Apr 25, 2021
アップしたイメージのPPAPへの転用についてPhile Webに記載した(2022.06.21. 追記:Phile Webサービス終了にて記載内容を転載した)
先日アップしたイメージをPPAPに転用する方法について記載した日記をPhile webにアップした。
いや、人に説明するというのは難しいものだ。こっちは分かってるから相手もある程度分かってるかのような気になってしまう。とりあえず、理解してもらう説明は後回しで(というか、それって大変すぎ)、動かせるようにということで書いている。それでも何かしら不備がある。
アップしたイメージのPPAPへの転用について
https://community.phileweb.com/mypage/entry/5010/20210425/67563/
PPAPでの使い方なので、バックエンドもアップした。
両方のイメージファイルを置いてあるGoogleのアドレスを書いておく。
20210418-TC64-mpd-pa-upnp-AutoStart.img
https://drive.google.com/file/d/1eZ-ijekRj-ond1OIa7aZXgLxjWYbsIPy/view?usp=sharing
tc64-11-1-base1z-2020-04-05-PPAP-BE.img
https://drive.google.com/file/d/1kHhCtR4WCWs3_8i32JrVgGFin-YK9KIZ/view?usp=sharing
2022.06.21.追記。
Phile Webが11月末にサービス終了になるということで、この日記の内容をこちらにサルベージしておくことにした。
若干、読み易いように修正など入れている。
アップしたイメージのPPAPへの転用について
post_date: 2021-04-25 11:59:42
先日アップしたUPnPレンダラー兼アップサンプリングサーバーのイメージですが、PPAPという手法のフロントサーバーとして機能させることが出来ます。
今回は、この件について記載しておきます。まずPPAP (Piped Pcm Audio Play)について。
過去にPhile Webで話題になっていた手法なので、知っておられる方も多いと思います。
通常は1台のmpd音楽サーバーが行っているデータ処理の流れを、ncatというソフトを使い2台に分割することで音質改善を狙うというものでした。![]()
フロントとバックエンド、2つのPCをLANで繋いで運用します。
扱う音楽信号はPCMのみです。
フォーマット固定の制約があります。つまり2つのPCで扱う信号のフォーマットを一致させる必要があります。
ここでいうフォーマットとは「44100 s16le」とか「384000 s32le」などというもので、Flac、WAV、DSDといったファイル形式のことではありません。PCM信号のフォーマットを合わせないといけないということです。バックエンドは、設定と異なるフォーマットの音声信号を受け付けません。
音源にCDリッピングファイルやハイレゾファイルなど、異なるフォーマットが混在しているような状況だと、合わないファイルを再生するときはフロント側でリサンプリングして合わせる必要があります。ビットパーフェクトでDACに信号を送り込むことができません。逆に言えば、ビットパーフェクトに拘らないのであれば大きな問題になりません。DACが対応できる最高のフォーマットにリサンプリングする設定にして運用する等すればいいということになります。当方ではそのようにして運用していました。
ここから、今回のセットをPPAPで使う方法について書いていきます。
運用に必要な設定をするにはsshでログインし、キーボードを打ってコマンド操作をする必要があります。設定ファイルの編集にはviエディタを操作していただく必要があります。まず、バックエンドについての説明です。
バックエンドは、フロントから信号が送られてきたらDACに伝送するようになっています。
イメージを、グーグルにアップしました。https://drive.google.com/file/d/1kHhCtR4WCWs3_8i32JrVgGFin-YK9KIZ/view?usp=sharing
フロント同様、x86-64対応、Tiny Core Pure64ベースのセットです。
ストレージに焼いて、起動ディスクとして使用してください。
USB-DACをつなぐことを想定しています。起動に際してBIOSでPC自体の音声出力をオフにしてください。LAN経由でsshでログインし設定します。
ユーザー「tc」、パスも「tc」です。USB-DACを繋いだ状態で、コマンドを打って確認、設定していきます。
当方での設定手順を提示してみます。● sshでログインします。
例では192.168.1.15になっていますが、バックエンドのローカルipアドレスを入れてください。[ab@fedora1 ~]$ ssh tc@192.168.1.15 tc@192.168.1.15's password: ( '>') /) TC (\ Core is distributed with ABSOLUTELY NO WARRANTY. (/-_--_-\) www.tinycorelinux.net● aplay -lで、USB-DACがどのように認識されているか確認します。
この例では、card 1、device 0 です。tc@box:~$ aplay -l **** List of PLAYBACK Hardware Devices **** card 1: IncRAL2496UT1 [RATOC Systems, Inc.RAL-2496UT1_], device 0: USB Audio [USB Audio] Subdevices: 1/1 Subdevice #0: subdevice #0● DACへの出力可能なフォーマットをコマンドで確認します。
この例ではDACは「card 1」なのでコマンドも「card1」で調べます。DACが「card 0」の場合は、「card0」で調べます。tc@box:~$ cat /proc/asound/card1/stream0 RATOC Systems, Inc. RATOC Systems, Inc.RAL-2496UT1_ at usb-0000:00:14.0-2, high : USB Audio Playback: Status: Stop Interface 1 Altset 1 Format: S32_LE Channels: 2 Endpoint: 1 OUT (ASYNC) Rates: 44100, 48000, 88200, 96000, 176400, 192000 Data packet interval: 125 us Bits: 24● 「/opt/bootlocal.sh」はOSブート時に起動するコマンド等を書き込む設定ファイルです。
ここに書かれているncatのコマンドを編集します。
card 1、device 0 なので「hw:1,0」、FormatとRatesの数値を参考に、下記のように設定します。tc@box:~$ sudo vi /opt/bootlocal.sh /usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D hw:1,0 -M --period-size=4096 --buffer-size=32768 -t raw -f S32_LE -r192000 -c2"● 「filetool.sh -b」で設定保存した上で、再起動します。
Tiny Coreではこのコマンドを打たなかったら設定した内容が消えて残りませんので必須です。tc@box:~$ filetool.sh -b tc@box:~$ sudo reboot再起動したら、バックエンドとして機能するはずです。
次にフロントについて説明します。
先日アップしたイメージを使います。https://drive.google.com/file/d/1eZ-ijekRj-ond1OIa7aZXgLxjWYbsIPy/view?usp=sharing
このイメージをPPAPフロントとして運用するには、設定を書き換える必要があります。
/home/tc/.mpdconfがmpdの設定ファイルとなっています。● sshでログインします。
例では192.168.1.15になっていますが、フロントのローカルipアドレスを入れてください。[ab@fedora1 ~]$ ssh tc@192.168.1.15 tc@192.168.1.15's password: ( '>') /) TC (\ Core is distributed with ABSOLUTELY NO WARRANTY. (/-_--_-\) www.tinycorelinux.net● /home/tc/.mpdconf のaudio_outputを編集します。
tc@box:~$ vi .mpdconf # audio_output { # type "pipe" # name "ppappipe" # always_on "yes" # command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.xx 4444" # } audio_output { type "alsa" name "My ALSA Device 0" device "plughw:0,0" # optional ### mixer_type "software" } audio_output { type "alsa" name "My ALSA Device 1" device "plughw:1,0" # optional ### mixer_type "software" }● outputの設定は上記のような記載になっていますが、下記のように書き直します。
alsa出力をコメントアウト。pipe出力をコメント解除してください。
pipe出力の「192.168.1.xx」の部分は、バックエンドのローカルIPアドレスに書き換えてください。audio_output { type "pipe" name "ppappipe" always_on "yes" command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.xx 4444" } #audio_output { # type "alsa" # name "My ALSA Device 0" # device "plughw:0,0" # optional ### mixer_type "software" #} #audio_output { # type "alsa" # name "My ALSA Device 1" # device "plughw:1,0" # optional ### mixer_type "software" #}● audio_output_formatの設定は下記のように「768000:32:2」が有効になっています。これをバックエンドで設定した数値に合わせてください。合っていないと音声出力自体が出来なくなります。
audio_buffer_size、buffer_before_playは、各自の状況、環境に合わせて調整してください。
● アップしたイメージは当方が試験運用したまんまになっていて、そのせいで設定の選択肢が複数記載されたままコメントアウトされています。これをそのままコメント解除したら設定が重複しエラーになります。
コメント解除する際に指示項目が重複しないように注意してください。audio_output_format "768000:32:2" # audio_output_format "705600:32:2" audio_buffer_size "65536" buffer_before_play "50%" # audio_output_format "384000:32:2" # audio_buffer_size "32768" # buffer_before_play "40%" # audio_output_format "192000:32:2" # audio_buffer_size "16384" # audio_buffer_size "32768" # buffer_before_play "40%" #audio_output_format "44100:16:2" #audio_buffer_size "512" #buffer_before_play "20%"● 「filetool.sh -b」で設定保存し、再起動します。
設定保存しなかったら、再起動で設定した内容が消えますので必須です。tc@box:~$ filetool.sh -b tc@box:~$ sudo reboot再起動したら、フロントとして機能するはずです。
.mpdconfのmusic directory等、他の設定は、各自の環境、使用目的に合わせて設定してください。UPnPレンダラーとして使用する場合は、上記に記述した内容の設定編集だけでよい筈ですが、NASをマウントするなど他の使い方をされる場合は、使用状況に応じての設定が必要になります。
ここにはそこまで記載する余裕がないので、割愛します。