Feb 09, 2025
LAN ネットワークを見直してみる 3
引き続き、LANをいじっている。
450G9が移動したので、Mac mini M2周辺で2つ使っていたハブが1つで済むようになった。
そこでとりあえず図の左下、LMSサーバーのMac miniに使っているハブ、Buffalo LSW4-GT-8NSが古いので、余ったNETGEAR GS105Eと入れ替えた。
図3-1

LSW4-GT-8NSは、2009年の発売。GS105E-200JPSは、2014年の発売。
GS105Eの方が5年新しい、とか言っても説得力がないかも。共に10年以上前の製品だ。
なんだか少し、音が穏やかになったような気がする。ほんとかな。柔らかくて聴きやすい丸い音だ。しかし良い面ばかりではない。なんだか空間が出にくいような聞こえ方、なのかな、どうだろう。弱い音が、より聞こえるようになった気がする。ではやはり良いのではないのかな。
しかし、これだけでここまで音が変わるんだね。
ちょっと考えないといけない。
GS105Eは、うちではもともとはVLANの設定をしたくて導入したんだけど、当時、うまく割り振ることが出来ず、そうした機能は使わないままになった機種だ。訂正。過去ログを読んで2018年にVLANを使っていたことがあるのに気付いた。NASの扱いに困ったようなおぼろげな記憶だけがある。それ以外はすっかり忘れている。
ハブ自体にIPアドレスが振られて、ウェブブラウザから設定画面にアクセスできる。
VLAN以外の設定も出来る。
https://www.netgear.com/jp/support/product/gs105e/#configurationassistance_commontopics
https://kb.netgear.com/ja/000053886/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E4%B8%80%E8%A6%A7?language=ja
今回、ブロードキャストフィルタリングを試みた。ノイズや負荷の原因になるパケットが多くなったら、減らすことができる。
完全に0にはできないようで、最小値は512kbps。設定できる最大値は512Mbpsで、その上はNo Limitだ。
ポートごとの設定ができるのだけど、今回はそこまで細かい試行はしていない。全てのポートで同じ数値を決めてという感じ。
いつ頃だったか、昔いじったことがあるけど、大して違わないと思って止めたことがある。変な設定はないほうが機械の負荷の影響が少ないのではないかと思ったからだ。当時は、音の変化には気付かなかった。
しかし今回は、いじってみて、意外と音が違う。
ちなみに、試聴に使った音源は下記。NASとDeezerストリーミング。
ゴールトベルク変奏曲 / 武久源造
Whispering Forest / Walter Tilgner
Handel: Trionfo Del Tempo E Della Verita (Il) / Barockorchester Frankfurt
など。
192.168.1.81(Mac miniのハブ)は、数値を設定してブロードキャストを制限したら地味で静かな籠もったような音になる。数値を上げると、音にスケール感が出てくる。82、83のハブは、設定数値を上げていくと音像が大きく滲んで派手になっていく。数値を下げると、音がスリムにすっきりしてくる。
つまり基本、制限を強くすると音は硬くシャープになり、制限を緩めると音も広がり感が出てくるのだけど、81と、82・83では、音が良い方向に向かうベクトルが逆方向みたいなのだ。
いっそ全部、同じ数値に統一したらどうかと2Mbpsとかにしてみたら、なんとなく座りが悪く、違和感を感じる。
PPAP関連サーバーに繋がるGS105E(192.168.1.82と192.168.1.83)には最小の512kbpsを設定し、LMS / UpnP Serverである Mac mini最寄りのGS105E(192.168.1.81)はNo Limitで、最も音が良くなるように感じた。どうしてそうするのがいいのか、理屈はよく分からない。
そして、ここに来てNASとストリーミングの比較が、どちらが良いのか分からなくなった。
音が良くなって、差異が聴き取れなくなったのだろうか。
どうだろう、、、あんまりそういう気がしない。
もしかして、Buffalo LSW4-GT-8NSのほうが良いんだろうか。
GS105E(192.168.1.81)を、LSW4-GT-8NSに戻す。
以前から使っていたハブなので、耳馴染みのいい音になる。
落ち着きがあって、且つ上下奥行きも出て、膨らまず肌理が細かく聞こえる。何よりも、誇張がない自然な音に聞こえる、それが大きい。耳に馴染んだ音だから良く聞こえるのかどうかは、俄には判断できない。
印象としては、雷の低音はGS105Eの方が派手で迫力があるが、LSW4-GT-8NSの方が怖い。チェンバロの響きもGS105Eの方が派手で、LSW4-GT-8NSの方が端正な感じがする。
しかし印象ではなく断言できる大きな違いがある。
音像の定位が変わる。Walter Tignerの音源で、アブの羽音の動きが変わるのだ。
考えてみたら、LSW4-GT-8NSは筐体が大きめで、そういう意味ではPR-500MIの音が良かったというのに通じるかもしれない。
しかし、これだけ違うと、困るんだけど。
確かめないといけないこと、やらないといけないことが増える。
ともあれ、Buffalo LSW4-GT-8NSは元の位置に戻した。
LSW4-GT-8NSの上流に、GS105E(192.168.1.81)を置いてみる。設定なしだと音像が膨らむ。ブロードキャストフィルタリングを512Kbpsに設定したら、そこそこ落ち着いた。
ついでに、GS105E3台でデイジーチェーンにしてみた。そこそこ聴ける。
しかし、どうなんかな、音の鮮度がいまいちな気がする。
GS105Eを外して、前の配置に戻す。
さて、どうしようかな、、。
図の上の方、オーディオとはあんまり関係ない場所の Buffalo LSW3-GT-5NSを外し、GS105E(192.168.1.81)に置き換えた。
これは音質には大して影響しないだろう。
外した LSW3-GT-5NSは、LSW4-GT-8NSより更に1年古いハブだ。筐体のサイズはGS105Eよりは大きい。これと、mpdサーバーである
ProBook 450G9を繋いでいる GS105E(192.168.1.83)の置き換えを試みる。
多機能なハブは、やはりオーディオ用としては不適ではないかと考えたからだ。
図3-2

繋ぎ変えてみて、いきなり音の鮮度が上がる。
フィルタリングの設定でも大きく音は変わったが、ハブの素性も大きな影響がある。
しかし、音場の広がりは狭い、、、蛙の合唱が3分の2ぐらいになったかな。そんなに変わるのかね。
だが、戻す気になれない。音色に不自然さを感じなくなった。前は音場は広がり過ぎだったかも。
NASとストリーミングでは、僅かにNASのほうがいい。ブラインドで区別する自信はない。
いや、、、こんなことになるとは。
次は、同じ場所に、NETGEAR GS105を試してみる。
GS105は、GS105EからVLAN機能やフィルタリング機能を省いた機種で、シンプルな分、音への悪影響は少ないだろうと考える。
これをLSW3-GT-5NSと置き換えてみる。
音質差は、ほとんど感じない。
やや柔らかい方向に振れているような気はするが、ブラインドで区別は難しい。
自然な音色だ。
それにしても、自然な音がするとか言ってるが、つい先日まで、GS105Eを中心に使ってネットワークを組んでいて、不自然だと感じていなかった。
気付くようになったのは、サーバーの配置を変えたのも影響しているのだろうか。
以前の配置は、そうした不自然さが出にくい配置だったのか。
メインのmpdサーバーであるhp ProBook 450G9が、以前は他のオーディオ関係のサーバーから遠く離れた場所に位置していた。
これを近くに持ってきた分、ピーキーなシステムになったのかもしれない。
というか、それぐらいしか理由を思い付かない。
だとしたら、PCトランスポートと他のサーバーは、LAN上で離れるようにして設置したほうが良いのだろうか。ちょっと検討の余地がある。ピーキーな方がいじりがいがあるかもしれないが、裏を返せば、使用機材の音が乗りやすいということではないのか。
さて、GS105とLSW3-GT-5NS、どっちにしよう。
GS105のほうがおとなしい音だ。LSW3-GT-5NSのほうが僅かに騒がしい。GS105のほうが音から映像が浮かびやすい気がする。空間もきれいだ。
そういうわけで、GS105を使う。
サーバー群を、トランスポートPCから遠くに離して配置する方が良いなら、apu2に向かう枝がmpdサーバーの近くから出ているのは良くないかもしれない。
apu2の枝を、以前の配置、PR-500MIに戻してみる。
なんだか、こうした方が良さそう。音場の見通しが良くなり、リアリティも増す感じだ。
図3-3

考えたこと。
ONU兼DHCPサーバーであるPR-500MIからオーディオ関係をまとめて離そうとしたら、良質で強靭なハブが1個、必要だ。
そこからオーディオ用のサーバーへの枝を伸ばしていけば良いのではないか。
いっそ、YAMAHAあたりの最新のハブとか導入した方がいいんだろうか、とか思うけど(オーディオ用は高くて手が出ない)、しばらくは手持ちの機械で色々と試してみようと思う。
と思ったところで、あ、空いてるハブがあるわ、と思った。
PR-500MIにLSW3-GT-5NSを繋ぎ、そこからオーディオ系の枝3本を繋ぐ。音は、LSW3-GT-5NSの性格を帯びたものになった。音像がいくらか明瞭になる。悪化要素は、今のところ気付かない。たぶん音は、PR-500MIから枝を出すよりは良くなってるのではないか。
あんまり強靭なハブでなくても良かったみたいだ。
さて、こうなると、apu2の傍にGS105Eを使っているのはどうなのかということになる。
GS105に置き換えてみる。
結果、悪化要素はないような。何処か良くなったかといえば、そっちもはっきりしない。
ここには複数の機械がつながっていて、その中には銅板を使った仮想アースがつながった機械も含まれる。意外に、ハブの支配力は低いのかもしれない。
LSW3-GT-5NSにオーディオ関係の枝全部つなげてみたけど、替わりに他のハブを試してみる。
どんな変化があるだろうか。
これまでの経過で、複雑な機能がなくて大きめで金属シャーシのハブが良さそう、という目星をつけた。
ハードオフで見繕う。
ハブって、ジャンクの中にあるんだね。
HPのハブとかBuffaloの古くて重厚な100Base-Tのハブとか興味深い機械があったが、意外と値付けが高かったしあんまり沢山でもだめなので、NETGEAR GS108v4(105より大きくて重く新しい)を2台と、NEC QX-S608Eを入手した。税込2千円弱也。QX-S608EはNTTのハブだ。どうなんだろうかね。
LSW3-GT-5NSを、GS108v4に換えてみる。
音はぐっと晴れやかになった印象。とても綺麗に聞こえる。音場が広がったかな。
音色の性格、質感が今までよりも明瞭になった気がする。LSW3-GT-5NSは乾いた質感だったが、うるおい、生命感が出てきた感じ。
次はQX-S608E。更に質感が変わる。湿度が高いというか、ウェットな感触だ。響きが多い。音像が音場の中で溶け合うような感触がある。左右は曖昧だが上下は一応出てるのかな。リアリティがないのかといえば、そうでもない。これはこれで美音な気がする。しかし求める方向性とは異なるかな。
ここは、暫く様子を見ながらセレクトする。
それにしてもハブによって大きく音が変わる。意外にQX-S608Eの柔らかい刺激が少ない音を好む人もいるような気がするが、うちでは写実的なハイファイを目指すので、GS108v4だろうか。
図3-4

迷走しているが、音は最初に想定していた以上に変わった。
音楽が力強くなり、安定感が増した感じ。空間の質感が増した感じがする。
だが、何処か腑に落ちない感触がある。1月からあれこれとネットワークに手を入れてきたが、それ以前のほうが音のまとまりは良かった気がするのだ。今の音は、どこか険がある。なんとなく気持ち良く聴けないのだ。
ジョニミッチェル、ジャニスジョプリンを聴いてみたら、マイクを通した声だ。
これは、何とかしたい。
結局、apu2に向かう枝を、PR-500MIに戻した。
自然な声で鳴る。ここに戻さざるを得ないのか。しかし、昔のほうが酔わせる声だったな。
なんとなくだが、ONU兼DHCPサーバーからPCトラポに向かうLANケーブルが出てるというのは、いけない筈という頭がある。
PR-500MIからapu2に向かう枝の途中にQX-S608Eを入れてみる。
いいじゃん。ジョニがそれなりに歌ってくれる。神憑りとまで言わないが、天使は傍にいるようだ。
でもジャニスはラジオの向こうだ。
ハブをフィルターとして使っているというか、どうなんだろうこれ。
Dominic Miller の What You Didn’t Say、パーカッションが締まらない。これが締まらないんじゃ、ちょっと辛い。この案は却下。
3本のオーディオ用の枝を、全てPR-500MIに戻す。
どうすべか。
こんな感じになる。
図3-5

なんだか、あれこれ弄り回して何をやってるんだろうという感じだけど、音は、だいぶ納得感があるものに近付いている。しかし、表面的な強さはあるんだけど、なんだか音の芯が軽くて弱い気がする。
というか、周りが重いんだな。歌に魂が乗ってるように聴こえない。どういうことなんかなこれは。
ここまでやってきて思うのは、もしかしたらmpdサーバーであるProbook G9は、あんまりオーディ用のサーバー(特にapu2系)に近付けないほうがいいのではないかということだ。
もともと、遠くにあったのを近くに持ってきてから迷走気味だ。
考えるに、ネットワーク間が遠ければ遠いほど、デジタル信号が元々抱えていたジッターの影響は小さくなるのだと思う。
昔、ハブを重ねることが流行した。デジタル信号がハブを通っていく度に、元々の信号に多かったジッターが減ったのだろう。逆に、元々の信号のジッターが小さければ、ハブを通っていく度に、ハブ固有のジッターが重なっていくので音が悪くなる。
良いか悪いかはやってみないと分からないということになる。
うちのmpdサーバーは、44.1kHz/16bitの信号をlibsamplerate / bestの設定で384kHz/32bitにアップサンプリングする大仕事をしている。多分、生成されたデジタル信号は大量のジッターを含んでいるのだ。
こういうものは、多分、設置場所がPCトランスポートから遠ければ遠いほど良いのかもしれない。
そう考えてみたら、いろいろ合点がいく。
そして、以前の音より、総合的には良くなっている気がする。
以前の音は素性は良かったが、やや力が足りなかった。今の音は力がある。
ただ、素性は以前の音より少し悪いような気がする。美しさが足りない。訴求性が低い。ここは極めて残念なところ。
しかし、以前の状態に戻す気にもなれない。
遠くに離してみる。
具体的には、PR-500MIにつながっていたmpdサーバーの枝を、上の方に。ポートが足りないので、GS108v4を使う。
ここで話を一気に端折る。
実際のところあれやこれやしたんだけど、とりあえず、下の図に落ち着いた。
図3-6

mpdサーバーを遠くに持っていくという話は、何処に行ったのだろうか。
あれこれ試して、全く決まらない、すっきりしない。
そんな中で、これは駄目な配置という確認を一応しておこうと思ってやってみた、この繋ぎ方で、霧が晴れた。ジョニもジャニスも歌ってくれた。他の音源も、納得がいく音で鳴ってくれるようになった。
もういい、とりあえずこれで暫く様子見ましょう。
問題は何が良かったんだか悪かったんだか皆目見当がつかないことだ。
つなぎ方としては、図3-2 のときと同じで、変わっているのはハブだけだ。今回エントリーの記録を遡って読み返したら、このときも音が良くなったと思っていたんだね。そのままの配置で調整したらいいものを、いろいろ迷走した。しかし、この配置なら何故いいのか、現時点では分からない。図3-2 のときと現在とどちらがいいのかも、比較してないので明言できないが、たぶん、新しい配置の方が良いような気がする。
それにしても、ネットワークにここまで手を入れる余地があったとは、正直、驚いている。甘く見ていた。こんなにころころ音が変わるとは。ここまで音への支配力が大きいとは思っていなかった。
というか、簡単に音がひどくなる。
機械の影響が大きいということは、機械の色が付きやすいということだ。デジタルなのに機械の色が付くというのは、それだけ機械のジッターに固有の癖があるということだろう。これはハブだけではなく、他の機械もそうだということだろう。
つまり、良質な機械を少なめに使ってジッターが極力増えない伝送をして、強力なジッター対策を施したトラポとDACでDA変換するというのが、有るべき姿ということだろうか。そんなに簡単に出来る気もしないが。うちなんか、たくさんPC使ってるが、1台の強力なPCで仮想マシンを何台も動かして、とか出来たら、もしかしたらトータルでジッターの影響は減らせるかも知れない。どうなんだろうか。でも、しないけど。
まだまだ現状でも試行錯誤の余地がある。余裕があるときに徐々に手を入れていくつもりだ。