Dec 24, 2025
Petit Susie を使ってみる
11月以降、アップサンプリングの音の課題について考えている。
44.1kHz(ロスレス)の改善に比較して、384kHzへのアップサンプリングは改善が少ない。これはもう少し何とかできないだろうか、ということだ。
うちではmpd + libsamplerate で音源のアップサンプリングを行っている。
mpdサーバーに大きい負荷をかけるのは、ノイズ、歪を増やすことになる。負荷自体は減らせないとして、ノイズをどうやって減らすか。
ふと思いついて、mpdサーバーのACアダプターを外してみた。
うちのmpdサーバーはノートPCなので、バッテリー駆動に切り替わる。
そうなると、音の方も僅かだがクリアに、清浄になる。
この手法はアップサンプリング用のサーバーでしか使えない。アップサンプリングしない方のmpdサーバーは古いので、バッテリーがへたっていて、できない。
問題は、うっかりしたらバッテリー切れでmpdサーバーが落ちることだ。もちろん音も不安定になったかな、と思ったら切れてしまう。僕のような人間には不向きだと判明した。
上流サーバー周りで取り敢えず出来るノイズ対策で、一般的なACコンセント用のノイズフィルターを使ってみた。サンワサプライのTAP-AD2Nというもので1個千円しない。
これをmpdサーバーに使う。ついでにNASにも付けてみる。
音は、劇的に変わるというのではないが、使わないよりも使うほうがいいような気がする。どうだろう。
次にアップサンプリングされた音源を、どうやって鳴らすか。
経験的には、44.1はノイズに敏感で、384はノイズに耐性があると思う。しかし、だからといってノイズが多い環境で384を使っていては、本来のポテンシャルは発揮できない。ノイズが減ったら、384の音も良くなっている。
更にノイズを減らしたら、どこまで良くなるだろうか。44.1との差異はどうなるだろうか。
まずは、PPAP Back-End、Middle-Endへの対策ということになるか。
PPAP Back-End、apu2d4に、FX-AUDIO Petit Susie Solid State をつないでみた。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DLG4JJZK
DC電源からのノイズを減らしたいということだ。
ちなみに、Petit Susieの入力プラグ(メス)は、外径 5.5mm / 内径 2.1mm、出力プラグ(オス)は外径 5.5mm / 内径 2.1mm/2.5mm両対応。
apu2の電源プラグは、外径 5.5mm / 内径 2.1mm。
Petit Susie をapu2の電源アダプターにつなぐのにサイズ変換プラグが要る。
ちなみに電源アダプターはスイッチサイエンスで売られている2千円強の一般的なものだ。
音は、より細やかで滲みが少なく、軽やかになる。そして演奏のニュアンスがより明瞭になる。
外すとやや滲む感じになるのだけど、なんというか、音に独特の湿り、艶っぽさが乗る。HiFiからやや離れるが、これはこれでいいのではないか、というような魅力がある。
しかしHiFiを目指すなら、Petit Susieがあるほうがいいと思った。
この時点では、NASの音の方がストリーミングよりも凄みがある。演奏の機微の再生が勝っている。
LMSサーバー(Daphile)は、11月半ばにWiFi接続を止めて有線LAN接続にした。
なんとか置き場は確保した。NASをつないでいるスイッチングハブにつないでいる。
ストリーミングの音は若干改善したと思う。LMSサーバー移動に伴うNASの音の変化は聴き取れない。
Middle-EndにもPetit Susieを使ってみる。
Middle-Endは44.1の経路にも噛んでいるので、これが、更に良くなる。
384も良くなっている気がするけど、いよいよ甲乙が決めにくくなる。微小な音のグラデーションは384の方に分がある。情報量はある。しかし44.1と比べて僅差だ。44.1のほうが訴求性が高いというのか、熱い音だ。384はクールで比較的穏やかに鳴る(あれ、前回エントリーの時から逆転したのかな)。
ここで、NASとストリーミングの優劣の判断が難しくなってきた。
音色の違いはあるが、これも説明しにくい。クオリティは同等だと思った。
ところが、だ。
数日、1週間、と経過するうちに、どうも旗色がおかしくなってくる。
なんだか音が重いのだ。粘りっ気があるというのか。Petit Susieを使い始めた当初に見られた美点が、感じられなくなった。べたっと空気の壁に張り付いたかのように聞こえる。
Back-EndからPetit Susieを外してみたら、音がクリアに軽くなった。以前から聞き慣れた音。
どういうことだろう、と考えるうちに、以前に仮想アースの自作を試みたときの音の変化に近いのではないかと気付いた。
http://blown-lei.net/endive/blosxom.cgi/audio_diary/20200107a.htm
以前の試みとPetit Susie共に、GNDにコンデンサーが繋がっているところが類似している。
最初は良いように思っても、時間の経過と共に改善効果が薄れてしまうところも同じだ。
というか現在、apu2に使っている銅板の仮想アースも、時間が経つと音が曇るので、時々外してやって調整している。コンデンサー付きのものより扱いやすいというだけだ。
当時の検討では、GNDの変化が時間経過と共にDACやアンプの挙動に影響するのではないかと判断した。Back-EndはUSBを通じてこれらに繋がっているのだ。
Back-Endのほうは、残念ながら当面は使用中止だ。
Middle-EndでのPetit Susie使用は継続する。
そして、暫く経って、どうもまだ何か、僅かに曇りがある。
Middle-Endも、Petit Susieを外す。曇りが取れる。これは、どうしたものかね。
ここで、Petit Susie除去に伴う44.1の音の変化を確認していないのに気付く。
まあ、仕方ない。Petit Susieを戻しても、変化の確認が出来るようになるには日数がかかる。取り敢えず外すのは確定だ。
ともあれ、こういう経緯でMiddle-End、Back-EndでのPetit Susie使用を終了した。デジタル信号伝送の下流のサーバーでは使いにくい。時間が経つと、悪影響が出てくる。それにしても、単純にDACのGNDにつながってるから影響するというのでは説明出来ない。何なのだろう。
そういうわけでせっかく入手したPetit Susieなのに、使わないでは勿体ない。上流のサーバーではどうだろうか。
mpdアップサンプリングサーバーの Probook 450 G9 にPetit Susie Solid State をつないでみる。
電源プラグは、外径 4.5mm / 内径 3.0mm。
珍しい変換ケーブルが必要なので、Amazonで頼んでも2週間ほどかかる。
つないでみて、多少は、いいのかな。
少し見通しが良くなったような気がする。ACアダプターを外した時ぐらいの効果は、あるのかな。
Daphileサーバー、Probook 430 G5 にもつないでみる。これも電源プラグは、外径 4.5mm / 内径 3.0mm。
音は、あんまり変わらんかな、どうかな、まあ、呪いとして付けておくかな、、。
さらに、NAS(hs-264、hs-210)にもつないでみる。これらは、ネット上を調べても電源プラグの情報が出て来ない。電源アダプターにも書いてない。取説は、箱を引っ張り出すのが面倒だ。
実際につないでみて、外径 5.5mm / 内径 2.1mm と確認した。これなら変換プラグはいらない。
あと、敢えて高価なものでなくてもいいかもしれんと考え、安価な方の「Petit Susie」にした。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0848W4JZF
しかし、これらは、効いてるんじゃないかな。
音色が美しい。美しいのは、もしかしたらPetit Susieのコンデンサーやコイルの性格が出ているのかもしれない。
しかしそれ以上に、音が見えやすくなった。クリアで精緻な音だ。
これはノイズが減った効果があるからだと思う。しかし、矛盾するようだが、音像が溶け合う傾向があるような気がする。音源によっては、定位の仕方が以前と違うような気がする。音場が深くなったのか。どうなんだろうかな。小鳥はちゃんと定位するから様子見だ。
問題は、日にちが経つに連れて弊害が出てくるかどうかだ。
暫く経過を見る。
ロスレス伝送用のmpdサーバー、EliteBook 820G2の電源プラグは外径 7.4mm 内径 5.0mm。手持ちの変換プラグではつなげない。 プラグが届くのにも時間がかかる。改善効果の変遷を確認した後になるかもしれない。
そうこうするうちに、音が途切れることが。
途切れるのは困る。
1週間ほど過ぎて、12月半ば、450 G9(mpdサーバー)から Petit Susie を外してみる。
音色がクリアになる。
430 G5(Daphileサーバー)からも外す。外したほうが、いいかな。
NASもなんとなく音が鈍いので外した。
どうも、やはり、時間が経つと副作用のほうが大きくなる。
ここで、Petit Susie のコンデンサーに溜まった電荷を放電させて(Petit Susie にはそういうことに使えるビスが付いている。放電させたら小さな火花が出る)、サーバーに戻すと、いいような気がする。
気がするんだが、どうなんかなあ。
どうやら、コンデンサーに溜まる電荷は、ときに放電してやらないといけないようだ。いったい何が溜まってるんだろう。
しかし、なんだな、放電したらリカバーできるんだったら、PPAP Back-Endに使うのもありなのか。
そういう思い付きのもと、Back-End に戻した。
悪くない。やはり、使ったら使ったで効果がある。
しかし、管理をどうするかな。
ゼムクリップとかで放電したら火花が出る。
なんとなく物騒だ。
あと、サーバーの置き場所によっては放電させるのが面倒だ。正直、Back-End以外はやや面倒な場所にある。
疑問なのは、サーバーに通電したままコンデンサーの放電をしても良いのかどうか。そんなことをしたら急激に電圧が変動してサーバーの動作に支障があるかもしれないし、下手したら壊れやしないかな。分からないけど、だったら電源を落としてからコンデンサー放電をしないといけないだろう。
Middle-End は再起動後にsshからコマンドを打ってやらないといけないのと、プラグ着脱が面倒な場所にある。
新しいmpdサーバーと Daphile はノートPCで、電源管理は簡単(電源プラグを抜くとバッテリー駆動に切り替わるので、オンオフは気にしなくて良い)だが、これも置き場の問題がある。
古い方のmpdサーバーはもともと不具合があって、電源を落としての再起動に際しては機体を引っ張り出してやらないといけないので結構な手間だ。
QNAPのNASのオンオフは、ウェブブラウザからアクセスしてシャットダウンしないといけない。シャットダウンにも起動にも、数分以上の時間がかかる。待たないといけない。しかしまあ、待つだけといえば待つだけで、他の手間はないんだけど。
管理上、気安くできるのは、PPAP Back-End。手軽にアクセスできる場所に設置しているし、電源のオンオフ、つまり電源プラグの着脱だけで他にすることがない。Petit Susie の給電側のプラグを抜けば、それだけでコンデンサーの電荷はapu2で消費されるので、放電したのと同じ状態になる(ほんとかなあ、、、)。
同様の手法で対応できるのは、新しいmpdサーバーと Daphile のノートPCということになる。置き場の問題があるだけだ。
ちなみに電荷が放電し切るまで、apu2は10秒ぐらい。ノートPCは1〜2分以上かかる。バッテリーを積んでるからだろうか。手作業でテスターで測ってるので正確ではない。
これら3台ぐらいなら、この手法でやれるかな、、、
で、やってみたら、実際、音が良くなるようだ。
しかし、そうしょっちゅうか定期的にか、電源プラグを外してというのもなあ、、、忘れること多そうだな。
GNDにアクティブに作用する仮想アースが製品化されている。そういうのを使えば良いんだろうか。しかし1台20万円近くするのでおいそれとは手を出しにくい。
スイッチングハブに Petit Susie を使ったら、どんな効果が得られるだろうか。
もしかしたら、サーバーに使うよりも効果があるかもしれない。そしてサーバーのときのような副作用がなければ有り難い。
うちのネットワークではNETGEARのハブをあちこちで使っている。
確認したらプラグは外径 5.5mm / 内径 2.1mm なので、Petit Susie はそのまま使える。
いくつか使ってみたら、なかなかいい感じだ。
というか、そうとういい。サーバーに使うより、いいみたい。
本当はPR-500MI(ONU)や、AtermWG1600HP3(AP)にも使ってみたかったんだけど、プラグ径が、調べても分からない。
どうもNECの製品はACアダプターのプラグが特殊仕様で汎用品が使えないのが多いらしい。
つなげないなら仕方がない。
APがつながっているNETGEARのハブに使ったら、Amazon Fire TV Stick(WiFiでつながっている)の画質が良くなったように見える。輪郭が鮮明な感じ、色合いや動きが明瞭な感じ。これはちょっと意外だったが、考えてみたらオーディオの音が変わるのだから、映像でもそういう効き方があってもおかしくない。
さて、ここまで来て、当初のアップサンプリング音源の音質がどうなるかというところから随分と離れてきている。
44.1の音の方は、どうも Middle-End の Petit Susie を外したら、384に差を付けられたようで、なんだかちょっとゆるい。そもそもmpdサーバーの方も、384は Petit Susie を使っているので有利なのだ。
ハンデがある比較では、しても意味がない。
というわけで、現在進行形な話で、まだ結論はない。まあ、焦らずやっていこうと思う。
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Caution!!!
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