May 11, 2017
Moode Audio3.1 384kHz/24bit i2sDACで、メモリ再生を試みる
以前のエントリーで、課題を羅列した。
4番の課題、384kHz/24bitの音についてSoXとlibsamplerateの比較は前回のエントリーに上げた。
今回は3番の課題。まず、Moode Audio NAS音源 384/24 i2sDACの音と、piCore メモリ再生 192/24 usb-DDC/firefaceの音の比較について。
両方ともCDのリッピングファイルをlibsamplerateでリサンプリングしている。
結論から書くと、僅差でpiCore メモリ再生で192/24の音のほうがオーディオ的に上の音がする。
繰り返し同じ音源で比較すると、細かいところで情報量が多いことがわかる感じ。
Moode Audio i2sDAC 384/24の音は、192/24と比べたらごく僅かに滲むような感じがある。しかしこれはサンプリング周波数のせいではなく、機器の違いによるものじゃないかと思う。
しかし、どういうんだろう、、、
fireface UCXは、極めて分析的な鳴り方をする。客観的にさせられる音色だ。
対して、Moode Audio NAS音源で384/24の音のほうは、くだけたざっくばらんな音色で鳴る。
結果、音楽に浸りやすい。
Moode 384/24 i2sDACで聴き始めて、ポップミュージックが俄然水を得た魚のように生き生きと歌い出した。クラシックよりもポップミュージックの方が感動が大きいというのは意外な結果だった。いつぞや、音質が良くなるとビリージョエルが生真面目過ぎていただけないと書いたことがあるけど、なんというか、生真面目でどこが悪いかというような聴こえ方になる。そんなことは些細なこととばかりに生々しく歌う。そこには新たな感動がある。まさにオーディオの醍醐味だ。
状況で使い分けしないといけないということなんだろうと思うけど、日常生活の中で使う分には、NAS音源のほうが便利さの点では圧勝だ。
音質は僅差で、魅力的に楽曲を再生する。
結果、最近はMoode Audio3.1ばっかり使うということになっている。
今回、ふと思いついて、Moode Audioの設定を192kHzに変えてみた。
驚いたことに、FMラジオからAMラジオに切り替えたかのような変化を感じる。言い過ぎかな?、ここまで違うか?という感じ。ついこの間までvolumioの普段使いで使っていた設定なんだけど、、、
384kHzに設定を戻すと、なんというか、やはり圧倒的に違う。生真面目なビリージョエルをベールで覆い隠してお茶を濁しているのとは全く違って、当然、バンドサウンドもいい。中島みゆきとか矢野顕子とか、次々聴いてしまう。どうもすっきりしない録音だと思っていたサイモンとガーファンクルが、聴いたことのなかったクリアさと重さをもって再生されたのには驚いた。この重さは、何に由来するのかはっきりしない。いずれ見極めたいところだ。
追記。
このエントリーをアップして以降、あれこれポップミュージックを聴いているのだけど、当たり前といえば当たり前だが、良く聴こえるようになる音源ばかりではないようだ。この程度なのかな、と感じさせられる場合もあって、そうした場合はやっぱり荒が目立って聴こえてくるのかな。
音源や録音によってどのような再生方法があっているかは、やはり違うようだ。
正直、PCMは384kHzのレベルじゃないと実はダメなんじゃないのか、と最近は思っている。そしてそれは良質なアップサンプリングでもいいのだ。録音さえ良好なら44.1/16のファイルには十分な可聴領域の音楽情報がつまっている。
それを引き出すのに384kHzが必要なのは、たぶんMQAに関連して言われているような時間軸の情報量を増やすことがより正確な再生に必要だからだろう、という理解をしている。
Moode Audio3.1以外だったらどうなのだろう。
他のディストリでi2s 384kHz/24bitを手軽に使えるようになるのは何時になるやら。
エントリーした課題の5番、DietPiをうちのシステムに組み込むというのは、結局、果たせていない。libsamplerateを組み込めないしncmpcppにつなげない。お手上げだ。raspbianで何とかするなんてのは夢のまた夢だ。テクがない。
そして思うのは、firefaceで384kHzを受けたらどんな音になるんだろう、ということ。
RMEから新製品が発売中なのだ。
ADI-2 Pro - Synthax Japan Inc.
https://synthax.jp/adi-2pro.html
やっぱりRMEらしく分析的な音なんだろうか。それとも何かが変わるのか。20万円とかどうよ。Ras pi2のUSB出力を問題なく認識してくれるよね?、、、
あと思うのは、CDをリップした44.1/16のファイルをMQAに変換することに将来的なニーズがあるんじゃないかということ。
44.1/16のファイルをlibsamplerateで384/24にアップサンプリングした音は、44.1/16のファイルをそのまま再生するよりいい音がする。
このデータをMQAファイルに変換してMQAに対応したハードに送ったら、どんな音がするだろう?
あるいはPCM384/24の音と比べたとき、どんな違いがあるだろうか?
閑話休題。
さて、今回のエントリーのタイトル。
3の課題の最後に書いた、Moode Audio3.1でメモリ再生。i2s 384kHz/24bitの音を聴いてみないといけない。
そしてpiCoreメモリ再生192kHz/24bitと比較する。
Moode Audioのmpd設定の記述は以下のようになっている。
music_directory "/var/lib/mpd/music"
そこで、musicディレクトリ下に例えば「RAMPLAY」というディレクトリを作成したら、そこに音楽ファイルを転送できるんだけど、実はしかし、piCoreだったらすべてRAM上で動いているからいいんだけど、MoodeではファイルはmicroSDに書き込まれる。
つまり、これではRAM音源の再生にならない。
RAM diskを設定して、そこに転送した音源を再生できるようにしないとRAMによるメモリ再生は出来ない。
以下、コマンドを羅列。
pi@moode:~ $ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/root 3.6G 1.4G 2.1G 40% / devtmpfs 459M 0 459M 0% /dev tmpfs 464M 0 464M 0% /dev/shm tmpfs 464M 6.4M 457M 2% /run tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock tmpfs 464M 0 464M 0% /sys/fs/cgroup /dev/mmcblk0p1 60M 17M 44M 29% /boot 192.168.1.80:/titan 2.7T 1.9T 831G 70% /mnt/NAS/titan tmpfs 93M 0 93M 0% /run/user/1000 pi@moode:~ $ sudo vi /etc/fstab proc /proc proc defaults 0 0 /dev/mmcblk0p1 /boot vfat defaults 0 2 /dev/mmcblk0p2 / ext4 defaults,noatime 0 1 # a swapfile is not a swap partition, no line here # use dphys-swapfile swap[on|off] for that # #( 以下追記 ) # ##### ramdisk tmpfs /var/lib/mpd/music/RAMPLAY tmpfs defaults,size=500m 0 0 pi@moode:~ $ sudo reboot pi@moode:~ $ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/root 3.6G 1.4G 2.1G 40% / devtmpfs 459M 0 459M 0% /dev tmpfs 464M 0 464M 0% /dev/shm tmpfs 464M 6.4M 457M 2% /run tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock tmpfs 464M 0 464M 0% /sys/fs/cgroup tmpfs 500M 0 500M 0% /var/lib/mpd/music/RAMPLAY /dev/mmcblk0p1 60M 17M 44M 29% /boot 192.168.1.80:/titan 2.7T 1.9T 831G 70% /mnt/NAS/titan tmpfs 93M 0 93M 0% /run/user/1000 pi@moode:~ $ free total used free shared buffers cached Mem: 948292 206960 741332 27756 11760 129320 -/+ buffers/cache: 65880 882412 Swap: 0 0 0
これで、RAMPLAYディレクトリがRAM Diskになる。
FileZillaでアクセスし手頃なファイルを転送してみる。
pi@moode:~ $ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/root 3.6G 1.4G 2.1G 40% / devtmpfs 459M 0 459M 0% /dev tmpfs 464M 0 464M 0% /dev/shm tmpfs 464M 6.4M 457M 2% /run tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock tmpfs 464M 0 464M 0% /sys/fs/cgroup tmpfs 500M 95M 406M 19% /var/lib/mpd/music/RAMPLAY /dev/mmcblk0p1 60M 17M 44M 29% /boot 192.168.1.80:/titan 2.7T 1.9T 831G 70% /mnt/NAS/titan tmpfs 93M 0 93M 0% /run/user/1000 pi@moode:~ $ free total used free shared buffers cached Mem: 948292 344908 603384 125004 11892 264344 -/+ buffers/cache: 68672 879620 Swap: 0 0 0 pi@moode:~ $ ls -aFl /var/lib/mpd/music/RAMPLAY total 97220 drwxrwxrwt 2 root root 80 May 9 10:55 ./ drwxrwxrwx 4 mpd audio 4096 May 9 10:42 ../ -rw-r--r-- 1 pi pi 554 May 9 10:55 BA-JI - 遊びに行こうよ EP.cue -rw-r--r-- 1 pi pi 99543648 May 9 10:56 BA-JI - 遊びに行こうよ EP.flac
ncmpcppから操作、ちゃんと音が出る。メモリ再生機として機能してるかな。
ウェブブラウザからMoodeにアクセスしてNASのマウントを解除する。
いくばくかでもpiCoreの条件には近づけたい。
試聴する。
音源は、Mercury Living Presence 1 CD19をリッピングしたflacの1曲目、Enescu作曲「Romanian Rhapsody No.2」。
区別がつかない、、、滲む感じがどうとかも、はっきりしない、、、
と思いきや、じっくり繰り返し聴き比べるうちに違いを聴き取れるようになってきた。i2sDAC 384/24の音は雑味もある気がするけど情報量も多い。usb-DDC/fireface 192/24は滑らかだが音が大人しい。出るべき音は出ている感じだけど。
僅差ながら、i2sDAC 384/24の音はざっくばらんで鮮烈、まとまりがいいのはfireface 192/24のほうだ。
ここで、MoodeにNASをマウントして、NAS音源のi2sDAC 384/24再生を聴いてみる。
若干、音が緩くなる。あと、メモリ再生では聴き取れていたはずの音が聴こえなくなった。
かなり怪しいんだけど、1分50秒ぐらいから微かにハープの音?がメモリ再生では聴き取れるような気がするのだ。NASマウントでの再生ではハープは2分50秒すぎてからしか聴き取れない。このときの音はかなり音量が大きい。
というか、これってハープ?それとも他の楽器?もっといい装置だったらきれいに聴こえるんだろうか。
そこで思いついて、youtubeにアップされてるオーケストラの動画を検索して確認したら、ハープではなく他の音らしい。あれー、、、
だけどまあ、いずれにせよ、何かが鳴ってるのが聴こえるか聴こえないか、差異がある。
ちなみに、NASをマウントしたままではメモリ再生の有効性は低下するのを再確認した。
他の音源でも試してみたいけど、あんまり時間が無いんだな。
そんなわけで、i2sDAC 384/24再生でも、NAS音源再生よりメモリ再生のほうが音はいい。
i2sDAC 384/24とfireface 192/24、両者のメモリ再生では正直、オーディオとしてのレベルは甲乙付けられなかった。
しかも、どちらの音が僕の好みに合っているのか、決断できない。
これには弱った。
うちのオーディオはどうセッティングしたらいいのか、、、まあ、おいおい考えよう。
悩ましいのは、384kHzでもメモリ再生には意味があるということ。
便利で音がいい384kHzのNAS音源再生で代替するということは出来ないことがはっきりしたわけで、普段使うにはそれで全く問題ないけど、突き詰めて聴くときは、メモリ再生は外せないということになった。
まあ、それ自体はたいした手間じゃないので別にいいんだけど。
むしろ、さらに上を狙う余地があちこちにあるらしいということがはっきりした、ということなんだろうな。