Aug 01, 2017
fireface UCXについて(2017.09.05.追記あり)
最近、CD音源をリッピングしたflacを384kHzにアップサンプリングして再生している。
そうこうするうちに、上限が192kHzのfireface UCXの立ち位置が微妙なことになってきた。たしかにいい音が出るんだけど、どこか、入り込めない音がする。客観的に聴きたい時は、これ以上はない最適という感じ。しかし音楽に没入しにくいのは、良し悪しだ。
しかし考えてみたら、繋いで音が出るように簡単な設定をしただけで今まで使ってきている。
使いこなしてるとは言えないのだ。
300kHz以上での再生と比べて云々とか考えるには、少なくとも自分なりに納得できる程度まで、fireface UCXの能力を確認しておかないとまずいんじゃないかと改めて考え始めたということだ。
まずCCモードを試す。
RMEの説明はこちら。引用。
Fireface UCX クラス・コンプライアント・モード - Synthax Japan Inc
https://synthax.jp/cc.html
理論上はLinuxでも十分に動作するはずですが、検証がなされておらず、個々のディストリビューションに依存するでしょう。しかしながら、RMEではWindowsとMac OS Xの双方に最適化された専用デバイス・ドライバを用意しており、専用デバイス・ドライバを用いることで超低レイテンシーな動作を可能とし、クラス・コンプライアント・モードはWindowsとMac OS Xのどちらにも適切ではありません。
Ras pi2、piCore7、mpd、libsamplerateのusb出力をUCXで受けてみる。
結果、ちゃんと音が出た。
ただ、mpd.confは192kHzにアップサンプリングの設定だけど、96kHzで出力されている。何がどう作用してそうなっているのかは、はっきりしない。CCモードの上限が96kHzなんだろうか。
逆にアップサンプリングなしの設定にしたら、何故かちゃんと再生しない。ぶちぶち途切れる。なんだ、ちゃんと音が出ないじゃないか。
11月18日、追記。今更だけど前述のリンクの説明、iPodの項目に書いてある。最大24bit/96kHzということだ。以下引用。
Fireface UCXの機能の数々を最大24 bit/96 kHzで、かつ信号劣化が起こらないUSB経由のデジタル通信で使用することができます。
なるほど、Linuxはディストリ依存なのかな、、、
この時点で、CCモードは今はもういいかな、ということで終了(早っ!)。
本当はUCXを再起動してみるとかしないといけないんだろうけど、そのうち暇なときに試すことにする。
COAX入力に戻す。
次の懸案はクロックだ。今更感が相当あるけど、しかたがない。
今まで、効果の程ははっきりしないと言いながら、中古のRosendahl NanoclocksからWordクロックを入力して使ってきたんだけど。
改めてもう少し弄ってみようと。
うちではUCXの設定は、windows7マシンとusb接続して「Settingダイアログ」というソフトから行うようになっている。
これの「Input Status」の項目、「Word」と「SPDIF」の表示。
「Word」は外部クロック入力。「SPDIF」はRAL-24192ut1からの入力。

「SPDIF」のほうが、SyncとLockの表示が切り替わるのを繰り返している。
Syncは同期、Lockは有効だ。ちなみにNo Lockだと無効。
SyncとLockを繰り返しって、同期できたり、できなかったりということかな、、、
それでも問題なく音は出ている。
はたしてどうなんだろう、、、
今回、改めて確認していったところ、外部クロックが176.4kHzだと、Lockが出る頻度が少なくなる。
今まで192kHzの設定で使って、他の設定はあまり顧みずに来て、こんなものだろうと思ったまま気付かなかったわけだ。
マニュアルはあんまり詳しくない。多分初歩的過ぎて説明していないのだと思う。
RMEのサイトには、Lock表示には注意を、とあるんだけど、、、
引用する。
Fireface Settingsを理解する
http://audio.synthax.jp/guide/chapter3/firefacesettings/
特に、この表示が「Lock」の場合は要注意です。サンプルレートは合っているため音自体は入力されますが、ワードクロックが同期していないのでブツブツといったノイズが発生することがあります。
これはUCX導入当時に読んだには読んだんだけど、解決策が無かったし、再生音にノイズはなく音質も充分だと思ったので、まあいいか、となっていた。
ここには、SPDIF入力を使う場合は、そのクロックを使えとも書いている。
しかし、結局、なんとなくRosendahlを繋いで、今まで来たんだよね、、、
Ras piのクロックは2重で変動するという記事がある。引用する。
Volumio でジッターを無理やりなくしてみる - ほーりーさんの日記
http://horliy.seri.gr.jp/mt/horliy-blog/2015/02/volumio-1.html
BCM2835 のクロック生成回路は、単位時間内のクロックパルスのうち、いくつかの長さを短くすることで、単位時間当たりのクロック数を正確にする。という機能をもっています。
つまり、クロック幅の正確さを犠牲にすることで、周波数の正確さを獲てるわけですね。オシロでみたクロックの波形が2重になって見えるのは、その短くなったクロックを観測してしまっているため。
これが関係しているのかな。
上流のRas pi2のクロックが変動するから、RAL-24192ut1のCOAXのクロックが影響を受けるんだろうか。
記事を引用しておいて今更だけど、上記の記事はRaspberry pi B+でVolumioを使う場合の記事。
Ras pi B+はBCM2835だけど、うちで使っているのはRas pi2で、SoCは、BCM2836かBCM2837だ。クロック周りの問題の程度も違っている可能性はあるけど、pi2では改善したという話も寡聞にして聞かないし、どうなんだろうかね。
何で192kHzと176.4kHzでLockの頻度が変わるのかは分からない。
というか、これっていっそLockに固定されている方がいいのか、多少でもSyncが多い方がいいのかすら、分からない。
データ自体はマスタークロックに沿って処理されるので関係ない、で、いいのかね。
外部クロックのケーブルを外して、UCXのinternal clockに切り替えてみる。
当然、「Word」はNo Lockになる。
192kHz入力の「SPDIF」でSyncとLockを繰り返すのは変わらず。internalで176.4kHzだと、Lock表示の頻度は減らない。
どういうことだろ?
UCXのinternal clockよりもRosendahlのクロックのほうが、RAL-24192ut1に近いということ?
音はRosendahlよりinternal clockのほうが、ちょっと固いような気がする。
RAL-24192ut1のSPDIFをマスターにしてみたらどうか。
ちょっと、薄いような気がする。
なんやかんやで、Rosendahlのクロックをマスターにしたのが、まろやかに深く鳴る気がする。気がする、プラセボかな、で今まで来ているんだよね、、、
今までの記述は、Ras pi2(piCore7, mpd, libsamplerate)からのusb出力をRATOC RAL-24192ut1でDDコンバートしてCOAXでUCXに送っている場合。
i2sボードからCOAXに出力するという方法もある。
外していたhifibery Digi+を戻して使ってみる。ディストリはpiCore7で同じ。
マスタークロックはRosendahlを選ぶ。「SPDIF」はLockのままだ。Sync表示が出ない。
RAL-24192ut1経由と比べたら、ちょっと音が固いかな、、、
hifibery Digi+からのクロックをマスターにしてみる。実は今までに試してどうだったか記憶がない。
良くないクロックだという先入観があって、試してないかもしれない。
試してみたらSyncで固定した。
意外w。
でもまあ、SyncとLockを繰り返すRAL-24192ut1のクロックでもマスター指定したらSyncするんだから、意外でも何でもないか。
音は乾いた感じでそっけない。
Ras piのクロックってひどいのかな?と思う割には、そんなに悪くはないんだけど。
Ras pi B+とpi2の比較は試していないので、どれぐらい差があるのかはわからない。
マスターをinternal clockに切り替えたら、音に少し潤いが乗ってくる。Rosendahlに切り替えたら、さらに潤いが増す感じ。
プラセボだよとかブラインドで区別つかないだろうと言われたら言い返せないけど、Rosendahlを繋いでRAL-24192ut1を通した方が音がいいような気がする。
気付くか気付かないかの僅かな差だけど、何となく違う感じで、効いていると思う。
176.4kHzと192kHz、どっちが優位かの区別は付けられなかった。
もしかしたら、良質なクロックが乗ったSPDIF入力を使うほうがUCXは本領を発揮できるのかもしれない。
リクロックできるDDCを使ってはどうかということになるのかな。しかし、これだけのために新たなDDCを導入するというのも、そもそも上手くいくかどうかやってみないと分からないし、意味があるのかどうかも判然としないので躊躇する。
NAS音源同士で、Moode Audio 384kHzでi2s DACに出力した音と、piCore7 176.4kHz/192kHzでUCXに出力した音を比較してみる。
ほとんど区別がつかない。敢えて言うなら、わずかに前者の方が若干元気で、後者は大人しい。
現在、うちではプリメインアンプの上流をどうするかという課題に直面している。限られたアナログ入力を何で分け合うかという選択をしないといけない。
今まで、UCXはメモリ再生の下流を受け持ってきた。
これと、ifi nano iDSD LEのメモリ再生を比べる必要がある。
NASマウント音源だと、nano iDSD LEはi2s DACボードを越えられないと分かっている。使うならメモリ再生で、UCXと競合する。
前々回のエントリーで、nano iDSD LEをUCXと同等以上と書いたんだけど、、、
試聴。
使った音源は、Hilary Hahn の Barber & Meyer Violin Concertos、Joni Mitchell の Blue(20P2-2119)。
クロックはRosendahl。
結果。
メモリ再生で比較したら、僅かにUCXのほうが上だ。繊細な表現の部分で僅差だけどいい音が出ている。
前々回のエントリーのときは第一印象が強すぎて、聴き誤ったみたい。
ある意味、ほっとしたような残念なような。
しかし、音源やTPOによってはnano iDSD LEのほうが生きる場合もあるかも。
順位をつけてみる。
1) UCX RATOC メモリ再生 176.4kHz/192kHz
2) nano iDSD LE メモリ再生 384kHz
3) UCX RATOC NAS 176.4kHz/192kHz、 i2s DAC NAS 384kHz
4) nano iDSD LE NAS 384kHz
5) UCX i2s DDC NAS 176.4kHz/192kHz
こんな感じだろうか。
そういうことなら、現状では今までどおりUCXをメモリ再生に、i2s DACをNASマウント再生に使うということで良さそうだ。
9月5日、追記。
この一ヶ月の間に、Ras Piのケースという物をいくつか使ってみた。
NM-RP3 [ボードコンピューター「Raspberry Pi 3」用アルミシャーシ] 9800円
https://store.stereosound.co.jp/products/detail.php?product_id=2541cocoparRRaspberry pi 3B/2B/B+CNC放熱超薄いアルミニウム合金保護ケース 3589円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01LYIT7BJ/
おおざっぱに結果。 UCXに繋ぐRas pi2にはstereo soundのケース、NM-RP3を使う方が良い。 pi3用ということだがpi2でも使える。 どこか素っ気ないと思っていた音が生々しく、生命感が増している。同時に音質の向上もある。
逆に、nano iDSD LEに繋ぐPi2のほうは、NM-RP3を使うと良くない。 音の解放感が失われ、くぐもったような音になる。音質が良くなる様子もない。もしかして、装置の限界を曝け出すのかもしれない?
cocoparのケースはというと、うちで試してみた限りでは、あんまりオーディオ的なメリットはないような。 むしろ使わない方が、10mm厚MDF板にネジ止めだけのほうがいいような気がした。
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Caution!!!
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