Jul 18, 2020
バランス接続に業務用アッテネーターを試す
前回エントリーの追記で下記のようなことを書いた。
入力に関しての問題は、それよりも音量に関することだ。
mpdでソフトウェア的に調整しているんだけど、今の使い方だとボリュームが15%とかでちょうどいいような音源もあったりする一方、クラシックなどでは50%以上にすることもあったりする。ほんとうは、30%ぐらいから90%ぐらいで使いたいのだ。
SM-SX100はプリメインなので音量調整ができたけど、Brooklyn Ampはできないので、本当は、良質なプリアンプとかアッテネーターを併用した方が良いと思う。
SM-SX100はボリュームMAX表示128のところ50で使っていた。
Brooklyn Ampの音量調節は2段切り替えで、0dBと+6dBだ。0dBでも十分以上の音量が出る。
クラシックで、mpdのボリューム50以上というのは、最近の感覚ではかなり録音レベルが低い音源で(昔のCDのリッピング音源が多いかな)、ほとんどの音源で30前後でちょうどいい、というか、それ以上に上げると家族から苦情が出かねないレベルの音量が出る。
録音レベルが高い、海苔音源と呼ばれるものに近いものだと15とかになる。もともと音質に期待できそうにない音源で且つ32bitにアップサンプリングしてるとはいえ、15では低すぎないかと心配だ。微調整ができなくて使いにくいし。
パッシブプリの使用も考えたんだけど、それなりのものをと考えると、すごく高価だ。
業務用扱いで1万円切るのもあるけど、、、
普段のボリューム調整は、mpdのソフトウェアボリュームで行う。パッシブプリの可変抵抗は、いまいち、無駄じゃないのかと感じる。
音楽信号の伝達経路の途中に挟む抵抗は、音質低下の要因になる。安価な可変抵抗はできたら使いたくないのが本音。できれば固定抵抗で減衰させたい。
固定抵抗を使ったのでコンシューマー用でいいのはないのか?と思ったけど、ない。高価だったり入手困難だったり、うちの些細なニーズのためにそんなにかけられない。
そもそも、音量調節する必要はなくて減衰量は固定でいいのだ。ごく単純な機能があればいい。
自作も考えたが、業務用から探す。
業務用だと使えそうなのがある。

画像はサウンドハウスのサイトから引用。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) TXX10 | サウンドハウス
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25885/
XLRケーブルに繋いで使う10dB減衰のアッテネーターだ。
極めて安価で2本で1600円。まずこれでやってみようと思い入手した。
まず、アンプの方につないでみる。こんな感じ。
ADI-2 DAC --- XLR cable --- TXX10 - Brooklyn Amp
出てきた音は、なんだか籠りがちで、ぼんやりしている。これは使えない。やっぱり安いのは駄目なのかな、、、
次にDACのほうにつないでみる。
ADI-2 DAC - TXX10 --- XLR cable --- Brooklyn Amp
このつなぎ方だと、だいぶマシだ。
こういうアッテネーターの場合、インピーダンスが問題になる。
僕は詳しい理屈は分からないのだけど、インピーダンスへの対処が適切じゃないと音楽信号の伝送に不具合が生じる。
ADI-2 DAC | 出力インピーダンス:200Ω バランス、10Ω アンバランス |
Brooklyn Amp | 入力インピーダンス:10kΩ |
TXX10は業務用のアッテネーターなので、多分、600Ω平衡だと思う。
brooklyn Ampよりも、数値が近いADI-2 DACにつないだ方が悪影響が少なくて良さそうな感じはする。そんな感じでいいのかな、、、
音量はいい感じに落ちたけど、音質がいただけない。
やはり、なんだかぼんやりした感じに曇っている。
ランクが上のアッテネーターだと1本4000円以上する。
買い換える前に、対策を打ってみる。
まず、そのままだとDACのXLR端子に刺さったTXX10から先が宙に浮いた状態なので、ケーブルインシュレーターを使うような感じで支えてみる。具体的にはゴムシートを重ねたものを使って、浮いているTXX10とXLRケーブルを支えてみた。
意外にも、これだけでかなり音色の曇りが取れてきた。
ということは、更に振動対策をしたら、より効果があるかもしれない。
そこでTXX10自体に振動対策を施してみることにした。
Phile-Webで、ケーブル端子に振動対策をしたら音が良くなるという話を読んだ事がある。
そのケースではfo.Qや鉛シートを巻いていたと思う。しかし、うちにはないので手近のゴムシートでやってみた。0.5mm厚のゴムシートを数cm幅に切って、TXX10に巻きつけて結束用のビニールタイで縛り固定した。
これも効いた。
なんと、TXX10を使わないときの音と同等のレベルまで改善してしまった。
もちろん音量が違うので、TXX10を使ってる時はmpdのボリュームを上げるんだけど。
若干、音の違いはある。
優劣を付けるのは難しいんだけど、TXX10を使っているほうが聴きやすいような気がする。それが振動対策の効果によるものなのか、mpdのソフトウェアボリュームを上げることが出来ることの効果によるものなのか、はっきりしない。
少なくとも、信号経路に接点が増えたり抵抗が入ることによる悪影響は、全く感じられなくなった。これにはちょっと驚いている。

インシュレーターのゴムシートの代わりにJ1の青(A40R)を使うことにした。
それにしても写真が良くないね、、、
ともあれ、これでSM-SX100と同様の使用感で使う事ができるようになった。
そういえば、もうひとつの懸案、子供が使うCDプレーヤーなんだけど、別系統で鳴らすことにした。
実家の押入れにしまい込まれていたスピーカー、TANNOY Mercury mx1(そもそも20年近く昔に僕が実家に買ってあげたものなんだけど)を取り返し、以前に入手したまま死蔵していたLuxmanのデジタルアンプ(雑誌のおまけで、当時けっこう話題になった)を引っ張りだして繋いでいる。
置き場所は、小さかったテレビ台をお役御免にして、ラック用アングルでキャスター付き且つ大きいテレビ台を組み直して、そこのテレビの下にスピーカー、アンプ、CDプレーヤーもろともに押し込んでセッティングした。
さらにマスプロのセレクターを付け加えて、Raspberry piの音も再生出来るようにした。
うちでは最近、夜間に安眠のためにカエルや虫の声を小音量で流しっぱなしにしているのだけど、そのためのシステムとして使っている。日によっては昼間も鳴らしている。NASにつなぐのもどうかと思って、Raspberry piに刺したUSBメモリの音源を鳴らすようにした。
以前はメインシステムで鳴らしていたのだけどSM-SX100が壊れて、あれこれ変遷した末に現状に落ち着いた。
そんなこんなで、アンプの故障を機に、いろいろ運用状況が変わってきている。
修理完了を待ちながらも、変化を楽しむ余裕も出てきた感じだ。
Jul 05, 2020
Brooklyn AmpでSM-SX100の代替を試みる(07.14. 2022.02.24. 追記)
前回のエントリーで下記のようなことを書いた。
過去に1ヶ月待てると書いたのは、、、間違いではなかった。
いやー、、驚いた。
TU-870はいいアンプだね、、、
昔の記憶では低域が制動困難とかあったけど、今聴くとそこまででもない。ゆるいというより、伸びてない、出ていない。
中高域には多少響きが乗ってるが、そこそこ綺麗な音でオーケストラでも其れなりに歌ってくれる。これは大きい。不満がないとは言わないけど、この音色なら、まだ待てる。
そういうわけで、SM-SX100のときと比べて3分の1から2分の1ぐらい?の音量で使って、そんなに問題がない。
エントリーアップした直後、僕は考え込んでいた。
1か月、待つ?
それが出来たとして、何の意味があるのだろう、、、
SM-SX100が治って帰ってくるかどうかに関わらず、代替アンプはいざという時のために必要だ。
それも、ある程度以上の音質が保証されている機械でなければ、僕が持たない。それに1か月で帰ってくるとは限らない。
もしもSM-SX100が治らなかったとしたら、、、
メインを張れるアンプが絶対に必要になる。
つまり、何がどうあろうと最低1台は一定水準以上の音がする新しいアンプが必要なのだ。
僕は以前から、SM-SX100は替えがないアンプだということを折に触れて書いてきている。
本当に替えがないのかどうかは、実は明確じゃない。
僕があちこちのオーディオショップで試聴を繰り返していたのは、2000年代までだ。結婚してからは試聴機会はずいぶん減った。子供が出来てからはなお減っていて、この10年は数回しかしていないはずだ。
替えがない、というのは、「僕が聴いてきた範囲では」、ということなのだ。
今なら、替えがあるかもしれない。
いや、あってくれないと困る。
どこから探すのか。
SM-SX100を試聴したのは随分前になる。
当時、比較したのはマークレビンソン、ジェフローランド、そしてゴールドムンドの100万円クラスのプリメインだった。
マークレビンソンの印象は、モハメッドアリ。
ジェフは、バレリーナが優雅に踊っているような音。
ゴールドムンドは、なんだか電子計算機のような生真面目さを感じた。
SM-SX100の音は、近いのはゴールドムンド、しかしアナログアンプ3者とは大きく異なっていた。
人間離れした音、、、成層圏の空気のような、ある意味、究極に自然に近い、不純物が混じりようがないような音色、人界とは別世界の音だと感じた。
具体的には、まず何より情報量が桁違いに多かった。他のアンプでは聴こえない音が当たり前のように聞こえてくるのだ。加えてスピーカーをドライブする能力も明らかに上だった。他のアンプが息切れする大音量再生でのradioheadのpulk、低音のパルス(小さなスピーカーでは聴こえない。オーディオ店の店員は、こんなのをそんな音量で鳴らすんですか、みたいなことを言った)を軽く鳴らし切った。
当時の試聴に使っていたスピーカーはJBLの上位機種(当時はJBLがあちこちにあった)。これだけ鳴るなら、うちの4425mk2も鳴るはずだと確信できた。
僕は、一応、SM-SX1も試聴した。
安価なアンプで替わりが効くかどうかを確かめた。聴く前から分かっていた。ぼくはもうSX100に魅入られていたので、差があるということを確認しておきたいだけだった。
SX100は情報量とドライブ力が大きいだけではない。
当時試聴に使っていた音源に、オルフェウス室内管弦楽団のバロック・コンサートというのがあった。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00006BGTN
当時はCDで鳴らしていたけど、パッヘルベルのカノンは難しい音源だった。うちで聴いてはもちろん、あちこちのオーディオショップに持ち込んで聴いても、鳴り方が変なのだ。バイオリンがちゃんと定位しない。左右にふらふら動くように聴こえる。
ふらふらするなら良いほうで、某ショップで内部がフロート構造だという100万のプリメインで試聴したときは、雲のように音像が霧散して何処に定位してるのか分からなくなった。スピーカーはB&Wの805。それなりに期待して聴いた購入候補だったんだけど、こんな音がするアンプは止めねばならないと即決せざるを得なかった。
2022.02.24. 追記。
このアンプの上位機種とノーチラスがよい組み合わせだと書いているのをみた。
下位機種のプリメインとはいえ、そんなに音の傾向が違うとも思えないので、今から思い返すと、多分セッティングか何かの影響でそんな音になっていたのかもしれないと思う。ショップの好みにセッティングされ、それが僕には合わなかったというのはありそうなことだ。
僕は、しまいにはこの音源は音像がふらふらする、そういう音がする録音なのだ、と思うことにした。そのうち試聴に使うことも減っていた。
SM-SX100がうちにきて、ふとカノンを鳴らしてみようと思って、鳴らしてみたところ、、、全くバイオリンが揺れないのだ。ちゃんと定位して最初から最後まで鳴っている!
当時の驚きを僕は忘れていない。
アンプというものの本当の役割を、僕はこの時初めて知ったように思う。
そんなこんなで、僕はSM-SX100の信徒になった。シャープの3桁ならどれでもいいのかというと、思い入れが違うのだ。このあたりが信徒たる所以である。
さて、、、そうとなったら、探さないといけない。
アナログアンプは、この20年で長足の進歩を遂げて格段に音の情報量が上がったのだろうか?
確信はないけど、あんまり期待できないように思う。
それにSM-SX100というデジタルアンプの後釜は、デジタルアンプでないといけないだろう。
期待できるデジタルアンプをネットで探し始める。
あんまりないのね、、、
1bitのnmodeも考えたけど、只今SX100が修理に出ていて、サブのアンプが同じタイプというのも、あんまり気が利かないよね。LP-2020A+を使ってみて、PDMではないPWMのアンプが、今の時代、どの程度の音を生むようになっているのかを確認しておきたいという気持ちもあった。
あれこれネット上を巡るうちに目に留まったのが、MYTEK Digital Brooklyn Ampだった。エミライが代理店をしている。
RME ADI-2 DACを導入した際に、選択枝としてかなり迷ったのがLiberty DACだった。MQA対応、でも384kHzまでだ。700kHz以上を聴きたいという気持ちのほうが競り勝った。気になるメーカーだったところに「初めて作ったデジタルアンプ」という、SM-SX100との共通項がある。変なところで引っかかってきた。
Brooklyn AMP - Mytek Digital Japan
https://www.mytekdigital.jp/products/brooklyn-amp/
小型なのに巨大スピーカーが鳴る! MYTEK次世代オーディオ「Brooklyn Bridge/AMP」に驚く
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1231636.html
Mytek Brooklyn Amp power amplifier - stereophile.com
https://www.stereophile.com/content/mytek-brooklyn-amp-power-amplifier
Mytek Brooklyn DAC+ and Brooklyn Amplifier
https://positive-feedback.com/reviews/hardware-reviews/mytek-brooklyn-dac-brooklyn-amplifier/
My Journey With The Mytek Brooklyn AMP
https://audiophilestyle.com/ca/reviews/my-journey-with-the-mytek-brooklyn-amp-r827/
Brooklyn Amp - 6moons.com
https://6moons.com/audioreview_articles/mytek3/
Brooklyn Ampのネット上のレビューは少ない。そんなに悪くはないようだ。
前向きな気持ちになったところで、どこで売ってるのかと思ったら、、、ほとんど、どこにも売ってない。
市場にほとんど弾がないのなら仕方ない。試聴してないが決断した。
6月29日に注文、30日には運ばれてきたので(早!)セッティング。
ADI-2 DACとつなぐ。

知らなかったけど、スイッチの上のインジケーターって色を変えることが出来るのね。赤、白、青、オレンジ、ピンクに紫、黄色(今確認したら16色みたい)、取り敢えず、緑にした。スタンバイとパワーオン、各々について明るさを設定できる。消灯も設定できるようになっている。
機体の中にはオレンジ色に光る部品が並んでいて、なかなか奇麗だ。
当たり前だけどパワーアンプなので、音量調整はmpdで行うことに。ちょっとそれだけじゃ使い勝手が悪い。子供はCDプレーヤーが使えないままなんだけど、これはどうするかな、、、
音のほうは、、、取り敢えず音が出た瞬間に安心する。乾き切った喉に水が入った感じ。
比較したらSX100よりは音が太い。音色に滲みがあるけどSNはしっかりしている。
SX100が成層圏の音だとしたら、Brooklyn Ampは地上に降りてきている。しかもそこは緑豊かな森林や草原が広がっていて、空気は成層圏と同様に清透なのだ。キャラとしては、なぜか女戦士で、そういう可愛げとパワフルさがあって、まあ、マークレビンソンとジェフとシャープの良いとこ取りかな、、、
情報量も十分な感じ。
ひょっとしてSX100よりも多いか? だが、ここは間違いやすいので正確な評価はまだまだ先だ。
これはいけるかも?と思ったそのとき、いきなり女房が言った。
「前のアンプのほうが好き」
(何ぃいいい!?!?!?!?)、、どこが違うの?
「ひゅわーー、っていうとこの音が(このときの音源は真夏の夜の夢 メンデルスゾーン)」
い、いや、、これはまだ電源入れて30分もたってないから、、数日たったらたぶん、音、変わるから、、
「ふうん、めんどうくさいのね」
いや、、、肝が冷えるとはこのことだ。脅かすんじゃないよ。しばらく動揺してしまった。いったいこの家はどうなってるんだろう、、、
実際のところ、数日ウォーミングアップすることで音色に纏わりついた滲みがどのようになっていくかが勝負だと思っている。これがキャラクターになってる面もあると思うので、うまくいくといいけど。
うまくいけば、ひゅわーー、のデリケートな表情も出てくるんじゃないかと思うんだよね、、、
ずっと最初のままだったら、、、代替にならない。厳しいけど。
そして2日、、、
この時点でかなり落ち着いて来ている。
中低域はやはりSM-SX100よりも強い。テンションが高い。高域は、滑らかさが少ない。まだ少し棘がある。
ネット上にはウォーミングアップに100時間と書かれていたサイトがあった。もうしばらく様子を見る、、、
100時間を越えた、、、
より落ち着いた印象。いくつか聴きなれた音源で試聴してみる、、、
-
Mendelssohn - A Midsummer Night's Dream - S. Ozawa, Boston Symphony Orchestra
序曲を聴く。
冒頭のひゅわーー、だけど、電源を入れた当初に比べたらずっと良くなっている。SM-SX100が表現する実在感のある繊細さはやや少ないけど、より芯が通ったニュアンスの音がする。オーケストラの音量が上がっても破綻しない(これは当然か)。SX-100の写実的写真的な再生よりは印象派の絵画的なイメージに寄っている。
SX100の音色が外に拡散するようなイメージで鳴っていたのに比べたら、真ん中にまとまっていくような密度感、凝集感がある。楽音の温度がSX100より心持ち高めで、人肌ぐらいな感じがある。やはり成層圏から地上にという感じだ。 -
George Winston - Linus & Lucy - The Music of Vince Guaraldi
1曲目の Cast Your Fate to the Wind。
この曲では弦を指?で弾いたりしている。ウィンストンのピアノは90年代頃から重くなった。それ以前よりも沈み込むような濁りを含んだ音が増えていて、21世紀にはより顕著だ。のびやかで清らかな表現と重く濁った表現、そういう音色の振幅を表現できるかを確かめる。
ピアノ音の瞬発的な変化は表現できていて混濁しない。温かみ、力感がある方向に表現する。SX100ほど多様な音色の分別はしないけど、ウィンストンが使い分ける打鍵のニュアンスはかなり分かる感じ。
音色の分別はしないと書いたけど、なんだろう、出ている音色は多彩なのだ。分析的ではなく音楽的と言えばいいのかな。 -
Joni Mitchell - Blue (20P2-2119 1988jp)
9曲目の A Case of You。
以前の試聴でも使ってるけど、700kHz台にアップサンプリングするとその芸術性に引きずり込まれるような歌声になるはずなんだけど、神憑りと感じるまでの表現にはSX100が必要みたい。しかし、Brooklyn Ampも十分善戦している。以前の試聴で聴いた192〜384kHzのダウングレードした雰囲気とは違って、なんというかな、地に足が付いた女声の歌声として聴こえている。これは好みでどっちを選ぶかになってくるのかな、、、 -
Pierre Boulez - Complete Columbia Album Collection (CD40) Bartok - the Wooden Prince
これも序曲。
オーケストラが小音量から高まっていく中で、小さく弦を弾く音が不定期に混じるのが聴こえるかどうか。SX100でははっきり聞こえていた音が、どうも埋もれて聴きとりにくい。聴こえないわけではないんだけど。
分析的ではない分、小さい音は埋もれがちになる。オーケストラの音楽的再生という意味では、不足を感じるわけではないんだけど、もともと難無く聞こえていたはずの音が、耳を澄ませないと聴こえにくいのが、どちらがリアルな再生なのかという話にもなるかもしれないんだけど。 -
harman international - JBL Super Sound
これはスピーカーの4425mk2を購入した際にサービスでおまけにもらったCD。8トラック目の「十日町大太鼓 おけさにわか囃子」をかける。重低音の和太鼓の囃子を再生出来るかどうかというのも大事なんだけど、そんな中、遠くでバッティングセンターと思われるバットでボールを打つ音が断続的に聞こえるのがチェックポイント。
太鼓などはしっかり鳴る。バットの音は、やはりお囃子に埋もれがち。聞こえはするのだけど、、、SX100は小さな音を埋もれないように鳴らしてくれるけど、Brooklynは溶け込ませる傾向がある。 -
The Rolling Stones - Let It Bleed (POCD-1925)
井筒香奈江 - Laidback 2018これらも以前に試聴に使った曲。
ストーンズは2曲目、Love In Vainから、3曲目、Country Honkへの流れ。これはいい。SX100だとクールで分析的になりがちだけど、音色が人肌な分、しっくりくる感じ。ミックの歌声のニュアンスもちゃんと表現する。このアンプはこっちの方向性が合ってるのかもしれない。
井筒香奈江、Little Wing。こっちもやはり、いい感じ。ボーカルはもちろん、ベースやピアノもちゃんと鳴る。SX100よりも沁る感じに聞こえる。 -
Radiohead - Amnesiac
3トラック目、Pulk/Pull Revolving Doors。昔、良く試聴に使っていた。
低音はしっかり出る。ボリュームをあげようとしたら家族に止められた。しかし、SX100はまっすぐ下に伸びていたような気がするけど、比べるとBrooklynは中低域が強目なのかな。ポップミュージックのビートにはむしろそのほうが適しているかもしれない。高音域は、SX100のほうが透明感とキレがあるがある。Brooklynは多少溶けあうような感じがある。 -
Fishmans - Chappie, Don't Cry
1トラック目、ひっくりかえってた2人、、、なんというんだろう。やっぱりこのアンプはボーカルのニュアンスを極めてよく表現するみたい。分析的に聴くにはSX100に及ばない。しかし人の声が人肌になるので浸透力が俄然アップする。SX100も良いんだけど、暖かみには欠ける面がある。そこがBrooklynは補完されている。
あと、ポップミュージックの低音の表現は、たぶんSX100よりも優る。ソースに正確かどうかとかよりも量感やエネルギー感、音色のニュアンスの表現が、向いているのだ。最適化されているとでもいうのかな、そういう印象。 -
中田悟 with フィールド・オーケストラ - 月光浴音楽
7トラック目、Black Sand Beach。嵐の海のような音が轟々と鳴り続ける音源。SX100だと空間の広がり、奥行が出て、何やら空恐ろしい再生音になる。Brooklynだと若干広がり感が減って、凄みはあるけど恐ろしさは薄れた感じ。飲み込まれるような暗い深い感じがやや少ない。しかし、これだけ鳴れば普通は十分かな、、、
このくらいにしとくか、、、
いや、これなら十分に代替になる。1ヶ月以上でも待てる感じだ。
SM-SX100が戻ってきたら、音を比べてみよう。
問題は、CDプレーヤーをどこに繋ぐかだけどね、、、どうしようかな。
7月14日、追記。
内容としては、RCA端子からの音はどうなのか。
エントリーをアップして後の更なるウォーミングアップの影響はどうなのかということ。
あと、日本に入ってきていない新型について少し。
まずRCAとXLR、入力の比較について。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1231636.html
これはAV Watchのレビューだけど、ここに書かれているのと同様の印象だった。
引用してみる。
アンバランスでは繊細さ、優しさを主に感じたが、バランス接続は力感が加わり、音的なエネルギーパワーが盛った音になった。特に低音のスケール感が堂々とした。これなら、アンプゲインをブーストしなくてもよいのではと思い、ゼロにした。すると、ベースの雄大さに加え、ポールのヴォーカルの繊細さ、優しさも色濃く感じられる、まさに文字通りバランスの良さが得られた。このアンバランスとバランスのキャラクターの違いはとても面白い。
アンバランスではアンプゲインをブーストして(背面のディップスイッチで+6dBの設定ができる)聴いたと書いてあるんだけど、実際、うちでもRCA入力だと音が小さくなる。回路がどうなってるんだろうかね、、、
ブースト設定の音はうちでは聴いてない。mpdでボリュームを上げたら、そこそこの音量になったからだ。
RCAだと繊細な音になるということだが、こういってはなんだが、RCAではこのアンプの長所が生きないような気がする。
そこそこ細やかな音を鳴らしながらも弱々しくならない、エネルギー感がある音色が出るところがこのアンプのいいところだと思う。RCA入力だと、その美点が半減以下になるような気がする。
それに見合う他の改善点もないように思うので、うちではXLR入力で使っていくことにした。
入力に関しての問題は、それよりも音量に関することだ。
mpdでソフトウェア的に調整しているんだけど、今の使い方だとボリュームが15%とかでちょうどいいような音源もあったりする一方、クラシックなどでは50%以上にすることもあったりする。ほんとうは、30%ぐらいから90%ぐらいで使いたいのだ。
SM-SX100はプリメインなので音量調整ができたけど、Brooklyn Ampはできないので、本当は、良質なプリアンプとかアッテネーターを併用した方が良いと思う。
次にウォーミングアップについて。
このエントリーをアップしてから10日近い。
最初にコンポにつないで以降、パワーオンとスタンバイどちらかの状態で繋いできている。つまり「パワーオフ」の状態は、ほぼ無い。ほぼ無いというのは、ケーブルを変えたりするときに一時的に電源ケーブルを外すということだけど。
Brooklyn Ampにはスイッチオフの状態はなく、完全にオフにするには電源ケーブルを外すということになる。
だけど、その間にも音の分離は細かくなってきているようだ。というのは、BoulezのWooden Princeの弦を弾く音も、JBL Super Soundのおけさにわか囃子でバットでボールを打つ音も、10日前より聴き取り易くなっている。
クラシックのオーケストラのような音源では、こうした変化の恩恵があるようだ。より繊細なニュアンスの表現ができるようになっている。
しかし全体的な印象は大きくは変わっていない。良くも悪くもSM-SX100より絵画的で温かみがある音色だ。
Joni MitchellのA Case of Youは、SX100のような芸術的な鳴り方はしない。その一方で、Fishmansの歌声には若々しい生命感が宿る。これはもう、向き不向きとか好みの問題としか言いようがないだろうな、、、
そして、録音が良くない音源はというと、やっぱり良くない音源は良くないんだけど、SM-SX100ほど分析的じゃないからだろうか、だいぶ聴きやすい。上手く何かに包んで粗を目立たせない鳴らし方をすると思う。案外、オールマイティに使えるかもしれない。
それにしても、ウォーミングアップについては、実は本領発揮するには100時間でも短いということだろう。2週間、つまり300時間のウォーミングアップで改善があったという感じだ。といっても、実は200時間でどうだったかは十分な確認してないんだけど。
あと、市場で売られていない件についてだけど、検索するうちに、実は後継機が発売されていることが分かった。つうか、気付けよ。
Brooklyn AMP+
https://mytekdigital.com/hifi/products/brooklyn-amp-plus/New York, April 2020:
Mytek announces shipping of Brooklyn AMP + a major upgrade of amazing Brooklyn AMP sound.The previous model of “Brooklyn AMP” has been discontinued and replaced with this new “Brooklyn AMP+” . Existing Brooklyn AMP owners can upgrade their units to Brooklyn AMP+ specs for $500. Please email Mytek for upgrade request.
アップグレードがあるんだそうだけど、日本ではどうなるのかな、、、
Mytek US/world Store
https://mytekdigital.com/storeus/Welcome to Mytek Digital US Main Online Store operated by Mytek Head Office in New York.
We offer Free Shipping on all products via UPS (for domestic shipments) and UPS, International Express Mail (EMS), or Fedex, for international shipments depending on destination. This US online store is intended for purchases all around the world EXCEPT European Union.
Shipping is FREE and there are no additional charges onto of the product store price, except for orders shipping to New York State which will have 8.875% NY sales tax added. Available payment methods include all major credit cards and paypal. Orders can also be placed via telephone at +1 347 384 2687 with credit cards accepted over the phone and other payment methods available.Customer Service can be contacted at storeus/aaattt/mytekdigital.com or by calling MyTek Office at +1 347 384 2687. Thank you for visiting the MyTek US Online Store.
Mytekのネットショップなんだけど、日本から買っても送料無料なんだろうか。
なんか、すごいね。
このネットストアから貼られているリンクを、ここにも貼っておく。
HELP NEW YORK CITY #MYTEK2020RELIEF
https://mytekdigital.com/MYTEK2020RELIEF/OUR PLEDGE
MYTEK will donate 10% of sales to charities on the front line in NYC through the next several months of the pandemic. We will donate 10% of our direct sales and 10% of our sales to dealers. We will report the donations at the end of each month on this web page.
そういうことか、、、
このネットショップから買えば、4月のパンデミック以降の数か月間(ということかな)、売上の10%をニューヨークの慈善団体に寄付するらしい。どこに寄付するか等についても記載されている。
日本に残ってるBrooklyn Ampは旧型なので、新型が欲しいという人は直接、Mytekから買うというのもありかもしれない。
Jun 28, 2020
手持ちのアンプでSM-SX100の代替を試みる
さて、6月。ここに来てうちのオーディオには大問題が生じていた。
アンプ(SM-SX100)の電源を入れたままにしていると、ポップノイズが突然出るようになったのだ。
いつ出るかは予測不能。音楽再生中に出ることもあるし、再生していない時にも出る。夜中に寝ていた家族が起こされる事がある。左右のスピーカー、どちらから出るのかはっきりしないが、右から出ることがあるのははっきりしている。
ポップノイズが出た後で、ボリュームのLEDインジケーターの数値表示が固定して動かなくなることがあった。このインジケーターは随分以前から表示が不安定だったんだけど、ボリュームを動かしても数値が変わらないというのは初めてだ。
そんな問題があるから音質は劣化してるかというと、はっきりした劣化はない。
最近は、使わない時には電源を切っていた。以前は入れっ放しだったのだ。長期間、電源を切っていたら、SM-SX100の音質は劣化する。ウォームアップは必須で、本調子に戻るのはスイッチを入れて3日後だ。しかし毎日オンオフしている分には、音質劣化はない様子だった。
しかし、そんな状態で放置していて良いとは、とても思えない。音でびっくりするぐらいなら大した実害はないが、そのうちスピーカーを飛ばすようなことにでもなったら、それこそ後悔先に立たずなんてことだけじゃ済まない。
そうはいっても、ちょっと鳴らしてみるぐらいだと症状が出ないから修理にも持ち込んでも問題無しで帰って来る可能性があるのかと思って多少はデータも取らないといけないのかな、とかなんとか思ってるうちに、6月中旬のある日、ボッとかいって遂に音が出なくなった(おーまいがー、やはり鳴らさないでいたほうが良かったかな?)。
そういうわけで、あれこれ思案中だ。
まず、アンプを修理に出す。
幸い引き受けてくれる修理会社があって、元箱に入れて宅配便で搬送。
それから、、、代替のアンプが問題だ。
とりあえずでいいから音が出るようにする。

ということで、LepaiのデジタルアンプLP-2020A+を引っ張りだしてきた。上の写真はamazonのを引用。
音がいいと評判だったので、なんとなく5年前に1台3000円強で購入したまま死蔵していたのだ。
2台あるから左右に振り分けて使おう、、、
所謂「アンプのパラレル接続」という手法で繋ぐ。
下図のような感じ。

これはかなり昔、やはりSM-SX100が故障した時(当時は音は出ていて、ボリューム表示やセレクターの不具合だったかと思う)、真空管アンプTU-870を2台使ってしのいだときに試みた手法だ。
1台でスピーカー2台を鳴らすより、1台で1台を鳴らす方が余裕が生まれるはずだ。
しかし、さすがにTU-870で4425mk2をドライブするのは不可能で、高域はきれいだったけど、低域が不安定で、たしか、高域を2台のTU-870、低域をDENONの10万円のプリメインで動かして凌いだ気がする。所謂「バイアンプ」という手法を組み合わせた。
こんな感じ。

TU-870とDENONの音量差は聴感で合わせた記憶がある。トータルの音量調整は、Odeon-Lite(DAC)のボリュームを使ったような気がする。まあ、なんとかなるもんだね。なってたのかな?
DENONだけで鳴らすよりは面白かったような記憶がある。
そうこう考えてるうちに、昔のうちのサイトの記載を確認したら、TU-870だけ?でも1ヶ月待てるとか書いてある。どうやってたのだろう?
バイアンプとかパラレル接続は、下記の記事が分かり易いと思う。
面白いミニコンポだね。
“ぶっ飛んだミニコンポ”遂に完成形に。マランツ「M-CR612」のパラレルBTLが凄い / AV Watch 2019年4月25日
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1177815.html
LP-2020A+、とりあえずトーンコントロールを通さないダイレクト接続の設定で使う。
ちょっと聴いてみてトーンコントロールを通す方がまろやかで聴きやすいか?と思ったけど、ダイレクトで使うことにした。
使い始めた当日はちょっと無理かな、と思ったりしたけど、、、
そのうち、、、慣れた?
いや、慣れたというより、、、この小さなアンプもウォーミングアップに数日以上かかるみたい? いや、1週間以上かけて改善している?
デジタルアンプとはそういうものなのだろうか。
クロックが安定するのに時間がかかるのかもしれない。
弄るうちにスピーカー端子の中のバネが外れて壊れる。このタイプの端子って、こんなに簡単に壊れるものだったっけ?
さらに弄くり回し、バネを押し込んで治してみる、、、治ってしまった。こんなに簡単に治るものかね?
しかしこれは注意が必要だ。
下手にスピーカー端子に力を入れたら壊れる事が分かった。
ボリュームは上げられない。
刺々しいというのか歪っぽいというのか、肌理が荒く滲み耳障りになってしまうのでボリュームは10時位の位置で使っている。
いや、正確には10時じゃない。というのは、2つのアンプで同じボリューム位置で音量が違うので、オーディオチェックCDで聴感上で確認して9時半と11時半ぐらいで左右を合わせている。1台しか買ってなかったら気付かなかっただろうけど、こういうことって、どの程度の頻度であるんだろうね。
小音量再生だったら、大きな破綻はない。SM-SX100のときと比べたら4分の1か5分の1ぐらい?の音量だ。
SM-SX100と比べたら、音声の繊細な情報は少なくて音の粒子が大きいので、オーケストラには向かないしスケール感も足りない。
だけど弦楽四重奏とかソナタ(ピアノも含む)、先月あれこれと試聴したボーカルなどは、音数は少ないけどそこそこ普通に鳴るので、最初からこんなものかと思っていたら満足できそうなレベルの音が出る。
アップサンプリングの効果は、使い始めた当初は感じられないかなと思ったが、ウォームイングアップが進んだら44.1/16から384/24、768/32とアップしていくと若干音が良くなっていく。
もちろん、SM-SX100で鳴らしていた時ほどの圧倒的な差は聴きとれない。
情報量が違うしスピーカーの駆動力も違うから当たり前だけど、1台3000円でこれだけ鳴るなら大したものだろう。
でも、結局、どんな音楽を鳴らしてるかというと、このセットで受け入れる事ができるタイプの音楽を選んで聴いている。SM-SX100のときはあまり優先してなかった音楽を聴くことが増えた。これはこれで面白いけど、、、もっといい音で聴きたいもんだね、、、
昔、TU-870(とDENON?)で鳴らした時は、1ヶ月が限度かな、と思ったんだよね、幸い当時は1ヶ月程でSM-SX100も返ってきたと記憶してるんだけど。
今回はどのくらいかかるか分からない。
1ヶ月は、、、待てないかな、待てない気がする、、、いい音で音楽が鳴ることで得られる日常の暮らしの中の「癒し効果」とでもいうのかな、オーディオのそういう役割が昔よりも大きくなってるような気がする。禁断症状が出そうな気がする、、、
そういうわけで、2週間で飽きた。
音質がSM-SX100に劣るのは当たり前だ。それより決定的な問題は、音色の色彩感が足りないことだ。
彩りがあれば多少音質が悪くても音楽に浸ることはできる。真面目に取り組む気があるなら、ケーブルや電源を変えたり改造したりするんだろうけど、代替使用でそこまでやろうという気になりにくい。
そこで、TU-870を引っ張りだしてきた。
久しぶりに触るから、説明書を読み直さないと2つあるスイッチの使い方が分からない。

左がオンオフで、右が入力セレクターだ。
画像はAV Watchの記事から引用。当時は改造も流行っていたけど、うちのは別売オプションだったコンデンサーと真空管プロテクターを付けた以外は素のまま組んだと思う。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/20030709/zooma116.htm
使えるかしら、、、
よく見たら、2台のうち1台はRCA端子が外れている。どこかで壊したまま修理せずにしまい込んだらしい。
修理のため筐体を開ける。、、こんなに半田付け、下手だったっけ?
とりあえず治して、DACとスピーカーにつないで通電。アンプ1台でスピーカー1台、パラレル接続にする、、、音は出るようだ、、、
過去に1ヶ月待てると書いたのは、、、間違いではなかった。
いやー、、驚いた。
TU-870はいいアンプだね、、、
昔の記憶では低域が制動困難とかあったけど、今聴くとそこまででもない。ゆるいというより、伸びてない、出ていない。
中高域には多少響きが乗ってるが、そこそこ綺麗な音でオーケストラでも其れなりに歌ってくれる。これは大きい。不満がないとは言わないけど、この音色なら、まだ待てる。
そういうわけで、SM-SX100のときと比べて3分の1から2分の1ぐらい?の音量で使って、そんなに問題がない。
そんなこんなで、何とか凌いでいる。どうなっていくことでしょうか、、、
Jun 16, 2020
SMSL M500でMQAを聴いてみた(10.26. 追記あり)
最近はサンプリングパラメータ関係で右往左往していたんだけど、一息ついて考えた。
そういえばMQAって最近はどうなってるんだっけ。
今迄、768kHz再生に取り組む方を優先していたのと、MQAを鳴らすなら700kHz台も鳴らせるDACじゃないと試す気になれなかったので、後回しになっていた。要はつまり、比較試聴ができないといけないと。
768kHz MQA DACで検索したら引っかかったDACが、S.M.S.L M500だ。
4万円強、と値段も手頃感があって入手した。MQAとアップサンプリングPCMを比較するためだけに5万以上は出せない。
しかし、考えてみたらMQAとPCM、どちらが上手く鳴るかはDACによっても違うかもしれないし、入力の種類によっても違う可能性がある。今回はうちで鳴らしてみたらどうだったか、という記録で、他のDACだと違う結果になる可能性がある。
さて、M500が届いた。
メガネケーブルでAC100Vに継ぐ。usbからの電力供給では動かない。
うちのPCトラポ(apu2c4/tiny core pure64 / mpd)のusbから入力してみる。
音が出ない?
リモコンのセレクターで入力選択する必要があるのか?
単4電池2本をリモコンに入れて操作。最初に「C」ボタンを押せというトラップがある(よく見たら説明書に書いている)。
usb入力で合ってるようだ。音量は40でMAXらしい。
ここで、下げていたアンプのボリュームを上げたら音が出た。いつから出ていたんだ?
どうもおかしい。音がすごく小さいのだ。
説明書は英語と中国語で書かれているのだけど、小さくて内容は最低限で今回の件では参考にはならない。
小さいとこに小さい字でファームウェアのアドレスが書いてあるんだけど、アクセスしたら「404 not found」。
新品なのに中古感があるとは味な奴である。
この時点で一応、MQA音源を認識するか確認。
所謂「ハイレゾCD」のサンプラーからEACでリッピングしたflacファイル。mpdで再生してMQAと認識。
ちょっと驚いたのは、CD1枚分flac+cue sheetの形式でも認識できる。
しかし、細かいことは後回しだ。
ネット検索したら音が小さいとか出ないとかノイズとかトラブルはあるようで、ファームのアップデートで解消されるらしい。
10.26. 追記。
ふと一応と思って下記のアドレス先がどうなっているか確認したら、6月にこのエントリーを上げた時とは全く違う様相になっていた。つまり、アップデートに関する下の記述は今となっては使えないということだ。ファイル名も変わってしまっているようだし。
内容自体は削除しないけど、線を引いて消しておく。
もしもこれからアップデートをしようという人は、ここの記載は参考程度に留めていただければと思う。
smsl m500 firmwareで検索したら、shenzhenaudio.com のファーム置き場が引っかかるので、ここから落す。
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/
https://download.shenzhenaudio.com/Smsl/M500%201.08%20USB%20firmware/M500%201.08%20USB%20firmware.zip
windowsじゃないとアップデートできないので、windows10のノートPCを起動。
上記のアドレスから「M500 1.08 USB firmware.zip」を落として、解凍したら「Instrutions.txt」というファイルがある。
記載内容を下記に引用。
1. Install the Driver.exe if you are not sure you using a v4.67.0 driver.
2. Run the XMOSUSBDACDfu.exe of the DFU_tool folder.
3. Load the SMSL_M500_1.08_DFU.bin to update the USB firmware.Version note:
1.06 first release
1.07 fixed the android phones sound small problem! with canceling the volume adjust the function of USB.
1.08 fixed the 32bit can not be played.
これで全部だ。
android phones sound small problem!と。linuxのトラポへの対応ができてないらしい。それで音が小さいのね。
usb入力の問題ということは、S/PDIF入力だと問題ないのかな、、、ras pi2のhifiberry Digi+から光出力。
S/PDIFだとMQAだと認識しない。
でも音量は正常だ。
Instrutions.txtに書いてある通りに、ファームを1.08にアップデートする。
まず「1. Install the Driver.exe」とある。
解凍したファイルの中の「XMOS_USBAudio_v4.67.0_setup.exe」を起動し、windowsノートPCにドライバーをインストール。
M500をusbでノートPCに繋いで「XMOSUSBDACDfu.exe」を起動。
うちでは何故か、M500を認識せず。
ひょっとして光入力に設定してたからかな、と思ってリモコンでusbに設定、usbを刺し直したら認識した。入力設定と刺し直し、どっちが効いたか分からない。
XMOSUSBDACDfu.exeのウィンドウ上でファームインストール用の実行ファイル「SMSL_M500_1.08_DFU.bin」を選択、設定して実行。
これで、ファームのアップデート完了。
コンポにつなぎなおして試聴再開。 apu2c4 / tiny core pure64 7.2 / mpd+libsamplerate からusb出力。
音源に使ったのは、ハイレゾCDのサンプラー。MQA-CDと通常CDの2枚組。
これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー [MQA/UHQCD] / universal
https://www.universal-music.co.jp/p/uccg-40079/
クラシックだけじゃなくてジャズやロックのも用意したんだけど、実際に試聴に使ったのは殆どクラシックだ。
MQA-CD、通常CD両方を、EACでリッピングした。
MQA-CDは、トラック毎にflacファイルにしたものと、CD1枚のflac+cue sheet形式にしたものを作った。EACでリッピングしたものはMQAとして読み込めないという情報がネット上にあったので、トラック毎のflacはmqa.flacに変換したものも用意した。
つまり、1曲につき4種類のファイルを作っている。
mqa.flacというのは「MQA TagRestorer」というソフトで作られるファイル。flacファイルのタグにMQAの情報を書き込む。
MQA Tag Renaming Application / MQA
https://www.mqa.co.uk/tag435sdf43te
一見、英語サイトだが、下にスクロールしたら日本語が現れる。WindowsとMacに対応している。
しかしM500の場合は、mqa.flacでなくてもMQAとして読み込んでくれた。
つまり普通にEACでflacとしてリッピングしておけば、MQAファイルとして再生してくれる。flac+cue sheetでも問題ないようだ。cue sheetからアルバム1枚分の曲目リストを取り込み、3曲目を再生、というような操作をしても、ちゃんとMQAとして認識、再生する。
試聴の感想。
MQAは、なにしろ音の立ち上がり、減衰の感触が綺麗。個々の音が混濁せずに立ち上がり程よく主張する良い音だと思った。352.8/24のハイレゾ相当を圧縮解凍しているのだから良くて当たり前かもしれない。
サンプラーの説明書に、当初は176.4kHzの予定だったが音質の観点から352.8kHzにしたと書いてあった。僕自身の経験では、PCM音源は300kHz台以上から明確な音質改善があると感じていて、そういう意味でもサンプラー製作者の判断は正しいと思う。
しかし、曲の開始時にMQAだと認識するのに時間がかかり音が途切れる。
MQAの曲から次のMQAの曲につながる時は問題ないんだけど。
どんな条件で途切れるのか、しばらくはっきりしなかった。
いろんなファイルを繰り返し再生するうちに、何かバッファーの問題?と目星を付け、意外だったんだけど、もしやと思い、mpd.confの「audio_buffer_size」を小さくしたら、すっかり改善してしまった。
こんな影響があるんだね。
mpd以外の再生ソフトでどうなるかは確認していない。
通常CDからリッピングした44.1/16 PCMはどうか。
そんなに悪くない。
これだけ聴いてたら多分、こんなものかと思うんじゃないかな。
しかしMQAと比較したら音が刺々しく音色の分離も劣る。というか、音質を比較するとかするまでもなく、音が鳴りだした瞬間に全く違うということが分かる。
アップサンプリングしたらどうか。
今回の試聴で、mpdによる352.8/24アップサンプリングはMQAに引けを取らないことが確認できた。
情報量は全く同等で互角。
音色の比較も非常に僅差。
だけどアップサンプリングのほうが、大音量のオーケストラなどDACにとって難しそうなところが、本当に少しだけ、混濁せず綺麗に鳴る。ブラインドで区別する自信は全くないけれど。
4万円のDACだからMQAで余力の無さが出るのかも。つまりDACにデコードの負担がかかるだけ不利ということだ。これは機種によって現われ方が違うかもしれない。
僕は、もしかしたらMQAのほうが、PCMアップサンプリングに勝るかもしれないと考えていた。デコードの負担が少ない機種なら、時間軸への対処に優位性があるMQAの音のほうがよくなる可能性があるのではないか。
CD音源705.6kHzへのアップサンプリングだと更に良くなる。情報量が多くてクリアな再生音。
でも、比べたらADI-2 DACで鳴らすほうが音がいい。若干だが音色のグラデーションが細やかで深みがある。M500はやや薄いというか、イメージとしては山麓の清流で、ADIは珊瑚礁の海というイメージだ。
あと問題は、700kHz台はどうも安定して鳴らせない。
なぜかノイズまみれの再生になることがあったり、もとに戻ったり。頻度がどうなのかとか原因とかは確認してない。300kHz台までで使う方が無難な気がする。個体差なのかどうか、どうなんだろう。
今回の比較では、44.1/16 < 192/24 < MQA(352.8/24) ≒ 352.8/24 < 705.6/32、という感じだった。
これは順当といっていいのかな、どうなのだろう。
しかし今回の試聴で、うちでは通常CD同等の44.1/16の音源があればソースには困らないということが、ある程度明らかになった。
MQAはストリーミング音源とかに適するとか。
PCM音源のストリーミングをリアルタイムで768kHzにアップサンプリングして聴けるようにしたらどうなんだろうと考える。しかし現実的には、CDレベルのPCMを768kHzにアップサンプリングするより、MQAデコードのほうが機械の負担としては軽くて済むのかもしれない。それ自体でMQAフルデコードできるDACチップも作られたと聞く。そういうのを使った製品を買う方が、ユーザーは簡単に高音質が得られるだろう。
そういうのに比べたら、CD音源を768kHzになどというのは、ほぼそれ専用に特化したPCトランスポートがあるから出来るのだ。DACという機械にそれも含めて組み込むのは、まだ難しいのかもしれない。
あと今回、今更当たり前のことに気付いた。
PCMアップサンプリングだとmpdのソフトウェアボリュームでリスニングポイントのクライアントPCから音量調整が自由自在だけど、MQAだとその手は使えないんだね。mpdで少しでもボリューム絞ったらMQAでは無くなっちゃう。ただのPCMになる。それこそビットパーフェクトじゃなくなって折り畳まれたデータが使えなくなるのだろう。
つまりアンプまでボリューム調整のため歩かないといけない。
歩けよって事だけど、、、
うちではPCMでいいってことになるかな、、、
M500はフィルターを変更する機能があるんだけど、今回の試聴でそれは使っていない。
デフォルトの「fast linear」のままで、変えたら違うかどうかまでは試していない。
あとバランス出力の方がいいのかな。これはアンプがどうなのかにも依るんだろうけど。
May 31, 2020
ジッター再々考
前回、サンプリングパラメータによるジッターの影響の差異についてという、大仰なタイトルのエントリーを上げたんだけど、ない頭でいろいろ考えている。
繰り返し色々考えているので、今回のタイトルは再々考ということだ。アベノマスクもまだ届かないのに我ながら暇なことだ。
前回のエントリーで僕は「PCトラポによるアップサンプリングもジッター対策だと考えて使ってきている。そもそもハイレゾ音源で音が良くなるのは、それ自体がジッター対策になるからだ」と書いた。
ずっと、そう考えてやってきていた。
それが、どうも違うんじゃないかと考え始めている。
違うというか、考えが足りないと。
今回は、その不足分を追加する試みだ。
でも思いつくままの書き散らかしでとっちらかって、例によって科学的な正確さとは縁がない文章なので、世の中では意味がない内容かもしれない。そういう意味では、アベノマスクのいいかげんさを笑えないエントリーだ。
前回エントリーの試聴では、アップサンプリングと、仮想アースによるFGの安定によって、音がどう変わるかを確認したのだけど。
色々と、考えを改めることになった。
うちのデジタルオーディオに纏わる「仮説」についての話だ。
まず、PCトラポでアップサンプリングすることの意味について。
ジッター対策というよりも「アナログ音声の情報量」への貢献のほうが大きいのではないかと思うようになった。
情報量って、アップサンプリングでデジタルなデータ量が増えるのは当たり前(44.1/16から768/32だと30倍以上)なんだけど、データ量=情報量とかいう、そういう話ではない。
以前は、アップサンプリングに伴って情報量が増える理由について、ジッターの影響が少なくなり、DA変換の正確性が向上することによるものだろう、と考えていた。
最近、考えるようになったのは、デジタル信号から変換されるアナログ音声信号の「振幅」の正確性への影響だ。
DA変換後のアナログ信号の振幅が、より正確に再生されるようになることで、音声の情報量が増加するのではないか、ということ。
わけがわからんね。
もう少し整理していく。
録音に際してアナログ音声は、サンプリング周波数で決められた時間間隔でサンプルされ、デジタルデータにAD変換されている。
サンプルされたデータがアナログ出力にDA変換された信号電圧の数値は、サンプルされた時点の数値はデジタルデータ自体から正確に数値化して変換すればいいのだけど、サンプリングされていない、サンプル間のアナログ出力電圧の数値は、DACチップによる補間で決定される。
補間というか、要するにサンプリング定理に則ってDA変換される過程で、サンプル間をつなぐアナログの電圧の値(振幅)がDA変換によって決定される。
NOS DACだとアップサンプリングなし、補間されて得られる数値は、たしかローパスフィルターの品質に影響されるのかな(違っていたら御免なさいだ)。
通常のDACだと、DACチップによるアップサンプリングを行うので、その品質にも影響される。もしもZOH、Linearなど低品質なアップサンプリングを行うDACチップがあったとしたら、十分に正確な振幅値の抽出が難しく、正確なアナログ波形再現が望めないのではないか。
低品質なアップサンプリングでも理論上は音質上の問題は全くないという説明を何処かで何回か読んだのだけど、僕には難しくてよく分からなかった。
ZOH、Linearなど低品質なアップサンプリングを行った場合、下図のようになる。


本来、DACチップが理論通りに働くなら、アップサンプリングに伴う音質の改善を考慮する必要はなくて、NOS-DACの音質はどうとかいう話もないはずなのだ。理論通りにいかないから、どうしようDACチップでアップサンプリングしようというような話に現実のチップがなっている。
そういう現状なのに、ZOH、Linearみたいなアップサンプリングでも音質に影響しないとは、個人的には中々信じられない。実際、PCトランスポートでZOH、Linearといった設定にしてアップサンプリングした場合、DACがADI-2 DACだと明らかに音質低下がある。むしろそんなことはしないほうがいい。
どのような方法にせよ、サンプル間が補間されて電圧が生じないと問題がある筈。
各々のDACチップなりの手法で電圧出力しているのだろうと思う。
そもそも、その補間自体が正確ではなくて、電圧に時間軸の変動があったり電圧自体の誤差があったりしたら、どうだろう。
そうした変動は、たぶんジッターとして再生音に作用する。
つまり、時間の流れのままに変動しているアナログ再生波形として考えた場合、時間軸の変動も電圧の誤差も、結果として出てくるのは「アナログ波形の乱れ」にしかならないので、区別すること自体ができないのではないか、だったら「ジッターの影響」で括られるのではないか、と思うからだ。
ちょっと、DACチップの気持ちになって、アナログ波形を出力してみた図。

我乍らひどい。
あんまり人に見せられないな、怒る人いるんじゃないかな。
実際には、このようなことにはなってないだろうとは思うのだけど。
それはともかく、PCトランスポートで良質なアップサンプリングをしておけば、DACチップによる補間の影響は小さくなる。
元のアナログ波形をPCでシミュレートし、その波形シミュレーションの振幅変動の数値から、新たなデジタル信号をサンプル数を増やして作り出し(そういうアップサンプリングをするということだけど)、そのデジタル信号をDACに伝える。
再生されるアナログ信号がよりAD変換前の信号に近い正確なものとなる。

アップサンプリングしてやらないとサンプル間の電圧が正確に再現されない(断言してるけど仮説だ)。
再生波形の歪みは20kHZとか聴取可能限界以上で生じるんだろうけど、再生音全てに影響すると思う。
正確なサンプルが増えることで、正確な音声信号の「振幅」の再現が可能になる。
より正確なアナログ波形の再現は、音楽の情報量を増やすことにつながる。
これはハイレゾ音源を使用する場合にも当てはまるだろう。
ここまで書いて、ひっくり返すような話だけど、ふつうに44.1/16の信号をDACチップ通したら、オシロスコープでは問題ないアナログ波形が表示される、というのを過去に何回か何処かしらで読んだことがある。つまり、アップサンプリングしたら正常なアナログ波形が得られるというのは、違うのだという。
しかし、じゃあオシロで正常な波形が出ていれば音質に問題がないかといえば、たぶんそうじゃないんだよね。ジッター対策なんか何もしなくたって、オシロの波形は正常でDACから音は普通に出るのだ。
そしてそういう音にオーディオファイルは満足できない。
僕は何を聴いているのだろう、ということになるのだけど。何が一体、どうなってるんだろうね、、、
DACチップに上記のような問題があるというのも仮説で、ジッターがどのようにDACチップに作用するのかもよく分からないのだけど。
次に、仮想アースによるジッター改善に伴い、再生音の音楽性改善がみられることについて。
驚いたのは、アップサンプリングによるよりも、PCトランスポートの仮想アースによるジッター低減のほうが音楽性の改善効果が大きかったことだ。まあ、驚くことじゃないと言われたらそうなんだけど、想定以上の音の変化があった。
ここでいう「音楽性」とは、音色の鮮度、色彩感、生命感といった感触。音色の自然さ、リアリティも含めたいところだが、前回の試聴では逆に不自然に感じられたケースがあり、ことは単純ではないみたい。改善するのが「音楽性」という漠然とした表現しかできないのも難しいところ。
サンプリング周波数には関係なく、ジッター改善に伴い再生音の音楽性の改善がみられる。
さらに今回、新たに気付いた。
サンプリング周波数が一定なら、ジッター改善に伴う音質向上に際して、基本的には情報量の向上は伴わない。
本当に?
いや、でも、なんだかそんな感じだよね?
ちょっとこれは僕にとっては意外なことだった。
僕は今まで、ジッターが改善され音質が良くなれば情報量も増えると、勝手に思い込んでいた。
考えてみたら、うちのオーディオの音質改善は、かなりの場面でアップサンプリングと足並み揃えていたので、「ジッター改善」に伴う情報量の増加について、ちゃんと意識し比較したこと自体がなかった。あるいは、音色が綺麗になって聴き取り易くなったのを「情報量が増えた」というように表現した事も、もしかしたらあったかもしれない。
今回の試聴で、情報量と音楽性、パラメータが2つになって、ちょっと、今まで何してたの?、という気持ちにもなったりしてるんだけど、、、ともかく、ジッター改善に伴う音質改善が、音声の情報量増加につながらないらしい?のは、僕にとってはかなり意外で困惑した。音楽性の向上は情報量の向上によるものと、ずっと考えていたんだからね。
そもそも、アップサンプリングの有無によってDA変換後の情報量が変わるということ自体が、理論的には有り得ないことだ。
デジタルデータはサンプリング定理に沿って再生されれば正確に再現される、理論的には。
現実にはそうはいかない。
ならばジッターを低減さえすれば理想的な再生に近づくに違いない、と考えていた。アップサンプリングで音声の情報量が増えるのは、アップサンプリングによってジッターの影響が減ることで理論的なDA変換に近づくから情報量が増えるのだ、と思っていた。
だけど今回、どうも、ことはそう単純ではない?という考えに至った、ということだ。
ジッターが改善したら「音楽性」が改善するが、音声の情報量は増えない。
正確なアップサンプリングを行うことで、CD音源に含まれている本当の情報量を引き出すことが出来る。
逆に言えば、情報量の向上がなくてもジッターの低減によって再生音の「音楽性」の向上を目指すことは出来る。
また、アップサンプリング自体にジッターの悪影響を減らす作用がある、という以前からの考えは、今でも妥当ではないかと思っている。アップサンプリングで情報量の向上だけではなく、音楽性の改善も得られるからだ(仮想アース程ではないけれど)。
しかし、どんな挙動がどのように作用しているかは分からない。
過去に僕の考えをアップしたことはあったが、当時から科学的な根拠がある論考ではなかったし、当時の考えだけでは足りなかったと思ってこんなエントリーを上げてはいるが、科学技術的根拠がないという意味では相変わらず机上の空論のままなのだ。
今回、更に、もしかしたらと思ったのは、データのサンプリングパラメータによって、ジッターの影響の現れ方が違い、音質劣化の聴こえ方も違うのではないか、ということ。だけど、なんだか手に負えない感があるし、そろそろ息切れ気味なので、今回はここまで。
May 24, 2020
サンプリングパラメータによるジッターの影響の差異について
GW以降、久しぶりに政治的なエントリーをあげたいと思ってたんだけど、まとまらない。
表現者とかアーティスト職の人たちが、政治的発言をすることの難しさと日本の現状についてといった内容。
しかし、どうにもまとめきれない。そうこうするうちに、SNSのツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」というのがあって。黒川氏が辞任らしい。
なんだかもう、整理がつかん。
そういうのに比べたら、オーディオに関するエントリーは書きやすい。
書きやすいと言いながら、今回のエントリーは、読むのも大変だと思う。
なにしろだらだら長いのだ。
闇雲に何かしてるだけで収拾も付いていないし結論もない。大仰なタイトルだが内容は薄い。
CDが登場した頃、デジタルっぽい音という言葉が生まれた。
音が良くないと多くの人が感じたのだ。
実際、僕が最初にCDを聴いた当時のコンポはひどい代物だったけど、アナログのほうがいい音だと思った。
CDは、くぐもってるというか、生命感がないというか、灰色のベールを被ったような感触で、ひどいコンポでもそれなりに生き生きと鳴るアナログレコードよりCDのほうが音がいいとは思えなかった。10年ぐらいはそんな感じで過ごしていたように思う。
世間でもアナログ優位ということはずっと言われていて、デジタル同等というのは最近だ。
最近、デジタル音源の音は良くなったのだ。
CDも昔より音が良くなった。
録音が良くなった?いや、意外に、昔のCDも今の環境で鳴らすといいことも多い。
つまり、再生環境が良くなった。
再生環境のどこが良くなったんだろうか。
DACチップが変わったとか、いろいろあるんだろうけど、要するにジッターへの対策が昔よりも進んだのだろう。ノイズ対策や電源の強化が、デジタル音源の再生には必須な事も分かってきた。ある程度の対策は、うちでも行っている。
僕は、PCトラポによるアップサンプリングもジッター対策だと考えて使ってきている。
そもそもハイレゾ音源で音が良くなるのは、それ自体がジッター対策になるからだ。
PCM300kHz台でかなりの音質向上があり、700kHz台で更に改善があった。
その700kHz台で聴き始めた、今から1年前に、ボーカル録音への違和感についてエントリーを挙げた事がある。
アップサンプリングについて色々
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20190222a.htm
歌声の録音について自分なりに考えた
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20190320a.htm
先日、これらに訂正の追記を入れているのだけど。
今回のエントリーはそれに関連している。
当時、あらゆる楽音がリアリティを増したように聴こえる中、ポップミュージックのボーカルだけが違和感を増した。
音としての情報量は増えているようなのに、何か聴きづらい。しかも当初はJPop音源しか気付かなかった。
当時の僕は、録音の質に解を求めた。
その後、ボーカルの違和感を感じる音源はJPopだけではなく、欧米の音源にもあることが分かってきた。それも意外な、優秀録音とされていて300kHz台で素晴らしい声を聞かせてくれた音源ですらも。
自分なりに考えたりするうちに、多少は違和感は減っていた。
自分が慣れたのか、とも思っていたんだけど、インシュレーターを新たに追加したりリピーターハブを使ったり仮想アースを足したり、いろいろやっていたのが影響した?というのもあったのかもしれない。
銅板仮想アースをapu2c4、705.6kHz NAS mountで使い始めた時点で、この音質改善はどういうことだ?という気持ちが芽生え始めた。
ここで起きている音の変化は何に伴うものなのか。
アンプに使っていた時のアナログな変化とは違う。
PCトラポのGNDを銅板で拡張することで、GND電位が安定しクロックジッター低減につながっているとしたら、これはジッター低減に伴う音質改善を聴いているということだ、、、
今年の春から、Elitebook 2570pとapu2d4によるPPAP方式に移行した。
PPAPは更にジッターを減らす再生方式だ。
PPAP 768kHzで、いよいよ全く、1年前に感じていた違和感がなくなった。
なくなったのだ。
違和感を感じていたはずの声が、違和感を感じ始める前よりもっと自然に、オーディオ的な驚き、、、いや、音楽自体の美しさそのものをもって耳に届く。
ここに至って、ようやく気がついた。
あの違和感は、残存していたジッターによるものだ。録音のせいなどではない。
そんな断言していいのかね。
最低限の検証は、しないといけない。検証って何って、、、聴くだけなんだけどね。
システムから外していたapu2c4を戻して比較することにした。
apu2c4で、705.6kHz NAS mount再生を試みた。
LANの状況が違う。当時の100Base-Tではなく、1000Base-Tだ。1年前の100Base-Tに戻してもいいんだけど、、、既にFX08-miniは他所で使ってるんだよね。
比較試聴に使った音源は以下。
- 赤い鳥 - heritage from '70s CD選書 ベスト / 翼をください
- 矢野顕子 - Soft Landing / Bye Bye
- 井筒香奈江 - Laidback 2018 / Little Wing
- Joni Mitchell - Blue / A Case of You
- The Rolling Stones - Let It Bleed / Love in Vain ~ Country Honk
PPAP 768kHz | 705.6kHz NAS mount | |
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赤い鳥 翼をください |
イントロのピアノが綺麗。優しい音色だ。歌声の導入も柔く自然で、表情豊か。上手いなあ、と思わず感心する。音楽のニュアンスが伝わるボーカルだ。ハーモニーも綺麗。ドラムやベースも程よい存在感を主張する感じで聴こえる。PPAP 768kHzの音は繊細で丁寧だ。 |
イントロのピアノと歌声、ともに、PPAP 768kHzと比較したら荒さがある。1年前に「スピーカーを通した歌声のようだ」と評価したのはボーカルだけだったけど、改めて比較して聴くとピアノも硬い。ハーモニーやリズム隊も、比べたら雑でやっ付け仕事みたいな印象の音に聞こえる。 |
矢野顕子 Bye Bye |
ピアノとボーカルで曲が始まる。矢野の声は独特のハスキーさがあって、再生環境によっては難しい刺々しさが出るんだけど、そんなことは全くなく、難なく歌の優しさを表現する。 |
やはり「スピーカーを通した音」という感じの聴きにくさがある。矢野の歌は、その表情の変化が再生されないと、芸術性の多くがかき消されてしまうという事が、この試聴でよく分かった。 |
井筒香奈江 Little Wing |
イントロのエレキベースの沈み込みが深い。歌声は自然にひびく。実はこれは、以前に705.6kHzで聴いた時に、そのウィスパーボイスに強い違和感を感じた音源だった。終盤、ボーカルにエコーがかかるんだけど、それも違和感なく聞ける。 |
イントロのエレキベースが、何か不自然、、、歌声は、やはりカサ付いた感じで、ハスキーに聞こえるとも言えるが、不自然だ。終盤のエコーは、神秘的な感じではなく、お風呂場という感じ。安っぽく聞こえる。カラオケのエコーか、、、こんなに違うものか、、、 |
Joni Mitchell A Case of You |
イントロのギター、ささやくように歌い始めるジョニ。音楽は徐々に熱を帯び秘めた思いの発露となっていく。オーディオという機械がどのようにして音楽性という掴みどころがないものに貢献できるのかを見せつけられている感じだ。 |
1年前に洋楽で最初に違和感を感じたのは、優秀録音とされていたこの音源だ。384kHzで聴こえなかったニュアンスが聴こえるのに、歌声に違和感が生じた。何かがうまくいっていない感じ。当時はいろいろ問題が重なっていたけど。しかし、今、聴いても、そんなにひどくはないのだ。圧倒的な芸術ではない、というだけで。それが何か決定的な差異を生んでいる。 |
The Rolling Stones Love in Vain Country Honk |
Love in Vainのほうがクリアで、そこでミックが歌っているかのような音がする。生々しい。酔わせる歌だ。Country Honkのほうがややノイジーで、ラジオからの音のようにも聞こえる歌声。それでも生命感を感じる再生音で、違和感は感じられない。つまり、ノイジーな録音だったらいけないという訳ではないんだね。 |
この再生自体、悪い感じではない。ミックは素晴らしいボーカリストで、その音楽性を引き出していると思う。しかし歌声の深みが違う。他の楽器も含めて、PPAP 768kHzと比較したらわずかに埃っぽい再生音だ。ほんの少しの違いだが、聴く者の感受性への訴えかけはかなり違う。この差はLove in Vainの方が大きかった。 |
こんな感じ。
しかし、、、こんなに違ったっけ? FX08-miniを戻してみるべきか?あと、当時は仮想アースを使っていなかったので、今回のapu2c4にも使っていない。その差異もあるのかもしれないが、、、
PPAP 768kHzのほうが、ずっと音楽的だ。
比べると705.6kHz NAS mountの音は、ノイズっぽい。
ただ、楽器の音は差異が小さいと感じる。違和感が少ない。これに対してボーカルは聴き分けやすい。差が大きいのだ。
改めて聴き直すと、ボーカル以外の楽器音や環境音も違いがあるのがわかる。しかし、やはり違和感とまでは感じられない。人の声は、わずかな差異でも気付きやすいのだと思う。音源によっては全く違うという印象を受ける。逆に差が少ない音源もあるということだ。
ここで、サンプリング周波数によって、どのような聴こえ方の変化があるのか聴き較べてみよう、という気になった。
ハードの条件は同じ、apu2c4、NAS mountだ。
音源は、705.6kHzで聴いたのと同じものを聴く。
384kHz 24bit |
700kHz台と比較したら再生音の情報量は減る。しかし、これはこれでいい音に聞こえる。 |
192kHz 24bit |
翼をくださいは、更に情報量が減ってきたな、という感じ。しかしバランスはとれている。ポップスとして気持ちよく聞けるのは聞ける。 |
96kHz 24bit |
普通に聞ける。でもカーステレオと差別化できるかと言われたら、まあ感動は同じぐらいかな、と思う(うちのマツダロードスターのカーステレオはBoseでデジタルアンプで、音源は320kbps mp3を音楽再生専用にしたBlackberry bold 9000のイヤホンジャックから出力している。こういっちゃなんだが悪くない音がする。低音ときどきブーミーだけど、クラシックでもロックでもいい感じに鳴る)。 |
44.1kHz 16bit |
CDリッピング音源、アップサンプリングなし。 |
44.1kHz 16bit 仮想アース |
ふと思いついて、銅板仮想アースを使ってみる。
付けて鳴らしてみたところ、、、驚いた。 |
96kHz 24bit 仮想アース |
仮想アースなしの時の、カーステレオみたい?という感じはなくなっている。 |
192kHz 24bit 仮想アース |
翼をください、のびやかな歌声、、、コーラスもごちゃっとせずに分離し、同時にハーモニーは溶けあう。ピアノはピアノになった。矢野顕子は芸術家になった。井筒は録音いい感じになってきた。ジョニの唄は96kHzと大きな変化はない。しかし楽器が更に良くなった。ミックも上手いボーカリストだったんだなあ。44.1/16のときのアンバランスな感じは、すっかりなくなった。 |
384kHz 24bit 仮想アース |
192kHzから更に向上、音色のニュアンスがより深いとこまで表現できてる感じ。 |
705.6kHz 32bit 仮想アース |
2ヶ月前までメインシステムで使っていた設定だ。久しぶりに戻して聞いてみる。 |
768kHz 32bit 仮想アース PPAP |
現在のメイン設定、PPAPに戻ってみた。 こうして比較してみたら、サンプリング周波数が小さいほうが仮想アースの影響は大きいようだ。44.1/16では影響が大きすぎて不自然に聞こえてしまった(これはどう考えたらいいのか、よく分からない)。サンプリング周波数を上げるに連れて不自然さは解消した。しかし、では700kHz台では影響が小さいから必要ないかといえば、逆に全くそんなことはなくて、小さな音質変化が大きく音楽性に影響するみたいだ。なんだろうねこれは。 |
96kHz 24bit 仮想アース Ras pi2 i2s optical |
ここで思い付いて、最近、低音質音源用に使っているRaspberry pi2に仮想アースを使ってみることにした。
apu2c4のusb出力と比べたら、仮想アースの効果は少ないみたい。 |
試聴経過は、取り敢えず以上だ。しかし、どう考えたらいいんだろう。いろんな要素が混在して評価しにくい。
まずボーカル。
PPAP 768kHzを基準として、サンプリングパラメータを下げていくにつれて、砂っぽく、ノイズっぽくなっていくのは共通。
384kHzではまだ高評価だ。
192kHzあたりから評価がぼやけてくる。なんというか、ゼネラルオーディオと差別化する意義を見出せなくなってくるというか。
考えてみたら、これってRME ADI-2 DACにとっては、かなり辛口の評価なんだけど、実際、僕の耳にはそう聞こえたんだからしょうがない。i2s-opticalから良質なデジタル信号を入力した時の音は96/24でもかなり良いので、それだけ今回の試聴に使ったusbデジタル信号には問題があるのかも、、、
仮想アース追加後、随分、音色の表情が変わった。
44.1kHz/16bitでの評価は、どう考えたものか難しい。
96kHz以上では、順当に音質改善があるように思う。384kHz以上で何故か洋楽アーティストの声に違和感があるような。これもどう考えるべきか分からない。768kHz PPAPでは違和感ないのだけど、、、
楽器のほうも、サンプリングパラメータを下げていくにつれてノイズっぽくなっていく。
ピアノについての評価が辛い。192kHzでオモチャと評価している。
井筒のベースも評価が辛い、というかパラメータによって随分変わる。
ボーカル同様、仮想アース追加後の方が評価が上がる。
192kHzで、ピアノがピアノになったと評価している。
楽器によって傾向が出ないかとか思ってたけど、録音も違えば音楽ジャンルも違うのでまとまった結論が出せない。当たり前か。
とりあえず、PCトラポに仮想アースは效く効くということではある。GNDの安定によってジッター低減につながっているのだろうか。
ここまでで、つかれた。。。限界を感じるのでこのくらいにする。
May 04, 2020
今更だがpiCore7を復帰させる
いろいろ世の中も生活も面倒な状況が続いている。
仕事柄、休んでばかりもいられない。それでもGWはそこそこ休みがある。休めるだけいい。
前回のエントリーで、PPAP方式で複数のサンプリングパラメータを使い分ける方法を書いた。
だけど、どうもPPAP 192/24、96/24で使っていると、クライアントの操作に音楽再生の追随が5、6秒ほど遅れる。まどろっこしくてストレスになる事がわかった。
最初にncmpcppから再生開始の指示を出すときは直ぐに反応する。しかし音量を調節したら反応するのに5秒ほどかかる。他の曲に変えようとして操作したら、やはりそのぐらい遅延が生じるのだ。
ちなみに、768/32 PPAPでは全くそんなことがない。遅延はあるかないか分からない程度としか感じない。快適そのものだ。
つまり処理能力の問題ではなく、何処かの設定だか何かによるものだと思う。
しかし、どうしたら直せるのかは分からない。
以前に使っていた時はこんなだったっけ?ハードやOSの違いによるのかな?とか思いながら使っていたが、だんだんPPAPではない他の方法を探そうという気持ちになってきた。だって低音質音源への対応に、そんなストレス抱えてちゃいかんでしょ。NASマウントによるmpd再生に回帰することにした。
最初に思いついたのは、raspberry pi2の再利用。
既存の音楽再生用ディストリビューションを利用できる。
lightMPD、Symphonic MPD、、、いや、それはなんというか、大根切るのに日本刀みたいでバランスが悪すぎる。
いっそのこと、VolumioとかMoodeぐらいでいいか、、、
Moodeをダウンロード、、、遅すぎる。昨今の時世のでネットが重いせいか2時間以上かかった上、DL失敗と表示された。
Volumio2は、、、設定がめんどう、、、やっぱりなじめない。
そういえば、以前開発終了していた頃に落としたArchphileがあったな、、NASをマウントしない。sshでログインしていじっても、設定が保存されない。
そんなこんなで、どうしようかと思案するうち、piCore7でいいんじゃないのかと気付く。
うちで使いやすい再生環境を作るとなったとき、簡便で手軽なのはこれが一番だったということを思い出した。
piCore7はmpdがtczファイルで用意されているので、簡単に環境構築ができる。
やり方は過去のエントリーほぼそのままで楽々。備忘録残しておいてよかった。
1時間ほどで完成する。
piCore7にmpdをインストールする方法
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180103a.htm
以前の行程と違うのは、ip固定にしていないのと(最近は固定せずに使うことが増えた。DHCPサーバーまかせだ)、ディスクイメージ拡張の際にmicroSDカードいっぱいには拡張せずに200MBで納めておいたこと。せっかくなのでmpdをインストールしたmicroSDカードからバックアップのディスクイメージを作ることにしたのだ。
tc@box:~$ sudo fdisk -u /dev/mmcblk0 Command (m for help): p Disk /dev/mmcblk0: 3965 MB, 3965190144 bytes 3 heads, 8 sectors/track, 322688 cylinders, total 7744512 sectors Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/mmcblk0p1 8192 69631 30720 c Win95 FAT32 (LBA) /dev/mmcblk0p2 69648 93119 11736 83 Linux Command (m for help): d Partition number (1-4): 2 Command (m for help): n Command action e extended p primary partition (1-4) p Partition number (1-4): 2 First sector (8-7744511, default 8): 69648 Last sector or +size or +sizeM or +sizeK (69648-7744511, default 7744511): +200M Command (m for help): w The partition table has been altered. Calling ioctl() to re-read partition table fdisk: WARNING: rereading partition table failed, kernel still uses old table: Device or resource busy tc@box:~$ sudo reboot tc@192.168.1.77's password: ( '>') /) TC (\ Core is distributed with ABSOLUTELY NO WARRANTY. (/-_--_-\) www.tinycorelinux.net tc@box:~$ sudo resize2fs /dev/mmcblk0p2 resize2fs 1.42.13 (17-May-2015) Filesystem at /dev/mmcblk0p2 is mounted on /mnt/mmcblk0p2; on-line resizing required old_desc_blocks = 1, new_desc_blocks = 1 The filesystem on /dev/mmcblk0p2 is now 195312 (1k) blocks long.
これで220MB強のサイズになった。
mpdインストールの工程が終わって出来たmicroSDカードから「dd」コマンドでバックアップのディスクイメージを作る。
これは普段使いのノートPC、Fedoraでの仕事。
若干余裕を見て、250MB程の大きさで指示する。
[ab@fedora1 ~]$ sudo dd if=/dev/sdb of=~/Downloads/z.img bs=1M count=250 status=progress 255852544 bytes (256 MB, 244 MiB) copied, 8 s, 31.9 MB/s 250+0 レコード入力 250+0 レコード出力 262144000 bytes (262 MB, 250 MiB) copied, 8.2029 s, 32.0 MB/s [ab@fedora1 ~]$
これで、262.1MBのディスクイメージが出来た。
何かあった時に焼いて使う。
以前に、大きくし過ぎたパーティション(SDカードいっぱいで8GBとか)を縮小してバックアップしようと試みたこともあったんだけど、動作しなくなったり何かと不具合があったので、やっぱり予め小さめに作った上でディスクイメージにした方がいいと考えた。
めったにこういうことはしないので、じきに忘れるので備忘録。
今回はせっかくなのでネットラジオもpiCore7で聴けるようにした。
NASにそれ用のディレクトリ「netradio」を作ってpls形式というネットラジオ用のファイルを置く。
mpdはこれらをプレイリストとして扱うので、ncmpcppで選択して再生指示すれば、ストリーミング再生が可能。
Linnのネットラジオとかを聴いている。
本当はらじるらじるとか聴けるようにしたいんだけど難しい。もっと簡単に聴けたらいいのに。
ただ、ネットラジオ再生中、ときどきncmpcppがエラー音を吐く。
コンポのほうは問題なく再生しているけど、クライアントpcから「ピコッ、、、ピコッ、、、」と音がするのだ。ncmpcppを閉じると消える。起こすとまた鳴り始める。
曲が変わると消えるので、音源由来で何かあるのかもしれないけど、よく分からない。
Ras pi2からの出力について。
usb出力はDACの追加が要るので扱いにくいし、i2s DACでアナログ出力もアンプに受け入れ場所がない。
そういうわけで、hifiberry Digi+で、SPDIF出力することにした。
出力先をSM-SX100やOdeon-liteにしたら、768/32 PPAPとの切り替えの際にSM-SX100の入力セレクターを弄らないといけない。
ずいぶん前からセレクターの反応が悪いので、なるべく触りたくないという事情がある。
ADI-2 DACにはusb、coaxial、optical、3つの入力端子があるんだけど、何れかからの入力があれば自動的に識別して再生してくれる機能がある。つまり、入力切替をDACがやってくれるということだ。
apu2d4からのusb-768/32と、ras pi2-Digi+からのoptical-96/24、両方をADI-2 DACに繋いでおけば、椅子に座ってノートPCからどちらのmpdを鳴らすか指示を出すだけで、ADI-2 DACが入力された音源を再生してくれて、SM-SX100のセレクターは触る必要がない。
問題は両方から同時に入力したらどうなるか分からないってことだけど、これはしないように注意するということで。
そういうわけで、現在はPCトラポは2本立てだ。

GWでのんびり過ごしていても、世界は大きく揺れている。
とにかく、暮々もみなさま、御自愛の程を。
Apr 14, 2020
700kHz台でPPAP 複数のFrontを使い分ける(2020.05.01、2023.06.22 追記)
2023年6月22日、追記。
久しぶりにこの手法を使ってみようとしたら、なぜか使えなくなっていた。
1つのシステムで2つ以上のncatを動かせなくなった、と言えばいいか。
使えない理由ははっきりしない。というか、こうなると、当時使えた理由も分からない。なんで動いたんだろう、というか。
しかし、あれこれやるうちに、当時のやり方を思い出してきて、何で出来たのか分かった。
当時は2つめのncatは、sshでログイン後にターミナルソフトからコマンドを打っていたのだ。
自動起動のncatと、ターミナルから起動するncatでは、ユーザーが異なる。要するに、其々のncatにユーザーが1つずつ必要なのだ。2つのncatを動かすには、2つのユーザーが要る。
このあたりの手法は、記録していなかった。
当時は、bootlocal.shから2つ起動させようとしなかったので、気付かないままになったらしい。
以上、追記。
768kHzのPPAPで聴き始めて1ヶ月程。
前回のエントリーで戻れないだろうと書いて、やはりその通りになっている。
音源の音楽的な情報を今まで以上に引き出していると思う。より生々しく、色彩、陰影豊かにという感じ。
ただ、この聴き方だとうまくいかない音源が散見される。
クラシック系や録音が良いとされている音源はたいてい問題なく、768kHzでより良く鳴ることが多い。
しかし、ポップミュージック系は録音の良し悪しの幅が大きく、良くないものは一層の違和感を生じるようになった。
以前にエントリーに上げていたボーカルの違和感というのではない。それはむしろ減っている。
それよりも、作品の音質全体がなんだか上手くいっていないというか、粗が目立つというか、聴き続けるのが苦痛になる。高域がきついとかノイズっぽいとか聴き疲れするとか、そういうのではなく、ただただ録音が悪いというのがはっきり分かっていやになる感じ。
そこまでひどいのは、そんなに多くはないのだけど。
精緻なオーディオ再生はもとから考えていないだろうなという音源の一部は、768kHzで聴かないほうがいい。
いっそのことと思って、そういう音源は768kHz以下の周波数、例えば192kHzでの再生を試みている。
そのぐらいに落としたら、違和感なく聴ける音源も増えてくる。
方法は、下図の通り。
うちのシステムの上流は最近はこんな感じだ。

上にBack-endのapu2d4。
中央に2つのFront。1つはapu2c4、もう1つは新たに入手したHP Elitebook 2570p。
下に、mpdクライアントncmpcppを動かすHP compaq 6730b。
Back-endのapu2d4には2組のncat/aplayeraplayが動いていて、異なるサンプリング周波数、ビット深度を担当している。
異なるポートをあてがうことで、こういうことが可能になる。
ともに出力はusbで1つのDACに継いでいるので、同時に音出ししたらどうなるのかということはあるのだけど、怖くて試していない。
その点で注意は必要だが、Back-endの設定変更の手間をかける必要なく入出力を変更できるのは便利だし、スピーディに変更できるので音質の比較も容易になる。
コマンドが1つか2つかで音質の変化があるかどうかは、僕には聴き分けられなかった。
Front 1は以前から使っているapu2c4。
ずっと705.6kHzへのアップサンプリングで使ってきたんだけど(768kHzは限界を超える)、より高スペックのPCから出力する768kHzのほうが1割方、音がいい。そこで、低めのサンプリング周波数でのPPAPに対応してもらうことにした。今のところ192kHz/24bitだが、どのあたりが塩梅がいいか、追々検討していくつもり。
apu2c4の使用法を変更するにあたって、mpd.confの設定に多少戸惑った。
というのは、192kHzや96kHzで音を出すと、なぜか音が途切れるのだ。
アップサンプリングの負担は少ないはずなのに、、、以前使っていた時、どうだったっけ?
あれこれ試行錯誤したところ、どうもPPAP Frontには「buffer_before_play」を奢ってやる必要がある事が分かってきた。
この数値が足りないと、音切れが起きやすかったりクライアントからの操作への追随が遅れたりと、問題が起きる。
しかし、以前は気付かなかった。
もしかしたら、使用するハードによって何か違ってくるのかもしれない。分からないけど。
Front 2のHP Elitebook 2570pは中古で新規購入した。
HP ProBook 650 G1を使っていたんだけど、サイズが大きめなのと、将来的に子供がwindows10で使う役割が急にできてしまった。
どうしたものかと迷ったんだけど、結局、HPのノートにした。
まずモニターが付いていて折りたためること。1ボードPCで必要に応じて外部モニターやシリアル接続というのもあるけど、bios確認するのにいちいちモニターとか面倒だ。最終的にノートにすることにした。音質への影響は、多分それでも十分だろうと割り切った。
650 G1よりもう少し小型で、メモリの速度が十分で、というわけで、中古で1万3千円強だった2570pにした。たぶんwindows7でHDDにリカバリ領域がないから安かったのではないか。usb起動で使うのでHDDは外してしまった。こういう対応がしやすいのもこの機種を選んだ理由。
usbメモリにtiny core pure64 11.1で起動して、mpd 0.20.20をインストールしてFront化した。
768kHz/32bitを問題なく再生出来ている。
しかし、少し音が硬いんだな、、、
サイズが小さい割に3kgもあって、それで凝集した感じの音になってるのか?と思ったけど、徐々にほぐれつつある気がする。
あと、メモリが4GBと650 G1よりも少ない。これは追々、増やしてみようと思う。
5月1日、追記。
メモリを8GBにしてみた。意外にも、というとあれだが、かなり良くなった。
床に根を張ったような安定感がある音がする。大地に根を張るような、とまでいうのは気恥ずかしいので謙遜した。しかし床といってもグランドピアノを置いてある床のつもりなので、まあ、そういう感じだ。キレもいい。空気を貫いてくる音が貫く空気の感触がわかる感じ。どういう感じだ。
これだけ鳴ってくれたらもう十分かも、という音が出ている。過去にも繰り返しそんな事を言ってるけど。
しかし、そんな状態でも下記のようなエラーが出る事があった。
tc@box:~$ 768 Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo underrun!!! (at least 6168.253 ms long) Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo ^C
768というのはalias登録している短縮コマンドで、768khz/32bit PPAP back-endとして機能してるということだ。
「underrun!!!」とエラー表示されている。
このエラーが出たときは数秒間、音が途切れた。
6秒までは途切れなかったと思う。3、4秒だったんじゃないかな。1回きりで、その後はない。ないので、様子見ということに今はしている。
クライアントは普段使いのHP Compaq 6730bで、ncmpcppでFrontのmpdにアクセスし操作している。
図の通りなんだけど、アカウントを複数使うことで、設定が異なる複数のncmpcppを同時に運用できる。ターミナルソフトのウインドウが多くなると紛らわしいので、ワークスペースの切り替えで対応している(ワークスペースというのはlinuxの機能で、切り替えが効くデスクトップみたいなものだ)。
将来的には、2つのFrontを1つにまとめていくことも考えている。
つまり、Frontにアカウントを追加して、個々のアカウントでmpdを動かせば、1つのPCで複数のmpdを動かす事ができるということだ。
クライアントへのポートは6600がデフォルトだけど、他の使われていない数字を充てることもできるので、1つのPCで、複数のクライアント、複数のmpdを動かすことができるのではないか(つまり、過去のエントリー http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20161231a.htm に記載したようなことをやる)。
まあ、先の話だけど。
新型コロナウイルスが、日本中、世界中で僕達の生活を脅かしている。こんなことはSF小説で読んだ事があるばかりで、現代社会で実際に起きるという気構えは全くしていなかった。そして、ここまで政府が無能だということも、、、いや、無能というよりも怠惰で非情ということだ。予想してなかったとは言わないが、もう少しマシであって欲しかった。
それでも、この現実に向き合い、対処しないといけない。
協力できる人と協力し、できることを行い、1人でも多くの無事を祈るばかりだ。
とにかく、みなさま、御自愛の程を。
Mar 20, 2020
700kHz台でPPAP(22日、4月7日追記)
piCore7でppap (piped pcm audio play)を試みる
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20180301a.htm
上記のエントリーをあげたのがほぼ2年前。
当時のハードはraspberry pi2。aplayの仕様で192kHzまでが限界だった。
その後、PPAPはやめて、384kHz、更にapu2による700kHz台でのアップサンプリング再生に移行していた。
新しいバージョンのalsaを使える環境なら700kHz台でのPPAPは可能だろうと思っていたんだけど、手頃な環境がなかなか無かったので、機が熟すのを待っていた。
最近、tiny core pure64 11.0で、aplay: version 1.2.1、nmap.tczも用意されたので、やってみた。
簡単にPPAP back-endとして機能した。
でも700kHz台になると、安定して鳴らすには設定に気を使う感じだ。
まず、普段からmpd + libsamplerateで700kHzへのアップサンプリング再生に使っていたapu2c4のtiny core pure64 7.2の設定。というか、これは以前にnmap、ncatをインストールしてそのままなんだけど、そのときは動くことを確認しただけで、その後は使っていなかった。mpdも、そのときにpipe出力を使える形でインストールしていた。
今回、いよいよ本格的に使うことになる。
mpd.confに「pipe」出力の設定を書き込み、alsaの設定はコメントアウト。
これでmpdを再起動したら、PPAP Frontとして機能する。
OSのバージョンが古くて7.2、mpdは0.19.19のままなんだけど、それでも十分使える。というか、それ以外のバージョンは新しいのも含めて試していない。
audio_output { type "pipe" name "ppappipe" always_on "yes" command "/usr/local/bin/ncat 192.168.1.89 4444" } # audio_output_format "768000:32:2" audio_output_format "705600:32:2" audio_buffer_size "65536" buffer_before_play "50%"
多少試した結果、現状は上記の設定。
「command」の行には、PPAP back-endのipアドレスが書いてある。
最初は、apu1台でNASマウントアップサンプリング再生するよりもalsaが働かない分、負担が少ないのかと思った。聴きやすいスムーズな音が出てきたので、そんなふうに思ったのだ。しかし、再生時間が長くなってくると音切れ、ノイズが生じ始めた。こうなるとスムーズじゃない感じ。
結局、以前の設定、1台のapu2で音切れなく700kHz台の再生ができていたときと同じに戻して様子を見ている。これが安定しているのかなあ、、、
次に、back-end。
まず、tiny core pure64 11.0をSDカードに書き込む。
基本的に以前のエントリー(apu2で、Tiny CorePure64-10.1にmpd(0.20、0.21)をインストールする(その1:準備) http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191027a.htm)に書いた通りにやればいいんだけど、CorePlus-current.isoのバージョンによっては、opensshをインストールしただけじゃsshを起動できないんだね。sshd_config.origをコピー複製してsshd_configを作る操作が必要。
SDカードにOSの書き込みができたらapuに差し込む。うちではapu2d4を使っている。
起動したらsshクライアントpcからログイン。
「tce」で、alsa-tcz、alsa-modules-5.4.3-tinycore64.tcz、nmap.tczをインストール。
usbケーブルで、テスト用に使っているSMSL m100をつなぐと、すんなり認識する。
4月7日、追記。
tiny core pure64が早々に11.1にバージョンアップされて、そのせいかどうか分からないけど、上記のalsaインストールだけでは使えなくなった。
「alsa-config.tcz」もインストールしておかないと、libpcapが何とかというエラーが出て使えない(記録し忘れた)。
インストールしていたら動くようだ。
**** List of PLAYBACK Hardware Devices **** card 0: v10 [SMSL M100 v1.0], device 0: USB Audio [USB Audio] Subdevices: 0/1 Subdevice #0: subdevice #0 tc@box:~$
back-end化できるかどうかテストするために下記のコマンドを打った後、Frontのmpdで音楽を鳴らしてみる。
tc@box:~$ /usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=4096 --buffer-size=32768 -t raw -f S32_LE -r768000 -c2" Playing raw data 'stdin' : Signed 32 bit Little Endian, Rate 768000 Hz, Stereo
768kHz/32bitで再生している。
実際にはいきなり768kHzではなく、192kHzから試して、段々サンプリング周波数などを上げていった。
period-size=1024だと、聴感上ははっきりしないけど「underrun!!! (at least 895.331 ms long)」といったようなエラーが出ていた。
2048、4096との設定だと、見られなくなった、かな。
さて、sshクライアントpcを、起動しっぱなしにして放置しておくわけにもいかないだろう。
sshでログインしているターミナルのウインドウを閉じたら、PPAP再生が止まってしまう。ターミナルからコマンドを打っているので、ターミナルを閉じたらコマンドも閉じる、ということかな。
これでは不便なので、apu2の電源投入、OS起動時に自動的にコマンドを読み込むようにする。
「bootlocal.sh」に、「/usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e (以下略)」のコマンドを追記。filetool.sh -bで設定を保存。
これでOSを再起動したら、back-endとして機能する。
sudo vi /opt/bootlocal.sh /usr/local/bin/ncat -kl 4444 -e "/usr/local/bin/aplay -D plughw:0,0 -M --period-size=2048 --buffer-size=32768 -t raw -f S32_LE -r705600 -c2" filetool.sh -b sudo reboot
あれこれ試して、今はこんな感じの設定。
どうも768kHzだと音切れがある。apu2を1台で鳴らしていた時よりも音切れしやすい?
はっきりしないけど、ハード的なボトルネックがあるような気がするんだけど、気がするだけで特定できていない。
8月16日、追記。
PPAP back-Endの設定を考え直す(hwとplughw)
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200815a.htm
昨日のエントリーで、上記のコマンドの記述「-D plughw:0,0」が、フォーマットを正確に記載してあれば「-D hw:0,0」でも問題なく動くという事について書いている。音質やデータ伝送上の問題はなかったのではないかと思うのだけど、plughwとhwの差異というのはエラーの有無とかの問題を生じる可能性があると思うので、追記しておく。
22日、追記。ハードを変えたらどうなのかやってみた。
HP ProBook 650 G1を、PPAP Frontに使ってみる。
メモリは8GB DDR3L-1600。apu2c4よりも速く容量は2倍だ。
いつまでも日常使用のメインPCがcompaq 6730bなのはどうなのよと思って中古で買ったまま塩漬けになっていた機械なんだけど、こういう顛末で役に立つことに。
tiny core 64 10.1を焼いたSDカードをusbカードリーダーに刺してusbポートに繋ぐと起動できる。本当はbiosをいじれば直接SDカードからの起動も出来そうなんだけど、素人には手を出しにくい。
mpd 0.20.20をインストールした。
実はmpd 0.21も試したけど「broken pipe」とエラー表示されて使えなかった。というか、mesonでpipeを使えるようにインストールってどうやるのかね?
FrontがProBook 650 G1だと、768kHzでも難無く鳴らせる感じ。
やはり相応のメモリのスペックが必要ということだろう。
しかも、apu2c4より音色に余裕がある気がする。
こうなってくると、PCトランスポートシステムをどう組むかを考えないといけない。
音質は、、、まだ微妙。
まだ、安定した再生ができているか十分に確認できているわけでもない。
しかし、そこを差し引いても音色の色彩、表情は以前より向上している。実在感、安定感も増している。
96kHzや192kHzで聴いていた頃は、PPAP方式で大きな音質向上があった。そのときと比べたら大きな向上とは言えない。明らかに激変する!という感じじゃないのだ。
しかし、なんというか、戻れないのではないかという感触はある。
微細な表情はPPAPのほうが確かに上で、慣れてしまったら、意外に大きな差異に感じるのではないかと思える。
しかし、音質の向上というのは、どこまで行くのだろうか。限界はないのだろうか。
つい先日アップしたばかりだけど、現状のシステム構成図をアップしておく

Mar 08, 2020
オーディオ状況報告(2020.03.08.)
最近のシステム構成は下図のような感じ。

仮想アースがPCトラポに付いたのと、PCトラポ前のイーサネットハブがFX-08miniからFXG-05RPTに変わった、ぐらいかな。
LANネットワークが1000Base-Tになったので、LANノイズフィルターのDMJ-100BTは外している。
DP-5090の電源コンセントをアンプなどとは別のコンセントから取っているが、どういった事情でだったかは忘れた。
あと、ケーブルインシュレーターを電源コードの接続部に使っている。これは音が安定した。
以前に言っていたボーカルに違和感がというのは、、、PCトラポにつないだ仮想アースが、なんだか大活躍してくれてるみたいだ。
ちょっといろいろ聴いてみている段階で、即断は出来ない、、、アンプに繋いだときの効果が、いいような、悪いような、判断が難しいものだったので。
700kHz台の再生、今まで本領発揮していなかったが故の違和感だったのかもしれない?
分からない、、、どうなんだろうかだ。
Jan 07, 2020
コンデンサーと抵抗と銅板による仮想アース(1月23日、26日、2月10日、16日、22日、27日、3月1日、8日追記)
うちでは昨年から銅板を重ねて仮想アースにしている。
過去のエントリー
コンデンサーと抵抗による仮想アース
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191128a.htm
コンデンサーと抵抗による仮想アースと銅板(追記あり)
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191221a.htm
銅板仮想アースの体裁は以前のエントリーに上げたとおり。銅板を重ねてラップで包み、太めの輪ゴムを4本巻いた。3mm厚と0.8mm厚の2枚巻きが2つと、3mm厚、2mm厚、1mm厚の3枚巻きが1つ。合わせて3セットという構成だ。端にドリルで穴を開けてラグ端子を留められるようにした。3Mのナイロンねじでつなぐ。
銅の総量は、(3×3+2+1+0.8×2)×100×365=496400、といいうことで、500立方cmに少し足りない。
気が付いたら1万5千円程投資しているので、今更だけどコストパフォーマンスは良くない。
CRを使ったアースフィルターも併用しているのだけど、これについては何をどうしたら良いのかまだ様子を見ている。
ないよりはあるほうが、なんというか、何かがキマるような気がする。
使用箇所は、SM-SX100のライン出力端子、デジタル入力端子、ADI-2 DACのRCA出力端子、4425mk2のマイナス端子、と試していった。
今までのところ、SM-SX100の端子が一番良好な効果が得られるようだ。
スピーカー、DACはどうも音が良くなったという感じがしなかった。スピーカーは使う電力や電位変動に比して仮想アースが小さすぎるのかもしれない。DACは電源アダプター端子にノイズフィルターを噛ませているので仮想アースのGNDへの効果が少ないのかもしれない。
そんなわけで、前述の3セットを全て、SM-SX100のライン出力端子のGNDにCRフィルターを介して直列につないだ。
つなぎ方による音の差異までは確認していないが、1つより3つのほうが強く効いている。
セッティングについて。
銅板の仮想アースは振動に敏感だ。現在は床にインシュレーターを介して直置きにしている。ラックの棚に乗せてみたことがあったのだけど、音が篭った。床のほうが良かった。インシュレーターは現在はリプラスの水晶を使っている。昔、VRDS-25xsに使っていたものだ。3セットを重ねるのにリプラスだけでは足りなくて、一部に安価な金属製でメーカー型番は忘れてしまったようなのを併用している。
今回、まるでVRDS方式のCDトランスポートのセッティング調整をしているみたいだと思った。
VRDSだと思えば調整の目星も付くような気がする。しかしこれではノイズを除去しているのか色付けを付加しているのか判らないという面がある。
CRフィルターのほうがどう効いているのか判りにくい。部品による差異はありそうなのだけど。
音の変化についてだが、SNが向上してダイナミックレンジから微小なレベルの聞こえ方まで随分変わった。
大きく改善方向に効いているのは低域で、より深く沈み反応も速くなった。グラデーションが細やかに、つながりや分離がきれいになった気がする。高域も同様の効果が感じられて良くなっている。しかし、何だか出音のニュアンスが大きく変わったので評価し切れないでいる。
分析的に聴けば向上しているように思うのだけど、不思議なことに実際に聞こえる音声は全く「高音質」を感じさせない、非常にさりげない音色になってしまった。
所謂ケレン味がないというのか、情報量が多い!説得力がすごい!とかいう驚きを感じないというか気付かないというか、そういうことに意味があるように感じさせないというのか、印象に残るところがない、ひたすら普通な音になっている。
正直、普通すぎないかな、と思ったり。
音色に思わず引き込まれるというようなオーディオ的な快感がないというか、相対的にといえばいいのか分からないけど音楽の方に意識が向くような、いや、むしろ、音質に意識が向かないので仕方がないので音楽に意識を向けさせられる、という感じかな、そういう音だ。
癖がないといえばいいようだけど、オーディオ的に引っ掛かるものがないのだ。
音質自体は相当良くなっているように思うのに、こんな状態なので考えものだ。
漠然とこれでいいのかな?と思うばかりなので、ちょっと何かこっちの基準がおかしいのかもしれない。感覚がついて行けてない感じがある。
以前のエントリーで700kHz台のアップサンプリングの再生音について、情報量が多すぎると不気味の壁に突き当たるのではないかと書いたことがあったが、そうした違和感は今回の仮想アース使用によって消えている。ということは、あれはGNDのノイズの影響だったのだろうか。よく分からない。
それとは別に、録音の良し悪しに対する違和感はあって、しかしその違和感も単に「変な録音」と感じるだけで、以前に感じていた「録音された声自体への違和感」というのは、どうやら、なくなっているようだ。これはJPopを違和感なく聴けるようになるということで、悪くはないことなのだけど。実際、あれこれとJPop音源を鳴らしてみるんだけど、以前はなんだこれ?と思った音源が案外普通に聴けるようになっていて、驚くやら何やら複雑な気分だ。
こうした変化をどう評価したら良いのか、判断がつかない。掴みきれないので困惑している状況だ。
当面、使いながら判断していくしかない。
その後、リプラスのインシュレーターの数に合わせて3セットだった銅板巻きを2セットに巻き直した。このとき、輪ゴムを巻いていたところが黒くなっているのに気付く。どうもサビらしい。輪ゴムを巻くだけで銅って錆びるのか、、、
そういうわけで、輪ゴムを外す。重ねてラップで巻いただけになった。
しかし銅の酸化については想定してなかった。十円硬貨は錆びていても電気を通すから気にしなくていいかな?
セットを変えただけで、また音が変わる、、、
若干、重くなった?
3セットのほうが良いのか?、それとも輪ゴムが無いせいか?
音色の表情は2セットのほうがあるようだ。、、ほんとうかなあ(w。
普通すぎる音というのではなくなっている。魅力ある鳴り方になったようだ。
試行錯誤の連続で興味深いけど落ち着かない。
エントリーの最初にコストパフォーマンスは良くないと書いたが、そうでもないかもしれないと思い始めている。どうなるかなあ。
このエントリーには何かあったら適宜追記していこうと思う。
あまりにも早々に追記だ。
仮想アースを外してみたら、最初は、良くないと思ったんだけど、、、数時間で回復した。
なんか、正統にいい音が流れてくる。。。これは、落ち着いてやっていかないといけない。
23日、追記。仮想アースを外して2週間経つけど、10日間ぐらいで使用前の音に戻った気がする。
これはこれで、いい音なんだよね、、、
そもそも、仮想アースを試してみるかと思った理由は、もう少し音質が安定しないか、というのがあった。
つまり、うちのシステムは日によって音質が変わるのだ。
そして理由がはっきりしないことが多い。
そういうことが減って、日々安定して良好な音質で鳴るようにできないだろうか、と。
そこで、仮想アースでGNDが安定したら、音も安定するのではないか、などと思ったのだ。
目論見の結果は真逆だった。
仮想アースって、安定感を求めるものではなかったんですね。。。
しかし、どうなんだろう、、、
せっかく始めてみたんだし、また使ってみようか、などと思っている。どうなるかだ。
26日、追記。
まだ仮想アースの使用再開はしていない。
最近どうも音がすっきりしないと思っていた原因が判明した(そんなことばっかり言ってる気がするが)。
mpd.confの設定だ。
いつだったからかの記憶すらないんだけど、audio_buffer_sizeとbuffer_before_playの設定をコメントアウトしていた。設定しなくても音は出る。どちらがいいのか確かめる気だったような気がするんだけど、いつの間にか忘れてしまったらしい。今回、気付いて設定をし直した。
audio_buffer_size "65536"
buffer_before_play "50%"
そうしたところ、以前に聴き慣れていた本来のうちの音が出るようになったので、すごく安堵した(他に気付いていない悪化設定はないと思いたいんだけど)。これは前回追記に書いた日々の音質変動とは別で、より高音質な領域で変動するようになっている。
なんというか、仮想アースを試す前にこちらのほうが優先事項ということで、先送りになっていた。
これから試していこうと思う。
2月10日、追記。
コンデンサーと抵抗と銅板による仮想アース、銅板重ね巻き - コンデンサー+抵抗 - 銅板重ね巻きの順番に、アンプのプリ出力につないでみた。
コンデンサは1μF、抵抗は2kΩ、銅板重ね巻きは夫々3枚ずつ銅板を重ねて5mm厚程にしている。
最初は音が豊かに鳴る感じでいいかな、と思ったけど、どうも徐々に鮮度が落ちてくる。音に滲みが乗る。うちのシステムの長所だったはずの繊細な表現が塗りつぶされていく感じがする。
これは求める方向ではないと判断して、一旦、仮想アースは外す。
コンデンサーと抵抗を外して、銅板重ね巻き - 銅板重ね巻きで、アンプのプリ出力につないでみる。
滲む感じはなくなって、音にメリハリが出ながらも柔らかで聞きやすい感じで、これならいいか?と思ったのだけど、、、
徐々に、やはり繊細さが失われて見通しが悪い感じが出てくる。おおらかな感じではあるのだけど。
今のところ、上手くいってない。
そもそも、最初のとっかかりが全く根拠がない思い付きなわけで、簡単に上手くいったら不思議なくらいなのだけど。
うちのアンプについて調べるうちに、下記のようなサイトに行き当たった。
AMP修理工房 Amp Repair Studio
http://amp8.com/
http://amp8.com/tr-amp/sharp/sharp.htm
SM-SX100の修理ケースがアップされている。
アップされている修理記録に、注意書きが記載されている。
http://amp8.com/tr-amp/sharp/sm-sx100.htm
シャーシにSP出力の線(アース側も)を接続してはいけません。
左右SP出力のアース側も接続(共通にする)してもいけません。
そうだったのか。
実際、テスターで確かめてみたら、スピーカーのマイナス側は、ライン入出力やデジタル入出力のGNDとつながっていない。
調べずにあれこれやっていたら、下手なつなぎ方をして壊していたかもしれない。先に気付いてよかった。
そんな感じなので、急がずにやっていこうと思う。
2月16日、追記。
アンプでの使用が思わしくないので、apu2c4のシリアル端子のGNDに銅板重ね巻き2つを仮想アースとして繋いで様子を見ている。
こっちのほうがいいような。
陰影が深まり、虹のような色彩感と透明感を感じる音色になる。触ると壊れそうな色ガラス細工のような感触の聴こえ方だ。ボキャがないから何だそれ?だけど、そういうデリケートさを帯びた出音ができるようになってきている。これは、当初に求めていた以上の結果が得られている。
ここで気付いたんだけど、以前はusb出力にDDコンバーターとしてUSB029H2RPを使っていた。これにGND線を繋いでいたのだ。線の先に繋いでいたのはラックのスチールフレームだった。あの頃の音には若干、GNDへの作用が効いていたのかもしれない。
今の所、改善効果しか気付いていない。
しかし、apu2c4のGNDはusb出力、DACを経由してアンプのSM-SX100のGNDと導通している。徐々に仮想アースの影響がアンプにも及ぶ可能性がある。
変化を確認していこうと思う。
22日、追記。
17日の時点で、なんとなく音が膨らんでいるという感触があった。
まだ影響は大きくないが、このあと音がゆるくなっていくだろうと予想。既に16日のときのような繊細な表現ではなくなっている。
仮想アースを外すと意外にすぐにいつもの生真面目な音に戻った。
仮想アースをつなぐと、、、艶っぽい。音に華がある。
ゆるくなっていた感じは、これも意外にも、なくなっている。
ここで、PCトラポとDACをつなぐusbラインのGND線を切り離したらどうだろうというアイデアが浮かぶ。切り離せばアンプに仮想アースの影響が及ばない。問題の切り分けもしたい。
でも、どうやったらいいんだ?
というか、そんなことやってもいいんだろうか。
一口にusbのGNDラインと言っても、4ピンのGNDラインとシールドがシャーシアース(FG)とつながっているはず。
これらって、切断したとして信号の伝送は問題なくできるんだろうか?
ネット上を巡ると、切っても動作するという報告が上がっている。
DAC認識後にVCC、GNDのラインを切るという手法。しかし、あくまで自己責任だ。
じゃあGNDラインに抵抗を入れたらどう?と思って調べると、やっぱりしないほうがいいようなことらしい。
どうも簡単ではない。実際、GNDラインを切ってみたり抵抗で繋いでみたりしたけど、うちでは結局、ふつうの構造のusbケーブルのほうが余程安定していて音も安心して聴ける感触だった。
ケーブルに物理的に手を入れることができないということなら、以前使っていたUSB029H2RPでGNDを分離すればいいのではないか。
しかしなんというかな、既に仮想アースの話ではなくなっているのだけど。
以前はSW1(1)、SW2をOFF、SW1(2)をONで使っていた。今回の使い方だと接続したあとでSW1(2)をOFFにするということになるのかな。
しかし、、、SW1(2)をOFFにすると、ときどき再生音にプチっとノイズが入る。ONに戻すと安定する。
これはGND分離できないか、と思ったんだけど、一応、テスターで確認したらアンプのGNDとPCトラポのGNDは分離できているみたいだ。おかしいなあ、、、
そうこうするうちに、なんだか音に覇気がなくなってきて、ついには音が出なくなった。
ncmpcppで「paused」表示になって、mpdが止まってしまう。
usbケーブルを変えたりすると音が出ることもあるが、なにしろ安定しない。接触不良?、ケーブルの不良?、原因ははっきりしないが、USB029H2RPを外すと音は出る。USB029H2RP自体のアースをとったら安定するのかもしれないけど、今回のところはとりあえず外した。
そういうわけで最近は、音を出すときはapu2に仮想アースを繋いで、聴かないときは外すという手法で様子を見ている。
外しておけば悪影響は生じない。
鳴らす直前に繋いでも効果は得られるようだ。
しかし、その効果の評価に、正直まだ自信が持てない。
引き続き試行錯誤だ。
27日、追記。
前回の追記で付けたり外したりして、と書いたんだけど、結局、数日前から繋ぎっぱなしで様子を見ている。
というのは、現時点では想定よりも副作用が少ない感触だから。
繊細さが失われるかと思ったけど、意外にそうでもない、というか、、、
繊細なだけの表現ではなく、実在感が出てきている。
綺麗というのではなく写実的な音だ。透き通るガラス細工というより、陶器や磁器のような質感が加わり、より多彩な音色に聞こえる。
この音質を維持できたら、もう十分じゃないのかな、、、
引き続き、様子を見ていく。
3月1日、追記。
繋ぎっぱなしで様子を見ていたんだけど、だんだん音色のデリケートさが失われていく感じ。
今日は外してみた。外すと繊細さが戻ってくる。
1週間繋ぐと弊害のほうが大きくなる。難しいものだ。インシュレーターよりも突っ込んだ効果が期待できるけど、副作用もある。
聴くときにつなぐ方式に戻す。
アンプに繋いでいたときよりPCトラポに繋いだときのほうが、着脱に伴う変化、改善が早い感じなので(機器自体のGNDの大きさに依るのかな)、使い易いというのはあるけど、繋ぎっぱなしのほうが楽なんだけどね。
3月8日、追記。
PCトラポのapu2c4に銅板の仮想アースを使っている。
付けているときのほうが音がいいけど、付けっぱなしにしないように時々機を見て外している。
効果の出方が何かに似ていると感じていたんだけど、思い至ったのはクロックを追加した時の変化に似ているような気がする。以前にfireface UCXを使っていた頃、NANOCLOCKSからword clockを入力していた。変化は僅かなものだったけど、ないより良かった。そのときより仮想アースのほうが変化は大きいんだけど、隠し味的に全体が良くなる効き方がそう感じさせるのかと思う。
当面、この使い方で続けるつもり。
このエントリーへの追記も長くなってきた。このあたりまでとして何か必要があったら新規にする。
Dec 28, 2019
GNDについての考察してもわけがわからない
うちの仮想アースについて現状。
銅板は重要。コンデンサーは容量よりも品質が重要な気がする。あと、抵抗はこれから考える。
今回、仮想アースの試みの中で思ったことがあるので列挙しておく。
まず、アナログの音との類似性。
アナログレコードは、テンションが高くて太い音がする。
仮想アースでアナログの音の全てを説明できるとは思わないが、考えてみたらレコードプレーヤーはアースでプリアンプに繋がっていて、アンプから見ればレコードプレーヤーは仮想アースということになるのだ。
じゃあ、アナログプレーヤーが繋がっているアンプでデジタル音源を再生したらアナログの音になるのかと言われたら、そんなことはないのだろうけど、どうなるのかなとは思う。レコードかけっぱなしにしながら、デジタル音源からの入力でスピーカーから音を出したらどう聞こえるのだろうか。うちのシステムにアナログプレーヤーは繋がっていないので確かめられない。
昔はアナログプレーヤー以外のコンポもあれやこれやとアンプにつながっていた。カセットデッキとかチューナーとか。場合によってはフォノアンプ、イコライザー。それらは使ってなくてもつないでおくほうが良いという話を聞いたことがある。一種の仮想アースというか、GNDの拡張だ。
最近のデジタル中心のコンポはつなぐものが少ない。必然的にGNDは狭くなる。
あと、スピーカーケーブルに太いのを使うのはGNDを広げていることになる。銅板をつないでみて思ったのは音のテンションが上がることと音色が太くなる、濃厚になる感じだ。これは太いケーブルを使うときの変化に似てるとか。まあ、ケーブル交換による変化は被膜素材や構造に因るほうが大きいとは聞くことがあるけど、そもそもそういう構造等が作用しているのがスピーカーケーブルのGND線だと考えられなくはない。
GNDというのは新たなフロンティアなのかもしれない。
銅板を仮想アースとして使う際に、GNDは電子の供給源というイメージについて書いた。その一方で以前のエントリーでは、直流では電子が動くけど交流では動かないから供給はいらないという旨を書いたりもしている。
実際、波間に浮かぶカモメは流されない。波は岸辺に打ち寄せていたとしてもカモメは浮かんでいるその場で上下しているだけだ。電場の海に浮かぶ電子もそうだとしたら、電子の供給源としての仮想アースはいらないはずだし銅板の下のインシュレーターがどうだとかいう現実は生じないはずだ。
つまり、何かが足りないか間違っているかということだ。
電圧、電流、電力というのがセットになってるので、スピーカーが鳴るということは電流が流れていると思い込んでいるんだけど、実際、スピーカーにはどういうふうに電流が流れているのか。僕のイメージとしては音声信号の電圧変動に合わせて電流が+-行ったり来たり、つまり電子はミクロン単位?で揺れ動いていて、流れるような動きではないという感じ。
最近はオーディオ関連で電圧か電流かという話があるようだ。しかし電流はイメージに過ぎないという話が昔からある。そもそも電子の流れの逆だし。しかも交流電流というのは測定しにくいみたいで、電圧などを測定して計算するものらしい。実際に電子がどういう挙動をとるのか見た人はいない。
というか、電子の流れの逆が電流という理解自体が怪しいのかもしれん、と思い始めた。
スピーカーにエネルギーを伝えている実体は電圧、電位変動そのものではないのか、という考えに至る。電位の変動自体がエネルギーを運んでいる、というか、電位変動がスピーカーの磁石で物理的な運動エネルギーに変わるんだね。
そこで仮想アースは、何をしてるのだろうか。
電子の供給ではなく仮想アースに電流は流れないとしても、GNDの電位変動に何かが作用しているのは確かだと思うのだけど。
実際、GNDにはどんなふうに電流が流れているのかとも思う。大量に電流が流れたら抵抗が低いとはいえ発熱するよね。ノイズも出る。だから、あんまり流れていない、というか、たくさん流れるようには作っていないと思うのだ。しかし、あちこちでGNDを通って電流が戻ってくるとか書いている。流すならうまく流れるように作る、というのを何処かで読んだ記憶がある。たしか、なるべく短くとか。アンプを作るのにもGNDの配線というのは気を使うところらしい。つまりそれだけ影響するのだろう。しかし前述したが、GNDにつなぐコンポは多いほうがいいという話もある。矛盾するようだけど、ノイズをどの程度拾う環境なのかによって違うのかもしれない。
上にも書いたが、交流電圧でエネルギーを伝達するのであれば電子はほとんど移動しないと思われるので、GNDに流れる「電流」という概念はどのような電子の流れと相関しているのだろうか、とか思う。
電流が流れるのであれば、そこには電位差があるはずだ。
アンプの回路図をみると直流電源がGNDに落ちている。直流電源の-側からアンプの回路に電子が供給されているイメージだ。
GNDにつながっている、スピーカー、トランジスタ、真空管、コンデンサー、抵抗、、、
その先とGNDとの間に電位差があれば、電流が流れる。
その先が交流なら、GNDの電位が波打ちこそしても、電子は移動しないかもしれない。
その先が直流なら、たぶん電子が移動していくことになる。
直流電源の+側からたどっていくと色々と部品があって、その先はコンデンサーを介してGNDに落ちていたりする。そういう場合は直流は絶縁されていることになる。まあ実際、音楽の交流信号を増幅するのに直流を使うのだろうから、最後は交流になるのだろうけど、だったら電子は殆どその場で動かない。しかし電位の変動はGNDに落とされることになる。
そうなるとアンプの直流電源の-側から落ちているGNDの電子の動きはどうなんだろうとか疑問なんだけど、アンプを作る経験は少なくて詳しくない。こういうことって本とか読んでもよく分からない。寡聞にて僕の知る範囲ではあんまり書いてない気がする。そんなこと知りたいなどというニーズがそもそもないのだろうかな。
調べていくとコンデンサー絡みで、電子の流れを伴わない電流を変位電流といい電子の流れを伴う導電電流と区別されるという話があったり。変位電流は電子の流れを伴わないので導電電流が流れるときに発生する抵抗は生じないとか。別名、電束電流とも言うらしい。
どうやらやはり「電子の流れの逆が電流」という理解は不十分らしい。
考えてみたら、電子の動きは遅いので電流の速さには追いつかない、のかな?
しかし「電子の移動を伴わない電流」って、どういう概念なんだろうと思う。じゃあ電流は電圧の変動に伴う何かなのかな、というと、変位電流というのは電圧の変動とはズレることがあるらしい。コンデンサーの絡みで交流電圧の変動に対して位相のずれを生じるという。
いろいろ訳が分からない。
しかし、そういう概念が出来たおかげでマクスウェルの方程式というのが完成し、いろいろと科学技術は進歩したらしい。
日常的な感覚で捉えようとしたら無理が出てくるのが電磁場の挙動というものらしい。
ここに来てようやくそれを認識した。
元日、追記。
電気についての本を読んだりするうちに、電流とは「電荷」の移動だというのを今更知った。
そういやそういう言葉が昔あったねえ、、、
wikipediaとかにも、よく読んだら電荷の移動だとはっきり書いてある。
電子の移動を伴わなくても、電荷が移動したら電流は流れるのだ。
でもじゃあ、電荷って何よってことになったら、やはりよくわからないんだけど。
金属では電荷の移動を担うのは電子だと書いてあったりして、じゃあ電子じゃん?ということになるけど、仮想アースの中をそんな激しく電子が動いてるってことになるのかという。仮想じゃないアースに流れたら漏電だし?むしろ電子は動いてないけど電荷は電位や電場の変動に伴って動いていると思うほうが、感覚的には受け入れやすい。
こうして物理学的な理解は遠ざかるのだろうか、、、
理屈は分からなくても音質改善に尽力できるところがオーディオという趣味の懐が深いところだ。
なので、しばらくは仮想アースを調整してみようと思う。
Dec 21, 2019
コンデンサーと抵抗による仮想アースと銅板(追記あり)
本題に入る前に、リピーターハブ、FXG-05RPTについて報告しておく。
以前のエントリー、http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191023a.htm にも追記する。
現在、FX08-miniの代替で、このハブを使用継続している。
どちらがいいか明確には言えないんだけど、印象としては同等。FX08-miniは大人しく、FXG-05RPTのほうが押しが強い音が出る。
比較の条件・状況は、ともにつなぐ機器は2つで片方はPCトラポのapu2、もう片方は他のスイッチングハブを介してネットワークにつながる。空いているポートは全てlanターミネータで塞ぐ。FX08-miniはDMJ-100BTを上流下流ともに使用、FXG-05RPTは1000Base-Tなので使わない。という感じ。
いずれ、700kHz台でPPAP運用するつもりなので、FXG-05RPTを使っていくことにした。
本題に戻る。先月のエントリーで、コンデンサーと抵抗による仮想アースについて書いた。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20191128a.htm
今回は、その後の話。
こんな感じでコンデンサは1μF、抵抗は2kΩで、使い始めた直後は良いと思ったが、、、数日で副作用が出始めた。
なんとなく、音が荒っぽく聞こえる。刺々しく暴れる感じ。
外したら治るんだけど、、、
今度は音がつまらない。
つまらないって言い方はどうよ、と思うんだけど、うまく説明できない。仮想アースを使う以前の音と比べて劣化しているというのでは、ないように思うんだけど、、、
聴いていて正確な再生という感触はあるし、それなりに端正な音なんだけど、なんというんだろうか、、、仮想アース付きと比べてしまうと色彩感に欠けるのだ(今思えば、この音はアンプのウォーミングアップ前の音に近いのではないかと考えるんだけど、確認できていない)。
かといって、仮想アースを戻しても気持ち良く鳴らない。
どうしたものかな、という感じだった。
まず試みたのは、コンデンサーの容量を0.027μFに減らしてみること。
コンデンサが小さすぎると効果が感じられないと前回のエントリーでは書いていたんだけど、意外とそんなこともない。
音の荒さは減る。しかし十分な改善ではない。
どこか腑に落ちない中途半端な鳴り方をする。
抵抗値を小さくしてみたが、こちらは減らさないほうがいいのかな、、、しかし、以前に感じたとき程にはひどくない。
というか、今が悪すぎるのか?なにしろ上手く言えないが座りが悪い、違和感を感じる音だ。
もしかしたら、それなりに安定していたGNDを、仮想アースを継ぐことで引っ掻き回してしまったのかも。
これは諦めたほうがいいのかな、、とも思ったが、ちょっと他に試してみたいことがあった。
それがタイトルにもなっている銅板だ。
以前のエントリーで、GNDは電子の供給源というイメージがある。と書いた。
GNDというのは何だろうというのは昔からの疑問。
これも非科学的なイメージなんだけど、電子の供給源ということであれば、大きければ大きいプールであるほどいいのではないか、という発想。
GNDはプレーヤーからアンプ、スピーカーのケーブルまでつながっている、いうなれば金属導体で出来た電位一定の領域というイメージなんだけど、ここから必要な場所にスムーズに電子が供給されることで、スピーカーが正確に駆動されるし、アンプによる信号の増幅も正確に行われる、のではないかという。
電子が導線の中を移動するスピードは非常に遅いとも言われるんだけど、動くときに「足りない」となれば、スムーズに動かなくなるのではないか。電子がスムーズに動かないとなれば、例えばスピーカーの動作も滞るのではないか。
電子が足りないなんてことがあるのか?って?
知らないけどさ。そういうイメージなわけだ。
要するに、GNDに銅の塊をつないだらコンポの動作がより安定するんじゃないか、ということだ。これも仮想アースの一種だと言っていいだろう。
しかしコンポってシャーシアースしてるよね。つまりシャーシもGNDなわけだ。
銅の塊をつなぐと言ったって、大したことない大きさじゃ何してるやら意味がないのではないか、、、
当初は100mm角ほどの銅塊を考えたんだけど、普通に売ってない。20mm角ならあったけど小さすぎる。
銅鍋を使う?、、ちょっとかっこ悪いな。
アース棒の太いのを使えばいいんじゃないの質量もあるだろうし、と思ったら、あれって銅メッキなんだね。錆びても腐食しないで地下に電気を流すことが出来たらいいので、棒全体が銅で出来ているわけではない。芯は鋼、つまり鉄なのかな。実際に地面に打ち込むならともかく、仮想アースなので鉄で出来たものをつなぐのは避けたほうがいいのかな、、。
そんなこんなで結局、工作用の銅板が一番、入手しやすく目的にもかなうという事になった。
1mm、2mm、3mm厚の3枚を入手。大きさは、100mmx365mm。合わせて6000円足らず。意外と高価。
3種類1枚ずつにしたのは、厚さによって音の違いを比較したかったから。
でも結局、1mm1枚と重ねて6mm厚にしたのとでしか試していない。というか、1mm厚1枚で手応えがあったので、そのまま3枚重ねに直行してしまった。比較していない。
3枚重ねて6mm厚にして、ラップでぐるぐる巻きにして、太めの輪ゴムで留めている。
1mm厚の板を端から10mm程出して、電線を留めることができるようにしている。
今後、この体裁はなんとかしたいけど、どうなるかわからない。
これをどうしたかというと、こんなふうに接続した。
CR仮想アースの前か後ろかに銅板をつなぐ。簡単だ。
ちょっと信じられないが、懸案だったCR仮想アースの問題が霧散した。透明感が高くしなやかで、潤いがある音になった。
つなぐのは前と後ろ、どちらでもいいみたい(どういうことなんだ?)。
しかし、潤いがあるのはいいけど、なんというか、、、
音が誇張された感じがする。必要以上に太いような。
潤いが多い感じは、以前に使っていたCDプレーヤーVRDS-25xsの天板に御影石ウェイトを置くのにセーム革を使ったときの音に似ている気がする。
低音はくっきりしてズシンと来る感じで、ピアノの低音などはいいんだけど、今までの感覚で比較したら全体的にファットすぎる。これはどうなんだろう、、、リビングよりもクラブとかが似つかわしい傾向の音に聴こえる。全体的なリアリティは、、、良くなっているのかどうか、はっきりしない。
あんまり問題が簡単に霧散するのは、信用しすぎないほうがいいかもしれない。よく効く薬は副作用の可能性も大きい。
コンデンサーの種類も、もう少し検討する必要がある感じだ。
しかし、いいのかな、こんな感じで。
今更だけど、これって最終的にものになるのかね、という気持ちもある。
音の変化は大きく、経時的な変動もあるので、評価に時間がかかる。良いのやら悪いのやらだ。
インシュレーターなどだと回路の外から作用するけど、仮想アースは一応、回路に直接作用している。その分、不安定にさせるときの影響は大きいのではないか。このエントリーをアップする直前に、ふと思い付いて、銅板の下にインシュレーターを使ってみたら、、、また、なんだか、違うような感じ。振動を拾ってるのか、これは、、、
これは、いわゆる、泥沼というやつだ。
評価を急いではいけない。当面、焦らずに、試行錯誤を継続することになりそうだ。
早々だけど24日、追記。
泥沼かと思ったが、、、音の方が澄んできて沼ではなくなった。
余っていた音工房Zのケーブルインシュレーターを銅板の下に使用したら、潤い過多でファットな感じがすっかり改善した。輪ゴムを介して床に直置きしていたのが良くなかったらしい。
何年も前にコロ型インシュレーターとして使っていた黒檀円柱を使ってみたら更にクリアに鳴る。
しかし、若干まだ音が滲む。
コンデンサーと抵抗を外したら滲みが取れた。
でも乾きすぎかな?
端正な音ではある。制動感が素晴らしい。もともとSM-SX100が再生するドラムスとか素晴らしいと思っていたんだけど、更に磨きがかかっている。
コンデンサと抵抗を通すと音色に湿度が出る。
調整し甲斐がありそうだけど、今のままでも十分じゃない?という音。
変化を確認していきたい。
Dec 11, 2019
Lascia la spina (2021.04、2022.11 追記あり)
今回のエントリーはヘンデルの楽曲「Lascia la spina」の歌詞について書いている。
Handel - Lascia la spina cogli la rosa - Cecilia Bartoli youtube
https://youtu.be/hHrfSV4NmIc
個人的な解釈の羅列で、学究的で信頼性の高い内容とは無縁なので、予めお断りしておく。
正直、アップしたものかどうか迷ったんだけど、せっかく書いたんだし、と思ってアップしている。間違いを書いてるかもしれない。
ヘンデルの曲に「私を泣かせてください(Lascia ch'io pianga)」というのがある。
オペラ『リナルド』のなかのアリアで、youtubeでも検索したらヒットする。
ヘンデルはこの曲のメロディを3回使いまわしているという。
wikipediaから引用する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E3%82%92%E6%B3%A3%E3%81%8B%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84
このアリアのオリジナルの旋律は、ヘンデルの1705年のオペラ『アルミーラ』の第3幕にサラバンドとして使用されたのが初出である。
3年後、ヘンデルはこの旋律を再使用する。1707年のオラトリオ『時と悟りの勝利』(Il trionfo del tempo e del disinganno)(後に『時と真理の勝利』Il trionfo del tempo e della veritaの題で改作) の第2部のピアチェーレのアリアに使用したのである。このアリアは "Lascia la spina" と題されクリュザンダーの楽譜では24巻の76頁にこのアリアを見ることができる。1711年にヘンデルはまた旋律の再使用をする。それがオペラ『リナルド』第2幕でのアルミレーナのアリアである。この作品が最も成功をおさめた。
「時と真理の勝利」はNAXOSからライブ録音盤が出ていて(https://ml.naxos.jp/album/8.554440-42)僕は10数年前に入手した。たぶん、当時はまだ盛況だった岡山のタワーレコードあたりで、なんとなく3枚組CDで安いのが目に付いたので買ったような記憶がある。ロックばかりじゃなくクラシックもあれこれ聴いてみようと思っていた頃で手に取りやすかった。
さて聴いてみた音楽自体は退屈で(失礼)まいったなあと思った。3時間、延々と似たような音調で起伏が少ない室内楽?と歌が続く。意味も分からないから、なおのこと面白くない。中古屋に売ろうかなとも思ったが、これは変なレコードで、観客や演者がたてる雑音や演奏ミス?と思われる音が非常に多くて(実際、パッケージに断り書きが書いてある)、演奏が進むに連れて演者や観客達が中だるみしていく様がなんとなく聴き取れてしまう。終盤には、ああ、もうちょっとで終わる、頑張ろう!という感じで演者も盛り返していく感じがして、それにつれてか観客?も多少はしゃんとしている様子らしく、そういうのが面白く感じられて、なんとなく捨てずに来ている。
それどころか、なぜか2セット持っている。
いや、なぜかじゃなくて、たしか、それこそ中古屋で輸入盤が安く売られていたので手元の国内盤と違いがあるかどうかと思って買ったのだ。ふつう3枚組を、安いとはいえ、そんな理由では買わない。おかしいよね。
録音もいいとは言えないし、珍盤奇盤とまでは言わないが、人には薦められないマニアックな音源だ。
2022.11.14. 追記。
録音は、いいとは言えない、とは言えないのではないかと思うようになった。
環境雑音は多いし、一般的でメジャーなクラシックの優秀録音と言われるような、楽器の音像がくっきりして隙間の見通しがいい、情報量を捉えやすい音とは明らかに異なるのだけど、その場の音の雰囲気をよく捕えている。
民族音楽の現地録音のような生々しさ、不思議な熱がある。商業録音っぽくない。
こういう音は、捨て難い魅力があると思う。
というか、大げさに言うと僕は多分、こういう録音には特別席を献呈すべきだと思っている。これはそういう音源なのだ。
Lascia la spina があったからCDを手放さなかったとか書いているが、今聴くと他の曲もいい。音が良くなったからそう思うのかもしれない。
最近気がついたんだけど、僕は変な音源が好きらしい。ちゃんとしてるよりは、してないほうが面白いと思うようなのだ。水琴窟のCDを入手したんだけど、ポチャン、ポチャンいってる傍らを自動車が走っていく音がするのを家族に聴かせたりして嫌がられている。まあそれは、今回のエントリーとは関係ないのだけど。
そんな感じのオラトリオの中で、唯一、突出し浮いている曲が件の「Lascia la spina」だった。曲名は「棘を抜いて」とNAXOS国内盤では訳されている。このトラックにはちょっと問題があるんだけど、ここでは触れない。それでも、このCDを中古屋に売らなかったのは、この曲があったからというのもある。ヘンデルが3回使いまわした気持ちはわかる。
wikipediaから、歌詞を引用。
Lascia ch'io pianga のページに書いてある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lascia_ch'io_pianga
Lascia la spina, cogli la rosa; tu vai cercando il tuo dolor. Canuta brina per mano ascosa, giungera quando nol crede il cuor.
Lascia ch'io pianga より Lascia la spina のほうが、メロディと歌詞の響きが調和しているように感じる。
上記の歌詞をGoogle翻訳にかけてみた結果が下記。
ちょっと改行している。英語訳と日本語訳。
Leave the plug, pick the rose.
you go looking for your pain.
Glorious hoarfrost at hand, it will come when the heart does not believe.
プラグを残して、バラを選びます。
あなたはあなたの痛みを探しに行きます。
手元にある輝かしい霜、それは心が信じない時に来るでしょう。
ここはオーディオのブログだけどプラグはないだろうと思う。Googleにとって難しいのかな、これ。
ネット上を検索したら、いくつかこの歌に触れているサイトがある。「若さに満ちた美しい時間を、バラを摘んで過ごしなさい」という意味だという話が書いてある。
http://akihitosuzuki.hatenadiary.jp/entry/2009/05/21/112802
https://blog.goo.ne.jp/cachaca5151/e/9e416516c78d87401b4fe42a84268e75
https://www.nicovideo.jp/watch/nm18522503
https://research.piano.or.jp/series/arange/2017/03/002_1.html
リンク先のページを参考にして、つなぎ合わせて作った訳が、こんな感じかな。
棘は気にしないで、バラを摘みなさい
お前は探しているが、苦しみばかり見つけている
心からそれを信じない時は、思いがけず白い霜がやってくるだろう
NAXOSのサイトに英訳があった。
https://www.naxos.com/catalogue/item.asp?item_code=8.554440-42
https://www.naxos.com/mainsite/blurbs_reviews.asp?item_code=8.554440-42&catNum=554440&filetype=About%20this%20Recording&language=English#
というか、このページはオラトリオの筋立てと全ての歌の内容を網羅している。これはCDのブックレットに記載してある内容そのもののようだ。
歌詞が英文に翻訳されているので、話の流れや歌の内容を類推することもできる。
NAXOSによる英訳と、それをGoogleで日本語翻訳したのを以下に引用。
Leave the thorn,
Pluck the rose.
You go seeking
Your own sorrow.White hoarfrost
Stealthily
Will come to you
When the heart least expects.棘を残して
バラを摘みます。
あなたはあなた自身の悲しみを求めに行きます。白い霜
こっそり
あなたに来ます
心が最も期待しないとき。
どういう意味なんだろうね、、、
オラトリオ「時と真理の勝利」は、美(Bellezza = Beauty)、快楽(Piacere = Pleasure)、時(Tempo = Time)、悟り(Disinganno = Disillusion)というキャラクター達が、誰が一番価値があるのか競うという寓話。最後は美が悔い改めて時と悟りが優位に立つ(こんなん書いても、わけがわからんね)。
このエントリーで記載していることって、Googleの翻訳機能を駆使して調べたことだ。翻訳機能、すごいね。このCDを入手した当時はCDブックレットの英文を読み込む根気もなかったから、こういうことが全く分からなかった。実は今回、初めてオラトリオのあらすじを知った。
Lascia la spina を歌うキャラクターは「快楽」だ。
どんな場面で歌っているかというと、共にいた「美」が悔い改めて「時」と「悟り」のもとに行こうとする場面で。
最終的に快楽は、偽りを糧にしか生きられないと歌いフェイドアウトする。
つまり「Lascia la spina」はこのオラトリオ的には不道徳な歌なのだ。
終盤、悔い改めた「美」が「E mentre io getto i fior, dammi le spine.」と歌うシーンがある。訳は「And while I cast aside the flowers, give me the thorns.」「そして、私が花を脇に投げている間に棘をください」。
改心しない快楽が歌うのが「棘を避けてバラを摘みなさい」という歌で、これに対し改心した美は「花を脇に投げて棘をください」と歌うわけだ。
なるほど、オラトリオのテーマ的に、Lascia la spina は観客に聞き流されたら困る内容を含んでる曲なんだね。これが心に刺さるほど、後で美が改心して歌う内容に気付きやすいかな。
聖書にはパウロの体に刺さった棘について記載があるそうだ。コリント人への第二の手紙 12:7 「そこで、高慢にならないように、わたしの肉体に一つの棘が与えられた。それは、高慢にならないように、わたしを打つサタンの使なのである」。これが「spina」なのかどうかは、突っ込んで調べてないので分からないけど。
しかし、僕みたいに「Lascia la spina」以外は退屈、などと言う不道徳な観客は、下手したら棘を避けてバラを摘みなさいというメッセージだけ受け取って帰宅するなどという事態になるのではないか。それはヘンデルの本意なのかどうか、どうなんだろう。
2021.04.13. 追記。
書き忘れていたんだけど、このオラトリオには「Lascia la spina」が2箇所にある。
NAXOSのデータベースから参考に引用。
ヘンデル:オラトリオ「時と真理の勝利」(ユンゲ・カントライ/フランクフルト・バロック管/マルティーニ)
https://ml.naxos.jp/album/8.554440-42Disc 3
1. Part lll: Sinfonia: Andante, Da Capo.
2. Part lll: Recitative: Presso la Reggia ove ‘l Piacere risiede (Bellezza, Disinganno)
3. Part lll: Aria: Lascia la Spina (Piacere)
4. Part lll: Sarabande - Improvisation for Two Harpsichords (Almira, Hamburg 1704, HWV 1/4)
5. Part lll: Aria - Sarabande (II Trionfo del Tempo e del Disinganno, Rome 1707, HWV 46a/23), (Piacere)
(以下略)
CD3枚目の3曲目に「Lascia la Spina」があるが、これは同名異曲でメロディが全く違っていて、すごく軽薄な曲調だ。
5曲目の「Aria - Sarabande」が、このエントリーで取り上げた曲。歌詞は3曲目と同じだ。
曲だけ変えて、同じ歌詞を殆ど続けるように、同じキャラクター「快楽」が歌うのは含意があるんだろうけど、ここでは深入りしないでおく。
2023.10.08. 追記。
上記、同じ歌詞で違う曲が、ということだけど、
これは3曲目の「Lascia la Spina」が、「Il Trionfo del Tempo e della Verità (HWV 46b)」、つまり、このCDで取り上げた、ヘンデルによる1737年の改訂改題版の曲で、5曲目は「Il Trionfo del Tempo e del Disinganno (HWV 46a)」、1707年に作られた初版で使われた「Lascia la Spina」、ということだ。
初版は「時と悟りの勝利」というタイトルだった。
改訂後、「時と真理の勝利」に改題されている。
今更、初めて気付いたので、訂正する。
たぶん、1711年初演の「リナルド」の「私を泣かせてください(Lascia ch'io pianga)」が有名になってしまったので、改訂に当たって同じ曲では良くないと思って別の曲にしたのだろう。1757年には英語版が作られているのだけど、ここでは3曲目のLascia la Spina、つまり新しい方が使われている。
この曲の歌詞を調べてみて、訳の解釈は簡単ではないと知った。
Lascia la spina, cogli la rosa; tu vai cercando il tuo dolor. Canuta brina per mano ascosa, giungera quando nol crede il cuor.
歌い始めの「Lascia」。Lascia ch'io pianga は「私を泣かせてください」と訳される。英語で「Let me cry」。名曲あるよね、Let it be、Let it go、、、
つまり、力が及ばない物事について、諦めて成り行きに任せる、という意味を含む。「泣かずにいられない私を、そっとしておいてください」というニュアンスかな。つまり、Lascia la spina は、棘について成り行き任せという解釈。棘を避けるという、人の意図が含まれるより、棘を気にしないで、つまり刺さろうがどうなろうが気にしないでバラを摘め、という意味合い。
そもそも「Cogli la rosa e lascia la spina」という諺があるそうだ。「物事はまず最良のものを目標とすべきだ」という意味とネット上にはある。
この諺の前後を入れ替えて歌詞にした意図は何だろう。聞き手の注意を引きたいというのはあろうけど、多分「棘」を強調したかったんだと思う。バラを摘みたければ棘を気にしてはいけない、ということ。
2行目は、ここまでで上がっている他のサイトの訳でも解釈が別れている。
「お前は探しているが、苦しみばかり見つけている」
「あなたはあなた自身の悲しみを求めに行きます」
上の訳だと、バラを探しているけど棘ばかり掴んでいる、という意味になる。
下の訳だと、バラを掴んだときに顧みなかった傷(棘)を探しに行く、という意味合いになる。これは現代的に過ぎるかな、、、
あちこちネット上に上がっている訳を列挙してみる。
「手元にある輝かしい霜、それは心が信じない時に来るでしょう」
「心からそれを信じない時は、思いがけず白い霜がやってくるだろう」
「白い霜 こっそり あなたに来ます 心が最も期待しないとき」
文脈を汲み取って、訳していくしかないのかな。
2行目をどう解釈するかでも、文脈が違ってくる。
白い霜は年を取ることを表すらしい。mano ascosa がわかりにくい。mano は手、ascosa は隠されているという意味らしいが?
この際、全体を我流で訳してみよう。
バラを摘むときには 棘を気にしたりしない
あなたは知ろうとする 自らの痛みの意味を
見えない手が白い霜を いつしか知らぬ間に
あなたのもとに 心が何も信じられなくなったとき
実はこれは、いろいろ調べる前に考えた訳詞。
この歌を「快楽」が歌っていると気付かず、オラトリオのストーリーも知らないままに訳したら、こんな感じになった。だから、若さとか年を取ることとかオラトリオのテーマなんだけど、そういう含意への配慮もない。
だから、かなり現代的だと思う。2行目も現代的な解釈を選んでいる。
今回、いろいろ調べるうちに、それではオラトリオのストーリーと合わないと分かった。
筋立てに沿った訳にしてみよう、、、
棘には触れずに バラを摘みなさい
探しても 見つかるのは苦しみばかり
見えない手が白い霜を いつしか知らぬ間に
あなたのもとに 心が夢みることを止める頃に
2行目を筋立てに沿って「快楽」が歌うのに似つかわしい感じに。合わせて4行目の表現も変えてみた。NAXOSの訳詞で使われている「expect」は「期待する」という意味なんだけど、かなり意訳してる。
「快楽」から「美」を奪う「悟り」はDisinganno = Disillusion、訳すと「幻滅」。ひどい訳語だけど、幻想を捨てるという意味。「快楽」は偽りを糧にして生きるキャラクターなので、幻想を捨ててはいけないんだね。「目に付くバラを摘んでいればいい、探そうとしても見つかるのは苦しみばかり。気付いたら霜で凍りついて(年取って白髪になって)夢みることもなくなっている」という感じかな。
なるほど、こんな辛気臭い歌はヒットしないだろうな。
たぶんヘンデルは惜しいと思ってリナルドで使ったのだろう。
しかし時代が変わって現代となっては、独立した歌として歌われるほうが一般的になっているようで、歌詞の解釈はオラトリオの筋立てに縛られなくなっている。もともと意味不明で多様な解釈を許すようなので、むしろ昔よりも時節を選ばずに歌われやすくなっていると思う。
こういうのは時の勝利なのだろうか。
いろいろと書いたけど、果たして実際に訳詞として成立してるかどうかが分からない。
そういう意味ではエントリーにしていいものかどうか迷ったんだけど、資料のメモとしてアップすることにした。
どこかに書いておかないと、ネット上のどこに何が書いてあったか忘れてしまう。これも時の勝利なのか、、、
Nov 28, 2019
コンデンサーと抵抗による仮想アース
電流と電圧のイメージ。
電流は、電子の流れ。電子の海の中を流れる電子が電流。
直流は津波。抵抗に当たると、押し流す。
交流は波打ち際で見なれた波。電圧の上下でゆれる。抵抗に当たると波しぶきを上げて砕ける。スピーカーという抵抗はそれを音に変える。
電圧が伝わる速さは、電子の波自体よりも早い。
津波にせよ、普通の波にせよ、水自体が動くよりも早く波の圧力は伝わっていく。
水の中を波の圧力が伝わるのに比べたら、電子の海の中を電圧が伝わるのは比較にならないほど速い。光速で伝わるといわれるが、本当だろうか。
GNDのイメージは、電圧の凪。
音楽の微小電圧信号は、アンプで増幅され大きな波となり瞬時にスピーカーに届く。
スピーカーにぶつかった交流電圧の波は砕けて音となり、あとは凪となる。
そこがGND。
でも、よく見たら凪にも僅かな波立ちが見られる。あちこちから流れ込んだノイズ、スピーカー振動の余波。
コンポでは、いろんな素子が働いていて、波を先に送るのと同時にノイズが吐き出される。それを受け止めているのがGNDの海。
見た目は広くないけど、電位を一定に保つ力が、、、たぶん、直流電源から与えられている。
コンポには、ウォーミングアップで音が変わるという現象がある。
素子のひとつひとつが温まるのにつれて素性が変わることに加えて、GNDには電圧変動の漣が満ちていく。
コンポのGNDは電気的な閉鎖空間であり、所謂「アース」とは繋がっていない(つなぐことも出来るけど、継いだ先が穏やかな凪とは限らない。好条件でなければ、単に他所からの波が入ってくる新たな閉鎖空間に繋がったというに過ぎない、ということもあるだろう)。
コンポのGNDに、漣は逃げられずに溜まっていく。
ついには、漣はあまりにも重なりすぎて、凪とほとんど見分けがつかなくなる。
つまり、ノイズの海の中では、新たなノイズは目立たない。これが、ぼくのイメージするGNDのウォーミングアップ。
GNDの漣が目立たなくなったら、たぶんスピーカーの音はこなれてくる。
でも、プリアンプが扱うような微小電圧信号に気付かないレベルで影響を与える。それはアンプで増幅され、気付かないうちに音を汚す。
GNDは、穏やかな凪であるに越したことはないのだ。最近、GNDの電位変動を抑える電子機器が売られている。たぶん、効果はあるのだろう。
メモとして記事のアドレス記載。
ノイズ対策に“革命”をもたらしたアクティブアースの新モデル!テロス「QNR Mini 3.1/QNR 3.1」レビュー
https://www.phileweb.com/review/article/201807/27/3126.html
こういうイメージを考えたのは理由がある。
コンデンサと抵抗で、オカルトまがい?の仮想アースを、うちの1bitアンプに実装してみた。
いきなり、もう外せないレベルで音が変わる。
冗談じゃないよ。
人に見せられないものがまた増えた(とか言って、ここに書くわけだが、、、)。
部品箱の中で10年以上死蔵していたフィルムコンデンサと抵抗(ともにオーディオ用ではない)を、並列に継いで、片方をアンプのRCA端子のGNDに継ぐ。もう片方、あいている方には何も継がない。だから仮想アース。
こんな感じで。なんてシンプルな図だろう。

コンデンサが小さすぎると効果が感じられない。1、0.33、0.027μFを試したが、1μFに固定。
抵抗は5、100、2kΩを試す。抵抗値が小さいと、なんだか音が派手になり荒れる。2kΩに固定。
巻き線抵抗とコンクリ抵抗(訂正。なんでコンクリ抵抗とかいうかな、、、)セメント抵抗の比較だと、巻き線のほうが有機的。コンクリはコンクリート風味セメントはセメント風味の音がする。しかし、どちらの種類を使うにせよ、音色に深みが増して色彩感豊かに歌うようになった。以前より木目細かくなったように聴こえるんだけど、以前から感じていたような、空々しさ(聴覚の不気味の壁じゃないかと以前のエントリーに上げたことがある)が霧散している。
アナログディスクの音色のような感触がある。まさか、GNDを継いだ音なのかな。
ちょっと信じられない気持ちだったが、女房も、たしかに音が良くなった、という。
僕よりも確かな評価だと思う。
一応の完成形、こんな感じ。
アンプの入力端子に刺している。
DACにも刺してみたけど、ちょい聴きアンプのほうが効果がある。
これからエージングでどう変化するかを確認しないといけない。


コンデンサと抵抗がGNDのノイズを処理したのだろうと思うが、何がどう作用しているのかは全く説明できない。だから、アンテナとして機能していて変な付帯音を付けてる可能性があるのではないかとか、指摘とかされたら否定しきれないが、実際の音は、そうは思えない。
なんというか、スーパーツイーターのチャージカップルドネットワークを作るためにコンデンサをいじり始めた頃から、コンデンサには電位変動を吸収する力があると僕は「信じて」いるのだ。今回の装置、構想自体は10年以上前からあるが、どうせ効かないだろうし、もし効いたとしても説明できないし何だというんだ、とか思って放置していた。
実際に作って試してみたのは初めてで、これだけ効くのならエントリーにしておこうと思った。気が変わったということだ。
仮想アースは他にもいろんな作り方がネット上にアップされている。
これだけ違うのなら、他の方法だとどうなるのかも試してみたいという気持ちもあるんだけど、今回のは積み残していた宿題だったのでやった。他の方法を試すのは、もっと先になるだろう。
あと、アンプによって効果が違う可能性があると思っている。考えてみたら、うちのアンプはシャープの1bitで、ちょっと特殊だ。うち以外の環境でどの程度の効果があるか分からないし、効果が得られる抵抗、コンデンサーの数値が違う可能性もある。
最初に書いた、電流のイメージだけど、電子の流れは電流の逆なんだね。
つまり、GNDは電子の供給源というイメージがある。
しかしスピーカーは交流で動くので、実は電子の供給は要らない。
アンプで電圧を増幅する段で、どこからどんな風に電子が流れるのかな、とか思う。思うだけで、ちゃんと勉強して考察する余裕はないのだけど。
2021.04.15. 追記。
このエントリーをアップした後、あれこれと試みたんだけど、結局はアンプからは仮想アースは外している。副作用のほうが大きくなったのだ。
現在は、コンデンサーや抵抗は使わず、銅板をPCトランスポートに使用している。
コンデンサー等が効果がないのかどうかは十分な確認はしていない。変数が多すぎると効果の判断も難しくて、単純なやり方になっていった。
PCトラポへの仮想アースも、注意しないと副作用がある。
これらの経緯は他のエントリーで書いている。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi?-tags=GND