Aug 13, 2007
Pearl Jamが検閲された?
ちょっとセンセーショナルだけど。
AT&T、ロックコンサートのウェブキャストを検閲(cnet japan)
これに対して、Pearl Jam側は大いに憤慨した。AT&Tが楽曲を検閲したことについて、8日にブログを通じて厳しく批判している。
「今回の件は、アーティストとしてはもちろんのこと、一般市民としての立場からも、検閲およびメディアの行き過ぎた統制という大きな問題だ。通信メディアから世間に放映される内容を決める上で企業が有する権力について、多くの人々が懸念しているものの、AT&Tの対応は、まさにその核心を突いている」との声明を、Pearl Jamはサイト上で発表した。
これを受けて、AT&Tは9日、今回の事件は、すべて非常に間違った対応であったと認めるコメントを出した。コンサートを一部分でも編集削除するような意図は全くなかったとし、今回の件は、もしも汚い言葉が出てきたら、その部分にピーという音を入れてかき消す目的で、ウェブキャストを監視していたと思われる、お節介なウェブキャストのパートナー企業の仕業であると非難した。
AT&Tがブッシュ大統領批判の歌詞を「検閲」(ITmedia)
米AT&Tは8月9日、米国のロックバンド、パール・ジャムのライブコンサートをネット中継するため契約した会社が、手違いにより、米ブッシュ大統領を批判する歌詞を同バンドの公演からカットしてしまったと明らかにした。
AT&T広報のマイケル・コー氏は「歌詞はどんなことがあっても、どんな形であれ編集すべきものではなかった」と述べている。
検閲に遭った「ジョージ・ブッシュ、この世界に手を出すな」「ジョージ・ブッシュ、どこかよそに行ってくれ」という歌詞は、パール・ジャムが「Daughter」のメドレーで、ピンク・フロイドの「Another Brick in the Wall」のメロディーに合わせて歌ったものだった。
アメリカではほんの数年前に政府を批判することがタブーとされた時代があった。テロリストの疑いをかけられた罪の無い人が逮捕された。今はどうなっているのか知らないけど。
皮肉な話だけど、Pearl Jamはブッシュ批判をコンサートを見ていた観衆だけではなく、ネットニュースを読む人達にもアピールすることになったし、AT&Tは、今回のことで基本的に「検閲はしない」という方針を、逆にアピールできた(せざるを得なかった)。AT&Tとお節介なパートナー企業との契約がどうなっていたのかとかあるけど、まあ、どうでもいいか。
9日には、編集されていないバージョンをPearl Jamがサイトに掲載したということだけど。
結果的には「検閲」しようとする者がいたとしたら(お節介な企業がそうなのかな?)、全く思惑とは逆の方向に話が進んでいるわけで、健全だろうと思う。
でも音楽に入るノイズはないほうがいいのは当然。
一方、韓国ではこんな話。
影響力大のポータルサイトに法律で責任付加の動き - 韓国(マイコミジャーナル)
影響力大のポータルサイトに法律で責任付加の動き - 韓国(弁護士 落合洋司(東京弁護士会)の「日々是好日」)
マイコミジャーナルから引用。
これに対して改正案では、ポータルサイトに不法情報の流通を遮断する人材を組織させ、不法情報を発見次第、即刻遮断するよう義務付ける予定だ。またP2Pサイトでは、ユーザーが不法コンテンツを共有しないよう、技術的措置を義務化させる。
対岸の火事では済まない場合もありそう。要注意。
弁護士の落合洋司氏が怖いことを指摘している。
さらに、日本のように、捜査機関や裁判所に、サイト運営者やソフト開発者の刑事責任まで追及しようという意欲が極めて旺盛な国で、このような法的義務が導入されることになれば、それが、「作為義務」の根拠とされ、不作為の刑事責任が追及される範囲が飛躍的に拡大する、という事態になる可能性が大であると思います。「知りながら放置した」として、「インターネット浄化」の名の下に、ポータルサイト、ブログ、SNS等の運営者が、次々と摘発され、強制捜査の対象にもなる、ということが、現実のものになる日も遠くないのかもしれません。
日本では、総務省が大きな法制後の変革を考えている。
メモでリンク。
伝送インフラの規制緩和がコンテンツ振興の鍵 - 慶應大・中村伊知哉教授 (1) 今回の法整備は20世紀の宿題、スピードアップが必要、(2) 基幹放送事業者の要望・意見が最大の焦点に(マイコミジャーナル)
総務省関連でこっちもメモ。
地デジが生まれた本当の理由(読者ブログ版)(夢幻∞大のドリーミングメディア cnet japan)