はしないと書いたけど、なんだろう、出ている音色は多彩なのだ。分析的ではなく音楽的と言えばいいのかな。 -
Joni Mitchell - Blue (20P2-2119 1988jp)
9曲目の A Case of You。
以前の試聴でも使ってるけど、700kHz台にアップサンプリングするとその芸術性に引きずり込まれるような歌声になるはずなんだけど、神憑りと感じるまでの表現にはSX100が必要みたい。しかし、Brooklyn Ampも十分善戦している。以前の試聴で聴いた192〜384kHzのダウングレードした雰囲気とは違って、なんというかな、地に足が付いた女声の歌声として聴こえている。これは好みでどっちを選ぶかになってくるのかな、、、 -
Pierre Boulez - Complete Columbia Album Collection (CD40) Bartok - the Wooden Prince
これも序曲。
オーケストラが小音量から高まっていく中で、小さく弦を弾く音が不定期に混じるのが聴こえるかどうか。SX100でははっきり聞こえていた音が、どうも埋もれて聴きとりにくい。聴こえないわけではないんだけど。
分析的ではない分、小さい音は埋もれがちになる。オーケストラの音楽的再生という意味では、不足を感じるわけではないんだけど、もともと難無く聞こえていたはずの音が、耳を澄ませないと聴こえにくいのが、どちらがリアルな再生なのかという話にもなるかもしれないんだけど。 -
harman international - JBL Super Sound
これはスピーカーの4425mk2を購入した際にサービスでおまけにもらったCD。8トラック目の「十日町大太鼓 おけさにわか囃子」をかける。重低音の和太鼓の囃子を再生出来るかどうかというのも大事なんだけど、そんな中、遠くでバッティングセンターと思われるバットでボールを打つ音が断続的に聞こえるのがチェックポイント。
太鼓などはしっかり鳴る。バットの音は、やはりお囃子に埋もれがち。聞こえはするのだけど、、、SX100は小さな音を埋もれないように鳴らしてくれるけど、Brooklynは溶け込ませる傾向がある。 -
The Rolling Stones - Let It Bleed (POCD-1925)
井筒香奈江 - Laidback 2018これらも以前に試聴に使った曲。
ストーンズは2曲目、Love In Vainから、3曲目、Country Honkへの流れ。これはいい。SX100だとクールで分析的になりがちだけど、音色が人肌な分、しっくりくる感じ。ミックの歌声のニュアンスもちゃんと表現する。このアンプはこっちの方向性が合ってるのかもしれない。
井筒香奈江、Little Wing。こっちもやはり、いい感じ。ボーカルはもちろん、ベースやピアノもちゃんと鳴る。SX100よりも沁る感じに聞こえる。 -
Radiohead - Amnesiac
3トラック目、Pulk/Pull Revolving Doors。昔、良く試聴に使っていた。
低音はしっかり出る。ボリュームをあげようとしたら家族に止められた。しかし、SX100はまっすぐ下に伸びていたような気がするけど、比べるとBrooklynは中低域が強目なのかな。ポップミュージックのビートにはむしろそのほうが適しているかもしれない。高音域は、SX100のほうが透明感とキレがあるがある。Brooklynは多少溶けあうような感じがある。 -
Fishmans - Chappie, Don't Cry
1トラック目、ひっくりかえってた2人、、、なんというんだろう。やっぱりこのアンプはボーカルのニュアンスを極めてよく表現するみたい。分析的に聴くにはSX100に及ばない。しかし人の声が人肌になるので浸透力が俄然アップする。SX100も良いんだけど、暖かみには欠ける面がある。そこがBrooklynは補完されている。
あと、ポップミュージックの低音の表現は、たぶんSX100よりも優る。ソースに正確かどうかとかよりも量感やエネルギー感、音色のニュアンスの表現が、向いているのだ。最適化されているとでもいうのかな、そういう印象。 -
中田悟 with フィールド・オーケストラ - 月光浴音楽
7トラック目、Black Sand Beach。嵐の海のような音が轟々と鳴り続ける音源。SX100だと空間の広がり、奥行が出て、何やら空恐ろしい再生音になる。Brooklynだと若干広がり感が減って、凄みはあるけど恐ろしさは薄れた感じ。飲み込まれるような暗い深い感じがやや少ない。しかし、これだけ鳴れば普通は十分かな、、、
このくらいにしとくか、、、
いや、これなら十分に代替になる。1ヶ月以上でも待てる感じだ。
SM-SX100が戻ってきたら、音を比べてみよう。
問題は、CDプレーヤーをどこに繋ぐかだけどね、、、どうしようかな。
7月14日、追記。
内容としては、RCA端子からの音はどうなのか。
エントリーをアップして後の更なるウォーミングアップの影響はどうなのかということ。
あと、日本に入ってきていない新型について少し。
まずRCAとXLR、入力の比較について。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1231636.html
これはAV Watchのレビューだけど、ここに書かれているのと同様の印象だった。
引用してみる。
アンバランスでは繊細さ、優しさを主に感じたが、バランス接続は力感が加わり、音的なエネルギーパワーが盛った音になった。特に低音のスケール感が堂々とした。これなら、アンプゲインをブーストしなくてもよいのではと思い、ゼロにした。すると、ベースの雄大さに加え、ポールのヴォーカルの繊細さ、優しさも色濃く感じられる、まさに文字通りバランスの良さが得られた。このアンバランスとバランスのキャラクターの違いはとても面白い。
アンバランスではアンプゲインをブーストして(背面のディップスイッチで+6dBの設定ができる)聴いたと書いてあるんだけど、実際、うちでもRCA入力だと音が小さくなる。回路がどうなってるんだろうかね、、、
ブースト設定の音はうちでは聴いてない。mpdでボリュームを上げたら、そこそこの音量になったからだ。
RCAだと繊細な音になるということだが、こういってはなんだが、RCAではこのアンプの長所が生きないような気がする。
そこそこ細やかな音を鳴らしながらも弱々しくならない、エネルギー感がある音色が出るところがこのアンプのいいところだと思う。RCA入力だと、その美点が半減以下になるような気がする。
それに見合う他の改善点もないように思うので、うちではXLR入力で使っていくことにした。
入力に関しての問題は、それよりも音量に関することだ。
mpdでソフトウェア的に調整しているんだけど、今の使い方だとボリュームが15%とかでちょうどいいような音源もあったりする一方、クラシックなどでは50%以上にすることもあったりする。ほんとうは、30%ぐらいから90%ぐらいで使いたいのだ。
SM-SX100はプリメインなので音量調整ができたけど、Brooklyn Ampはできないので、本当は、良質なプリアンプとかアッテネーターを併用した方が良いと思う。
次にウォーミングアップについて。
このエントリーをアップしてから10日近い。
最初にコンポにつないで以降、パワーオンとスタンバイどちらかの状態で繋いできている。つまり「パワーオフ」の状態は、ほぼ無い。ほぼ無いというのは、ケーブルを変えたりするときに一時的に電源ケーブルを外すということだけど。
Brooklyn Ampにはスイッチオフの状態はなく、完全にオフにするには電源ケーブルを外すということになる。
だけど、その間にも音の分離は細かくなってきているようだ。というのは、BoulezのWooden Princeの弦を弾く音も、JBL Super Soundのおけさにわか囃子でバットでボールを打つ音も、10日前より聴き取り易くなっている。
クラシックのオーケストラのような音源では、こうした変化の恩恵があるようだ。より繊細なニュアンスの表現ができるようになっている。
しかし全体的な印象は大きくは変わっていない。良くも悪くもSM-SX100より絵画的で温かみがある音色だ。
Joni MitchellのA Case of Youは、SX100のような芸術的な鳴り方はしない。その一方で、Fishmansの歌声には若々しい生命感が宿る。これはもう、向き不向きとか好みの問題としか言いようがないだろうな、、、
そして、録音が良くない音源はというと、やっぱり良くない音源は良くないんだけど、SM-SX100ほど分析的じゃないからだろうか、だいぶ聴きやすい。上手く何かに包んで粗を目立たせない鳴らし方をすると思う。案外、オールマイティに使えるかもしれない。
それにしても、ウォーミングアップについては、実は本領発揮するには100時間でも短いということだろう。2週間、つまり300時間のウォーミングアップで改善があったという感じだ。といっても、実は200時間でどうだったかは十分な確認してないんだけど。
あと、市場で売られていない件についてだけど、検索するうちに、実は後継機が発売されていることが分かった。つうか、気付けよ。
Brooklyn AMP+
https://mytekdigital.com/hifi/products/brooklyn-amp-plus/New York, April 2020:
Mytek announces shipping of Brooklyn AMP + a major upgrade of amazing Brooklyn AMP sound.The previous model of “Brooklyn AMP” has been discontinued and replaced with this new “Brooklyn AMP+” . Existing Brooklyn AMP owners can upgrade their units to Brooklyn AMP+ specs for $500. Please email Mytek for upgrade request.
アップグレードがあるんだそうだけど、日本ではどうなるのかな、、、
Mytek US/world Store
https://mytekdigital.com/storeus/Welcome to Mytek Digital US Main Online Store operated by Mytek Head Office in New York.
We offer Free Shipping on all products via UPS (for domestic shipments) and UPS, International Express Mail (EMS), or Fedex, for international shipments depending on destination. This US online store is intended for purchases all around the world EXCEPT European Union.
Shipping is FREE and there are no additional charges onto of the product store price, except for orders shipping to New York State which will have 8.875% NY sales tax added. Available payment methods include all major credit cards and paypal. Orders can also be placed via telephone at +1 347 384 2687 with credit cards accepted over the phone and other payment methods available.Customer Service can be contacted at storeus/aaattt/mytekdigital.com or by calling MyTek Office at +1 347 384 2687. Thank you for visiting the MyTek US Online Store.
Mytekのネットショップなんだけど、日本から買っても送料無料なんだろうか。
なんか、すごいね。
このネットストアから貼られているリンクを、ここにも貼っておく。
HELP NEW YORK CITY #MYTEK2020RELIEF
https://mytekdigital.com/MYTEK2020RELIEF/OUR PLEDGE
MYTEK will donate 10% of sales to charities on the front line in NYC through the next several months of the pandemic. We will donate 10% of our direct sales and 10% of our sales to dealers. We will report the donations at the end of each month on this web page.
そういうことか、、、
このネットショップから買えば、4月のパンデミック以降の数か月間(ということかな)、売上の10%をニューヨークの慈善団体に寄付するらしい。どこに寄付するか等についても記載されている。
日本に残ってるBrooklyn Ampは旧型なので、新型が欲しいという人は直接、Mytekから買うというのもありかもしれない。
Jun 28, 2020
手持ちのアンプでSM-SX100の代替を試みる
さて、6月。ここに来てうちのオーディオには大問題が生じていた。
アンプ(SM-SX100)の電源を入れたままにしていると、ポップノイズが突然出るようになったのだ。
いつ出るかは予測不能。音楽再生中に出ることもあるし、再生していない時にも出る。夜中に寝ていた家族が起こされる事がある。左右のスピーカー、どちらから出るのかはっきりしないが、右から出ることがあるのははっきりしている。
ポップノイズが出た後で、ボリュームのLEDインジケーターの数値表示が固定して動かなくなることがあった。このインジケーターは随分以前から表示が不安定だったんだけど、ボリュームを動かしても数値が変わらないというのは初めてだ。
そんな問題があるから音質は劣化してるかというと、はっきりした劣化はない。
最近は、使わない時には電源を切っていた。以前は入れっ放しだったのだ。長期間、電源を切っていたら、SM-SX100の音質は劣化する。ウォームアップは必須で、本調子に戻るのはスイッチを入れて3日後だ。しかし毎日オンオフしている分には、音質劣化はない様子だった。
しかし、そんな状態で放置していて良いとは、とても思えない。音でびっくりするぐらいなら大した実害はないが、そのうちスピーカーを飛ばすようなことにでもなったら、それこそ後悔先に立たずなんてことだけじゃ済まない。
そうはいっても、ちょっと鳴らしてみるぐらいだと症状が出ないから修理にも持ち込んでも問題無しで帰って来る可能性があるのかと思って多少はデータも取らないといけないのかな、とかなんとか思ってるうちに、6月中旬のある日、ボッとかいって遂に音が出なくなった(おーまいがー、やはり鳴らさないでいたほうが良かったかな?)。
そういうわけで、あれこれ思案中だ。
まず、アンプを修理に出す。
幸い引き受けてくれる修理会社があって、元箱に入れて宅配便で搬送。
それから、、、代替のアンプが問題だ。
とりあえずでいいから音が出るようにする。

ということで、LepaiのデジタルアンプLP-2020A+を引っ張りだしてきた。上の写真はamazonのを引用。
音がいいと評判だったので、なんとなく5年前に1台3000円強で購入したまま死蔵していたのだ。
2台あるから左右に振り分けて使おう、、、
所謂「アンプのパラレル接続」という手法で繋ぐ。
下図のような感じ。

これはかなり昔、やはりSM-SX100が故障した時(当時は音は出ていて、ボリューム表示やセレクターの不具合だったかと思う)、真空管アンプTU-870を2台使ってしのいだときに試みた手法だ。
1台でスピーカー2台を鳴らすより、1台で1台を鳴らす方が余裕が生まれるはずだ。
しかし、さすがにTU-870で4425mk2をドライブするのは不可能で、高域はきれいだったけど、低域が不安定で、たしか、高域を2台のTU-870、低域をDENONの10万円のプリメインで動かして凌いだ気がする。所謂「バイアンプ」という手法を組み合わせた。
こんな感じ。

TU-870とDENONの音量差は聴感で合わせた記憶がある。トータルの音量調整は、Odeon-Lite(DAC)のボリュームを使ったような気がする。まあ、なんとかなるもんだね。なってたのかな?
DENONだけで鳴らすよりは面白かったような記憶がある。
そうこう考えてるうちに、昔のうちのサイトの記載を確認したら、TU-870だけ?でも1ヶ月待てるとか書いてある。どうやってたのだろう?
バイアンプとかパラレル接続は、下記の記事が分かり易いと思う。
面白いミニコンポだね。
“ぶっ飛んだミニコンポ”遂に完成形に。マランツ「M-CR612」のパラレルBTLが凄い / AV Watch 2019年4月25日
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1177815.html
LP-2020A+、とりあえずトーンコントロールを通さないダイレクト接続の設定で使う。
ちょっと聴いてみてトーンコントロールを通す方がまろやかで聴きやすいか?と思ったけど、ダイレクトで使うことにした。
使い始めた当日はちょっと無理かな、と思ったりしたけど、、、
そのうち、、、慣れた?
いや、慣れたというより、、、この小さなアンプもウォーミングアップに数日以上かかるみたい? いや、1週間以上かけて改善している?
デジタルアンプとはそういうものなのだろうか。
クロックが安定するのに時間がかかるのかもしれない。
弄るうちにスピーカー端子の中のバネが外れて壊れる。このタイプの端子って、こんなに簡単に壊れるものだったっけ?
さらに弄くり回し、バネを押し込んで治してみる、、、治ってしまった。こんなに簡単に治るものかね?
しかしこれは注意が必要だ。
下手にスピーカー端子に力を入れたら壊れる事が分かった。
ボリュームは上げられない。
刺々しいというのか歪っぽいというのか、肌理が荒く滲み耳障りになってしまうのでボリュームは10時位の位置で使っている。
いや、正確には10時じゃない。というのは、2つのアンプで同じボリューム位置で音量が違うので、オーディオチェックCDで聴感上で確認して9時半と11時半ぐらいで左右を合わせている。1台しか買ってなかったら気付かなかっただろうけど、こういうことって、どの程度の頻度であるんだろうね。
小音量再生だったら、大きな破綻はない。SM-SX100のときと比べたら4分の1か5分の1ぐらい?の音量だ。
SM-SX100と比べたら、音声の繊細な情報は少なくて音の粒子が大きいので、オーケストラには向かないしスケール感も足りない。
だけど弦楽四重奏とかソナタ(ピアノも含む)、先月あれこれと試聴したボーカルなどは、音数は少ないけどそこそこ普通に鳴るので、最初からこんなものかと思っていたら満足できそうなレベルの音が出る。
アップサンプリングの効果は、使い始めた当初は感じられないかなと思ったが、ウォームイングアップが進んだら44.1/16から384/24、768/32とアップしていくと若干音が良くなっていく。
もちろん、SM-SX100で鳴らしていた時ほどの圧倒的な差は聴きとれない。
情報量が違うしスピーカーの駆動力も違うから当たり前だけど、1台3000円でこれだけ鳴るなら大したものだろう。
でも、結局、どんな音楽を鳴らしてるかというと、このセットで受け入れる事ができるタイプの音楽を選んで聴いている。SM-SX100のときはあまり優先してなかった音楽を聴くことが増えた。これはこれで面白いけど、、、もっといい音で聴きたいもんだね、、、
昔、TU-870(とDENON?)で鳴らした時は、1ヶ月が限度かな、と思ったんだよね、幸い当時は1ヶ月程でSM-SX100も返ってきたと記憶してるんだけど。
今回はどのくらいかかるか分からない。
1ヶ月は、、、待てないかな、待てない気がする、、、いい音で音楽が鳴ることで得られる日常の暮らしの中の「癒し効果」とでもいうのかな、オーディオのそういう役割が昔よりも大きくなってるような気がする。禁断症状が出そうな気がする、、、
そういうわけで、2週間で飽きた。
音質がSM-SX100に劣るのは当たり前だ。それより決定的な問題は、音色の色彩感が足りないことだ。
彩りがあれば多少音質が悪くても音楽に浸ることはできる。真面目に取り組む気があるなら、ケーブルや電源を変えたり改造したりするんだろうけど、代替使用でそこまでやろうという気になりにくい。
そこで、TU-870を引っ張りだしてきた。
久しぶりに触るから、説明書を読み直さないと2つあるスイッチの使い方が分からない。

左がオンオフで、右が入力セレクターだ。
画像はAV Watchの記事から引用。当時は改造も流行っていたけど、うちのは別売オプションだったコンデンサーと真空管プロテクターを付けた以外は素のまま組んだと思う。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/20030709/zooma116.htm
使えるかしら、、、
よく見たら、2台のうち1台はRCA端子が外れている。どこかで壊したまま修理せずにしまい込んだらしい。
修理のため筐体を開ける。、、こんなに半田付け、下手だったっけ?
とりあえず治して、DACとスピーカーにつないで通電。アンプ1台でスピーカー1台、パラレル接続にする、、、音は出るようだ、、、
過去に1ヶ月待てると書いたのは、、、間違いではなかった。
いやー、、驚いた。
TU-870はいいアンプだね、、、
昔の記憶では低域が制動困難とかあったけど、今聴くとそこまででもない。ゆるいというより、伸びてない、出ていない。
中高域には多少響きが乗ってるが、そこそこ綺麗な音でオーケストラでも其れなりに歌ってくれる。これは大きい。不満がないとは言わないけど、この音色なら、まだ待てる。
そういうわけで、SM-SX100のときと比べて3分の1から2分の1ぐらい?の音量で使って、そんなに問題がない。
そんなこんなで、何とか凌いでいる。どうなっていくことでしょうか、、、
Jun 16, 2020
SMSL M500でMQAを聴いてみた(10.26. 追記あり)
最近はサンプリングパラメータ関係で右往左往していたんだけど、一息ついて考えた。
そういえばMQAって最近はどうなってるんだっけ。
今迄、768kHz再生に取り組む方を優先していたのと、MQAを鳴らすなら700kHz台も鳴らせるDACじゃないと試す気になれなかったので、後回しになっていた。要はつまり、比較試聴ができないといけないと。
768kHz MQA DACで検索したら引っかかったDACが、S.M.S.L M500だ。
4万円強、と値段も手頃感があって入手した。MQAとアップサンプリングPCMを比較するためだけに5万以上は出せない。
しかし、考えてみたらMQAとPCM、どちらが上手く鳴るかはDACによっても違うかもしれないし、入力の種類によっても違う可能性がある。今回はうちで鳴らしてみたらどうだったか、という記録で、他のDACだと違う結果になる可能性がある。
さて、M500が届いた。
メガネケーブルでAC100Vに継ぐ。usbからの電力供給では動かない。
うちのPCトラポ(apu2c4/tiny core pure64 / mpd)のusbから入力してみる。
音が出ない?
リモコンのセレクターで入力選択する必要があるのか?
単4電池2本をリモコンに入れて操作。最初に「C」ボタンを押せというトラップがある(よく見たら説明書に書いている)。
usb入力で合ってるようだ。音量は40でMAXらしい。
ここで、下げていたアンプのボリュームを上げたら音が出た。いつから出ていたんだ?
どうもおかしい。音がすごく小さいのだ。
説明書は英語と中国語で書かれているのだけど、小さくて内容は最低限で今回の件では参考にはならない。
小さいとこに小さい字でファームウェアのアドレスが書いてあるんだけど、アクセスしたら「404 not found」。
新品なのに中古感があるとは味な奴である。
この時点で一応、MQA音源を認識するか確認。
所謂「ハイレゾCD」のサンプラーからEACでリッピングしたflacファイル。mpdで再生してMQAと認識。
ちょっと驚いたのは、CD1枚分flac+cue sheetの形式でも認識できる。
しかし、細かいことは後回しだ。
ネット検索したら音が小さいとか出ないとかノイズとかトラブルはあるようで、ファームのアップデートで解消されるらしい。
10.26. 追記。
ふと一応と思って下記のアドレス先がどうなっているか確認したら、6月にこのエントリーを上げた時とは全く違う様相になっていた。つまり、アップデートに関する下の記述は今となっては使えないということだ。ファイル名も変わってしまっているようだし。
内容自体は削除しないけど、線を引いて消しておく。
もしもこれからアップデートをしようという人は、ここの記載は参考程度に留めていただければと思う。
smsl m500 firmwareで検索したら、shenzhenaudio.com のファーム置き場が引っかかるので、ここから落す。
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/M500%201.08%20USB%20firmware.zip
windowsじゃないとアップデートできないので、windows10のノートPCを起動。
上記のアドレスから「M500 1.08 USB firmware.zip」を落として、解凍したら「Instrutions.txt」というファイルがある。
記載内容を下記に引用。
1. Install the Driver.exe if you are not sure you using a v4.67.0 driver.
2. Run the XMOSUSBDACDfu.exe of the DFU_tool folder.
3. Load the SMSL_M500_1.08_DFU.bin to update the USB firmware.Version note:
1.06 first release
1.07 fixed the android phones sound small problem! with canceling the volume adjust the function of USB.
1.08 fixed the 32bit can not be played.
これで全部だ。
android phones sound small problem!と。linuxのトラポへの対応ができてないらしい。それで音が小さいのね。
usb入力の問題ということは、S/PDIF入力だと問題ないのかな、、、ras pi2のhifiberry Digi+から光出力。
S/PDIFだとMQAだと認識しない。
でも音量は正常だ。
Instrutions.txtに書いてある通りに、ファームを1.08にアップデートする。
まず「1. Install the Driver.exe」とある。
解凍したファイルの中の「XMOS_USBAudio_v4.67.0_setup.exe」を起動し、windowsノートPCにドライバーをインストール。
M500をusbでノートPCに繋いで「XMOSUSBDACDfu.exe」を起動。
うちでは何故か、M500を認識せず。
ひょっとして光入力に設定してたからかな、と思ってリモコンでusbに設定、usbを刺し直したら認識した。入力設定と刺し直し、どっちが効いたか分からない。
XMOSUSBDACDfu.exeのウィンドウ上でファームインストール用の実行ファイル「SMSL_M500_1.08_DFU.bin」を選択、設定して実行。
これで、ファームのアップデート完了。
コンポにつなぎなおして試聴再開。 apu2c4 / tiny core pure64 7.2 / mpd+libsamplerate からusb出力。
音源に使ったのは、ハイレゾCDのサンプラー。MQA-CDと通常CDの2枚組。
これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー [MQA/UHQCD] / universal
https://www.universal-music.co.jp/p/uccg-40079/
クラシックだけじゃなくてジャズやロックのも用意したんだけど、実際に試聴に使ったのは殆どクラシックだ。
MQA-CD、通常CD両方を、EACでリッピングした。
MQA-CDは、トラック毎にflacファイルにしたものと、CD1枚のflac+cue sheet形式にしたものを作った。EACでリッピングしたものはMQAとして読み込めないという情報がネット上にあったので、トラック毎のflacはmqa.flacに変換したものも用意した。
つまり、1曲につき4種類のファイルを作っている。
mqa.flacというのは「MQA TagRestorer」というソフトで作られるファイル。flacファイルのタグにMQAの情報を書き込む。
MQA Tag Renaming Application / MQA
https://www.mqa.co.uk/tag435sdf43te
一見、英語サイトだが、下にスクロールしたら日本語が現れる。WindowsとMacに対応している。
しかしM500の場合は、mqa.flacでなくてもMQAとして読み込んでくれた。
つまり普通にEACでflacとしてリッピングしておけば、MQAファイルとして再生してくれる。flac+cue sheetでも問題ないようだ。cue sheetからアルバム1枚分の曲目リストを取り込み、3曲目を再生、というような操作をしても、ちゃんとMQAとして認識、再生する。
試聴の感想。
MQAは、なにしろ音の立ち上がり、減衰の感触が綺麗。個々の音が混濁せずに立ち上がり程よく主張する良い音だと思った。352.8/24のハイレゾ相当を圧縮解凍しているのだから良くて当たり前かもしれない。
サンプラーの説明書に、当初は176.4kHzの予定だったが音質の観点から352.8kHzにしたと書いてあった。僕自身の経験では、PCM音源は300kHz台以上から明確な音質改善があると感じていて、そういう意味でもサンプラー製作者の判断は正しいと思う。
しかし、曲の開始時にMQAだと認識するのに時間がかかり音が途切れる。
MQAの曲から次のMQAの曲につながる時は問題ないんだけど。
どんな条件で途切れるのか、しばらくはっきりしなかった。
いろんなファイルを繰り返し再生するうちに、何かバッファーの問題?と目星を付け、意外だったんだけど、もしやと思い、mpd.confの「audio_buffer_size」を小さくしたら、すっかり改善してしまった。
こんな影響があるんだね。
mpd以外の再生ソフトでどうなるかは確認していない。
通常CDからリッピングした44.1/16 PCMはどうか。
そんなに悪くない。
これだけ聴いてたら多分、こんなものかと思うんじゃないかな。
しかしMQAと比較したら音が刺々しく音色の分離も劣る。というか、音質を比較するとかするまでもなく、音が鳴りだした瞬間に全く違うということが分かる。
アップサンプリングしたらどうか。
今回の試聴で、mpdによる352.8/24アップサンプリングはMQAに引けを取らないことが確認できた。
情報量は全く同等で互角。
音色の比較も非常に僅差。
だけどアップサンプリングのほうが、大音量のオーケストラなどDACにとって難しそうなところが、本当に少しだけ、混濁せず綺麗に鳴る。ブラインドで区別する自信は全くないけれど。
4万円のDACだからMQAで余力の無さが出るのかも。つまりDACにデコードの負担がかかるだけ不利ということだ。これは機種によって現われ方が違うかもしれない。
僕は、もしかしたらMQAのほうが、PCMアップサンプリングに勝るかもしれないと考えていた。デコードの負担が少ない機種なら、時間軸への対処に優位性があるMQAの音のほうがよくなる可能性があるのではないか。
CD音源705.6kHzへのアップサンプリングだと更に良くなる。情報量が多くてクリアな再生音。
でも、比べたらADI-2 DACで鳴らすほうが音がいい。若干だが音色のグラデーションが細やかで深みがある。M500はやや薄いというか、イメージとしては山麓の清流で、ADIは珊瑚礁の海というイメージだ。
あと問題は、700kHz台はどうも安定して鳴らせない。
なぜかノイズまみれの再生になることがあったり、もとに戻ったり。頻度がどうなのかとか原因とかは確認してない。300kHz台までで使う方が無難な気がする。個体差なのかどうか、どうなんだろう。
今回の比較では、44.1/16 < 192/24 < MQA(352.8/24) ≒ 352.8/24 < 705.6/32、という感じだった。
これは順当といっていいのかな、どうなのだろう。
しかし今回の試聴で、うちでは通常CD同等の44.1/16の音源があればソースには困らないということが、ある程度明らかになった。
MQAはストリーミング音源とかに適するとか。
PCM音源のストリーミングをリアルタイムで768kHzにアップサンプリングして聴けるようにしたらどうなんだろうと考える。しかし現実的には、CDレベルのPCMを768kHzにアップサンプリングするより、MQAデコードのほうが機械の負担としては軽くて済むのかもしれない。それ自体でMQAフルデコードできるDACチップも作られたと聞く。そういうのを使った製品を買う方が、ユーザーは簡単に高音質が得られるだろう。
そういうのに比べたら、CD音源を768kHzになどというのは、ほぼそれ専用に特化したPCトランスポートがあるから出来るのだ。DACという機械にそれも含めて組み込むのは、まだ難しいのかもしれない。
あと今回、今更当たり前のことに気付いた。
PCMアップサンプリングだとmpdのソフトウェアボリュームでリスニングポイントのクライアントPCから音量調整が自由自在だけど、MQAだとその手は使えないんだね。mpdで少しでもボリューム絞ったらMQAでは無くなっちゃう。ただのPCMになる。それこそビットパーフェクトじゃなくなって折り畳まれたデータが使えなくなるのだろう。
つまりアンプまでボリューム調整のため歩かないといけない。
歩けよって事だけど、、、
うちではPCMでいいってことになるかな、、、
M500はフィルターを変更する機能があるんだけど、今回の試聴でそれは使っていない。
デフォルトの「fast linear」のままで、変えたら違うかどうかまでは試していない。
あとバランス出力の方がいいのかな。これはアンプがどうなのかにも依るんだろうけど。
May 31, 2020
ジッター再々考
前回、サンプリングパラメータによるジッターの影響の差異についてという、大仰なタイトルのエントリーを上げたんだけど、ない頭でいろいろ考えている。
繰り返し色々考えているので、今回のタイトルは再々考ということだ。アベノマスクもまだ届かないのに我ながら暇なことだ。
前回のエントリーで僕は「PCトラポによるアップサンプリングもジッター対策だと考えて使ってきている。そもそもハイレゾ音源で音が良くなるのは、それ自体がジッター対策になるからだ」と書いた。
ずっと、そう考えてやってきていた。
それが、どうも違うんじゃないかと考え始めている。
違うというか、考えが足りないと。
今回は、その不足分を追加する試みだ。
でも思いつくままの書き散らかしでとっちらかって、例によって科学的な正確さとは縁がない文章なので、世の中では意味がない内容かもしれない。そういう意味では、アベノマスクのいいかげんさを笑えないエントリーだ。
前回エントリーの試聴では、アップサンプリングと、仮想アースによるFGの安定によって、音がどう変わるかを確認したのだけど。
色々と、考えを改めることになった。
うちのデジタルオーディオに纏わる「仮説」についての話だ。
まず、PCトラポでアップサンプリングすることの意味について。
ジッター対策というよりも「アナログ音声の情報量」への貢献のほうが大きいのではないかと思うようになった。
情報量って、アップサンプリングでデジタルなデータ量が増えるのは当たり前(44.1/16から768/32だと30倍以上)なんだけど、データ量=情報量とかいう、そういう話ではない。
以前は、アップサンプリングに伴って情報量が増える理由について、ジッターの影響が少なくなり、DA変換の正確性が向上することによるものだろう、と考えていた。
最近、考えるようになったのは、デジタル信号から変換されるアナログ音声信号の「振幅」の正確性への影響だ。
DA変換後のアナログ信号の振幅が、より正確に再生されるようになることで、音声の情報量が増加するのではないか、ということ。
わけがわからんね。
もう少し整理していく。
録音に際してアナログ音声は、サンプリング周波数で決められた時間間隔でサンプルされ、デジタルデータにAD変換されている。
サンプルされたデータがアナログ出力にDA変換された信号電圧の数値は、サンプルされた時点の数値はデジタルデータ自体から正確に数値化して変換すればいいのだけど、サンプリングされていない、サンプル間のアナログ出力電圧の数値は、DACチップによる補間で決定される。
補間というか、要するにサンプリング定理に則ってDA変換される過程で、サンプル間をつなぐアナログの電圧の値(振幅)がDA変換によって決定される。
NOS DACだとアップサンプリングなし、補間されて得られる数値は、たしかローパスフィルターの品質に影響されるのかな(違っていたら御免なさいだ)。
通常のDACだと、DACチップによるアップサンプリングを行うので、その品質にも影響される。もしもZOH、Linearなど低品質なアップサンプリングを行うDACチップがあったとしたら、十分に正確な振幅値の抽出が難しく、正確なアナログ波形再現が望めないのではないか。
低品質なアップサンプリングでも理論上は音質上の問題は全くないという説明を何処かで何回か読んだのだけど、僕には難しくてよく分からなかった。
ZOH、Linearなど低品質なアップサンプリングを行った場合、下図のようになる。


本来、DACチップが理論通りに働くなら、アップサンプリングに伴う音質の改善を考慮する必要はなくて、NOS-DACの音質はどうとかいう話もないはずなのだ。理論通りにいかないから、どうしようDACチップでアップサンプリングしようというような話に現実のチップがなっている。
そういう現状なのに、ZOH、Linearみたいなアップサンプリングでも音質に影響しないとは、個人的には中々信じられない。実際、PCトランスポートでZOH、Linearといった設定にしてアップサンプリングした場合、DACがADI-2 DACだと明らかに音質低下がある。むしろそんなことはしないほうがいい。
どのような方法にせよ、サンプル間が補間されて電圧が生じないと問題がある筈。
各々のDACチップなりの手法で電圧出力しているのだろうと思う。
そもそも、その補間自体が正確ではなくて、電圧に時間軸の変動があったり電圧自体の誤差があったりしたら、どうだろう。
そうした変動は、たぶんジッターとして再生音に作用する。
つまり、時間の流れのままに変動しているアナログ再生波形として考えた場合、時間軸の変動も電圧の誤差も、結果として出てくるのは「アナログ波形の乱れ」にしかならないので、区別すること自体ができないのではないか、だったら「ジッターの影響」で括られるのではないか、と思うからだ。
ちょっと、DACチップの気持ちになって、アナログ波形を出力してみた図。

我乍らひどい。
あんまり人に見せられないな、怒る人いるんじゃないかな。
実際には、このようなことにはなってないだろうとは思うのだけど。
それはともかく、PCトランスポートで良質なアップサンプリングをしておけば、DACチップによる補間の影響は小さくなる。
元のアナログ波形をPCでシミュレートし、その波形シミュレーションの振幅変動の数値から、新たなデジタル信号をサンプル数を増やして作り出し(そういうアップサンプリングをするということだけど)、そのデジタル信号をDACに伝える。
再生されるアナログ信号がよりAD変換前の信号に近い正確なものとなる。

アップサンプリングしてやらないとサンプル間の電圧が正確に再現されない(断言してるけど仮説だ)。
再生波形の歪みは20kHZとか聴取可能限界以上で生じるんだろうけど、再生音全てに影響すると思う。
正確なサンプルが増えることで、正確な音声信号の「振幅」の再現が可能になる。
より正確なアナログ波形の再現は、音楽の情報量を増やすことにつながる。
これはハイレゾ音源を使用する場合にも当てはまるだろう。
ここまで書いて、ひっくり返すような話だけど、ふつうに44.1/16の信号をDACチップ通したら、オシロスコープでは問題ないアナログ波形が表示される、というのを過去に何回か何処かしらで読んだことがある。つまり、アップサンプリングしたら正常なアナログ波形が得られるというのは、違うのだという。
しかし、じゃあオシロで正常な波形が出ていれば音質に問題がないかといえば、たぶんそうじゃないんだよね。ジッター対策なんか何もしなくたって、オシロの波形は正常でDACから音は普通に出るのだ。
そしてそういう音にオーディオファイルは満足できない。
僕は何を聴いているのだろう、ということになるのだけど。何が一体、どうなってるんだろうね、、、
DACチップに上記のような問題があるというのも仮説で、ジッターがどのようにDACチップに作用するのかもよく分からないのだけど。
次に、仮想アースによるジッター改善に伴い、再生音の音楽性改善がみられることについて。
驚いたのは、アップサンプリングによるよりも、PCトランスポートの仮想アースによるジッター低減のほうが音楽性の改善効果が大きかったことだ。まあ、驚くことじゃないと言われたらそうなんだけど、想定以上の音の変化があった。
ここでいう「音楽性」とは、音色の鮮度、色彩感、生命感といった感触。音色の自然さ、リアリティも含めたいところだが、前回の試聴では逆に不自然に感じられたケースがあり、ことは単純ではないみたい。改善するのが「音楽性」という漠然とした表現しかできないのも難しいところ。
サンプリング周波数には関係なく、ジッター改善に伴い再生音の音楽性の改善がみられる。
さらに今回、新たに気付いた。
サンプリング周波数が一定なら、ジッター改善に伴う音質向上に際して、基本的には情報量の向上は伴わない。
本当に?
いや、でも、なんだかそんな感じだよね?
ちょっとこれは僕にとっては意外なことだった。
僕は今まで、ジッターが改善され音質が良くなれば情報量も増えると、勝手に思い込んでいた。
考えてみたら、うちのオーディオの音質改善は、かなりの場面でアップサンプリングと足並み揃えていたので、「ジッター改善」に伴う情報量の増加について、ちゃんと意識し比較したこと自体がなかった。あるいは、音色が綺麗になって聴き取り易くなったのを「情報量が増えた」というように表現した事も、もしかしたらあったかもしれない。
今回の試聴で、情報量と音楽性、パラメータが2つになって、ちょっと、今まで何してたの?、という気持ちにもなったりしてるんだけど、、、ともかく、ジッター改善に伴う音質改善が、音声の情報量増加につながらないらしい?のは、僕にとってはかなり意外で困惑した。音楽性の向上は情報量の向上によるものと、ずっと考えていたんだからね。
そもそも、アップサンプリングの有無によってDA変換後の情報量が変わるということ自体が、理論的には有り得ないことだ。
デジタルデータはサンプリング定理に沿って再生されれば正確に再現される、理論的には。
現実にはそうはいかない。
ならばジッターを低減さえすれば理想的な再生に近づくに違いない、と考えていた。アップサンプリングで音声の情報量が増えるのは、アップサンプリングによってジッターの影響が減ることで理論的なDA変換に近づくから情報量が増えるのだ、と思っていた。
だけど今回、どうも、ことはそう単純ではない?という考えに至った、ということだ。
ジッターが改善したら「音楽性」が改善するが、音声の情報量は増えない。
正確なアップサンプリングを行うことで、CD音源に含まれている本当の情報量を引き出すことが出来る。
逆に言えば、情報量の向上がなくてもジッターの低減によって再生音の「音楽性」の向上を目指すことは出来る。
また、アップサンプリング自体にジッターの悪影響を減らす作用がある、という以前からの考えは、今でも妥当ではないかと思っている。アップサンプリングで情報量の向上だけではなく、音楽性の改善も得られるからだ(仮想アース程ではないけれど)。
しかし、どんな挙動がどのように作用しているかは分からない。
過去に僕の考えをアップしたことはあったが、当時から科学的な根拠がある論考ではなかったし、当時の考えだけでは足りなかったと思ってこんなエントリーを上げてはいるが、科学技術的根拠がないという意味では相変わらず机上の空論のままなのだ。
今回、更に、もしかしたらと思ったのは、データのサンプリングパラメータによって、ジッターの影響の現れ方が違い、音質劣化の聴こえ方も違うのではないか、ということ。だけど、なんだか手に負えない感があるし、そろそろ息切れ気味なので、今回はここまで。
May 24, 2020
サンプリングパラメータによるジッターの影響の差異について
GW以降、久しぶりに政治的なエントリーをあげたいと思ってたんだけど、まとまらない。
表現者とかアーティスト職の人たちが、政治的発言をすることの難しさと日本の現状についてといった内容。
しかし、どうにもまとめきれない。そうこうするうちに、SNSのツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」というのがあって。黒川氏が辞任らしい。
なんだかもう、整理がつかん。
そういうのに比べたら、オーディオに関するエントリーは書きやすい。
書きやすいと言いながら、今回のエントリーは、読むのも大変だと思う。
なにしろだらだら長いのだ。
闇雲に何かしてるだけで収拾も付いていないし結論もない。大仰なタイトルだが内容は薄い。
CDが登場した頃、デジタルっぽい音という言葉が生まれた。
音が良くないと多くの人が感じたのだ。
実際、僕が最初にCDを聴いた当時のコンポはひどい代物だったけど、アナログのほうがいい音だと思った。
CDは、くぐもってるというか、生命感がないというか、灰色のベールを被ったような感触で、ひどいコンポでもそれなりに生き生きと鳴るアナログレコードよりCDのほうが音がいいとは思えなかった。10年ぐらいはそんな感じで過ごしていたように思う。
世間でもアナログ優位ということはずっと言われていて、デジタル同等というのは最近だ。
最近、デジタル音源の音は良くなったのだ。
CDも昔より音が良くなった。
録音が良くなった?いや、意外に、昔のCDも今の環境で鳴らすといいことも多い。
つまり、再生環境が良くなった。
再生環境のどこが良くなったんだろうか。
DACチップが変わったとか、いろいろあるんだろうけど、要するにジッターへの対策が昔よりも進んだのだろう。ノイズ対策や電源の強化が、デジタル音源の再生には必須な事も分かってきた。ある程度の対策は、うちでも行っている。
僕は、PCトラポによるアップサンプリングもジッター対策だと考えて使ってきている。
そもそもハイレゾ音源で音が良くなるのは、それ自体がジッター対策になるからだ。
PCM300kHz台でかなりの音質向上があり、700kHz台で更に改善があった。
その700kHz台で聴き始めた、今から1年前に、ボーカル録音への違和感についてエントリーを挙げた事がある。
アップサンプリングについて色々
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20190222a.htm
歌声の録音について自分なりに考えた
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20190320a.htm
先日、これらに訂正の追記を入れているのだけど。
今回のエントリーはそれに関連している。
当時、あらゆる楽音がリアリティを増したように聴こえる中、ポップミュージックのボーカルだけが違和感を増した。
音としての情報量は増えているようなのに、何か聴きづらい。しかも当初はJPop音源しか気付かなかった。
当時の僕は、録音の質に解を求めた。
その後、ボーカルの違和感を感じる音源はJPopだけではなく、欧米の音源にもあることが分かってきた。それも意外な、優秀録音とされていて300kHz台で素晴らしい声を聞かせてくれた音源ですらも。
自分なりに考えたりするうちに、多少は違和感は減っていた。
自分が慣れたのか、とも思っていたんだけど、インシュレーターを新たに追加したりリピーターハブを使ったり仮想アースを足したり、いろいろやっていたのが影響した?というのもあったのかもしれない。
銅板仮想アースをapu2c4、705.6kHz NAS mountで使い始めた時点で、この音質改善はどういうことだ?という気持ちが芽生え始めた。
ここで起きている音の変化は何に伴うものなのか。
アンプに使っていた時のアナログな変化とは違う。
PCトラポのGNDを銅板で拡張することで、GND電位が安定しクロックジッター低減につながっているとしたら、これはジッター低減に伴う音質改善を聴いているということだ、、、
今年の春から、Elitebook 2570pとapu2d4によるPPAP方式に移行した。
PPAPは更にジッターを減らす再生方式だ。
PPAP 768kHzで、いよいよ全く、1年前に感じていた違和感がなくなった。
なくなったのだ。
違和感を感じていたはずの声が、違和感を感じ始める前よりもっと自然に、オーディオ的な驚き、、、いや、音楽自体の美しさそのものをもって耳に届く。
ここに至って、ようやく気がついた。
あの違和感は、残存していたジッターによるものだ。録音のせいなどではない。
そんな断言していいのかね。
最低限の検証は、しないといけない。検証って何って、、、聴くだけなんだけどね。
システムから外していたapu2c4を戻して比較することにした。
apu2c4で、705.6kHz NAS mount再生を試みた。
LANの状況が違う。当時の100Base-Tではなく、1000Base-Tだ。1年前の100Base-Tに戻してもいいんだけど、、、既にFX08-miniは他所で使ってるんだよね。
比較試聴に使った音源は以下。
- 赤い鳥 - heritage from '70s CD選書 ベスト / 翼をください
- 矢野顕子 - Soft Landing / Bye Bye
- 井筒香奈江 - Laidback 2018 / Little Wing
- Joni Mitchell - Blue / A Case of You
- The Rolling Stones - Let It Bleed / Love in Vain ~ Country Honk
PPAP 768kHz | 705.6kHz NAS mount | |
---|---|---|
赤い鳥 翼をください |
イントロのピアノが綺麗。優しい音色だ。歌声の導入も柔く自然で、表情豊か。上手いなあ、と思わず感心する。音楽のニュアンスが伝わるボーカルだ。ハーモニーも綺麗。ドラムやベースも程よい存在感を主張する感じで聴こえる。PPAP 768kHzの音は繊細で丁寧だ。 |
イントロのピアノと歌声、ともに、PPAP 768kHzと比較したら荒さがある。1年前に「スピーカーを通した歌声のようだ」と評価したのはボーカルだけだったけど、改めて比較して聴くとピアノも硬い。ハーモニーやリズム隊も、比べたら雑でやっ付け仕事みたいな印象の音に聞こえる。 |
矢野顕子 Bye Bye |
ピアノとボーカルで曲が始まる。矢野の声は独特のハスキーさがあって、再生環境によっては難しい刺々しさが出るんだけど、そんなことは全くなく、難なく歌の優しさを表現する。 |
やはり「スピーカーを通した音」という感じの聴きにくさがある。矢野の歌は、その表情の変化が再生されないと、芸術性の多くがかき消されてしまうという事が、この試聴でよく分かった。 |
井筒香奈江 Little Wing |
イントロのエレキベースの沈み込みが深い。歌声は自然にひびく。実はこれは、以前に705.6kHzで聴いた時に、そのウィスパーボイスに強い違和感を感じた音源だった。終盤、ボーカルにエコーがかかるんだけど、それも違和感なく聞ける。 |
イントロのエレキベースが、何か不自然、、、歌声は、やはりカサ付いた感じで、ハスキーに聞こえるとも言えるが、不自然だ。終盤のエコーは、神秘的な感じではなく、お風呂場という感じ。安っぽく聞こえる。カラオケのエコーか、、、こんなに違うものか、、、 |
Joni Mitchell A Case of You |
イントロのギター、ささやくように歌い始めるジョニ。音楽は徐々に熱を帯び秘めた思いの発露となっていく。オーディオという機械がどのようにして音楽性という掴みどころがないものに貢献できるのかを見せつけられている感じだ。 |
1年前に洋楽で最初に違和感を感じたのは、優秀録音とされていたこの音源だ。384kHzで聴こえなかったニュアンスが聴こえるのに、歌声に違和感が生じた。何かがうまくいっていない感じ。当時はいろいろ問題が重なっていたけど。しかし、今、聴いても、そんなにひどくはないのだ。圧倒的な芸術ではない、というだけで。それが何か決定的な差異を生んでいる。 |
The Rolling Stones Love in Vain Country Honk |
Love in Vainのほうがクリアで、そこでミックが歌っているかのような音がする。生々しい。酔わせる歌だ。Country Honkのほうがややノイジーで、ラジオからの音のようにも聞こえる歌声。それでも生命感を感じる再生音で、違和感は感じられない。つまり、ノイジーな録音だったらいけないという訳ではないんだね。 |
この再生自体、悪い感じではない。ミックは素晴らしいボーカリストで、その音楽性を引き出していると思う。しかし歌声の深みが違う。他の楽器も含めて、PPAP 768kHzと比較したらわずかに埃っぽい再生音だ。ほんの少しの違いだが、聴く者の感受性への訴えかけはかなり違う。この差はLove in Vainの方が大きかった。 |
こんな感じ。
しかし、、、こんなに違ったっけ? FX08-miniを戻してみるべきか?あと、当時は仮想アースを使っていなかったので、今回のapu2c4にも使っていない。その差異もあるのかもしれないが、、、
PPAP 768kHzのほうが、ずっと音楽的だ。
比べると705.6kHz NAS mountの音は、ノイズっぽい。
ただ、楽器の音は差異が小さいと感じる。違和感が少ない。これに対してボーカルは聴き分けやすい。差が大きいのだ。
改めて聴き直すと、ボーカル以外の楽器音や環境音も違いがあるのがわかる。しかし、やはり違和感とまでは感じられない。人の声は、わずかな差異でも気付きやすいのだと思う。音源によっては全く違うという印象を受ける。逆に差が少ない音源もあるということだ。
ここで、サンプリング周波数によって、どのような聴こえ方の変化があるのか聴き較べてみよう、という気になった。
ハードの条件は同じ、apu2c4、NAS mountだ。
音源は、705.6kHzで聴いたのと同じものを聴く。
384kHz 24bit |
700kHz台と比較したら再生音の情報量は減る。しかし、これはこれでいい音に聞こえる。 |
192kHz 24bit |
翼をくださいは、更に情報量が減ってきたな、という感じ。しかしバランスはとれている。ポップスとして気持ちよく聞けるのは聞ける。 |
96kHz 24bit |
普通に聞ける。でもカーステレオと差別化できるかと言われたら、まあ感動は同じぐらいかな、と思う(うちのマツダロードスターのカーステレオはBoseでデジタルアンプで、音源は320kbps mp3を音楽再生専用にしたBlackberry bold 9000のイヤホンジャックから出力している。こういっちゃなんだが悪くない音がする。低音ときどきブーミーだけど、クラシックでもロックでもいい感じに鳴る)。 |
44.1kHz 16bit |
CDリッピング音源、アップサンプリングなし。 |
44.1kHz 16bit 仮想アース |
ふと思いついて、銅板仮想アースを使ってみる。
付けて鳴らしてみたところ、、、驚いた。 |
96kHz 24bit 仮想アース |
仮想アースなしの時の、カーステレオみたい?という感じはなくなっている。 |
192kHz 24bit 仮想アース |
翼をください、のびやかな歌声、、、コーラスもごちゃっとせずに分離し、同時にハーモニーは溶けあう。ピアノはピアノになった。矢野顕子は芸術家になった。井筒は録音いい感じになってきた。ジョニの唄は96kHzと大きな変化はない。しかし楽器が更に良くなった。ミックも上手いボーカリストだったんだなあ。44.1/16のときのアンバランスな感じは、すっかりなくなった。 |
384kHz 24bit 仮想アース |
192kHzから更に向上、音色のニュアンスがより深いとこまで表現できてる感じ。 |
705.6kHz 32bit 仮想アース |
2ヶ月前までメインシステムで使っていた設定だ。久しぶりに戻して聞いてみる。 |
768kHz 32bit 仮想アース PPAP |
現在のメイン設定、PPAPに戻ってみた。 こうして比較してみたら、サンプリング周波数が小さいほうが仮想アースの影響は大きいようだ。44.1/16では影響が大きすぎて不自然に聞こえてしまった(これはどう考えたらいいのか、よく分からない)。サンプリング周波数を上げるに連れて不自然さは解消した。しかし、では700kHz台では影響が小さいから必要ないかといえば、逆に全くそんなことはなくて、小さな音質変化が大きく音楽性に影響するみたいだ。なんだろうねこれは。 |
96kHz 24bit 仮想アース Ras pi2 i2s optical |
ここで思い付いて、最近、低音質音源用に使っているRaspberry pi2に仮想アースを使ってみることにした。
apu2c4のusb出力と比べたら、仮想アースの効果は少ないみたい。 |
試聴経過は、取り敢えず以上だ。しかし、どう考えたらいいんだろう。いろんな要素が混在して評価しにくい。
まずボーカル。
PPAP 768kHzを基準として、サンプリングパラメータを下げていくにつれて、砂っぽく、ノイズっぽくなっていくのは共通。
384kHzではまだ高評価だ。
192kHzあたりから評価がぼやけてくる。なんというか、ゼネラルオーディオと差別化する意義を見出せなくなってくるというか。
考えてみたら、これってRME ADI-2 DACにとっては、かなり辛口の評価なんだけど、実際、僕の耳にはそう聞こえたんだからしょうがない。i2s-opticalから良質なデジタル信号を入力した時の音は96/24でもかなり良いので、それだけ今回の試聴に使ったusbデジタル信号には問題があるのかも、、、
仮想アース追加後、随分、音色の表情が変わった。
44.1kHz/16bitでの評価は、どう考えたものか難しい。
96kHz以上では、順当に音質改善があるように思う。384kHz以上で何故か洋楽アーティストの声に違和感があるような。これもどう考えるべきか分からない。768kHz PPAPでは違和感ないのだけど、、、
楽器のほうも、サンプリングパラメータを下げていくにつれてノイズっぽくなっていく。
ピアノについての評価が辛い。192kHzでオモチャと評価している。
井筒のベースも評価が辛い、というかパラメータによって随分変わる。
ボーカル同様、仮想アース追加後の方が評価が上がる。
192kHzで、ピアノがピアノになったと評価している。
楽器によって傾向が出ないかとか思ってたけど、録音も違えば音楽ジャンルも違うのでまとまった結論が出せない。当たり前か。
とりあえず、PCトラポに仮想アースは效く効くということではある。GNDの安定によってジッター低減につながっているのだろうか。
ここまでで、つかれた。。。限界を感じるのでこのくらいにする。
May 04, 2020
今更だがpiCore7を復帰させる
いろいろ世の中も生活も面倒な状況が続いている。
仕事柄、休んでばかりもいられない。それでもGWはそこそこ休みがある。休めるだけいい。
前回のエントリーで、PPAP方式で複数のサンプリングパラメータを使い分ける方法を書いた。
だけど、どうもPPAP 192/24、96/24で使っていると、クライアントの操作に音楽再生の追随が5、6秒ほど遅れる。まどろっこしくてストレスになる事がわかった。
最初にncmpcppから再生開始の指示を出すときは直ぐに反応する。しかし音量を調節したら反応するのに5秒ほどかかる。他の曲に変えようとして操作したら、やはりそのぐらい遅延が生じるのだ。
ちなみに、768/32 PPAPでは全くそんなことがない。遅延はあるかないか分からない程度としか感じない。快適そのものだ。
つまり処理能力の問題ではなく、何処かの設定だか何かによるものだと思う。
しかし、どうしたら直せるのかは分からない。
以前に使っていた時はこんなだったっけ?ハードやOSの違いによるのかな?とか思いながら使っていたが、だんだんPPAPではない他の方法を探そうという気持ちになってきた。だって低音質音源への対応に、そんなストレス抱えてちゃいかんでしょ。NASマウントによるmpd再生に回帰することにした。
最初に思いついたのは、raspberry pi2の再利用。
既存の音楽再生用ディストリビューションを利用できる。
lightMPD、Symphonic MPD、、、いや、それはなんというか、大根切るのに日本刀みたいでバランスが悪すぎる。
いっそのこと、VolumioとかMoodeぐらいでいいか、、、
Moodeをダウンロード、、、遅すぎる。昨今の時世のでネットが重いせいか2時間以上かかった上、DL失敗と表示された。
Volumio2は、、、設定がめんどう、、、やっぱりなじめない。
そういえば、以前開発終了していた頃に落としたArchphileがあったな、、NASをマウントしない。sshでログインしていじっても、設定が保存されない。
そんなこんなで、どうしようかと思案するうち、piCore7でいいんじゃないのかと気付く。
うちで使いやすい再生環境を作るとなったとき、簡便で手軽なのはこれが一番だったということを思い出した。
piCore7はmpdがtczファイルで用意されているので、簡単に環境構築ができる。
やり方は過去のエントリーほぼそのままで楽々。備忘録残しておいてよかった。
1時間ほどで完成する。
piCore7にmpdをインストールする方法
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180103a.htm
以前の行程と違うのは、ip固定にしていないのと(最近は固定せずに使うことが増えた。DHCPサーバーまかせだ)、ディスクイメージ拡張の際にmicroSDカードいっぱいには拡張せずに200MBで納めておいたこと。せっかくなのでmpdをインストールしたmicroSDカードからバックアップのディスクイメージを作ることにしたのだ。
tc@box:~$ sudo fdisk -u /dev/mmcblk0 Command (m for help): p Disk /dev/mmcblk0: 3965 MB, 3965190144 bytes 3 heads, 8 sectors/track, 322688 cylinders, total 7744512 sectors Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/mmcblk0p1 8192 69631 30720 c Win95 FAT32 (LBA) /dev/mmcblk0p2 69648 93119 11736 83 Linux Command (m for help): d Partition number (1-4): 2 Command (m for help): n Command action e extended p primary partition (1-4) p Partition number (1-4): 2 First sector (8-7744511, default 8): 69648 Last sector or +size or +sizeM or +sizeK (69648-7744511, default 7744511): +200M Command (m for help): w The partition table has been altered. Calling ioctl() to re-read partition table fdisk: WARNING: rereading partition table failed, kernel still uses old table: Device or resource busy tc@box:~$ sudo reboot tc@192.168.1.77's password: ( '>') /) TC (\ Core is distributed with ABSOLUTELY NO WARRANTY. (/-_--_-\) www.tinycorelinux.net tc@box:~$ sudo resize2fs /dev/mmcblk0p2 resize2fs 1.42.13 (17-May-2015) Filesystem at /dev/mmcblk0p2 is mounted on /mnt/mmcblk0p2; on-line resizing required old_desc_blocks = 1, new_desc_blocks = 1 The filesystem on /dev/mmcblk0p2 is now 195312 (1k) blocks long.
これで220MB強のサイズになった。
mpdインストールの工程が終わって出来たmicroSDカードから「dd」コマンドでバックアップのディスクイメージを作る。
これは普段使いのノートPC、Fedoraでの仕事。
若干余裕を見て、250MB程の大きさで指示する。
[ab@fedora1 ~]$ sudo dd if=/dev/sdb of=~/Downloads/z.img bs=1M count=250 status=progress 255852544 bytes (256 MB, 244 MiB) copied, 8 s, 31.9 MB/s 250+0 レコード入力 250+0 レコード出力 262144000 bytes (262 MB, 250 MiB) copied, 8.2029 s, 32.0 MB/s [ab@fedora1 ~]$
これで、262.1MBのディスクイメージが出来た。
何かあった時に焼いて使う。
以前に、大きくし過ぎたパーティション(SDカードいっぱいで8GBとか)を縮小してバックアップしようと試みたこともあったんだけど、動作しなくなったり何かと不具合があったので、やっぱり予め小さめに作った上でディスクイメージにした方がいいと考えた。
めったにこういうことはしないので、じきに忘れるので備忘録。
今回はせっかくなのでネットラジオもpiCore7で聴けるようにした。
NASにそれ用のディレクトリ「netradio」を作ってpls形式というネットラジオ用のファイルを置く。
mpdはこれらをプレイリストとして扱うので、ncmpcppで選択して再生指示すれば、ストリーミング再生が可能。
Linnのネットラジオとかを聴いている。
本当はらじるらじるとか聴けるようにしたいんだけど難しい。もっと簡単に聴けたらいいのに。
ただ、ネットラジオ再生中、ときどきncmpcppがエラー音を吐く。
コンポのほうは問題なく再生しているけど、クライアントpcから「ピコッ、、、ピコッ、、、」と音がするのだ。ncmpcppを閉じると消える。起こすとまた鳴り始める。
曲が変わると消えるので、音源由来で何かあるのかもしれないけど、よく分からない。
Ras pi2からの出力について。
usb出力はDACの追加が要るので扱いにくいし、i2s DACでアナログ出力もアンプに受け入れ場所がない。
そういうわけで、hifiberry Digi+で、SPDIF出力することにした。
出力先をSM-SX100やOdeon-liteにしたら、768/32 PPAPとの切り替えの際にSM-SX100の入力セレクターを弄らないといけない。
ずいぶん前からセレクターの反応が悪いので、なるべく触りたくないという事情がある。
ADI-2 DACにはusb、coaxial、optical、3つの入力端子があるんだけど、何れかからの入力があれば自動的に識別して再生してくれる機能がある。つまり、入力切替をDACがやってくれるということだ。
apu2d4からのusb-768/32と、ras pi2-Digi+からのoptical-96/24、両方をADI-2 DACに繋いでおけば、椅子に座ってノートPCからどちらのmpdを鳴らすか指示を出すだけで、ADI-2 DACが入力された音源を再生してくれて、SM-SX100のセレクターは触る必要がない。
問題は両方から同時に入力したらどうなるか分からないってことだけど、これはしないように注意するということで。
そういうわけで、現在はPCトラポは2本立てだ。

GWでのんびり過ごしていても、世界は大きく揺れている。
とにかく、暮々もみなさま、御自愛の程を。
Apr 14, 2020
700kHz台でPPAP 複数のFrontを使い分ける(2020.05.01、2023.06.22 追記)
2023年6月22日、追記。
久しぶりにこの手法を使ってみようとしたら、なぜか使えなくなっていた。
1つのシステムで2つ以上のncatを動かせなくなった、と言えばいいか。
使えない理由ははっきりしない。というか、こうなると、当時使えた理由も分からない。なんで動いたんだろう、というか。
しかし、あれこれやるうちに、当時のやり方を思い出してきて、何で出来たのか分かった。
当時は2つめのncatは、sshでログイン後にターミナルソフトからコマンドを打っていたのだ。
自動起動のncatと、ターミナルから起動するncatでは、ユーザーが異なる。要するに、其々のncatにユーザーが1つずつ必要なのだ。2つのncatを動かすには、2つのユーザーが要る。
このあたりの手法は、記録していなかった。
当時は、bootlocal.shから2つ起動させようとしなかったので、気付かないままになったらしい。
以上、追記。
768kHzのPPAPで聴き始めて1ヶ月程。
前回のエントリーで戻れないだろうと書いて、やはりその通りになっている。
音源の音楽的な情報を今まで以上に引き出していると思う。より生々しく、色彩、陰影豊かにという感じ。
ただ、この聴き方だとうまくいかない音源が散見される。
クラシック系や録音が良いとされている音源はたいてい問題なく、768kHzでより良く鳴ることが多い。
しかし、ポップミュージック系は録音の良し悪しの幅が大きく、良くないものは一層の違和感を生じるようになった。
以前にエントリーに上げていたボーカルの違和感というのではない。それはむしろ減っている。
それよりも、作品の音質全体がなんだか上手くいっていないというか、粗が目立つというか、聴き続けるのが苦痛になる。高域がきついとかノイズっぽいとか聴き疲れするとか、そういうのではなく、ただただ録音が悪いというのがはっきり分かっていやになる感じ。
そこまでひどいのは、そんなに多くはないのだけど。
精緻なオーディオ再生はもとから考えていないだろうなという音源の一部は、768kHzで聴かないほうがいい。
いっそのことと思って、そういう音源は768kHz以下の周波数、例えば192kHzでの再生を試みている。
そのぐらいに落としたら、違和感なく聴ける音源も増えてくる。
方法は、下図の通り。
うちのシステムの上流は最近はこんな感じだ。

上にBack-endのapu2d4。
中央に2つのFront。1つはapu2c4、もう1つは新たに入手したHP Elitebook 2570p。
下に、mpdクライアントncmpcppを動かすHP compaq 6730b。
Back-endのapu2d4には2組のncat/aplayeraplayが動いていて、異なるサンプリング周波数、ビット深度を担当している。
異なるポートをあてがうことで、こういうことが可能になる。
ともに出力はusbで1つのDACに継いでいるので、同時に音出ししたらどうなるのかということはあるのだけど、怖くて試していない。
その点で注意は必要だが、Back-endの設定変更の手間をかける必要なく入出力を変更できるのは便利だし、スピーディに変更できるので音質の比較も容易になる。
コマンドが1つか2つかで音質の変化があるかどうかは、僕には聴き分けられなかった。
Front 1は以前から使っているapu2c4。
ずっと705.6kHzへのアップサンプリングで使ってきたんだけど(768kHzは限界を超える)、より高スペックのPCから出力する768kHzのほうが1割方、音がいい。そこで、低めのサンプリング周波数でのPPAPに対応してもらうことにした。今のところ192kHz/24bitだが、どのあたりが塩梅がいいか、追々検討していくつもり。
apu2c4の使用法を変更するにあたって、mpd.confの設定に多少戸惑った。
というのは、192kHzや96kHzで音を出すと、なぜか音が途切れるのだ。
アップサンプリングの負担は少ないはずなのに、、、以前使っていた時、どうだったっけ?
あれこれ試行錯誤したところ、どうもPPAP Frontには「buffer_before_play」を奢ってやる必要がある事が分かってきた。
この数値が足りないと、音切れが起きやすかったりクライアントからの操作への追随が遅れたりと、問題が起きる。
しかし、以前は気付かなかった。
もしかしたら、使用するハードによって何か違ってくるのかもしれない。分からないけど。
Front 2のHP Elitebook 2570pは中古で新規購入した。
HP ProBook 650 G1を使っていたんだけど、サイズが大きめなのと、将来的に子供がwindows10で使う役割が急にできてしまった。
どうしたものかと迷ったんだけど、結局、HPのノートにした。
まずモニターが付いていて折りたためること。1ボードPCで必要に応じて外部モニターやシリアル接続というのもあるけど、bios確認するのにいちいちモニターとか面倒だ。最終的にノートにすることにした。音質への影響は、多分それでも十分だろうと割り切った。
650 G1よりもう少し小型で、メモリの速度が十分で、というわけで、中古で1万3千円強だった2570pにした。たぶんwindows7でHDDにリカバリ領域がないから安かったのではないか。usb起動で使うのでHDDは外してしまった。こういう対応がしやすいのもこの機種を選んだ理由。
usbメモリにtiny core pure64 11.1で起動して、mpd 0.20.20をインストールしてFront化した。
768kHz/32bitを問題なく再生出来ている。
しかし、少し音が硬いんだな、、、
サイズが小さい割に3kgもあって、それで凝集した感じの音になってるのか?と思ったけど、徐々にほぐれつつある気がする。
あと、メモリが4GBと650 G1よりも少ない。これは追々、増やしてみようと思う。
5月1日、追記。
メモリを8GBにしてみた。意外にも、というとあれだが、かなり良くなった。
床に根を張ったような安定感がある音がする。大地に根を張るような、とまでいうのは気恥ずかしいので謙遜した。しかし床といってもグランドピアノを置いてある床のつもりなので、まあ、そういう感じだ。キレもいい。空気を貫いてくる音が貫く空気の感触がわかる感じ。どういう感じだ。
これだけ鳴ってくれたらもう十分かも、という音が出ている。過去にも繰り返しそんな事を言ってるけど。
しかし、そんな状態でも下記のようなエラーが出る事があった。
tc@box:~$ 768 Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo underrun!!! (at least 6168.253 ms long) Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo ^C
768というのはalias登録している短縮コマンドで、768khz/32bit PPAP back-endとして機能してるということだ。
「underrun!!!」とエラー表示されている。
このエラーが出たときは数秒間、音が途切れた。
6秒までは途切れなかったと思う。3、4秒だったんじゃないかな。1回きりで、その後はない。ないので、様子見ということに今はしている。
クライアントは普段使いのHP Compaq 6730bで、ncmpcppでFrontのmpdにアクセスし操作している。
図の通りなんだけど、アカウントを複数使うことで、設定が異なる複数のncmpcppを同時に運用できる。ターミナルソフトのウインドウが多くなると紛らわしいので、ワークスペースの切り替えで対応している(ワークスペースというのはlinuxの機能で、切り替えが効くデスクトップみたいなものだ)。
将来的には、2つのFrontを1つにまとめていくことも考えている。
つまり、Frontにアカウントを追加して、個々のアカウントでmpdを動かせば、1つのPCで複数のmpdを動かす事ができるということだ。
クライアントへのポートは6600がデフォルトだけど、他の使われていない数字を充てることもできるので、1つのPCで、複数のクライアント、複数のmpdを動かすことができるのではないか(つまり、過去のエントリー http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20161231a.htm に記載したようなことをやる)。
まあ、先の話だけど。
新型コロナウイルスが、日本中、世界中で僕達の生活を脅かしている。こんなことはSF小説で読んだ事があるばかりで、現代社会で実際に起きるという気構えは全くしていなかった。そして、ここまで政府が無能だということも、、、いや、無能というよりも怠惰で非情ということだ。予想してなかったとは言わないが、もう少しマシであって欲しかった。
それでも、この現実に向き合い、対処しないといけない。
協力できる人と協力し、できることを行い、1人でも多くの無事を祈るばかりだ。
とにかく、みなさま、御自愛の程を。