Feb 16, 2025
LAN ネットワークを見直してみる 4 (18日、19日に追記)
さて、19日、追記。2回目の追記だからあとから読んでくれてもいい。
このエントリーで、Walter Tilgner録音の音源、 Waldesrauschen / Whispering Forestの1stトラック、小鳥のさえずりが何処に定位するかについて述べた。
小鳥は、最後には左右のスピーカーの真ん中上空に定位した、、と思った。
それに伴い、、だと思うのだけど、、いろんな音源の聴こえ方が変わってきた。
例えばクリュイタンスのフォーレ:レクイエム。
以前は音楽性はともかく録音はいまいちぼんやりしている、と思っていた。今は違う。臨場感、空気感に鳥肌が立つような音源になってしまった。
それだけだったら、良かったねで済むのだけど。
一方で、THe Who / Quadropheniaは、音の激しさは強まったが細やかさは押し隠された。ロックだからむしろ、これで良いのかもしれないし、これはこれで魅力的な表現なんだけど、飛翔感が減っているのだ。まあ、THe Whoは翔ばなくても良いんだけどね。
小鳥の定位を他の方法でいくつか聴いてみた。
raspberry pi + piCore + mpd + i2s DAC boardでは、右に寄る。
ノートPCにDeezer web player、またはdミュージックの視聴ページを、JBLのbluetoothイヤホンで聴いたら、右に寄る。
本当に真ん中に定位するのでいいのかな、という気持ちにもなってくる。
アナログ盤があって、その再生環境があれば確認できるのだろうけど、そうもいかない。
ノードストのチェック音源を使ってみる。そういえば以前は、比較的うちの音場はちゃんとしていると思ったのだった。
NORDOST SYSTEM SOLUTION
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PV9DPL8/
駄目である。14〜16トラック、チャフィング音の動き。15トラックがきちんと出ない。上に上がらない。
まったく人の耳というのは当てにならない。
どうも、小鳥は正中に定位するのが正しいとは、言えないのかも知れない。
WiiM mini、どうなんだ。と思ったら、なんかちょっと右寄りに聴こえるでやんの、このエントリーの図の1ぐらいの位置に聴こえる。なんだったんだ。間違えたか。
とにかく、いろいろやりなおし、やりなおしの始まりである。
ということで、本当に一段落したらまたLANについて書く。いろいろ危なっかしくていけない。
以上で、19日追記、終了。
一段落したのかと思いきや、引き続き、LANをいじっている。
現在は1図。
図4-1

見ての通り、PCトランスポートであるapu2に向かう枝とそれ以外の枝を、PR-500MIを幹にして分離した。
PCトラポ行き以外の枝は、オーディオ関係もそれ以外も一緒くたに GS108v4の8つのポートでまとめている。
前回のエントリー最後の配置も悪くはなかったんだけど、音にエコーが付いてきらびやかに鳴る傾向があった。それはそれで綺麗なんだけど、写実性は今回のような配置のほうが勝る。
というか、今回の配置のほうが、音像の定位がより正確ではないかと思う。
そう、前回エントリーでも触れたが、ネットワーク上の配置によって定位が変わる。LAN上のサーバーの配置、ハブの配置で、ステレオ音像の様相や定位する位置が変わるというのは、今回初めて気が付いた。
例えば、Walter Tilgner / Whispering Forest の1stトラック。
導入で小鳥のさえずりから入るんだけど、昔からずっと右側上方に定位していた。
今回のLANの配置だと、これが中央に寄る。
逆に、PR-500MIとapu2の間を中継するGS108v4をGS105v5に替えると、小鳥は右側上方に戻る。
どちらが正しいのかは分からない。
でも考えてみれば、CD音源のオープニングで小鳥が鳴く時に真ん中じゃなく右から聞こえるというのは、音源制作者の意図として考えにくいのではないか。普通は真ん中から聞こえるように録音するのではないか(まあ、Walter Tilgnerの音源は寄っていても不自然感はないけど)。
それにGS108v4だと、例えばトラック6の雨音が地べたに当たって聞こえるのが分かる。GS105だと、こういった表現はやや曖昧になる。他の音源でも、より微細でリアルな聴こえ方で表現する傾向はあるので、たぶんGS108v4のほうがより正確なんだろう、と推定せざるを得ない。
他のハブだったらどうなのか、試してみた。
以下、表にした。
Walter Tilgner / Whispering Forest の1stトラック冒頭の小鳥のさえずりが何処に定位するか。
mpd + libsamplerateで384kHzにアップサンプリングしている。DACはADI-2 DAC。

Deezer | NAS | |
---|---|---|
NEC QX-S608E | 9 | 7 |
GS108v4 | 2 | 1 |
Buffalo LSW3-GT-5NS | 4 | 4 |
GS105v5 | 2 | 2 |
GS105Ev2 | 9 | 4 |
none | 5 | 4 |
ハブなしも試してみた。これが今回一番、右に寄った。他の音源音像も右に寄る。
しかし、なんとなくだが、以前よりもハブによる音色の違いが目立たない気がする。接続方法が変わったからだろうか。
上記の試みの後、アップサンプリングせず44.1kHzの音源でも試したが、テスト系は以前のように有線だと音が飛ぶ。メイン系だとまともな音にならない。なんでアップサンプリングなしだと有線のPPAPで伝送できないのかは不明のままだ。
そういうわけで、テスト系だけでの試みだったが、概ねアップサンプリングした場合と同じような結果だと思った。右スピーカーの上の方に定位するようだ。
ジッターというのは時間のズレなので、DA変換に際して音自体の位相のズレとして表れてもおかしくないのかな。そうなると、音像の位置が変わることはあり得るんだろうと思う。
ちょっと検索したら、下記ブログがヒットした。引用する。
デジタルオーディオのクロックと精度について – EZなBlog
http://ezto.info/stpress/2016/09/597.html
2016年9月1日周期的なタイミングの変動(周期的なジッター)はその周波数でアナログ出力を変調しているのと同じで、ワウフラッターと似たようなものですが、アナログ機器のワウフラッターと大きく異なるのが周期が短い(変調周波数が高い部分が含まれる)ことと、どんな安物でもアナログ機器のワウフラッターよりレベルは低いので、聞こえ方としては音が揺れたり濁ったりというのではなく、広がりや奥行き感、定位感の違いとして捉えられる人が多く、特性的にはジッター量のほか位相雑音として測定可能な違いがあり、この特性と音の評価に相関が多くみられます。
なるほど、今回、音場や音像の広がりが変化して聴こえたり、小鳥や羽虫の位置が変わって聴こえたりするのは、機械由来の周期的ジッターが機械の状況の変更によって変化することが、DA変換に影響を与えているということで、説明できるということらしい。
なんともデリケートな話だ。
下記のサイトには「Periodic Jitter」として記載がある。
Jitter: Part 5 – Deterministic Jitter – earfluff and eyecandy
https://www.tonmeister.ca/wordpress/2018/08/09/jitter-part-5-deterministic-jitter/
2018/08/09
他のエントリーには、
Can you hear jitter? The simple answer to this these days is “probably not”.
と書いている。詳しい影響については記載していないかな。
いや、でもね、差異は聞こえる。
今回、環境音の音源でこういうことに気付いたが、音楽の音源でも似たようなことは起きていると考えるほうが妥当だろう。しかし、よほど意識していないと具体的な変化には気付きにくいのではないだろうか。
それにしても、デジタルだから音は変わらないなんていう話は全く現実を省みない話で、むしろ位相についてはアナログのほうが簡単に正確に再生しやすいかのもしれない。ハブが多少変わったぐらいで音像の位置が変わるような変化を引き起こすというのは、アナログでは考えにくい現象のような気がする。
それとも、アナログでも似たようなことは起きているのだろうか。
僕はアナログオーディオの経験は浅い。
例えばインターコネクトケーブルを極太から極細に換えてみるようなことでは、音は変わるだろうが、音像の定位は変わるのだろうか。変わりそうだけど、そういうこともよく知らない。
図4-2

さて、音源によっては図4-2の配置のほうが若干、音が派手でテンション高い感じで良く聴こえることがある。図4-1のほうがごく僅かにスムーズで刺激が少ない。
これはどうしたものかなと思っている。悩ましい。
いっそ、音源によって使い分けるか?
ジッターの性質によって機械を使い分けるなんて聞いたことがない。
Walter Tilgner / Whispering Forest の1stトラック冒頭の小鳥のさえずりはどう聞こえるか。
中継のハブは図4-2のとおりで、GS108v4。
Deezer | NAS |
---|---|
4 | 3 |
かなり右の方に寄る。まあ、やっぱり図4-1の配置にする。
さて、ここで思い付く。
WiiM miniで聞いたら、どうなるんだろう。
Deezerのデータを無線LANから受けて、そのまま光SPDIFにしてDACに送る。ほとんどハブを通らない。
どんな再生になるか。

小鳥は、左右スピーカーのちょうど真ん中の上高くに浮かびました。これが一番正確なんだろう。WiiM mini、侮れない。持っててよかった。
今回はここまでだ。
早々だが、18日、追記。
図4-1-2

HuMANDATA LNX-007LをProbook 450G9の枝からより上流のGS108v4とPR-500MIの間に移動させた。
これだけで、前エントリーの小鳥の定位の問題がかなり解決した。
左右スピーカーのほぼ真ん中上に定位する。
ほぼ真ん中、というのは、WiiM miniで鳴らしたときよりも音像が曖昧なのだ。くっきりしていない。あのあたりかな、という感じに聞こえる。
それにしても、こんな風に効くのか、と改めて感心した。
感心したついでに、GS108v4から出ている7本の枝に、順番にLNX-007Lを使ってみて、違いがどう出るか聴いてみた。多少の違いはあるけど、小鳥が右側に定位するのは同じだった。どの枝が主原因ということがあるわけでは無さそうだ。
幹のPR-500MIに繋がる枝に使うだけで、全体に対してかなりの対策になったようだ。
もう少し、小鳥がくっきりしないかな。
NAS音源を繋いでいるハブ、GS105の上流に付けているLNX-007Lを、下流に移動してみる。
図4-1-3

小鳥の定位がしっかりした。
WiiM miniで鳴らしたときには若干及ばない感じ。とはいえ、だいぶ改善した。
ただ、小鳥が正中に定位したからといって、他の音像の定位も正確とは限らない。注意が必要だ。そこまでは手が回らない部分もあるけど。
さてこうなると、多くのソースで聴こえ方の印象に変化が出てきた。
オーディオやっていてこういうのは面白い。
しかし、いい感じで鳴っていた音源がやや精彩を欠く感じになるのは惜しい。まあ、逆もあるのだけど。再生音がよりモニター的になる。細かいところが見えるけど、だから楽しくなるわけではない。より静謐に美しくなる。そういう音源に合っているということだろう。
また何か変化があれば書いていく。
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Caution!!!
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